ツクイは、1983年から在宅介護サービスに取り組み、訪問介護を含むさまざまなサービスを全国で展開してきた介護事業者です。介護保険制度が始まる以前から在宅ケアに向き合い、制度やニーズの変化を受け止めながら成長してきました。
訪問介護は利用者宅を訪ね、その場の状況に応じてケアを提供する仕事です。やりがいが大きい一方で、その場での対応を自分で決めなければならない場面も多く、不安を感じやすい側面があります。
業界大手のツクイでは、こうした不安とどう向き合い、「一人で抱えさせない」体制をどのように築いているのでしょうか。今回は、二人のグループマネジャーと採用担当者に話を聞きました。
話を聞いた人

グループマネジャー 伊東さん
在宅・医療系サービスの現場を幅広く経験し、介護福祉士・主任介護支援専門員の資格を活かしてツクイに入社。お客さまの尊厳と自立支援を大切にしながら、スタッフがやりがいや成長を感じられるチームづくりを心がけている。

グループマネジャー 高橋さん
訪問介護の現場で訪問介護スタッフ、サービス提供責任者、管理者と経験を重ねる。一人ひとりが安心してお客さまと向き合えるよう、事業所の運営状況や課題を丁寧に把握しながら、助言や支援をおこなっている。

採用担当者 中井さん
他業界での採用担当・営業職を経てツクイに入社。人財支援部・採用課に所属し、訪問介護をはじめとした各サービスの採用を担当。現場の実情が伝わる採用活動を目指している。
訪問介護の不安をチームで支える

──訪問介護の仕事には、やりがいを感じる点もあれば、難しさを感じる点もあると思います。お二人はどう感じていますか?

訪問介護は、お客さまと一対一で関わる仕事なので、非常にやりがいのある仕事だと感じています。その方の生活そのものに関わるので、信頼関係ができてくると「あなたが来てくれてよかった」と言っていただけることもあります。
一方で、その方が住んでいる環境や身体状況に合わせて介助方法を考えて対応しなければなりません。施設のように、常にほかのスタッフがいるわけではないので、ある程度の判断力が求められる仕事だと感じます。

私もそう思います。訪問介護スタッフであれば「これはすぐに確認すべきか」「自分で対応してよいのか」と現場で瞬時の判断を求められる場面もありますし、その場での判断が正しかったのか考えることも多くあります。
──そうした不安をツクイではどのように支えていますか?

まずは一人で抱え込まないよう、相談しやすい環境を整えています。判断に迷う場面があればサービス提供責任者にすぐ連絡をもらったり、事業所で相談する機会を設けたりしています。チームで支える体制を整えることで、不安を抱えたままにしないようにしています。

訪問介護はお客さまごとに身体状況や生活環境が違うので、現場経験を通じて学び続けることが欠かせませんし、同時に知識を深めていくことも重要だと思っています。研修などを受講しながら介護や介助の理解を深めることが、少しずつ自信につながると考えています。
独り立ちまでを支える研修とサポート

──先ほど研修のお話がありましたが、具体的にはどのような研修やサポートがあるのでしょうか?

経験の有無にかかわらず、新入社員にはチューター(指導担当者)がつき、同行研修を重ねながら実際の現場を見て学んでもらいます。いきなり一人で訪問に行くことはないので、安心していただきたいです。
同行研修では、どんなサービスを利用されているのか、どんなケアが必要なのかを実際に見ながら学んでもらいます。まずは一件、自分で対応できるケースを担当してもらい、そこから似たケースへと少しずつ広げていきます。
──独り立ちのタイミングはどのように判断しているのですか?

何度も同行研修をしたから大丈夫と決めるのではなく、その人の経験や不安の度合いを見ながら判断しています。同行研修のなかで、本人が「これならできそう」と感じられるかどうかも大切にしていますね。不安が強い状態で独り立ちさせることはありません。
──独り立ちしたあとのフォロー体制はありますか?

訪問介護スタッフの相談にはその都度情報共有システムを使って対応できますし、ツクイでは毎月の法定研修に加えて、事業所ごとにサービス提供責任者によるサービス向上のための研修や個別研修をおこなっています。個別研修では、ツクイ独自のオンライン教材を使いながら、その人の経験やレベルに合ったテーマを取り上げています。
動画は1本5分程度なので、ポイントを押さえながら学べます。ちょっとした空き時間でも見られますし、「これ現場で使える」と思える内容が多いですね。

訪問する際の状況が毎回違う仕事なので、「これで完璧」ということはありません。だからこそ、いつでも立ち戻って学べる環境を用意することが大事だと思っています。

──勤務時間や曜日はどのように決めていますか?

まずは週に何日間、どのくらいの時間勤務できるかを確認して、それに合わせてサービス提供責任者がお客さまへの訪問時間を調整します。
訪問の仕事には、掃除や洗濯などをサポートする生活援助と、食事や入浴などを支援する身体介護があり、仕事を始める理由も「家事のスキルを活かして生活援助で働きたい」「家族の介護に備えて身体介護を学びたい」などさまざまです。そのため、仕事内容についても希望を尊重しながら、担当するお客さまを決めていきます。
生活に合わせた無理のない働き方
──訪問介護が未経験の方だと、お客さまのご自宅を訪問する働き方が想像しにくいと思います。実際はどのように働いているのでしょうか?

