【転職者インタビューvol.13】児童指導員1年目29歳/転職3回(児童指導員→テーマパークキャスト→児発管→児童指導員)

第13回目の転職者インタビューに協力してくれたのは、神奈川県で児童指導員として働くSさん(29歳)です。一度はテーマパークのキャストとなり夢を叶えたSさんが、再び児童療育の現場へ戻ってきた理由は……。Sさんのこれまでの人生、そして仕事観について伺いました。

「なるジョブ」転職者インタビューvol.13


1.今日の転職経験者はこんな人

児童指導員・29歳の人生年表

ーそれではよろしくお願いします。

お願いします!

ーおいくつですか?

29歳です。

ーご出身は?

小さいころからずっと神奈川県横浜市です。

ー簡単な職歴を教えてください。

まず新卒で、学童クラブの児童指導員として働きだしました。

そこで5年間働いたのち、テーマパークのスタッフに転職して1年間。その後は、新規オープン施設の児童発達支援管理責任者(児発管)として4ヶ月だけ。

いまの職場には児童指導員として3月から働いているので、本当に転職したばっかりです。なので転職回数としては3回ですね。

2. Sさん(児童指導員・29歳)の生い立ち

児童指導員・イメージカット1

2-1. 幼少期〜小学校時代

ー小さいころはどんな子でしたか?

保育園が嫌いな子どもでした。いまだとけっこう問題になるのかもしれませんが、たとえば、無理やり苦手なものを食べさせられたり、お仕置きで物置に閉じ込められたり、とにかく先生が怖かったんです。

ー当時はそういう先生も多かったですよね。

世間的に見ても多かったのかもしれませんね。でも、そういう先生の姿が反面教師になっているからこそ、いまの自分があるのかなとも思います。

ー昔から子どもと関わる仕事がしたかったんですか?

漠然とそういう想いはあったんじゃないかなぁ。

ただ、好奇心だけで生きているような子どもだったので「魚が好きだからダイビングのインストラクターになる!」とか「一輪車が好きだからサーカスの団員になる!」とか、やりたいことであふれてましたね。

いまでも好奇心だけは人一倍強くて、キャンプ、ダンス、ヨガ、自転車、シュノーケリング、イラスト、フルートなどをやっています。どれも本格的ではないんですけど。

2-2. 中学校〜高校時代

ー中学生の頃はどうでしたか?

吹奏楽部だったんですけど、ひたすら部活に打ち込む3年間でした。

ー高校はどんな学校でした?

普通の進学校です。あ、でも女子高でした。

女子高っていうとドロドロしたイメージがあると思うんですけど、わたしの高校はぜんぜんそんなことなくて、楽しかった記憶しかないんですよね。

ー高校でも吹奏楽部に?

はい。でも3年生の後半からはマーチング部に。

ー高校生活が終わる間際に転部?

マーチング部が最後の関東大会に出場するタイミングで、部員に欠員が出てしまって、顧問の先生に誘われたんです。

実は吹奏楽をやりながらもマーチングに憧れていて、よく練習を覗いていたので、「これはチャンスだ!」と思って。

ー初心者がいきなり大会に出られるものなんですか?

それはもう死ぬほど練習しましたよ(笑)。大学ではマーチングの影響もあって、ダンスを始めました。

2-3. 大学時代

ー大学では何を専攻していましたか?

体育大学だったんですけど、幼児発達について学んでいました。

ーなぜ体育大学で幼児発達を?

当初、子どもに関わる仕事を目指すうえで、専門学校も選択肢にはあったんです。

ただ、体育大学の見学に行ったときに、スポーツ選手やダンサーを目指す人がたくさんいて、そういう人たちって普通に生活していたらなかなか知り合えないじゃないですか?

そういったいろんな価値観を持った人がいる環境に身を置くことで、いい刺激をいっぱいもらえそうだと思って、体育大学を選びました。

ー部活やサークルには入っていましたか?

ダンスサークルを立ち上げて活動していました。創設メンバーだったので、相応の苦労はありましたが、いい経験になったなぁと。

ーバイトは何かやっていましたか?

いろいろやっていましたよ。学童クラブが1番長くて、ほかには放課後デイサービス、託児所、ベビーシッター、飲食店などですね。

3. 学童クラブの児童指導員として勤務

児童指導員・イメージカット2

パッチリとした目元で、エネルギッシュな印象のSさんでした


ー新卒で入った職場はどうやって見つけたんですか?

バイト先の学童クラブの紹介です。主観ですけど、わたしが新卒のころはいまと比べて学童での求人募集がぜんぜんなかったんですよね。いまは求人自体がすごく増えているように感じます。

ー初任給はいくらぐらいでしたか?

16~17万円くらいだったかな……いや、18万円くらいだったかも。うろ覚えでごめんなさい(笑)。

ー残業はどのくらいありましたか?

