
チームナーシングってそもそもなに?
チームナーシングとは、チームメンバーを決めて、そのなかにリーダーやメンバーである看護師、看護補助者などを入れてチーム全体で看護をおこなっていくというシンプルなものです。
看護方式の歴史としては、受け持ち方式から機能別看護方式、それからチームナーシングがおこなわれるようになった経緯があります。
実際にどのように活用しているかというと、とある混合病棟では診療科がいくつかあったとします。そこではスタッフがチームに分かれて業務にあたっています。
A診療科を受け持つチームとB診療科受け持つチームとで、リーダーとメンバーが分かれているのです。
また、他のチームの分け方の例としては、病棟の診療科は同じでも、感染症患者を受け持つチームと非感染症患者を受け持つチーム、女性男性とチームを分けるなど、病棟や病院ごとにチームの分け方は多様です。
日や週によってチームが変わるところもあれば、年単位で変わるところもあります。
固定チームナーシングとは違う?
名称としては、チームナーシングのほかに「固定チームナーシング」という言葉も使われています。チームナーシングの1つで、年単位でチームを固定して動くというものです。
たとえば、最近採用しているところも増えてきているPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)と併用しているところもあります。1年単位でチーム編成をし、そのなかでPNSのペアを決める方法です。
他にも、受け持ち方式や機能別看護方式、プライマリーナーシングと併用しているところもあります。
各看護師の役割は?
<新人>
新人としての役割は、まずチーム内で安全に業務をこなせるようになることではないでしょうか。おこなう検査や処置について看護の視点で考え、患者さんに関わりながら、チームの一員として動きます。そのため、チームを動かす大きな役割はあまりないかもしれません。
しかし、チーム全体で新人をフォローする体制となっていることが多いので、わからないことは先輩に聞く、確認するなどの報連相(報告・連絡・相談)を徹底することが大切だと思います。
<リーダー>
チームリーダーとしての役割はさまざまです。日々のリーダーの場合には、メンバーの数や経験年数、能力にもよりますが、受け持ち患者さんを割り振り、勤務ごとにスムーズに業務がまわるように采配、メンバーをフォローすることなどが役割としてあります。
メンバーの進捗状況を逐一確認して、フォローに入ったり、率先して医師や他職種との連携を取ったり、部署によって役割は異なるかもしれません。チーム全体の責任者としての意味合いもあるため、看護師3年目以上でないとリーダーはできないなど、一人前になった看護師がおこなえる役割となっています。
また、固定チームナーシングのリーダーの場合には、年単位のなかでチーム全体を引っ張っていくため、少し意味合いが違ってきます。チームのなかには新人からベテラン看護師までさまざまで、年功序列で最年長がリーダーになるとは限りません。多くは、中堅看護師の教育目的でもあるため、看護師5~10年目前後でチームリーダーをやることもあります。
<師長etc>
チームリーダーとは別に、師長や主任など管理職としてのポジションがありますが、主任に関しては同じくチームに配属される場合もあります。師長としての主な役割は、基本的にチームには属さず、管理者としてどちらのチームにも目を配り、病棟全体の運営として動くことです。病棟会やチーム会などを定期的におこない、チーム内外の意見交換をおこなったり、業務改善をおこなったり、日ごろからリーダーやメンバーに声掛けをしながら全体の指揮をとることが求められます。
メリットやデメリットは?
チームナーシングのメリットは1人ではなく、チーム全体で患者さんやスタッフをフォローできることです。
新人や中途入職者などは、まだ一人前に業務をこなすことができないこともありますが、先輩とうまく役割をわけることで、業務がスムーズに回るようになります。そのため、個人間で能力差があってもチーム全体で動けることが一番のメリットだと思います。
チームナーシングのデメリットは、リーダーの采配によって、チームの良し悪しが分かれることがあることです。
リーダーは誰でもできるわけではありません。独りよがりで自分の意見ばかり相手に求めるような人がリーダーになると、リーダーの機嫌を伺いながら仕事をしなければならない状況が起こります。
そのため、本来患者さんへ向かうはずのパワーが発揮されずに、メンバーが別のところで疲弊してしまうのです。