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“髪を切る”だけではない理美容師のお仕事
多くの人が「美容師の職場=美容院」「理容師の職場=理容室」と考えがちですが、キャリアの選択肢はそれ以外にも広がっています。
美容師や理容師の仕事の本質は、人の容姿を美しくしたり、整えたりすること。その手段はシェービングやスキンケア、眉やまつげのデザインなど多岐にわたり、どのようなお客さまに向き合い、どんな施術をおこなうのか、就職先や職場によって働き方や活躍の場は大きく変わります。

大阪に本社を置くピアスグループは、アイブロウトリートメント、まつげエクステンション、シェービングなどをおこなうビューティサロンを数多く展開しています。
今回、複数の専門美容ブランドを1フロアに集めた複合サロン「ビューティギャラリー」で美容師免許を活かして働くふたりに、仕事内容やその魅力について話を伺いました。

先輩の後押しでピアスグループへ
話を聞いた人
ビューティギャラリー大丸神戸店 アナスタシア ミアレ
チーフ 西林真彩さん
4年制大学で美容を学び、2018年4月に新卒でピアスグループにアテンダントスタッフ*として入社。眉専門ブランド アナスタシア ミアレ配属となる。アイブロウスペシャリストとして経験を積んだあと、アシスタントチーフを経て2023年に現職。現在は施術に加え、店舗の運営や新人教育にも注力している。
──西林さんは新卒でピアスグループに入社されたんですね。どうしてこの会社を選んだのでしょうか?

西林さん:大学で美容を学んでいたとき、1学年上の先輩がピアスグループに就職してアテンダントスタッフとして働いていたんです。その先輩が「お客さまをキレイにして喜んでもらえるやりがいのある仕事だよ」と話してくれて、会社に興味を持ちました。
就職活動をしているときも先輩から「美容が好きならピアスグループがおすすめ!」と背中を押してもらって、第一志望にしました。学校推薦ももらえたので安心して挑戦できましたね。
──信頼できる人の勧めがあると安心ですね。アナスタシア ミアレは眉専門サロンですが、眉の施術は大学で学んだのでしょうか?
いえ、眉やまつげの技術は入社してから学びました。在学中はヘアメイクについては学びましたが、アイブロウはほとんど触れていなくて。ピアスグループではすごく密度の濃い研修で美容技術が学べるので、それもこの会社を選んだ理由の一つですね。
──入社後にしっかりと学べるんですね! では、どのような研修を経てひとりで施術できるようになったんですか?
最初の1ヶ月はフロント研修でした。お客さまのご案内や電話対応など、接客の基礎を店舗で実践的に学びました。ピアスグループではまず「お客さま対応をきちんとできるようになる」ことを大事にしているので、この研修でしっかりと身につけました。
その後は1ヶ月間の技術研修があって、本社近くの研修施設で骨格に合わせた眉のデザイン技術や、フェイスバランスの理論を学びました。それを終えたらお店に配属されるのですが、すぐにお客さまを担当するのではなく、モニターの方を施術して経験を積み、社内チェックをクリアしたあとで本格的に施術を始めました。
──とても丁寧に学ぶんですね。今は一日に何名のお客さまを担当していますか?
一日あたり9〜10名を担当しています。一人ひとりの施術内容が異なるので、時間をうまく調整しながら進めています。
柔軟なシフトで長期休暇も取得可能
──西林さんが勤めるアナスタシア ミアレ大丸神戸店は何名のスタッフが働いていますか?
私を含めて4人ですが、そのうち1人は現在産休中なので、店舗に立つのは3人です。つい最近中途で新しく入った方がいて、いま一生懸命技術を学んでいるところです。その方は私より年上で経験も豊富なので、とても期待しています。
──3人でシフトを調整しているんですね。休みの予定はどのくらい前に調整するんですか?
アナスタシア ミアレでは、お客さまの予約が2ヶ月前から可能なので、私たちのシフトは3ヶ月前には決めるようにしています。ただ、急な用事ができたときは柔軟に対応して、なるべく一人体制にならないようみんなで調整しています。
あと、土日に予約が集中するので、できる限り土日は出勤しようとメンバー同士で話し合っています。そこはチームワークで乗り越えています。
──やむを得ず、ひとりで店頭に立つこともあるんですか?
たまにありますね。ピアスグループには「連続5日休暇取得制度」があって、毎年5連休を取れるんです。そういうときはどうしても一人体制になる日もあります。
そのため、長期休暇を取るときは早めに申請してもらって、できる限りスムーズに回るように調整しています。