入ったころは毎日30分くらいだったんですけど、4年目に施設長になってからは1~2時間くらいに増えました。

ー施設長になって業務内容は変わりましたか?

基本業務はそんなに変わらないんですけど、やっぱり責任の大きい仕事が増えましたね。たとえば、保護者のクレーム対応だったり、学童クラブ全体の方針を決めたり、面接や会議なども。

ー給料は上がりましたか?

5,000円だけ。ちょっと割に合わないですよね(笑)。

ー賞与はありましたか?

賞与は年2回、1ヶ月分ずつ出ました。

ー1社目の学童クラブの良かった点を教えてください。

1番は、子どもと関わる仕事の楽しさと難しさを知ることができた点です。家でも学校でもなく、学童クラブでしか見せない子どもの素の姿を見られることは貴重なんじゃないかな。

あと、アルバイトの立場では、保護者との面談や学校との連携、スタッフ教育などの深い業務に関わることができなかったので、そのような業務経験を得られたこともすごくプラスになりました。

4. 夢を追いかけテーマパークへ

ー学童クラブからテーマパークへ転職した理由は?

学童で働き始めたころから、某テーマパークにハマりだしたんです。

通い詰めるうちに、出演者さんのパフォーマンスやキャストさんのエンターテイメントに徹するプロ意識に憧れて、「私もあちら側に立ちたい」と思うようになりました。

私自身ダンスをやっていたこともあって、もともとそういう世界への憧れがあったのかもしれませんね。

ーそこからはどのような行動を?

職場の同僚や上司も応援してくれていたので、働きながらオーディションを受けました。オーディションは狭き門でなかなか受からなかったんですけど、諦めきれなくて、出演者さんをサポートするキャストとして働かせてもらうことに。

ー学童クラブへの不満はとくになかった?

う~ん、まったくなかったというわけではないですね。

もともと社員をすごく大事にしてくれる会社だったんですけど、規模が大きくなるにつれて、少しずつ社員より利益を優先しているように感じることはありました。

ー憧れのテーマパークで働いてみてどうでした?

プロ意識が高い人たちの仕事を目の当たりにして、とても学ぶことが多かったです。

特にショーの出演者さんたちは、真夏だろうが真冬だろうが常に全力でお客さんを楽しませようという姿勢で臨んでいて、わたしの想像を軽く超えていました!

ー働いていて辛いことはありましたか?

強いてあげるなら、朝が早かったことですね。いつも4時には起きていました。

ー給料はどれくらいでしたか?

時給1,000円です。私は準社員で時給制だったので。

ーテーマパークでは1年間働いていたんでしたっけ?

そうです。すごく楽しかったんですけど、わたしの中では働けただけで「夢が叶った」と少し満足してしまったんです。

それに「これから先、身に着けるべきスキルはなんだろう?」と考えたときに、「やっぱり子どもと関わる仕事でもう1度チャレンジしたいな」と。

ーそれからすぐに転職を?

本当はテーマパークとのダブルワークを希望していたんですけど、会社の都合でそれが叶わなかったので転職しました。

5. 児発管としてオープニングスタッフに

ー次の職場はどんな職場でしたか?

新規オープン前の児童発達支援事業所でした。勤務時間が7時間と短くて、給料もそこそこだったので、待遇はけっこうよかったんじゃないかな。

もともとは現場で子どもと関わっていたかったので、児発管になるつもりはなかったんですけど、「児発管として経験を積みながら子どもと関われるよ」と言われたことが、転職の決め手でした。

6. 前職のザックリ給与明細

児童発達支援管理責任者1年目の給与明細書

ー給料は1社目・2社目と比べて上がりましたか?

上がりました。保育士の資格手当がついて24万円くらいだったかな? 残業もほとんどなかったので、その点はうれしかったですね。

ー事業所の立ち上げは大変でしたか?

準備が整っていない中でいろいろと進めなければいけなかったので、苦労は多かったです。

あと、わたしや集まった保育士さんは「療育がやりたい!」という想いで入職したんですけど、代表が考える療育のイメージは「教育・指導」の側面が大きくて、現場スタッフとの考え方にそもそものズレがありました。

その会社はもともと学習塾をメインにやっていて、福祉事業は初めてだったんですよね。なので仕方のない部分もあるんですけど、「ここにわたしが学びたいものはないかもしれない」と思い、早めの転職に踏み切りました。

7.運動療育メインの児童指導員に

ーいまの職場はどうやって見つけたんですか?

実は求人サイトの「ジョブメドレー」で見つけたんですよ。

ーおお、ありがとうござます!どんな職場ですか?

