高い一般就労定着率で全国に拡大中
就労支援の現場では、一般就労へ移行した利用者の約60%が1年以内に離職してしまうといわれています。そのため、就労支援事業所では「せっかく一般就職につながったのに、利用者がまた事業所に戻ってしまった……」という悩みを抱える支援者も少なくありません。
B型事業所で6年間支援を続けてきた前田さんも、そんな課題を感じていた一人です。長期的に安定して働き続けてもらうため、どのような支援をして送り出せばいいか。そう考えて選んだのが、一般就労への定着率95%を誇るサンクスラボ株式会社でした。

サンクスラボは、九州・沖縄地方を中心に、就労継続支援A型・B型や放課後等デイサービスなどの障害福祉事業を展開する企業です。アプリ開発などのIT事業も手がけており、2025年7月時点で21拠点を運営し、全国に展開を広げています。
今回は、サンクスラボでサービス管理責任者(以下、サビ管)のキャリアをスタートした前田さんに、サンクスラボでの働き方や支援の手応えについて伺いました。
話を聞いた人
活躍部門 就労支援部 久留米オフィス
サービス管理責任者 前田智子さん
自立訓練と就労継続支援B型の生活支援員として11年間勤務。利用者が一般就労へ移行したあとの定着に課題を感じ、サンクスラボの就労継続支援A型事業所へ転職。現在は久留米オフィスのサービス管理責任者として、利用者の個別支援計画作成やサポート業務に従事している。
支援者として感じた一般就労移行の課題

──前田さんは長く就労支援のお仕事に携わってきたとのことですが、改めてこれまでの経歴を教えていただけますか?
前田さん:前職では18歳以上を対象に自立訓練で5年、B型事業所で6年、支援を担当していました。ただ、一般就労への移行後はサポートできることが少なく、課題に感じていたんです。
──どのような課題でしょうか?
せっかく、一般就労してもうまく定着できず、また就労支援に戻ってしまうケースが少なくないことです。前職でも「就労先やA型事業所でうまくいかず、またB型に戻ってしまった」と聞くことが多かったんです。
より定着につながる支援ができないだろうかと考えていたところ、A型の支援内容を知って興味が湧きました。雇用契約のないB型に対し、A型は雇用契約を結んだうえで就労機会を提供したり、一般就労への移行を支援したりするサービスなので、一般就労を希望する利用者も多いんです。
──それでB型事業所からA型に転職されたんですね。A型事業所のなかでも、サンクスラボを志望した理由を教えてください。
以前から、サンクスラボの一般就労への移行数の多さや、就職後の定着率の高さは耳にしていました。ただ、定着率については不思議に思っていたんです。約60%が1年間で再離職してしまう現状なのに、サンクスラボでは退職は約5%だけで、95%が就労を続けていると聞いて、にわかには信じられませんでした。
「何か特別なことをしているのかな?」と感じていたのですが、面接でお話を聞くうちに「サテラボ」という仕組みを知って腑に落ちました。
──どのような仕組みなのでしょうか?
「サテラボ」は企業に就職した人が、リモートで勤務するための施設です。この仕組みを活用する場合、利用者は勤務先の企業ではなく、スタッフが常駐するサテラボに出勤します。
就労継続支援から移行した人にとって、新しい勤務先の環境や業務に慣れ、就職先に定着するのはとてもハードルが高いんです。採用した企業にとっても、障がいや病気のある社員への対応に不慣れで、うまく支援できないケースもあります。一方、サテラボではスタッフが企業と利用者の間に入って担当業務を決めたり、体調面のケアをしたりするので、定着率の大幅な改善につながっているんです。

実際に久留米オフィスの近くにもサテラボがあって、私もA型と行き来したり、卒業した利用者に声をかけたりすることが多いんですよ。
──高い定着率の“秘密”がわかってより魅力を感じたんですね。
そうですね。A型の卒業から新しい仕事への定着まで、一貫した支援があると知って、サンクスラボならサビ管としての理想の支援ができると感じました。利用者の皆さんにもA型を見学してもらうときから、「ゴールはA型での就労ではなく一般就労です」とご案内しています。
もちろん、利用者の意思やペースは尊重するのですが、A型での就労で自信をつけてもらって、不安なく一般就労に移行してもらうことを重視しています。1年から1年半でA型を卒業するのが一般的で、久留米オフィスでは月に1人から2人程度、一般就労に送り出しています。
未経験でも安心の「サビ管2人体制」