お客さまの喜びがモチベーションにつながる

──チーフとして、普段どんなことを心がけていますか?
管理職ですので、施術も接客もメンバーの見本となれるように意識しています。それと、お客さまに楽しい時間を過ごしていただくために、どんなお話をしたらいいか、普段からいろんな情報を集めるようにしています。
お客さまの年齢層は10代から90代の方まで本当に幅広いんですよ。小学生のお客さまもいらっしゃいます。また、男性の方もいらっしゃるので、最低限の時事ニュースもチェックするようにしていますね。
──小学生のお客さまもいらっしゃるんですか?
ええ、常連のお客さまのお子さまなので、発表会などのイベントごとの前に「娘をキレイにしてあげたい」と一緒に来られることがあるんです。
──素敵ですね! では、西林さんがこの仕事で好きなところや、達成感を感じるのはどんな瞬間ですか?
お客さまの眉のお悩みを施術で解消して、「ありがとう!」と喜んでもらえる瞬間が本当にうれしいです。中には少し難しい施術を必要とされるお客さまもいらっしゃいますが、相談しながら理想の形に仕上げられたときの笑顔を見ると、「この仕事を選んで本当によかった」と心から思います。
──ピアスグループのアテンダントスタッフはどのような人が向いていると思いますか?
やはり接客業が好きな方が向いていると思います。お話好きなお客さまが多いので、施術だけではなく、コミュニケーションを楽しみながら働ける方にはピッタリな職場です。
あと、私たちの仕事は美容師免許が必要で、それを活かせる分野ですし、美容が好きなら美容師を続けるか迷っている方や、いったん美容の仕事から離れたけど「またチャレンジしてみたい」と考えている方にもおすすめです。きっとやりがいを感じられると思いますよ。
美容師免許を新たな形で活かす道
話を聞いた人
ビューティギャラリー横浜高島屋 ケサランパサラン
アテンダントスタッフ 澤谷佳菜さん
2024年2月、ピアスグループに中途入社。ドライヘッドスパ、アロママッサージをはじめとしたエステ全般を13年経験したあと個人サロンを経営。キャリアの再構築を目指し、ピアスグループのアテンダントスタッフへと転職し、アイラッシュデザイニングをおこなうケサランパサランに配属。
──澤谷さんは以前、ご自身でサロンを経営をされていたんですよね。なぜピアスグループへの転職を決意されたのでしょうか?