感情を伴う、脳の発達と運動のつながりを重視した療養を行っている施設です。区分的には、放課後等デイサービスになるんですかね。

いまの日本の運動療育は「鉄棒はこうやるんだよ」「跳び箱はこう飛ぶんだよ」と、運動のやり方を教えて、補助しながら行うものが主流なんです。

でもわたしが働いている会社では、まず大人が子どもと同じ目線に立って遊び、興味を広げるきっかけを作ったり、運動へとつなげたりしていくことで、「子どもの脳と心に働きかける」ということを行なっています。

ー具体的な療育の内容を教えてください。

1対1で行う室内療育、複数人で行う屋外フィールド療育、ネイチャー療育といって山などの自然に触れる療育の3つです。

いずれも「思いっきり遊ぶ」という方針で、実は具体的なプログラムは決めていないんです。

子どもが興味を持ったことを発展させていき、理論に基づいて療育に昇華していくというやり方をとっています。

ーその理論は会社独自のものなんですか?

そうですね。会社の研修講座があって、正職員は全員受講します。

ー研修や勉強会はよく行われるんですか?

よく行われますし、内容もすごく充実してますよ。

研修講座以外にも、職員の経歴やレベルに応じた講習があったり、業務の隙間時間にワークショップがあったりするので、とてもスキルアップできる環境なのかなと。

まだ入って2週間なので、わからないことだらけだし、「自由な療育」と言われても「何をやればいいんだろう」と考え込んでしまうんですけど、学べることがすごく多いので「もっと勉強したい!」と思えるんです。

ー給料や福利厚生はどうですか?

まだ初任給が出ていないんですけど、月給22万円の条件で就職しました。賞与は業績によるという感じだったと思います。年間休日は110日くらいかな?

正直、給料は下がったんですけど、それが気にならないくらいに「転職してよかったな」と感じます。

8. (番外編)日常生活・恋愛事情

ー 平日のサイクルを教えてください。

7時半に起きて9時に家を出ています。

顔を洗って、化粧水塗って、ヨガをして、バナナを食べて……とゆっくりしていると出発時間になっちゃいますね。

勤務時間は9時半〜18時半。家から職場まで徒歩5分くらいなので、19時前には家に。

ー持っている資格は?

保育士幼稚園教諭です。あと東京都放課後児童支援員という比較的新しい認定資格も研修を受講して取得しました。

東京都放課後児童支援員の資格は、会社からすすめられて取得しました。子どもを指導するのではなく、支援することの大切さが学べて、現場にすぐ活かせる研修内容でしたね。

ー最近ハマっていることは?

Netflixを観たり、映画を観たり。とくに洋画や海外ドラマが好きです。

ーどちらかというとインドアですか?

最近は大人しくしていますけど、たまに彼氏とピクニックやキャンプにも行きますよ。

ースマホの機種と契約会社を教えてください。

機種はiPhone5s。キャリアはワイモバイルです。料金はだいたい月3,000円くらいかな?

ーホーム画面を見せてもらえますか?

ちょっと恥ずかしいですね(笑)。

児童指導員のスマホホーム画面

ーこの中でもよく使うアプリは?

1位は「LINE」、2位は「Instagram」、3位は「Netflix」かな。

ー自分の性格をひと言で表すと?

安心して心を開けてる人には素が出せます。口調も適当だし、彼氏とかにもすぐ怒っちゃう。

ー最近、彼氏さんと喧嘩しましたか?

今朝ですね(笑)。内容は「洗い物してないじゃん!」とわたしが一方的に怒って、むこうが「まあまあ」となだめてくる感じでした。お腹が空くとすぐ怒っちゃうんです。

ー彼氏さんとの出会いは?

ジムのインストラクターと利用者です。入会して最初に説明してくれたのがいまの彼氏でした。

ーどんなところが好きですか?

優しくおおらかなところですね。あとは、いい意味で泣き虫なんです。ウチの犬が死んじゃったときに一緒に泣いてくれたり。

ーあまり怒らないであげてくださいね。今日はありがとうございました!

読者の方へのメッセージ

ブランクがあっても、勇気を出して再チャレンジしてみましょう

一度はテーマパークのキャストを経て、再び児童指導員としての道を歩み始めたSさん。福祉・介護・医療系の実務経験は、たとえブランクがあったとしても転職に活かすことのできる機会が多々あります。一度経験した業務はスキルとして必ず自分の糧になっているはずです。ジョブメドレーにはブランク歓迎の求人も多数ご用意しています。「ブランクがあるから……」と再挑戦を悩んでいる方は、まずは軽い気持ちで求人を探してみてはいかがでしょうか?

深沢 元貴 (ジョブメドレー 編集) 2019/04/22

プロフィール

「なるほど!ジョブメドレー」は、医療介護求人サイト「ジョブメドレー」が運営するメディアです。医療・介護・保育・福祉・美容・ヘルスケアの仕事に就いている人や就きたい人のために、キャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。仕事や転職にまつわるご自身の経験について話を聞かせていただける方も随時募集中。詳しくは「取材協力者募集」の記事をご覧ください!

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