1.今回インタビューしたのはこんな人

ー今日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いします。
神奈川県出身、大学院卒の28歳です。家族構成は、父、母、私、弟2人です。
ー職歴について教えてください。
新卒で民間の放課後児童クラブに児童指導員(正社員)として採用され約2年働き、その後はIT系の企業に転職して現在に至ります。
ー児童指導員になろうと決めたのはいつですか?
もともと教員になるつもりで中学・高校の教員免許を取得していたんですけど、教壇に立つにあたり子どもと接する機会を持っていたほうがいいと大学の先生に言われたので、公営の児童館でのアルバイトを紹介してもらい、働きはじめました。
そしたら、だんだん学童のほうが楽しくなってしまって。教員免許があれば児童指導員になれるので、教員ではなく児童指導員になろうと。
ー就活時に重視したポイントを3つあげるとしたら?
「正社員採用」「マニュアルや研修体制があること」「住む場所を変えずに済むこと」の3つです。
ーありがとうございます。では詳しく聞いていきますね。
2.児童指導員の履歴書(放課後児童クラブへの新卒入社時)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ー就活はいつからはじめましたか?
大学院1年生の秋頃に説明会参加、2年生の夏頃から履歴書の作成をはじめて、秋から面接だったと思います。
ーちなみにバイト先の児童館にそのまま就職することは考えませんでしたか?
アルバイト先は公営で、入れても契約職員でお給料も低いと聞いていたので、正社員で入れる民間の会社がいいなと。
なので保育系の仕事をしている友だちに「いい会社ない?」と聞いて紹介してもらいました。
ー実際に働いている知人の紹介だと安心感がありますね。
そうですね、ホームページを見ただけだと分からないことも多いので。
ー受けた会社数は?
何社か見たんですけど、受けたのは1社のみです。1社目が駄目だったらまた受けようと思って。
ーこの履歴書は手書きですけど、パソコンでの作成は考えませんでしたか?
児童指導員は掲示物などを手作りしますし、どんな字を書くのか見れたほうが採用側にとっても良いと大学から言われていたので、手書きにしました。
ー高校を中退されて「認定試験」を受験したところが特徴的ですが、面接で言及されました?

聞かれて、お答えしないのは失礼なので正直に答えました。校風に合わないところがあって、勉強に集中したかったので資格取得試験にしました、と。
ー勉強に集中したかったからなんですね。
イベントが多かったんです。あとは女子校だったので女の子同士の派閥争いとかで疲れちゃうなと思ったのもありますね。
ー志望動機を書く際に意識したことは?

“ 私の強みは企画力と粘り強さです。児童館や学童クラブでのアルバイトの中で、季節の工作イベントを一から任せていただく機会がありました。施設の考え方や職員の方の意向に沿いつつ、子どもたちがやってみたいことをヒアリングして進行しました。御社の施設での業務の中でも、工作などの得意分野を活かし、先輩方からのご指導をいただきたいと考えております。さまざまなイベントや行事に挑戦し、更に企画力を伸ばして参ります。また、学童での生活の中で子どもたちに粘り強く向き合うことを大切にしたいと考えています。工作がうまくできないことに苛々したり、投げ出してしまう子にも根気強く向き合う指導員を目指します。(履歴書原文より)”
最初は「教員免許を持っているので子どもたちの指導には自信があります」という内容で書いていたんですけど、資格がある人ならみんなそうだし、新卒なのにあまり自信満々に書くのはどうかな、と大学の就職課の人に言われて考え直しました。
なので、アルバイト先での実体験に基づいた自分の強みと、これから努力していく意欲もある点を盛り込むようにしました。
ー大学の就職課には何回見てもらいましたか?
2〜3回見てもらいました。結構添削されましたね。
ーアルバイトの経験は、職歴には書かなかったんですか?
職歴欄には書く必要はないとアルバイト先でも言われたので、書きませんでした。新卒の場合は経験があるから採用というわけではなさそうだったので。人柄やちゃんと受け答えができるかといったことのほうが大事だなと。
ー作成するにあたって、参考にしたものは?
学歴などのフォーマット部分の書き方を調べたくらいですね。内容については就職課の人と相談しながら。
ー証明写真はどこで撮りましたか?
どこだったかな……。スピード写真か、もしかしたら写真部だったので友だちに撮ってもらったかもしれません。
ー友だちに!そんなケースもあるんですね。服装はスーツですか?
洋服の青山で購入した黒無地のリクルートスーツです。スカートタイプですね。
ーメイクはどんな感じでした?
ナチュラルメイクです、業界的にあまり派手なメイクは好まれないので。アイシャドウのラメとかも、顔色がよく見える程度に。
ー履歴書の提出方法は?
郵送です。大学指定のクリアファイルに挟んで、手書きの送付状をつけて出しました。
ーでは、この履歴書をいま自己採点するなら、100点中何点ですか?
50点くらいです。
ー結構低いですね。なぜですか?
1社しか受けていないので。たぶん何社も受けたら自信がついたんじゃないかなと思うんですけど。
ーなるほど、初めての履歴書であまり自信がなくて50点なんですね。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ履歴書を書くときの参考にしてみてください。

