ケガだけじゃない！高齢者のQOLも支える理学療法士
「理学療法士とは整形外科でリハビリをする人」。そう思う方も多いのではないでしょうか。確かに、怪我や病気、障害などで身体が不自由になった人の機能の回復・向上・悪化の予防を図るのは、理学療法士の重要な役割です。ただ、それだけではありません。近年、理学療法士の活躍の場として注目を集めているのが介護施設。高齢になると、筋力の低下や関節の障害などにより、今までのように体が動かなくなることもあります。ですが、その状態を放置すると日常生活に支障をきたし、やがては寝たきりや要介護につながる場合もあるのです。高齢者が健康で自立した生活を送るには、動作の維持が欠かせません。そのため高齢化が進む現代では、リハビリを重視する介護施設でも多くの理学療法士が活躍しているのです。
動作のスペシャリスト！理学療法士の仕事とは？
理学療法士とは、国家資格であり、PT(Physical Therapist)とも呼ばれます。寝返りを打つ・起き上がる・座る・立つ・歩くなど、日常生活に欠かせない基本的な動作のリハビリを行います。理学療法士が用いるのは、主に運動療法と物理療法の2つの療法。運動療法は運動により筋肉や関節の動きなどを鍛えることが目的です。物理療法は赤外線や電気・熱などをあて、痛みを和らげたり、動かしやすくしたりします。この2つの療法を組み合わせ、運動能力の改善を目指すのです。
活躍の場が広がる理学療法士の仕事
理学療法士の活躍の場は、病院や介護保険関連施設、障害者福祉施設、行政機関など広い範囲にわたります。中にはプロスポーツチームの専属となり、選手のサポートを行う理学療法士もいるようです。高齢化の進行で需要が高まっているのは、デイケアや老人保健介護施設などリハビリに力を入れている介護施設。一人ひとりに合ったリハビリを行い、自宅での生活の支援を行います。また、最近では在宅医療が増えつつあることから、訪問看護ステーションに所属し、利用者の自宅でリハビリを行う理学療法士のニーズも高まっています。
理学療法士はどんな人に向いている？
人と直接関わる理学療法士の仕事。相手の身体が不自由な場合も多いため、人を思いやり、親身になって向き合える方に向いている職種です。根気強さや、リハビリの対象となる人の小さな変化も見逃さない注意深さも、医療に携わる職種としては欠かせません。また医療方面でも介護方面においても、他の職種の人との連携が大切になってくるため、協調性も必要といえるでしょう。もちろんリハビリを受ける人や、他の職種のスタッフとのコミュニケーション能力は何より必要な力ですね。
