それぞれの理学療法の目的の違い
病院や介護施設、訪問で働く理学療法士は、まずリハビリを行う主な目的が異なっていると言えます。急性期病院であれ、回復期のリハビリ病院であれ、そこでの理学療法は機能改善に主眼を置いていることが一般的です。機能の改善を求めながら、自宅復帰や職場復帰ができる道を探していきます。一方で介護施設や訪問は、病院と比べると身体機能の劇的な機能改善はのぞめないケースがほとんど。しかし、実際の生活の場において、患者さんの日常生活に直結した関わり方ができる点は、病院勤務とはまた違った魅力です。
経験を積み、成長につながりやすいのは病院
病院で働く理学療法士は、さまざまな疾患の症例を経験できるというのも特徴です。施設と比べて患者の回転の速い病院では、多くの症例の評価や治療を経験することができます。また、経験の少ない理学療法士でも担当しやすい典型的な症状を示す疾患も多いです。介護施設では、どうしても対象者に高齢者が多く、複数の疾患を併せ持った非典型的な症例が多くなってしまいます。病院の方が教育制度が整っている場合が多く、同僚が複数名いる場合がほとんどであるため、新人には成長しやすい環境であると言えるかもしれません。同じリハビリ室内に他の理学療法士がいることも、経験の浅い理学療法士には頼もしく感じることでしょう。
介護施設では経験を積んだ理学療法士が活躍
介護施設では、周りの目も少なく自分の治療方法に気をかけてくれる存在はあまりありません。対象も症状が非典型的な高齢者が多いため、介護施設ではキャリアが成熟した理学療法士の方が向いているとも言えます。また、基本の給与が病院よりも高く設定されていたり、訪問リハビリ等ではインセンティブがついたりすることもあります。その他にも病院と比べて非常勤でも働きやすいところが多いというメリットもあります。
病院と介護施設、それぞれの特徴を踏まえて自分の適性にあった職場を探していきたいところです。
