柔道整復師のルーツはとっても古い
柔道整復師の仕事は、はるか昔からあります。もっとも古い整骨専門書ができたのが江戸時代と言われていますが、それ以前から接骨の技術は存在していました。昔は今のように医学が発展しておらず、どこにでも医師が居るという状況ではありませんでした。そんな時に急な骨折や脱臼、打撲などに対応したのが柔道整復師のルーツである柔術家です。
柔道整復師の根本にあるのは、常に人々のそばにあって、その人々の健康管理と、疾病の改善にあたってきたということ。整形外科がごく普通に身近にあるようになっても柔道整復師の仕事がなくなることがなかったのは、身近な治療家としての地位が確立されていたからではないでしょうか。
柔道整復師の仕事とは?
柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲などの怪我を扱います。これらの怪我を手術はせずに、固定や整復などの施術で治していくのが仕事です。超高齢社会において、転倒によって捻挫や打撲、骨折してしまう高齢者の方はたくさんいます。そんな中、地域に密着して診療を行う柔道整復師はとても頼りにされる存在です。
現在の柔道整復師が働ける場所は多種多様
柔道整復師の求人というと、当然、接骨院(整骨院)だろうと考える方が多いかもしれません。ですが、今では柔道整復師の働く場はとてもたくさんあります。例えば、デイサービスなどの介護施設。ここにはリハビリを担当する「機能訓練指導員」の配置が義務付けられています。柔道整復師は、この機能訓練指導員を名乗れる資格なのです。また、最近ではリラクゼーションサロンなどの募集もあります。施術者としての役割はもちろん、国家資格保持者としてスタッフを指導する立場で入ることも多いようです。
このように現在の柔道整復師の募集は多種多様です。自分のライフスタイルに合った働き場所を選んで自分の資格を生かしていくことができます。
患者さんに信頼される柔道整復師になるために
柔道整復師として仕事をするうえでよくある大きな誤解があります。それは施術が第一であるという考え方。これはまじめな先生ほど陥りやすい誤解です。医師も柔道整復師も患者さんを治したいという気持ちは同じです。けれども、柔道整復師とはより患者さんに近い立場で施術を行う存在です。患者さんの信頼を得て施術を行うことで、患者さんの本来もつ、自然治癒力をより高めることができるでしょう。ですから、柔道整復師にとって技術力と同様に必要とされるのが人間力かもしれません。柔道整復師は直接患者さんの患部に触れ、施術を行います。当然、信頼していない人間にそんなことをされるのは不安なもの。どんなに施術力があってもそれが不安を抱く方法では病状を改善させることは難しいでしょう。患者さんに施術力を見せる前に、笑顔を見せて心を開いてもらうことが柔道整復師の第一歩だと思います。