目次
1.看護師国家試験の日程とボーダーライン
看護師国家試験は年に1回、毎年2月に実施されます。11月上旬から12月上旬にかけて願書を提出し、2月に試験、3月に合否が発表されます。
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看護師国家試験の日程と概要、過去の結果と合格率
国家試験の問題は「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」で構成され、各出題数と配点、合格基準は次のようになっています。
出題数 | 配点 | 合格基準 | |
---|---|---|---|
必修問題 | 50問 | 50点満点(1問1点) | 正答率80%(40点以上) |
一般問題 | 130問 | 130点満点(1問1点) | 毎年変動 |
状況設定問題 | 60問 | 120点満点(1問2点) | |
合計 | 240問 | 300点満点 | ─ |
必修問題のボーダーラインは正答率80%以上、得点にして40点以上と定められています。一般問題と状況設定問題の合格基準点は毎年変動し、過去5年では正答率61〜67%の間で推移しており、152〜167点がボーダーラインとなっています。必修問題、一般問題の状況設定問題両方のボーダーラインをクリアすることで合格となります。
次章から、国家試験に合格した人が国試の3ヶ月前から重点的に取り組んでいた問題集、参考書、アプリを紹介します! 直前期における勉強方法の参考にしてみてくださいね。
2.合格者が使った問題集TOP5!
「国試3ヶ月前に重点的に使っていた問題集」を聞いたところ、1位は『クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説』(メディックメディア)で192人が利用していました。毎年出版されており、出題範囲が網羅的にカバーされていることなどから人気を集めているようです。続く2位は、『医学書院 看護師国家試験問題集』(医学書院)という結果に。オリジナルの予想問題やWeb版も利用できるなど内容の充実面が評価されていることが伺えます。
コメントでは具体的な勉強方法も寄せられました。
コメント
- 必修の過去問と模試の間違ったところを全部解き直しました。赤シートでバーっと通して、間違ったら付箋を貼り、間違えたら都度復習して、付箋がなくなるまでそれを繰り返してました。
- 正解率よりも、正答率を重視した方が良いと聞いてから、「受験者のほぼ100%近く正解していたら、この問題は絶対に正解しないとダメなんだ」とか、「正答率が低いのは、私以外の人も、難しいと感じているんだな」と解釈していました。
- 必修の過去問集をやってました
3.合格者が使った参考書TOP5!
アンケートに回答した581人が選んだ参考書1位は、『看護師・看護学生のためのレビューブック』(メディックメディア)でした。国試対策だけでなく、実習の事前学習や定期試験対策にも活用できるため、多くの看護学生に選ばれているようです。
2位から4位まで大きな差はなく、A5判サイズで持ち運びに適している参考書がランクインしています。移動や隙間時間にサッと確認できる手軽さが支持されているようです。
回答者からは参考書の具体的な活用方法が寄せられました。
コメント
- 東京アカデミーの『でた問70%』と『クエスチョン・バンク』を繰り返しやってました
- 『全科目攻略ラスパ』(エムスリーエデュケーション)を試験開始直前まで眺めてたらたまたま眺めてたところが続けざまに出ました
- レビューブック使ったり、ネットで国試の問題ひたすら解いてました。過去5年分
- QB(クエスチョン・バンク)ひたすら解いてました
4.合格者が使ったアプリTOP5!
最も多かったのは、「アプリは使わなかった」でした。理由には「まだアプリが普及していなかった」「ほかのコンテンツを見てしまい集中できなかった」などの声が寄せられました。
アプリを活用した人に一番選ばれていたのは、株式会社クイックが出している「看護師国家試験対策 看護roo!国試」という結果に。2位には、問題集・参考書でもランクインしていたクエスチョン・バンクのアプリがランクインしています。
5.合格者の実態調査
ここからは現役看護師を対象に、国試対策を始めた時期、勉強方法、直前の過ごし方、当日の必需品についてアンケートした結果を紹介します!
本格的に勉強を始めたのはいつから?
「本格的に国試の勉強を始めた時期」を尋ねたところ、最も多かったのは「半年前」でした。次いで多かったのが「3ヶ月前」です。実習を終えてから本腰を入れて勉強を始めた人が多いことが伺えます。
コメントでは1ヶ月など短期間で追い込みをかけたという人も見られました。
コメント
- 実習が12月まであったので本腰を入れ勉強したのは12月ですが、夏休みとかは予備校行ったり、模試を受けたりはしてました!
