1.今回インタビューしたのはこんな人

ーまず初めに自己紹介をお願いします。
山梨県出身の28歳です。いまは東京に住んでます。
ーこれまでの経歴を教えてください。
都内の専門学校を卒業後、1度山梨へ戻り公益社団法人の運営する共立歯科診療所で働き始めました。その後、山梨では1度職場を変えました。
2度目の転職で上京したんですが、けっこうなブラックだったので3ヶ月ほどで転職。
その後、1年ちょっと働いて退職。いまは束の間の無職生活を楽しんでます(笑)。
ーつまり転職回数でいうと?
3回ですね。いまから2ヶ月ほど前に充電期間に突入しました。
今日お見せするのは、最後に働いていた職場に転職したときの履歴書です。
ー転職活動期間はどれくらいでしたか?
友人から紹介されたクリニックだったこともあり、すごくすんなり決まりましたよ。
1ヶ月もかかってなくて、1週間くらいじゃないですかね?
ーそれは早い!その転職において重視した点を教えてください。
「給料」「週休3日」「通勤時間」です。
なるべく給料が高くて、休みが多くて、家から近いところがいいなって(笑)。
ーそれでは、その転職時のお話を詳しく聞かせてください。
2.歯科衛生士(28歳)の履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ー履歴書は手書きで作成したんですね。
パソコンはほとんど使えないですし、自分のパソコンも持っていないので。
ーパソコンを使えなくても業務は問題ない?
まったく問題ないですね。業務でパソコンを使う場合は毎回やることが決まっているので覚えてしまえば簡単ですし、カルテは先生が作るので。
ーそうなんですね。この履歴書、志望動機の欄が空欄なんですが何か理由が?
実はいまの職場には、内定が決まったあとに履歴書を提出したんです。
なので志望動機や本人希望欄は記入しなくてもいいかなと。
ーということは、面接時にも履歴書は持参しなかったということですか?
電話で見学を申し込んだときに「手ぶらでいいですよ」と言われ、まずは履歴書も持たずに見学に行ったんです。
そうしたら見学後に「もしよかったら、このまま面接していきませんか?」と院長に声をかけられまして。
ーで、そのまま面接を受けたと。
そうです。面接をして、その場で「じゃあいつから来れる?」って感じで内定をもらいました。
「連絡先と名前と写真だけわかればいいから、今度履歴書持ってきて」と言われたので、後日提出しに行きました。
ーなるほど。過去の転職時はどうでしたか?
私は必ず見学するので、内定までの流れはどこもそんな感じでしたね。
見学を申し込むと、だいたい面接がセットになるんです。
電話口やメールで「一応、履歴書を持ってきてください」とか「そのまま面接受けますか?」と聞かれることが多かったですね。
ー過去の転職時も志望動機は書かずに?
一応簡単に書いてました。ただ、志望動機というよりは「これまでやってきたこと」や「なぜ退職したのか」といった内容が大半を占めていたかと思います。
ほぼ同じ内容の履歴書を何枚も書いて、色々なところへ見学に行ってました。
まずは見学してみないと、どんな歯科医院かを判断できないので。
ーいまの職場はご友人の紹介ですが、過去に見学したところはどのようにして探したんですか?
歯科衛生士専門の求人サイトです。
ーちなみに過去も含めて、転職活動の勝率は?
いままで内定辞退したところも含めて10施設ほど受けてきたと思うんですが、一度も落とされたことはないんですよ。
履歴書の内容よりも面接でしっかりコミュニケーションを取ることが一番大切なのかなと思います。
あと、どの歯科医院も人手が足りていないんでしょうね。
ーなるほど。履歴書の写真を撮るときはどのような身だしなみでしたか?
実はこの履歴書では、パスポートの写真を使いまわしたんです。
もう内定も貰っているわけだし、顔がわかればいいかなと思って。
なので身だしなみは普通の私服だったと思います。
それ以前の職場のときは黒いスーツだったかな。
ーありがとうございます!次に面接について聞かせてください。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ履歴書を書くときの参考にしてみてください。

