まず、株式会社OMGについて教えてください。
株式会社OMGは、「世の中の方々の心と身体を健康にする」という理念の下、お客様に癒しと健康を提供するサービスを展開している会社です。グループ会社に治療院「げんき堂」を営む株式会社GENKIDOと介護予防事業「GENKINEXT」などを営む株式会社介護NEXTがありますが、当社は「Relax(リラックス)」を中心としたリラクゼーション業態を運営している会社です。この3社は、もともと会長の大平が1991年に群馬で開業した「おおひら接骨院」から始まっておりまして各業界を代表とする会社へ育ってきています。
当社の運営する「Relax(リラックス)」は1999年に1号店をオープンしてから、多い時で150店舗ほど全国に展開するなどリラクゼーション産業を作ってきました。近年、高齢化やお客様の健康に対する意識の高まりから、癒しだけでない具体的な未病対策や機能不全対策が求められるようになってきています。
この流れを受け当社では、鍼灸師の施術などを取り入れた「Raxia(ラクシア)」という業態を開発しました。「Raxia(ラクシア)」は現在3店舗ですがしっかりとした手応えが有り、既存の「Relax(リラックス)」店舗で新業態の方が合う店舗に関しては順に入れ替えていくなど、今後力を入れていく考えです。また、地域や住民の年齢層によってお客様の求めるサービスが異なりますので、選んでいただけるサービス作りとして他にも新業態を積極的にテストリリースしていく予定です。
高社長は最初は現場のアルバイトとして入社したとうかがいました。どのようなキャリアを歩んで来られたのか教えてください。
日本で高校を卒業してから1年ほど整骨院で働いた後、米国アイオワ州のブエナビスタ大学に進学し、アスレチックトレーニングを学びました。アイオワ州を聞いたことが無いかもしれませんが、アメリカの中央に位置する州です。敢えて日本人が少ない都会以外の大学にすることで、どっぷり集中して学ぼうという想いからでした。
大学では授業が終わった後の16時から21時くらいまで、大学のスポーツチームに携わって学ばせていただく毎日でした。卒業後はペンシルバニア州のヨーク大学に4年間勤務し、スポーツ選手のメンテナンスを行いました。
バスケ、レスリング、サッカーやフィールドホッケー、ラクロス、水泳などの選手1500人ほどを3人で看ているような職場で、チームドクターと連携を取りながら、しっかりと権限を与えられて学ぶことができたのが糧になりました。故障した選手の手術を見学する機会も月に2回ほどありました。スポーツや症例によってメンテナンスの仕方も異なっており、4年間で沢山のことを学ぶことができました。その後、引き続き大学で任期6年での勤務オファーを頂いたのですが、元々持っていた施設経営に携わりたいという想いを叶えるために日本に帰国しました。
帰国してからすぐに会長の大平に出会いました。話をする中で仕事に対する真摯さや治療や業界に対する考え方など非常に共感しまして「自分がやりたいことはここにある」と感じたわけです。そこで、自分の能力を見てもらおうということで時給850円のアルバイトとして、株式会社GENKIDOの接骨院で働き始めました。やればやるだけ評価されとても楽しく働ける環境を体験し、この会社は絶対に100年企業になるという確信を持ちました。やはりトップの魅力というのは重要で、社長が誰よりも働くという姿勢を大平から学び、従業員は休みを増やしていきつつも、私自身は今でも年間休日は10日程度としています。
従業員の教育についての独自の方針があるとうかがいました。
質の高いサービスを提供するために、最も重要視しているのが従業員の雇用と教育です。雇用とは、その従業員の人生を背負うことですので、ひとりひとりのキャリアを豊かにする将来ビジョンの実現を会社がサポートするのが良いと考え、実践しています。
ひとりひとりのキャリア、という考え方でいうと、生涯現場でセラピストとして勤務するというキャリアもあれば管理職になったり独立するというキャリアもあってよいはずです。そういう視点からよくある、「現場から管理職へ、そして独立へ」といった単一のキャリアパスではなく、分野でのキャリアアップの選択肢を用意しました。つまり、現場のセラピストや鍼灸師でも管理職と同じように給与や待遇の面でキャリアアップしていくことが可能になったのです。
従業員一人ひとりが自分の目指す方向を決めて、計画的にそれを実現するためには、各分野に長けた人から学ぶことが大切ですが、当グループには1700名以上の仲間がいますので、各分野に長けていて参考にしたいと思う人がきっと見つかると思います。
このようにひとりひとりの個性に合ったキャリアパスを用意しつつ、当社ではどこでも通用する高い基本能力をつけてもらいます。今のリラクゼーション業界においては、現場での施術スキルを充実させるのは当たり前。お客様はより高いホスピタリティを求めて店に足を運んでいます。ひとりひとりのお客様の健康の悩みに、自分ならどう対応するのかという問題に心から向き合うための人間力、コミュニケーション能力を鍛える必要があるのです。
そのためには、マニュアル化した接客を徹底するのではなく、ひとりひとりが経験を積みながらどうすればお客様の心身に寄り添えるのか模索する必要があります。社内の研修では、起きうるクレームなどに対するケーススタディやロールプレイをとおして現場での対応力を高めます。
最後にメッセージをお願いします。
現在、従業員の採用においては1次面接から私かマネージャが出来るだけ面接させて頂いています。これは、弊社の面接が選別をするというよりはこちらの想いも伝えて双方が覚悟を決められるかということを重視しているからです。やはり、従業員と雇用者の双方から、お互いに時間や行動、モチベーションをマネジメントしあうことが理想だと思うのです。
雇用者はスタッフを幸せにして、スタッフはお客様を幸せにする。この繰り返しで、より質の高いサービスを生み出していくことができると考えています。
※この記事は2015年12月時点の情報です