
求職者が面接を辞退する理由
求職者が面接を辞退する理由としては、以下のような例が考えられます。
・待遇や条件が自分には合わなかった
・第一志望の企業と面接日が重なってしまった
・今の職場の上司に思いとどまるよう説得された
・家庭の事情で転職活動を止めなければならなくなった
人によって状況はさまざまですが、やむを得ず面接を辞退する場合、担当者に丁寧に連絡するのが社会人のマナーです。最も避けたいのは、面接当日に断りの連絡を入れること。
直前のキャンセル連絡は、面接の準備をする企業にも迷惑がかかるため、なるべく早めに面接辞退の理由を伝えることが大切です。
面接辞退の理由を伝える際の不安要素
「面接を辞退すると失礼になるかも」と不安に思われる方も少なくありません。面接はあくまで企業と個人の間で行われるため、法律のような縛りもなく辞退することは自由です。しかし、面接の辞退は予定を空けてくれた採用担当者の時間を奪うことにもなり、杜撰な対応をすれば心証を悪くすることもあります。
気持ちよく就職・転職活動を行うためにも、社会人として最低限のルールやマナーは守りたいですね。特に複数の企業を志望する新卒の皆さんは、面接先の企業が専門分野の業界であるほど、他の企業との繋がりを重視するところもあります。
面接を辞退した企業が、入社後に取引先だったということも珍しくないからです。また一度面接を断れば、その企業に就職することはほぼ不可能となります。こうした点も考慮し、「なぜ面接を辞退するのか」、「辞退する理由をちゃんと理解しているか」など、しっかり頭の中で整理しておくことが大切です。
面接を辞退するときはどんな理由を伝えればいいの?
辞退の理由を伝える際は「一身上の都合のため辞退させていただきます」といったシンプルなもので構いません。「待遇や給与面で納得できなかった」、「お仕事に興味が持てなかった」など、ストレートな表現は相手の心証を悪くする可能性もありますので、なるべく避けることが大切です。
一部の企業では「辞退の理由を詳しく教えてほしい」と問われるケースもありますが、その際は当たり障りのない内容を伝えればOKです。基本はメールで辞退する意向を伝えた後、気になる場合は電話連絡でフォローする流れとなります。
面接はまだ選考段階でもあるため、メールだけの連絡でも差し支えありません。もし返信がなければ直接事業所へ電話連絡し「メールは届きましたでしょうか?」と確認すれば誠意が伝わります。
また、断りづらいからといって、無断で面接をキャンセルすることは社会人としてのルール違反になります。メールは一方的な連絡手段なので、相手との会話もなく失礼に感じるかもしれませんが、早めの連絡を行う際は有効な手段であり、送信時間が記録されるためメリットも大きいです。辞退することが決まったらすぐにメールで知らせましょう。
面接を辞退するメリット
採用の選考スケジュールは企業によって違うため、第一志望と第二志望の面接日が重なってしまうといった問題が生じます。人生を決める大切な就職・転職活動において、どうしても第一志望の企業に受かりたい場合は面接対策などに時間をかける必要があり、第二志望の面接を辞退することは必ずしも悪いことではありません。
一方で、面接を辞退せず、スケジュールの日程調整をお願いすれば、受け入れてくれる企業も一部であるため、早めに連絡・相談することはとても大切です。
面接までの選考期間は企業をじっくり研究できるチャンスでもあります。就職・転職活動中は、内定を取ることにどうしても目標を置きがちです。しかし、自分に合った環境や仕事を見つけるのも活動の一環だと考え、積極的に会社説明会や見学会などに参加し、待遇や制度、職場の雰囲気などをこの期間にしっかり調べておきましょう。
また、内定を辞退するのは場合によって面接の辞退よりも印象を悪くする可能性があるため、早めの決断は大きなメリットになります。
このように、面接の辞退はネガティブなものばかりとは限りません。明確な目標を設定し、スケジュールを正しく管理すれば、自分に合った企業や受けるべき面接がわかるようになります。
メールで面接を辞退する場合のメリットやデメリット
◇メリット
・文面や送信時間が記録として残るため、伝達のミスが少なくなる
・時間の制約がなく、営業時間内にいつでも送ることができる
(ただし、深夜での送信は避けましょう)
・個人でアドレスを所有しているため、誰に向けて送った内容なのか把握できる
(電話連絡の場合、採用担当者が席を外していることもあるため)
◆デメリット
・相手がちゃんとメールに目を通したのか分かり難い
(メールソフトによっては「既読、開封通知」機能あり)
・一方的な連絡手段なので、冷たい対応に思われる可能性がある
・メールでのやり取りをしない企業がある
(採用担当者がメールアドレスを所有していないなど)
最も丁寧な連絡方法は電話ですが、こちらは時間の制約が多くあり、例えばお昼休みの最中や終業後に電話をすれば「こんな時間に困るな」と思われることも。
その点、メールは営業時間内にいつでも送れるため非常に便利です。ほとんどの採用担当者は、メールに目を通した後に返信してくれますので、電話連絡をしなくてもメールでのやり取りで完結することもあります。
しかし、毎日大量のメールを読まなければならない担当者の場合、運悪く自分が送信したメールを読んでくれないことがあります。面接当日に「今日はどうされたのですか?」と連絡が入り、慌てることがないようにしたいですね。そのため、送信後も担当者の返信を常に気にかけ、自分のメールが読まれているか把握しておきましょう。
知っておきたい面接辞退におけるメールの書き方
メールは「件名」と「本文」が主に書くところになりますが、件名は一番最初に目にとまるため、「面接辞退のご連絡」など分かりやすい内容を記載します。送信の際は、自分の大学名や氏名なども書かれているか忘れずにチェック。転職活動をしている方は大学名の記載は不要です。
次は本文です。最初に送信先の会社名と採用担当者の部署、氏名などを記載します。そして面接を辞退する理由を述べた後、最後に自分の氏名と住所、電話番号、E-mailを記載します。まわりくどい表現は避け、辞退することがシンプルに伝わる内容を心掛けましょう。文末にはビジネス文書の定型句となる、「貴社益々のご発展を心よりお祈り申し上げます」を使用すればOKです。
