訪問看護「かえりえ」とは
東京都に本社を構える株式会社やさしい手は、「HAND TO HEART」の精神を掲げ、全国で医療・介護・看護ならびに福祉用具レンタルやコンサルティングなどの各事業に取り組んでいます。
訪問看護事業「かえりえ」では東日本、西日本、九州で41店舗を展開。このうち2023年3月立ち上げの「訪問看護かえりえ中津」(大分県中津市)の管理者・古江さんと、大分支部長の大吉さんに、やさしい手で働く魅力を尋ねました。


話を聞いた人
古江 佳織さん(看護師)
2023年2月入社、訪問看護かえりえ中津管理者。併設の看護小規模多機能型居宅介護かえりえ中津の看護師を兼務。看護師歴20年で病棟、外来をそれぞれ10年経験し、訪問看護へ転職した
大吉 聖子さん(エリア長・支部長)
2018年入社。鹿児島県内の訪問看護にパート看護師として入職後、訪問看護事業所管理者、鹿児島支社副支社長、大分支社長などを歴任。2023年7月より看多機第3エリア長・大分支部長を務める
病院から訪問看護の世界へ
──古江さんは訪問看護事業所「かえりえ中津」の管理者として入職されました。これまでも訪問看護師をしていたのでしょうか?

実は訪問看護は初めてです。ずっと訪問看護をやりたいという思いを持ちつつ、スキルを身につけるためにも病棟で20年看護師として働いてきました。中学生のとき同居していた祖父が訪問看護を利用していて、家で看護をして帰っていく姿の格好良さに憧れたのが原点です。
そして看護師になり病院でいろいろな科を経験してきましたが、昨年父ががんで亡くなったとき、コロナ禍の影響で本来したかった看取りができなかったんです。私の中で病院での看護に限界を感じた出来事でもあり、「今が訪問看護に行くべきときだ」と転職を決めました。
──初めての挑戦だったんですね。転職活動をして、かえりえ中津に決めた理由は何でしたか?

それまでも中津市で働いていたので、ここに訪看ができることに縁を感じたのと、全国展開している会社なので給与水準や事業実績、効率的な業務システムなど環境面も妥協しなくていいところに惹かれました。
でも一番の決め手は、面接で大吉さんに出会ったことですね。

こちらこそ! 古江さんは仕事に対する感覚が近く、多数応募をいただいた中でも即採用した一人なんですよ。
全国展開の会社なので、事業所立ち上げのときは別事業所のスタッフが一時的に入ることもあります。ですが私自身も看護師であり、立ち上げや管理者の経験から直接ノウハウを伝えられるので、かえりえ中津の看護師は現地採用しようと決めていました。
立ち上げや訪問看護を経験しているとわかるのですが、訪問看護師として働くには看護の視点だけじゃなくて売上や営業の視点、暮らし全体の観察が欠かせません。話すほどにこの人なら在宅看護の全体を見てくれるだろうというバランス感覚の良さをすごく感じましたね。

いやいや、訪問看護も管理者も初めてだったので、今仕事ができているのは大げさじゃなく大吉さんのおかげです。
看護観もそうですし、“人生の年表が同じ”だったんです。生きてきた境遇があまりにも一緒で、自分たちも子どもたちも同い年で。
面接であることを一瞬忘れそうなくらい盛り上がりましたよね?

もうこのあと飲みに行こうってくらい(笑)。
看護師の枠を超えた経験が、ここにはある
──在宅看護は、病院とは大きく異なる環境でのお仕事です。訪問看護ならではのやりがいはどんなときに感じますか?

最初は「看護をする場所が家になる」くらい漠然としたイメージでしたが、働いてみると以前は想像さえしなかった経験がたくさんできるし、利用者さん一人ひとりに深く関われる豊かさを実感しています。
訪問看護は、病院での看護よりもずっと“利用者さん主体”です。病院の業務のペースではなくその人の暮らしの中で看護をするので、どんなに忙しくても家に行くと目の前の利用者さんとしっかり向き合い、楽しんで仕事ができていますね。
急性期医療と違ってじっくり長期的に関われるからこそ、希望を聞いて計画を立てて、利用者さんと段々信頼関係ができて……元気になっていく様子をそばで見られるのがうれしいです。

そうそう、そういうところが訪問看護の醍醐味だと思っています。
私も病棟時代、重症心身障害の小児科を経験したときに「この子たちは家でどう過ごしているんだろう」と気になって在宅医療に興味を持ったんです。手術室看護師なども経験しましたが会話が少なく、自分は人としっかり関わる看護がしたいと再認識しました。
急性期を過ぎても利用者さんの暮らしは続きますし、訪問看護は看護師だけで完結する仕事ではないので、報連相を含めた関わりを大事にしたいですね。

──診察時間だけの関わりではなく、暮らしを含めたその人全体をみる看護なんですね。事業所の管理者としての仕事はどうですか?