【改善できそうな点】
<全体を通して>
文字の得手不得手はありますが、丁寧に書く姿勢は必ず伝わります。走り書きなどはせず、丁寧に書く意識を持ちましょう。
①証明写真
履歴書に貼る写真は、古い写真の使いまわしをせずに直近半年〜3ヶ月以内のものを使用しましょう。
②学歴・職歴欄
職歴を記入した最後の行の右端には以上と記入しましょう
③志望動機
志望動機欄には「なぜ〇〇医院に興味を持ったのか」「どのような事にチャレンジしたいのか」などを省かずに必ず書きましょう。この転職に何を求めているのか、どういう働き方をしたいのか、どんなことを大切だと感じる人なのかが伝わり、選考はもちろんお仕事がはじまってからの教育方針などにもとても役立つよいアピールとなります。
④本人希望欄
とくに書くことがない場合は貴院の規定に従いますと記入することで丁寧な印象を与えることができるでしょう。
3.歯科衛生士(28歳)の面接対策

ー面接は院長と1対1でしたか?
そうですね。
ー持ち物や服装は?
ほとんどなにも持って行かなかったんじゃないかな。
筆記用具にメモ帳、あとはスマホと財布だけです。あ、予備のストッキングも用意したかな。
服装は黒いスーツに白シャツで行きました。下はスカートで。
あと、訪問するときはパンプスだったんですが、ずっと履いていると疲れちゃうので行き帰りはスニーカーに履き替えていました。
ー院内履きは持って行きませんでしたか?
持って行きませんでした。
だいたい歯科医院の方で用意してくれているし、なくても外来用のスリッパが必ずあるので。
ー院内を見学するときはどういった点に注目していますか?
まずは全体的な雰囲気ですよね。
明るく清潔感があるか、スタッフは同士は仲が良さそうかなど。
細かい点でいうと、器具はどんなものを使っているか、どんな患者さんが来ているか、お手洗いは綺麗に清掃されているか、などですね。
ー当日は筆記試験などもなく、見学と面接のみ?
そうですね。筆記試験は新卒で入職した病院だけありました。
ー新卒時の筆記試験の内容を教えてください。
歯科衛生士の基礎問題と作文でした。
問題内容は「歯石が形成される過程を説明しなさい」など。そんな感じの記述試験が3〜5問ほど。
作文は「最近気になった医療ニュースについて」というテーマでした。何について書いたかは……ちょっと覚えていないですね。すみません。
ーいまの職場の面接では何を聞かれましたか?
まず簡単な自己紹介をすませたあとに、「どんな治療が得意か」「どんな業務を経験してきたか」ということを聞かれました。
そして、一番印象的だったのが「私の妻とうまくやっていく自信があるか」という質問でした。
ー院長先生の奥さんということですか?
そうです。奥さんは医療事務として働いているんですが、その奥さんが気難しいらしく。
奥さんとのいざこざが原因で、過去に何人もの歯科衛生士が辞めていったそうです。
ーそのときの回答は?
「入ってみないと正直わからないんですが、これまで人間関係が原因で辞めたことはないので自信はあります」と答えました。
実際入ってみて、たしかに気難しい人だったんですが悪い人ではなかったので大きなトラブルもなく働けました。
ーいい答えですね!内定はその場でもらったんですよね?
そうです。スピード内定でしたね。
ーでは最後に、求職者の方にアドバイスをお願いします。
ほとんどの歯科衛生士は、転職時に歯科医院の見学をすると思うんですよね。
そのときになんとなく見学するんじゃなく、「この歯科医院に入職して満足できるのか?後悔しないか?」ということを考えながら、逆選考くらいの感覚でしっかり見学するべきですね。
そうしないと、実際に入ったときに「思っていた職場とは違う」といったミスマッチが起きて、すぐに辞めてしまうと思うので。
ーたしかに、求人票やホームページではわからないことを確認できる貴重な機会ですよね。本日はありがとうございました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎見学の際にチェックしている点は非常に良い観点です。見学をすることで入職後のミスマッチを事前に防ぐことができます。
◎「逆選考くらいな感覚で面接に臨む」という姿勢はとても重要です。就職は雇用主が一方的に決めるものではなく、お互いに選ぶ権利があります。
◎見学や面接の際に、持ち物の指示がない場合はあらかじめ確認をするか、万全な準備をしていきましょう。「きちんとした方」という印象を与えられますし、自身の不安を解消することもできます。
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