決められた時間にお客さまのご自宅を訪問し、サービス提供中は一人ひとりにじっくりと向き合い、ケアが終わったら次の訪問先へ向かうという流れですね。一日中バタバタと動き回っているイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、実際はその人の働き方に合わせてスケジュールを組んでいます。


勤務時間や日数は人それぞれです。フルタイムで働いている人もいれば、短時間勤務や週に数日の勤務を選ぶなど、生活に合わせて働き方を調整できますね。
──働き方も選べるのですね。中井さんにお伺いしたいのですが、ツクイにはどんな雇用形態がありますか?

社員として働いている方のほかに、ハートケアや登録従業員といった、いわゆるパート・アルバイトにあたる働き方もあります。訪問介護は、ご自身の生活に合わせて働き方を選びたいという方も多いので、いくつかの選択肢を用意しています。
ハートケア:月の勤務時間が87時間以上の働き方で、社会保険に加入して働くスタイル。決められた曜日・時間帯で働きたい人に選ばれることが多く、生活リズムを整えながら続けやすい
登録従業員:月の勤務時間が87時間未満の働き方で、社会保険未加入・扶養範囲内で働くスタイル。短時間・短日数から始めやすく、無理のない範囲で働きたい人に選ばれている

フルタイムで安定して働きたい方もいれば、家庭やプライベートとの両立を考えて働いている方もいます。その時々の生活状況に合わせて、「今はこの働き方が合っている」と選んでいる方が多いですね。
──希望によって雇用形態の変更はできるのでしょうか?

勤務する過程で働き方を変えることもできます。社員が育児をきっかけに登録従業員になったり、ハートケアで入社した方が社員になったり、ライフステージによって雇用形態を変えられるように配慮しています。
もし勤務に関して希望が出てきたら、働き続けられる方法を一緒に考えるので、気軽に事業所の管理者に相談をしていただきたいですね。せっかくスキルを身に付けたのに、辞めてしまってはもったいないですから。
大手だからこそ実現できる手厚い福利厚生
──ツクイならではだと感じる福利厚生はありますか?

会社全体の話になりますが、ツクイでは育児や介護と両立しながら働くことを前提に制度を設計しています。実際、2024年度の女性職員の育児休業取得率は98%で、育児休業を取ること自体が特別なことではなくなってきた印象です。
2024年には福利厚生の内容をリニューアルし、より利用しやすい制度に見直しました。例えば、結婚祝いや出生祝い、お子さんの入学祝いを支給する制度がありますし、子育てによる時短勤務は中学校就学の始期に達するまで利用できるようになっています。ほかにも、プライベートの家族旅行などに使える宿泊補助がある点も魅力の一つだと思います。
スタッフの皆さんにはツクイの仕事を長く続けてもらいたいので、こういった制度は利用していただきたいですね。


現場にいると、育児や介護で働き方を調整しながら続けているスタッフは多いですね。「制度があるから安心」というより、「困ったときに相談できる」という感覚のほうが近いかもしれません。

制度については、管理者やマネジャーからも積極的に声かけをしています。「こういう制度が使えるよ」と伝えることで、無理をせずに続けられる選択肢があることを知ってもらいたいと思っています。
初めは不安。だけど続けると景色が変わってくる
──訪問介護の現場で働くなかで、仕事の見え方やご自身の立場はどのように変わってきましたか?

最初のころは、とにかく自分の仕事をきちんとこなすことで精一杯でした。訪問介護は一人で現場に行く仕事なので、「この対応でいいのかな」と迷うことも多かったですし、目の前のお客さまにどう向き合うか、そのことばかり考えていました。
続けていくうちに、少しずつ見える範囲が広がってきた感覚があります。今は、自分一人がどう動くかというよりも、「現場で働く訪問介護スタッフが安心して訪問できているか」「困ったときに相談できる環境が整っているか」を考えることが増えました。

私は続けるうちに、「自分がどう働くか」よりも、「この仕事を続けたいと思う人をどう増やすか」を考えるようになりました。今は、お客さまの在宅生活を支えるために、チームとして何ができるかを考える立場になっています。キャリアというよりも、役割が少しずつ広がっていったという感覚のほうが近いですね。
──最後に、ツクイの訪問介護にはどのような方に来てほしいと思いますか?

やはり、コミュニケーションが取れる方ですね。特別なスキルよりも、人の話を聞くのが好きだったり、相手の立場で考えられたりする方が向いている仕事だと思います。
技術的な部分は、経験を積めばいくらでも身につきますし、わからないことは周りに相談できます。だからこそ、「完璧じゃないといけない」と思わずに、人柄を大切にしてくれる方に来てほしいですね。

「人が好き」という気持ちがある方ですね。そのうえで、やってみて「楽しい」「もっと知りたい」と感じたときに、それを広げていこうと思える方だと、長く続けられると思います。訪問介護は、お客さまの在宅生活を支える大切な役割を担っています。
人生の一部に関わる仕事だからこそ、向上心を持って経験を積みたい方、仲間として一緒に支えていける方に来ていただけたらうれしいです。
※掲載内容・所属・肩書はインタビュー時点のものです