澤谷さん:いくつか理由があるんですが、ひとつは運営母体との契約内容に変更があり、これまでのような収益が見込めなくなったことです。このままでは生活が安定しないと感じ、一度経営を手放して就職する道を選びました。
その際、美容師免許を活かせる仕事に就きたいと思っていたところ、Instagramでピアスグループの求人広告を見かけたんです。調べてみると、知っているブランドもあり、自分のこれまでの経験を活かしつつ新しい技術を学べる環境だと感じて応募しました。
──経営されていたときはまつげエクステの施術はおこなっていましたか?
常連のお客さま数名にモデルをお願いして練習をさせていただいた程度で、正式なメニューとして提供してはいませんでした。1Dayのスクールで施術方法を学んだのですが、練習相手がウィッグでしたので、実際に人に施術をするのとは感覚が違っていました。
ですので、入社当時はまだ技術的にも知識的にもトレーニング段階で、改めて学び直す必要がありました。
──ピアスグループに入ってから技術を身につけたんですね。それでは、入社後の研修についてお聞きします。
中途入社の場合は入社タイミングによって異なるようですが、私はまず2週間のフロント研修からスタートしました。この期間で電話対応やお会計など、お客さまを迎える準備の基本を学びました。
次に1週間のオンライン研修で接客や美容理論をじっくり学びました。その後もう一度、数日間のフロント研修を経て、銀座オフィスで10日間、まつげや眉の技術研修を受けました。
技術研修が終わったあとも店舗でモニターの方やウィッグを使って練習を続け、社内の技術チェックに合格してからようやくお客さまの施術を担当する流れでした。
──実際にケサランパサランで施術を担当されて、どんな感想をお持ちですか?
お客さまによって目の形もまつげの形も本当にさまざまなので、応用力が求められる仕事だと実感しました。例えば、まつげの毛流れに癖があったり、隙間が空いていたりする場合、それをどのように補って美しく仕上げるかを常に考えなければいけません。
また、お客さまの「こうしてほしい」というご要望をかなえるには、技術だけでなく観察力も大事だと感じます。
経営者からの転職で手に入れた自分時間
──経営者から一従業員として働くようになって、最も違いを感じたことは何ですか?
そうですね……働く環境が整っていることですね。以前は自分が全てを管理していたので休憩時間が取れなかったり、業務が長引いて予定どおりに終われなかったりすることもありました。「美容の仕事だから仕方ない」と思っていましたが、ここでは違いました。
ピアスグループでは1時間半の休憩を取るよう会社から促されますし、予約できるお客さまの人数が決められているので、無理のないスケジュールで業務に集中できます。ですので、基本的に残業もありません。
もし業務が長引いて休憩が取れない場合でも、その時間を調整して別日に早く帰れますし、残業代としてお給料に反映される仕組みがあるのもありがたいですね。
──そうした環境の変化で、プライベートにも変化はありましたか?
ええ、大きく変わりましたね。以前は、丸一日休むことがほとんどなくて、常に仕事に追われている感覚がありました。お店を一日営業する日もあれば、午前中だけ営業して、午後は接客業をしているお客さまのお店に顔を出すなど、“見えない仕事”をこなしていました。
今はそのような時間がなくなり、仕事とプライベートをきちんと分けられるようになりました。休むことで気持ちに余裕ができますし、仕事により集中できるようになったと感じます。
休みといえば、ピアスグループはライフスタイルに合わせて年間休日を2種類から選べることに驚きました。

しっかり働きたい人は年間休日96日を選び、家庭やプライベートな時間を重視したい人は117日を選んでいるようです。ライフステージの変化に応じておよそ3ヶ月前に申請すれば変更が可能という点も、働く側としては安心感がありますね。
サロンでの時間を心から楽しんでいただきたい

──仕事をするうえで、普段から意識していることはありますか?
お客さまに合わせた接遇を大切にしています。中には高いホスピタリティを求められるお客さまもいらっしゃいますので、技術だけでなく、サロンでの時間を心からご満足いただけるよう意識しています。
あとは、誰に対しても、どんな状況にも柔軟に対応できる姿勢を持つようにしています。今の店舗では私が一番年上ですが、社歴は最も浅いんです。だからこそ、年齢や経験にとらわれず、先輩から学ぶ姿勢を忘れないようにしていますし、逆に私のこれまでの経験がチームの助けになればと思っています。職場全体がスムーズに動くよう、潤滑油のような存在になれたらうれしいです。
──では、澤谷さんがこの仕事でとくに好きなところは?
お客さまが鏡を見た瞬間の幸せな表情ですね。その姿を見るのがとてもうれしいですし、「もっと技術を磨こう」「次も喜んでいただけるように頑張ろう」とやる気が湧いてきます。
──最後に、ピアスグループに興味を持った人に一言メッセージをいただけますか?
眉やまつげの施術は繊細なスキルが求められますが、入社後の研修が充実しているので、美容師免許があれば未経験でも挑戦できます。
また、ビューティギャラリーには、眉、まつげ、シェービングなど、それぞれの分野に特化したスタッフが集まっています。ほかのスタッフと交流することで刺激を受けることも多く、横のつながりができるのも魅力です。
ブランド間の異動もできるので、美容技術を幅広く学びたい方にもうってつけの環境です。美容が好きで、新しいことに挑戦したい方にはぜひおすすめの職場です。