病院にいたときは、今のような働き方をするとは思っていなかったです。事業所の立ち上げやそのバックアップをすること自体、看護だけをしていたら得られない機会ですからね。
やさしい手では事業所をひとつの「お店」として捉えていて、管理者は「店長」。古江さんも取り組んでいるように、予算を組んで事業計画を立て、売上を伸ばして、人員計画も考えます。

本当に、入社5ヶ月ですがとても濃い経験をさせてもらっています!
まず、営業して仕事がもらえないと看護が始まらない、というのが新鮮でした。営業マンの気持ちで病院を訪問したり、ケアマネジャーさんとすり合わせしたり。苦手な人にとっては大変かもしれませんが、経営の視点をもって自分たちで考えていくのが私は楽しいです。
やさしい手の訪問看護事業所は41ヶ所(2023年9月時点)ありますが、看護師で支部長に就任したのは大吉さんが初なんですよ。同じ看護師で、全国的な看護事業にも関わっている大吉さんが支えてくれるのは本当に心強いです。

訪看未経験から管理者、という挑戦は私も経験したことだったので、古江さんにも絶対できる! という気持ちで任せています。

在宅の看護だけじゃなく、管理者としても経験者だからこそのアドバイスが本当にありがたくて……今後も困ったときは相談にのってください!
土台が強いと、思いっきり頑張れる
──各事業所の管理者をサポートする組織体制ができているのは、全国展開の企業の強みですね。ほかにもやさしい手の特長だと感じることがあったら教えてください。

拠点がたくさんある会社だからこそ、得られる情報と機会が多いことだと思います。立ち上げの機会が多いのもそうですし、都心にも事業所がある分、ローカルでは得にくい最新の情報ややり方を知るチャンスも自然と増えます。
あと全国で働けるので、引っ越すことがあっても異動希望を出せば働き続けられますし、挑戦を後押ししてくれる環境であることは間違いないと思います。古江さんはどう?

私はここに来て、キャリアに対しての考えも広がりましたね。看護をするうえですごく新しい世界ですし、スキルアップ・キャリアアップの後押しもしっかりしています。
実は看護師のほかに介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格も持っているのですが、もしそちらをメインで頑張りたければ居宅介護支援事業へキャリアチェンジの希望を出すこともできます。
介護職の資格だと、介護職員初任者研修は社内で受講・取得できて、ほかにも勤務年数が介護福祉士の受験資格に達した人には会社から声をかけて受験を勧めています。

合格したら資格手当が出るし、私は出張も多いのですが必要な経費も出し惜しみしない会社ですね。医療や介護の領域は運営主体が非営利法人だったり、規模が小さかったりして経費や手当が十分に感じられないことも多い中で、事業基盤がしっかりしているのは強みだし、仕事に集中できて働きやすいですね。

──事業の幅広さ、拠点の多さが選択肢の多さにつながっているんですね。労働環境の面での働きやすさはどう感じていますか?

出張もあり中津のほかにも複数の事業所を担当しているので忙しくはしていますが、バランスはしっかりとれていますよ。管理職は基本的に土日祝日休みで、本社の会議が入るなんてこともありません。
年間休日は124日なので月10〜11日、週末と平日どこか1日は休めます。訪看はもちろん緊急対応もありますが、その分お給料が出ますし古江さんたち管理者がしっかり調整してくれるので振替休日も確保できますね。

はい、もちろんです(笑)!管理者は覚えないといけないことが多くて休日も仕事のことばかり考えていましたが、最近では慣れて休日は思いっきり休んで、楽しくお酒を飲んだりしています。
看護師として当然オンコールは覚悟して入りましたが、今のところ夜中の緊急呼び出しはないですね。大吉さんに「昼間の訪問が充実できていると、利用者さんの不安が減って結果的にオンコールも減ってくるよ」と教えてもらって目からウロコで。

自分の学びは出し惜しみせずに伝えますよ。試行錯誤に時間を使わないで済みますからね。
──盤石な協力体制ですね! 最後に、これからへの思いを聞かせてください。

在宅医療では必ず看取りの場面が訪れます。私は訪問看護を始めて、目標のひとつだった「悔いのない看取りをすること」ができたと思っていて、本当に素敵な関わり、何物にも代えがたい経験だと日々感じています。
これからは“中津のナイチンゲール”を目指して訪問看護を多くの人に使ってもらえるように、看護も情報発信ももっと力を入れていきたいです。

私は「大吉さんが見ている訪看は皆仲がいいね」と言われるようになるのが目標ですね。
訪問看護は、看護師だけじゃどうにもならない。看護師がそのことを理解していないと多職種連携はうまくいきません。多職種が集まる職場だからこそ、報連相を大事にして、しっかり目を見て返事をしてくれる人を採用していますし、ぜひそんな看護師さんに来てほしいですね。
そして古江さん、大きい目標があるんですよね?

中津の訪問看護師として、「情熱大陸」に出ることです!
▼求職者の方へのメッセージ
人事部からのメッセージ
株式会社やさしい手は2023年で30周年を迎えました。ご自身のスキルアップをしながら、管理職などのキャリアアップも目指せる会社です。
訪問看護に加え、訪問介護、通所介護、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所、サービス付き高齢者向け住宅、レストラン事業など、全国で400拠点を超える事業展開をしています。
これからも各地域のお客さまの在宅生活を支えていくため、一緒に頑張っていただける仲間を募集しています。
数字で見る「やさしい手」