<メールの書き方例1>
(件名)
面接辞退のご連絡 大学:〇〇大学 氏名:〇〇〇〇
(本文)
株式会社〇〇
人事部 採用担当 〇〇様
先日、面接のご連絡をいただいた〇〇〇〇(氏名)です。
〇月〇日に面接のお約束をしていましたが、一身上の都合により辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。
会社説明会では親切に対応していただきましたこと、心より感謝しております。
末筆ながら貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
————————————————————
〇〇大学 〇〇学部
〇〇〇〇(氏名)
住所:
電話:
E-mail:
————————————————————
<メールの書き方例2>
(件名)
面接辞退のご連絡 大学:〇〇大学 氏名:〇〇〇〇
(本文)
株式会社〇〇
人事部 採用担当 〇〇様
お世話になっております。〇〇大学の〇〇〇〇(氏名)です。
〇月〇日〇〇時より、面接のお時間をいただいておりましたが、一身上の都合により辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しい中、面接の日時を調整していただいたにも関わらず、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ありません。
本来は直接お詫びすべきところですが、メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
最後になりましたが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
————————————————————
〇〇大学 〇〇学部
〇〇〇〇(あなたの氏名)
住所:
電話:
E-mail:
————————————————————
電話連絡で面接を辞退する場合のメリットとデメリット
電話連絡で面接辞退を伝える際、そのメリットやデメリットには以下のようなものがあります。
◇メリット
・メールと比較して誠意が感じられる
・採用担当者と直接話せるため、辞退することが正確に伝わる
◆デメリット
・連絡する時間に制約がある
・静かな場所を選んで話す必要がある
(人ごみや生活音のする中で話すのは避けましょう)
・辞退の理由を詳しく聞かれる場合がある
現在は、インターネットの環境が充実したことにより、メールで面接の辞退をお願いする機会が多くなりました。一方で、電話で連絡することが誠意ある対応だと思う企業もあり、採用担当者の個人メールを公開していないところも一部であります。社会人になれば、電話で人とやり取りする機会も多くなりますが、学生などは慣れていないところもあるため、電話連絡はハードルが高いかもしれません。
電話連絡の際は、まず時間的な制約があることを覚えておく必要があります。お昼休みや終業時に電話を掛けると、採用担当者が席を外していたり、まったく違う部署の社員が受話器を取る可能性があります。最近はスマートフォンを個人で持つ社員も増えてきましたが、お昼休み中に電話が鳴れば、あまりよい気分はしませんよね。
他にも、電話連絡では辞退する理由をしつこく聞かれる場合もあります。当たり障りのない内容を伝えることができればベストですが、目上の方との会話に慣れていない学生などは、緊張で話さなくてよいことまで話してしまうかもしれません。
面接を辞退することは決して珍しいことではないため、リラックスした会話を心掛け、シンプルに辞退する理由を伝えましょう。
知っておきたい面接辞退における電話連絡のポイント
電話連絡の際は、相手が出た後に自分の大学名や氏名を最初に述べます。次に「人事部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」など、採用担当者と会話ができるようお願いしましょう。
担当者が電話に出た後は、必要であれば再び大学名や氏名を述べ、面接を受ける予定の日時を正確に伝えます。そして、「大変申し訳ございませんが、一身上の都合により、この度の面接を辞退させていただきます」と話せば、担当者も理解してくれます。最後に、お詫びの気持ちを言葉にして伝えることができればベストです。
すでに社会人の方であれば問題ありませんが、学生の方は普段使わない敬語に苦戦するかもしれないため、日頃から練習しておくことをオススメします。
多様化する「面接を辞退する理由」
厚生労働省による全国の有効求人倍率も、2018年7月で1.63倍となっているため、リーマンショック時と比べれば「超売り手市場」といっても過言ではない状況です。そのため、企業側も本腰を入れて採用活動に取り組んでおり、また多くの企業の面接を受けることで、ステップアップを図ろうとする人材も増えています。
しかしながら、ネットの普及による情報の活性化により、就職・転職活動のやり方も多様化する傾向にあります。待遇や制度も他の企業と比較しやすいため、応募後に再考し、面接前に早々に辞退してしまう方も一部で存在します。
企業にとっては応募する前に検討してほしいというのが本音ですが、現在は就職サイトやSNSなどの情報ツールが充実し、スマホやパソコンを通して就職・転職活動が行えるため、「まずは応募してから検討しよう」という方が増えています。そのため、面接を辞退することもさほど珍しいことではなくなりました。
選考時に辞退するタイミングで一番多いのが「面接前」、次に「面接後」、「内定後」となります。面接前に辞退する理由は、「条件面で折り合いがつかなかった」、「希望する仕事内容と違っていた」など、待遇や制度に関わる認識の違いを指摘するものばかりです。
面接後に辞退する理由は、「条件面で折り合いがつかなかった」はもちろん、「面接官の説明内容と求人内容の齟齬があった」、「会話や対応に問題があった」など、条件面だけでなく精神的な不満も影響しています。
どの理由も、お互いの認識不足から起こるものばかりなので、選考期間中にトラブルにならないよう、事前に企業研究することはとても大切。面接を辞退することは珍しいことではありませんが、できればスムーズに内定まで進むことが理想ですね。そのための情報収集を常に怠らないようにしましょう。