- とにかくやる気が起きなくて、1ヶ月くらいで詰め込みました。苦い思い出です。
- 大学4年の4月に赤本(必修)を全部ノートにまとめて、夏休みから黒本(一般状況)を何回もしました。
試験勉強の方法は?
実践した勉強方法を尋ねたところ、「ひたすら問題集を解く」が最多でした。次いで「模試で間違った箇所の復習」が多く、繰り返し解くことで知識を定着させていたことがわかります。
コメントからは、勉強期間が短くても必修問題をとりこぼさないこと、頻出問題は必ず正解できるようにすることなどのアドバイスがありました。
コメント
- 私は本腰を入れたのは正直、1ヶ月前でした。過去問5年間ぐらいのデータをエクセルで管理しました。出題数が多いものは確実に覚えるようにし、自分の得意分野は満点取れるようにしていきました。苦手な分野で命取りにならないものは、最悪捨てる段取りもしました。これという立派な助言ではありませんが、必修9割以上、あとは8割前後取れました。
- 実習が終わってから国試対策を始めたので1~2ヶ月程度でしたが合格しました。
国試を目前にどう過ごしていた?
国試直前の過ごし方を聞いてみたところ、最も多い回答は「今まで間違えた問題や学習してきた知識をメインに復習」でした。新たなことを習得するのではなく、これまで学んだことの振り返りに時間を費やしていたようです。
コメントからは、前日は早めに寝るなど試験に向けて備えていた様子も伺えます。
コメント
- 2日前までは問題といたり間違えた問題をやり直したりしてましたが前日はひたすら今まで使ってた参考書やまとめたノートを見直してました。(問題をとくより記憶の呼び覚ましをしてました)あと前日、当日はひたすら暗記系をしてました。(公衆衛生や基礎看護学の数字等)
- 国家試験の前日と当日は、今まで勉強してきたことが身についていると信じて、そこまで勉強しませんでした
- 前日は当日に備えて早めに寝ましたよ!
- 過去問を周回→後は、それまでに間違えた所をチェックして、見直しだけはしました。
国家試験当日の必需品は?
「国家試験当日の必需品」を聞いてみたところ、「レビューブック」が最も多い結果でした。試験は午前から午後まで長時間に及ぶため、休憩時間などにサッと振り返れるよう普段から使っている参考書を持っていく人が多いようです。
コメント
- 国試の時は受験票と筆記具とクエスチョン・バンク(過去問題集)とお守りと携帯とイヤホン、財布を持っていったな~
- レビューブックの必要なところは問題集の方にコピーして貼り付けてたから持っていかなかった
- 問題集は持っていかず、レビューブックのみ持っていきました。
6.合格者からのアドバイス
ストレスを抱え込まないことが一番
Kさん 自分のためになるので、もちろん勉強したほうがいいんですが、ストレスなく過ごせるようにしてほしいです。
実習も勉強も楽しくできるのが一番いいですよね。
たまたま自分の環境が良かったのかもしれないですが、実習のときも理不尽な人があまりいなくて「看護師っていいな」ってちゃんと思える環境でした。もちろん実習自体は大変なんですけどね。
環境次第では看護学生のうちから「看護師になるの嫌だな」って考えちゃう人もいると思いますが、「看護師っていいな」って思える環境に出会えたら変わるのかなって。
受験を控えている看護学生さんには「看護って楽しいし、看護師ってすごいんだよ!」ってことを伝えたいです。 |
Kさんの具体的な勉強方法、本番で役立ったことはこちらの記事でチェック!
>【合格者体験記】看護師の国家試験対策! 解剖メイン・プロセス重視の勉強について伺いました!
頑張れば結果はついてくる
Wさん 「頑張れば結果はついてくる」「失敗したとしても何とかなるから大丈夫」って言ってあげたいです。
今だからこんなことを言えるんですが、当時は「失敗した、もう終わり」って思っていて……。でも、1年後でも2年後でも受かればいいですし、その過程もきっと良い経験になると思います。転んだときの起きあがり方を覚えればいいというか、私も「落ちたおかげで今の自分がある」って言えるので、頑張ってほしいなと思います。 |
国試浪人経験者Wさんの具体的な勉強方法、モチベーションの維持方法はこちらの記事でチェック!
>“1点”のために“1年”──。看護師国試浪人経験者はやはり面構えが違った
合格率9割を誇る看護師国家試験ですが、合格するには日頃の勉強が大切です。合格者の勉強方法や開始時期は個人差があります。自分に合った勉強方法を見つけ、一歩ずつ着実に合格を勝ち取りましょう!
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