目次
株式会社こどもの森は、首都圏を中心に220園以上の認可保育園・認証保育園・児童館・学童クラブなどを展開する総合保育グループです。「子育てしやすい社会に変えていく」を理念に掲げ、東京や埼玉で民間企業として早期から認可保育園の運営に乗り出し、保育の現場を支えてきました。

そんなこどもの森が何より大切にしているのが、「自分の子どもを預けたい園をつくる」という考え方です。この言葉はどのような形で現場に根付いているのか。まずは、同社の人事統括責任者の栗田さんに、理念に込められた想いを聞きました。
話を聞いた人
![]()
人事統括責任者 栗田光さん
保育士として現場経験を経て人事部へ。認可保育園の園長や新規園の立ち上げを経験し、現在は人事統括責任者として職員の採用・配属・面談を担っている。
現場で生きる“自分の子ども基準”
──こどもの森が大切にしている「自分の子どもを預けたい園をつくる」という考え方について教えてください。
栗田さん:私たちが大切にしているのは、「もし自分が保護者だったら、この園に安心して子どもを預けられるだろうか」というシンプルな視点です。
保育には一つの正解があるわけではありません。だからこそ、マニュアルに当てはめるのではなく、職員一人ひとりが目の前の子どもを見て、考え、判断できることを大事にしています。
──実際に、その理念に共感して入職される方は多いのでしょうか。
中途採用の面接を担当していると、志望理由として「この考え方に惹かれて」と話してくださる方がとても多いですね。実際、産休・育休を経て復職する際に、自社の園に子どもを預ける職員も少なくありません。
かつて産休を取得した保育士のお子さんが、当社の保育士として働いているケースもあります。親子二代で働いてくれるというのは、私たちにとって大きな誇りです。
大切なのは「その人の生活に合った働き方」を選べること

──職員が安心して働き続けられる環境づくりで、意識していることは何ですか?
「その人の生活に合った働き方を選べるかどうか」を大切にしています。保育の仕事は結婚、出産、育児、介護など、ライフステージの影響を受けやすいですよね。同じ働き方をずっと続けるのは難しいからこそ、「こう働かなければならない」という前提をできるだけ作らないようにしています。
例えば、週休3日制を取り入れたり、今年からは早番だけを担当する早番専任制度も始めました。実際に早番専任で働いている職員からは「趣味の時間が充実してうれしい」という声も聞こえてきます。
ライブに行きたいから、推し活があるから早番がいいという理由で選んでもいいんです。大事なのは、「理由を説明しないといけない雰囲気」を作らず、無理なく続けられる形を選べることです。その結果として、十数年にわたって離職率が1割を切っている園もあります。
園が増えても「保育の質」をどう保つか
──園数が増えるなかで、今後さらに大切にしていきたいことは何でしょうか。
「制度だけで質は守れない」ということです。園が増えれば、どうしても環境や雰囲気の違いは出てきますし、すべてを同じ形にそろえることが難しくなります。
だからこそより大切にしていきたいのが、「自分の子どもを預けたい園かどうか」という判断軸を、どの園、どの職員も持ち続けられているかどうかです。その軸がぶれなければ、園ごとに多少やり方が違っても保育の質は大きく外れないと考えています。

