継続雇用制度のひとつである再雇用制度とは
再雇用制度とは定年を迎えたときに一度退職をして、その後改めて雇用契約を結び、再び雇用されることをいいます。この再雇用制度は政府の定める継続雇用制度に該当します。平成6年の法改正により、公的年金の支給開始年齢が60歳から65歳へと段階的に引き上げられることになりました。その影響で、平成25年度より無年金・無収入となる人があらわれます。それに該当する人とは、60歳の定年を迎えたあと継続して雇用されなかった人です。こうした年金支給と雇用との接続の問題を解決するために、(1)定年の引き上げ(2)継続雇用制度(3)定年制の廃止のいずれかの導入を義務付けています。
平成27年に厚生労働省が行った調査によると、医療福祉業界での継続雇用制度の導入率は89.8%とのこと。そのうちの7割以上の事業所が再雇用制度を選択しています。
再雇用制度により働き続けられるメリット
再雇用制度のメリットはやはり慣れた職場で働き続けられるということです。今まで培ってきた経験や知識を活かすことができます。また、よく知ったメンバーの中で働くことができる安心感もあります。再雇用制度がない職場にいて60歳以降も働きたいのなら、定年退職に合わせて就職活動をしなくてはなりません。しかしタイミングよく再就職先が決まるとも限らないので、再就職までの空白期間ができてしまう場合があります。定年退職から再雇用までの空白期間がない再雇用制度は、経済的にも精神的にも安心です。
再雇用制度を利用する場合は賃金等の確認を
再雇用制度は名前の通り再び雇用されることを指します。定年を迎えると一度退職し、雇用契約を結びなおすことになります。このとき結びなおした新たな雇用条件は、定年以前までのものよりも低水準となることが多いようです。たとえば今までは正社員だったのが契約職員やパートになる、時給制になり給与が減る、など。それまでの収入と比べると減少する可能性が高いので、再雇用時に雇用契約の内容をきちんと確認しておくことが大切です。