──現在はサビ管として支援をされていますが、前職のB型事業所でもサビ管を担当されていたんですか?
いえ、サビ管の資格は持っていましたが支援員でした。なので、サビ管の実務はサンクスラボが初めてなんです。A型とB型では給料の有無や業務内容が異なりますし、利用者の雰囲気や支援内容も違うんです。
最初は自分の経験が通用するのか不安でしたが、サンクスラボはサビ管が2人体制なので、業務の相談や意見交換しながら、一人ひとりの支援の方向性を決められるので安心して業務に取り組めます。1人で悩む必要がないのは大きなメリットですね。
──同僚のサビ管のサポートを受けながら実務を経験できるんですね。では、事業所はどのような体制で運営されているのでしょうか?
久留米オフィスでは拠点長とサビ管2人、生活支援員6人の合計9人で、利用者約40人に対応しています。将来的に職員は12人体制にできるよう拡充を目指しています。
また、サンクスラボでは事業所の売り上げや経営を管理する「拠点長」と、サービスの質を担うサビ管の役割を分けている点が特徴です。一般的な事業所では、経営を管理する管理者とサビ管を1人で兼務することも多いですが、サンクスラボは管理者とサビ管の役割を分けているので、私たちはケアに注力できています。
──入社後はどのような研修を受けましたか?
入社の際はオリエンテーション後に、5日間の座学研修があります。会社や福祉サービスの仕組みについてしっかりと学べましたし、ワークショップでは同期とのつながりを持てました。研修では、実際に支援内容を考えながらおこなうロールプレイングもあり、学ぶことがとても多かったです。
配属後もOJTがありますし、月に一度、各拠点のサビ管同士で意見交換をする研修ミーティングもあり、「こういう利用者さんにはどういう支援がいいか」といった具体的な相談もできるので、とても心強いです。
──なかなか手厚いサポートを受けるんですね。現在はどのような業務を担当していますか?
利用者との面談や担当者会議、個別プランの作成を担当します。これらの業務の合間に、見学者の対応やミーティングなどもおこなっています。もう一人のサビ管からもアドバイスをもらいながら業務に臨めるので、未経験でも安心です。

──B型からサンクスラボのA型に転職して、支援面でどのような違いがあると感じていますか?
サンクスラボのA型では一般就労を目指している利用者が多いので、自分自身の言葉遣いなどを含め、支援は就労をイメージした内容になりました。また、B型では指示書やスケジュールをしっかりと決めて取り組むことが多かったですが、A型ではよりスキルレベルの高い指示書を提供するなど、一人ひとりに合わせた支援が重要になります。
B型でやってきた支援が、A型でも活かせているし、転職の際にイメージした理想の支援に近づいていると感じます。
「学びながら働ける楽しさがある」
──次はサンクスラボでの働きやすさについて教えてください。残業はどの程度ありますか?
残業はほとんどありません。月末月初の請求業務で少し忙しくはなりますが、ほかのスタッフのサポートもあるので、問題なく作業できています。
また、就業時間も10時から18時の7時間と特徴的なんです。拠点長とサビ管の役割を分けることで、負担軽減と時間の短縮を可能にしています。
──充実した組織体制が働きやすさにもつながっているんですね。お休みは取れていますか?
サビ管は土日祝日がお休みなんですが、就労支援の分野で土曜日に休めるのは珍しいことなんですよ。サビ管が2人いるので休暇も取りやすいですし、家族と過ごす時間もしっかり取れるようになりました。
ほかにも、3連休を取れるリフレッシュ休暇や、独自の制度で家族宛にお歳暮が届く制度などもあるんです。会社として「職員の家族まで幸せにする」という理念を掲げているんですが、その思いを実感できていますね。
──お歳暮制度は珍しいですね! 職員やその家族まで考えた取り組みをされていることが伝わってきます。では、サンクスラボで実際に働いてみて、どんな点に魅力を感じますか?
やはり、学びながら楽しく働ける点ですね。これまでは深く関わってこなかった請求業務や、加算に関する法的な知識など、福祉サービスについて深く知る機会が増えました。初めての仕事は緊張もしますが、理解できる喜びもあり、自分の成長を実感できています。
サビ管のキャリアパスについても、新規拠点立ち上げ担当になったり、サビ管を教育する立場に就いたりなど、さまざまな選択肢があります。拠点長へのキャリアチェンジをする人もいます。久留米オフィスでしっかりと経験を積んだうえで、自分の可能性を広げていきたいですね。
──最後に、どんな方がサンクスラボのサビ管に向いていると思いますか?
向上心が高く、新しいことを学びたいという方は、サンクスラボで働くことにワクワク感を感じてもらえると思います。利用者のステップアップ支援にやりがいを感じる方には、とてもマッチする職場です。