実際、東京都の福祉サービス第三者評価のデータをもとにした民間ランキングをはじめ、複数の外部評価で取り上げられています*。これは、私たちの取り組みが一定の形になっている表れだと感じています。
今後は、若手の園長や中堅層が増えていくなかで、現場同士が学び合える仕組みや、悩みを共有できる場をさらに強化していきたいですね。それが結果的に、職員の安心にも、子どもや保護者の安心にもつながっていくと思っています。
──これから仲間として迎えたいのはどのような方ですか?
自分の保育に迷ったり、悩んだりしながらも、「この子にとって何がいいんだろう」と考え続けられる人と一緒に働きたいと思っています。当社は、給料や制度だけを強みに人を集めたいとは考えていません。それ以上に、なぜ保育士になったのか、子どものために何ができるのかを大事にしています。その延長線上にあるのが、「自分の子どもを預けたい園かどうか」という視点です。
もしも働き方や将来に迷っているなら、「自分が保育士として、どんな園で、どんな仲間と働き、子どもたちとどう向き合いたいのか」を考えてみてほしいんです。その答えの一つとしてこどもの森が選択肢に入るのであれば、これほどうれしいことはありませんね。
こどもの森の求人を見る
理念は現場でどう息づいているのか
次に話を聞いたのは、まなびの森保育園西大井の園長・結束さんと、まなびの森保育園三田プチ・クレイシュで保育士として働く菊地さんです。
日々子どもたちと向き合いながら働くお二人に、理念が現場でどのように形になっているのかや、園の雰囲気について聞きました。
話を聞いた人
![]()
まなびの森保育園西大井 園長 結束由生衣さん
2004年入社。複数の認可保育園での現場経験を経て園長職に就き、現在はまなびの森保育園西大井の園長を務める。職員マネジメントや保護者対応、地域支援などを担いながら、園全体の運営と保育の質の向上に取り組んでいる。
![]()
まなびの森保育園三田プチ・クレイシュ 保育士 菊地珠礼さん
2022年入社。専門学校卒業後、まなびの森保育園三田プチ・クレイシュに配属され、現在3年目。3・4・5歳児の異年齢クラスを担当し、日々子どもたち一人ひとりと向き合っている。

──まずはお二人が働いている園の特色について教えてください。

まなびの森西大井園は穏やかな雰囲気が漂う園ですね。それは「声は手渡すもの」という考えが、職員の間に根付いているからかもしれません。子どもたちに向かって「みんな聞いてー!」と投げるというよりは、すぐそばで「ねぇねぇ」と話しかける。そのような保育を心がけているので、子どもたち一人ひとりに真摯に向き合う空気ができているなと思います。

私が働いている三田プチ・クレイシュは小規模保育園なのですが、和気あいあい元気いっぱいな雰囲気です。それに、職員同士の距離がとても近いですね。人数が少ない分、ほかの職員が大変そうにしているとすぐに気づけますし、「大丈夫?」「これやるよ」って自然に声をかけ合える雰囲気があります。
園長先生とは普段からよく話をしますね。仕事の相談だけじゃなく、プライベートの話もたくさんしますし、上司・部下と構えずにいられる空気があります。

園長と職員の距離が近いというのは、こどもの森全体の特徴かもしれませんね。ほかの園からお手伝いに来てもらったり、お手伝いに行く機会があるのですが、どの先生と働いても、以前から同じ園で働いていたかのような感覚があります。
初めて組む方でも自然と連携できるのは、子どもへの向き合い方や大切にしている考え方が共通しているからだと感じますね。
「自分の子どもを預けたい園づくり」現場ではどう感じてる?

──「自分の子どもを預けたい園をつくる」という理念について、現場ではどう感じていますか?

職員としてその考えを大切にしていますし、保護者の立場で見ても納得感があります。私は子ども2人を系列の園に預けているのですが、夫は「先生たちがしっかりコミュニケーションを取ってくれるし、子どもに対する愛情を感じる」と言っていたんです。
特別なことをしているというより、子ども一人ひとりにちゃんと向き合うことを大切にしているんです。その積み重ねが、保護者の安心につながっているんじゃないかなと感じています。
──菊地さんは、働く立場として“保護者だったら安心だな”と感じる瞬間はありますか?

私はまだ子どもはいないんですけど、結束先生のお話を聞いていて、保護者の方が感じている安心感と、私たちが現場で感じている感覚はすごく近いなと思いました。
子どもたち一人ひとりに向き合うことはもちろん、園長先生が職員一人ひとりのこともしっかり見て、考えてくれていると感じるんです。だから安心して働けますし、そうした姿勢があるからこそ保護者の安心にもつながっているんだと思います。
──園長先生が見てくれていると感じるのは、どんなときですか?