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
①現住所
ふりがなも記入するようにしましょう。
②学歴記入欄の一行目の中央には見出しとして「学歴」、最終行の右側には「以上」と記入すると良いでしょう。
③志望動機ご自身のアルバイト先での経験を活かしたアピールポイントが具体的で良いと思います。一方で、アピールポイントについてのみ触れているので、その会社を志望したきっかけや魅力に感じるところなどについても触れられると尚良いです。
「御社」は話し言葉なので「貴社」にしましょう。
とくに希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記載すると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
3.児童指導員の面接対策(放課後児童クラブへの新卒入社時)

ー続いては面接対策についてです。練習はどのくらいしましたか?
大学の就職課で1対1の一般マナー対策をやりました。面接の入退室の仕方などです。
あとはアルバイト先の施設長に模擬面接をやってもらいました。施設長が実際にパートの採用でやっている面接を厳しめに再現してもらったので、結構落ち込みました。
大学とアルバイト先で合わせて4〜5回は練習したと思います。
ー実際の面接の流れは?
最初はグループ面接です。そのあと同じ日に個人面接がありました。二次面接がある人もいたみたいですけど、私は個人面接まででした。
ーちなみに、書類選考でも不採用になる可能性もありそうでしたか?
書類選考ではほぼ落とされないんじゃないですかね、面接で実際に会ってみて判断されると思います。
ーなるほど。グループ面接、個人面接の担当者はそれぞれ何人でした?
人事の男性の方が1名。2回とも同じ方でした。
ーグループ面接の参加者は何人?
4人だったと思います。
ー面接時間は何分くらいですか?
グループ面接は20〜30分くらい、個人面接は5〜10分くらいでした。
ー質問された内容と回答を教えてください。
「あなたの強みは何ですか」という質問には、履歴書に書いたとおりイベントの企画力について答えました。
予算など施設側の事情も承知しているので、できる範囲で子どもたちが楽しめる企画を任せられる人材になりたいというようなことを。
ほかには「入社後やってみたいこと」を聞かれました。
それまで遠足などの外出行事がない施設にいたので、外出行事があるのであれば、引率を任せてもらえるように努力したいですと話しました。
ーほかにもありますか?
個人面接では、「働いていける覚悟ありますか?」「責任ある仕事だとわかってますか?」など聞かれました。
ーなかなか厳しい質問ですね。
そうですね。「命を預かる仕事だけど大丈夫ですか?」「子どもと遊ぶだけじゃないよ、わかってる?」みたいに詰められる感じもありましたね。
あとは、「アルバイトではどんなこと任されてるの?」「その中で課題とか感じてる?」とか、ざっくばらんに質問されました。
ーいわゆる逆質問はありましたか?
「なにか聞きたいことはありますか?」と言われましたね。
「採用いただいたとしたら、入社までに読んでおくべき本ややっておくべきことはありますか?」と聞きました。
回答は「頑張ってバイトしてください」でした(笑)。
ー現場で経験を積んでおけと(笑)。持ち物は何を持っていきましたか?
筆記用具、メモ帳、上履き、ハンカチ、ティッシュ、水、正露丸、予備のストッキング。
あとは修士論文を書いていたので、その資料も持っていきました。面接が終わったら書こうと思って。
あ、あと企画書と手作りのお面も持っていきました!

