
復職支援制度でスキルのリハビリを
医療・福祉専門職の人材不足が深刻な問題になっている現代社会において、現場経験を持ちながら職を離れている方に復帰・活躍してもらうことは医療福祉業界の切なる願いです。
必要なスキルや制度が新しくなる業界において、ブランクを抱える求職者は「長く職場を離れていて、復職した際に通用するのか」と心配し、復帰をためらう方もいるようです。しかしながら、現在はブランクのある人を対象に「復職支援制度」を設ける事業所が増えてきています。
内容としては、現場で必要なスキルの支援として、実際の医療機器を使って実践的な研修を行う事業所が多いようです。ブランクを不安に感じる人は、求人情報に「復職支援あり」「職場復帰支援制度」などの記載があるところや同様のスキルアップができる制度があるところを探すといいでしょう。
事業所だけではない復職支援制度
ブランクのある人向けに、現場復帰しやすいような復職支援制度を行っているのは事業所だけではありません。自治体や専門職団体もその1つで、看護師の場合は各都道府県の看護協会が実施していることもあります。また、医療・福祉の就職フェアでセミナーの一環として実施していることもあるようなので、このような制度を就職活動と並行して利用するのも1つの方法です。しかしながら、セミナーの域を超えない内容にとどまることも少なくないので、あくまで就職セミナーの一環として受講するほうがいいでしょう。
子育て支援の各種制度も復職支援の1つ
医療・福祉の専門職に従事する人の離職理由の多くは、結婚や妊娠、出産、育児などのライフスタイルの変化によるものです。また、ブランクのある医療・福祉専門職の復帰の際の心配事の1つとしても、「仕事と家事や育児の両立ができるか」という点があげられます。
このような心配がある場合の就職活動としては、勤務形態のほか、「子育てしやすい制度があるかどうか」を確認することもポイントになります。院内保育所や短時間勤務制度、時間外勤務の免除などがあると子育てとの両立がしやすくなります。
出産や育児が理由でブランクができた方は、復職支援制度をチェックする際、前述のような各種子育て支援制度の有無を確認しましょう。また、その職場に同じような環境のママさんが多いかどうかも事前にわかればいいですね。ママさんが多ければ、子育て支援制度がうまく機能している職場といえるためです。
あなたのニーズに合った復帰のために考えたいこと
復職支援とひと口に言っても、復職に不安を感じる理由によって必要な制度はさまざまです。スキル面が心配ならば「復職支援制度」と銘打っていなくても、実務研修制度が充実しているところを探すのも方法です。このあたりは面接時に、直接採用担当者に積極的に聞いてみましょう。子育てとの両立が理由ならば、子育てしやすくなるような制度が充実しているかどうかを確認する必要があります。
「復職支援」は人によってケースバイケース。あなたのニーズに合った復帰をしてください。求職活動は職場側に選ばれると思いがちですが、あなたも自分に合った職場を選ぶことができるのです。