これまで乳児クラスを受け持っていたのですが、今年初めて幼児クラスの担当になりました。4歳、5歳の子どもたちとの関わりでは、ときに厳しくしなければいけない場面もあり、声かけが少しきつくなってしまって。先輩から「ちょっと怖いかもしれないよ」と言われたことがあったんです。
そのときに園長先生から、「子どもへの伝え方をきちんとフォローできていなかったのは私の責任でもあるよ」と声をかけてもらって、どうしたらよかったのかを一緒に考えてくれました。その姿勢を見たときに、もし自分が保護者だったら、「この園なら子どもを大事に見てもらえるだろうな」と感じました。
入職の決め手は園を「実際に見たこと」
──ところで菊地さんはなぜこどもの森に入職しようと思ったんですか?


専門学校時代、学校でこどもの森の就職ガイダンスがあり、そこで保育業界の現状や、就職先を選ぶ際のポイントを聞いたことがきっかけです。
その中で少しだけ会社の紹介もあって、「すごく素敵な園だな」という印象を持ちました。とくに惹かれたのが、施設や遊具がとても充実しているところです。私は体を動かすのが好きなので、「子どもたちと一緒に楽しみながら保育ができそう」と思ったんです。その後、学校の先輩の紹介でこどもの森のいくつかの園を実際に見学させていただきました。
──複数の園を見学して印象に残っていることはありますか?

会社のパンフレットで見ていた以上に、いろんな園があることに驚きました。どの園にも特徴があって、遊具や空間づくりも全然違うんです。大きな遊具がある園もあれば和室の園もあって、大人が見てもワクワクしました。



どの園でも共通していたのが、職員の方が笑顔で挨拶してくださったことと、園長先生が園の紹介を丁寧にしてくださったことです。そこに感動して「この会社で働きたいな」と思いました。
──実際に働き始めてみて、職場の印象はどう感じましたか?

想像を上回るくらいコミュニケーションが多くて、職員同士の仲がいいなと感じました。こどもの森には年に一度使える「社員旅行補助制度」があって、一人1万円の補助が出るんです。うちの園では午前中はサンリオピューロランド、午後はよみうりランドに行きました。1万円ギリギリまで使ってかなり楽しめました!
──それは楽しそう! 人間関係が良好な職場なんですね。

正直、入るまでは少し不安でした。でも、こどもの森は園の数が多いので、「もし人間関係が合わなかったとしても異動という選択肢がある」と聞いていました。
せっかく資格を取って保育士になったのに、人間関係だけで辞めてしまうのはもったいないと思っていたので、「逃げ道がある」というのは大きな安心材料でしたね。
忙しい時期を乗り切る工夫
──楽しそうな雰囲気が伝わってきますが、実際にはどんな一日を過ごしているのかも気になります。それぞれの園の流れを教えていただけますか?

出勤時間は園により異なりますが、多くの園で7時から20時ごろの範囲内で実働8時間程度となっています。

──保育園は時期によってさまざまなイベントがありますよね。そういったときに仕事を効率的に進めるための工夫はありますか?

行事は毎年ある程度決まっているので、年度のはじめに年間行事予定を共有しています。保護者向けに配布している予定表を職員用にも活用し、「準備が増える時期」や「余裕のある期間」といった先の見通しを把握できるようにしています。
発表会や行事の準備も一から作ることはしていません。衣装はほかの園と共有しているストックを活用したり、削除できる工程は省いたりしています。
最近では、発表会の壁紙をChatGPTを使って作ってくれた職員もいて、「こういうやり方があるんだね」と法人全体で共有しました。

発表会にAIを使う発想がなかったのですごいなと思いました! うちは小規模園なので、誰がどこまで進んでいるかが見えやすいのも助かっています。「ここ終わってないですよね、手伝いますよ」とか、「これはもう明日に回そう」とか、声をかけ合いながら調整しています。

本当に職員同士の助け合いですよね。うちは栄養士さんや看護師さんも行事の準備に関わってくれています。子どもたちのためにみんなでやるという感覚ですね。

──では次に、お休みについて聞かせてください。有給休暇や連休の取得はどのように調整していますか?