ハロウィン用に手作りしたお面を持参
児童指導員の知り合いから、面接中に「現物を見たい」と言われる場合もあると聞いたので。ただ実際は言われなかったので、出番はなかったんですけど。
ー現物を見せられるのはいいですね!企画書はどんな内容だったんですか?
工作の材料と工程が書いてあるものです。切り方とか、何分かかるとか。文字だけじゃなくイラストも入れながら作りました。
ーなるほど。面接時の服装はスーツでしたか?
証明写真と同じスーツでした。
ー面接のために準備したことは?
笑顔の練習をしました(笑)。「第一印象が笑顔じゃないと子どもの前に立てないと思われるよ」と前情報があったので。
あとは高めの声を出す練習も。地声がちょっと低いので、そこは気にしていきましたね。
ー面接当日のスケジュールを教えてください。
朝起きてその練習をして、お昼前の面接だったので30分前には駅に着き、面接場所の確認をしました。そのあとは10分くらい前まで近くのコンビニで時間を潰しました。あまり早く着きすぎても迷惑なので。
面接が終わってからは、お礼を兼ねて大学に報告に行き、そのあとアルバイト先にも顔を出して施設長に報告して、子どもたちと少し遊んで帰りました。
ー面接当日に2ヶ所もお礼に行くなんて、礼儀正しいですね。
お世話になったので。まわりの友人たちはもう働いていて、頼る先がそこしかなかったんですよね。
ー面接結果が出るまでどのくらいかかりましたか?
1ヶ月くらいですね。
通達は郵送で、入社関連書類と一緒に届きました。
ー結構待ったんですね。
学童と保育園を運営している会社で、数百施設で同時に選考していたので時間がかかったみたいです。
ー1ヶ月待って、もしも不採用だったら大変でしたね。そのあと探し直すのは……
そうですね、結果が出るまでの間に次を探すかちょっと迷ったんですけど。修士論文も書かなきゃいけなかったので、論文に集中することにしました。

ー就活中に苦労したことはありますか?
スーツに不慣れで、ヒールがしんどかったです。児童指導員ってジャージとか動きやすい恰好なので、普段のバイトと違いすぎて。
あとは修士論文との両立が大変でしたね。修論のほうが押せ押せになってしまいました。
ー逆に良かったところは?
大学やアルバイト先の人にお世話になったので、それまで以上に仲良くなれましたね。
ー児童指導員を目指す求職者へのアドバイスをお願いします。
実務で何をやるのか分かって、そのために必要なスキルを知っておくことが大事だと思います。そうしたら面接でもアピールできるし、仕事内容をまったく知らずに就職するとたぶん入ってから驚くので。
ー具体的にどんな対策がおすすめですか?
単発のボランティアでもいいので、現場を見ておけるといいかなと。そのほうがイメージも湧くし、楽しいから働きたい気持ちがもっと高まると思います。
ー取材は以上です。ありがとうございました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎面接時に紹介できるものを持っていくのはGood!
今回は出番がなかったようですが、企画書や手作りのお面など、実際にアルバイト先で作成したものを持参できたのは、具体的なアピールになるのでとても良いです。
◎ホームページやSNS、ご友人からの情報も要チェック外出行事の有無など、ホームページやSNSで情報が出ている可能性もあるので、未チェックの場合はひと通り目を通しておくと良いでしょう。今回はご友人の紹介とのことなので、紹介してくれた方に改めて質問するのもいいかもしれませんね。
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