園長が有休を取らないとみんな取りづらいと思っているので、私は率先して取るようにしています。年間予定で「この期間は連休を取っても大丈夫」という目安も共有しているので、それを見て帰省や旅行の予定を立てる職員も多いですね。
近隣の園同士でお手伝いに入る仕組みもあるので、自園だけで抱え込まず、法人全体でバランスを取りながら休みを取れるようにしています。
子どもの「できる」より「やりたい!」を大切に
──こどもの森のホームページには、「子どもの『できるようにする』よりも、『やってみたい』という気持ちを育てることを重視している」と書かれています。実際に現場では、どんな保育をしているのでしょうか。

幼児クラスの体操の様子を2歳児さんが眺めていて、真似をして体を動かし始めたことがあったんです。それを見て、「じゃあ一緒にやってみよう」という話になって、今では2歳児さんも体操に参加しています。
小規模だとお姉さんお兄さんを見る機会が多いので、真似をして踊ったりとか、公園で一緒にかけっこをしてみたり、その気持ちを汲み取って少しずつ形にしていく感じですね。

西大井園でも、子どもたちの思いを活動にどう落とし込むかを大切にしています。遠足ひとつ取っても、どこに行くかを子どもたちと一緒に考えたり、お泊まり保育の活動内容を選択制にしたりしています。
以前は、絵本を自分たちで作って、そのストーリーの流れに沿ってお泊まり保育をしたこともありました。「こうしたい」という子どもたちの声があって、それをどう実現するかを職員が考える、その過程自体がすごく大事だと思っています。

私たちが何かを教えるというより、子ども同士の関係の中で育っていく場面をたくさん見られるのは、この仕事のおもしろさだなと感じますね。
──子どもたちの「やってみたい」を大切にする保育には、保育士自身の判断力や引き出しも必要だと思います。保育士としての成長の機会や学びの場はありますか?

こどもの森では100以上の研修が用意されているので、必要だなと思うものは受けるようにしています。とくに印象に残っているのが、「褒め方・声かけ」に関する研修です。私はもともと、子どものできていないところに目がいってしまって、「それはダメ」「今は違うよ」と注意することが多かったんです。
でも研修で、「走っている子に『走っちゃダメ』ではなく『歩こうね』と伝える、できている子を先に褒めることで周りの子も自然と真似したくなる」、という話を聞いて、声かけがガラッと変わりました。悪いところを探すのではなく、良いところに目を向けられるようになったんです。

声かけ一つで子どもの反応も、保育士自身の気持ちも変わりますよね。研修は「知識を入れる場」というより、「明日からどう変えるか」を持ち帰る場だと思っています。
本当にそうですよね。以前より子どもたちが素直に話を聞いてくれるようになった感覚もありますし、私自身も余裕を持って関われるようになったと思います。
園長先生のような先生になりたい

──結束さんは、まなびの森西大井をさらに良くしていくうえで、今後大切にしていきたいことは何ですか?

保護者の皆さんに「この先生だから安心」ではなく、「この園だから安心」と思ってもらえることです。そのためには、挨拶や子どもへの声かけなど、どの職員が対応しても同じ水準で関われることが大事だと思っています。そのうえで、それぞれの職員が持っている良さや、得意な関わり方も大切にしていきたいと考えています。
──では最後に、菊地さんはこれからどんな保育士を目指していきたいか、今の思いを教えてください。

子どもたちや保護者の皆さん、そして一緒に働く先生たちにも安心してもらえるような、そんな保育士になりたいと思っています。
私が目指しているのは、今一緒に働いている園長先生のような保育士です。子どもにも職員にも愛情があって、人のことでも涙が出るくらい感情豊かな先生なんですけど、それだけ本気で人と向き合っているんだなと感じます。
こどもの森の求人を見る
※掲載内容・所属・肩書はインタビュー時点のものです