1. 今日の転職経験者はこんな人
2. Oさん(歯科衛生士・34歳)の生い立ち
2-1. 幼少期〜小学校時代
2-2. 中学校〜高校時代
2-3. 専門学校時代
3. 手紙をきっかけに地元の歯科医院に就職
4. 都会に憧れ上京
5. 法人化された歯科医院で修行の日々
6. 人間関係に悩まされながらも10年目
7. 歯科衛生士さんに聞きたいあれこれ
8.(番外編)生活・恋愛・今後の話
1.今日の転職経験者はこんな人

ー簡単にプロフィールを教えてください。
Oさん:富山県出身の34歳です。東京で歯科衛生士として働いています。
ー地元はどんなところですか?
港町なんですが、山も近かったので海も山も楽しめる田舎でした。
魚介類は知り合いの漁師さんからいただけるので、ほとんど買ったことなかったですね。ブリやホタルイカなんかは食べ放題レベルでした。今考えるとものすごい贅沢ですよね。
ーご自身をどんな性格だと思いますか?
負けず嫌いで、根性があるほうかなと。
友人からは真面目だよねと言われます。
ー家族構成を教えてください。
両親と、1つ下の妹がいます。
ー転職回数は?
3回です。最初の職場だけ地元で就職して、2つ目の職場からはずっと都内です。
ー歯科衛生士としては何年目ですか?
14年目です。いつの間にかそんなに経ってました。
ーありがとうございます。ここからは生い立ちに沿ってお話を聞かせてください。
2. Oさん(歯科衛生士・34歳)の生い立ち

2-1. 幼少期〜小学校時代
ー通っていたのは保育園ですか? 幼稚園ですか?
幼稚園です。
当時は今とは違ってとにかく大人しい性格で、すぐに泣く子どもでした。今とは正反対だったかもしれません。
あるとき同じ園の子に手を噛まれたんですけど、親や先生には言えず、1人でお風呂でシクシク泣いていました。
ーどんな遊びをしていましたか?
よく妹と一緒にヒーローごっこをしてました。
あと遊びではないんですが、昔からなぜか歯医者さんや病院が大好きで、何かあるとすぐに病院に行きたがっていました。歯医者さんに行ったときには、待合室にいるときから口を空けて待ってました(笑)。
ー小学校にあがってからはどうでしたか?
小学校でも相変わらず泣き虫でした。集団生活が得意じゃなくて、一人で遊ぶことが多かったです。
あと3年生くらいから英会話を習ってました。今も英語は全く喋れないんですけどね。
2-2. 中学校〜高校時代
ー中学校での思い出は?
中学校ではバレーボール部に入部し、背が高かったこともあり一応エースでした。
ただ、先生がすごく怖いひとだったので3年間萎縮しっぱなしで。怒鳴られたりボールを思い切りぶつけられたり。
あと、初めて彼氏ができたのは中学生のときでした。今はなき青春ですね。
ー高校はどんなところへ?
商業高校の総合学科へ。
けっこう頑張って勉強をし、簿記1級を取得しました。残念ながら今の仕事にはそれほど活かせていませんが。
2-3. 専門学校時代
ー卒業後の進路は?
盛岡にある歯科衛生士の専門学校に入学しました。ちなみに3年制です。
ー歯科衛生士を志した理由はなんですか?
身体が弱い妹の付き添いでよく病院に行っていたので、初めは看護師さんに憧れていたんです。優しくてテキパキしててかっこいいなと。
でも中学生のときにヘルニアになってしまったこともあり、力仕事が多く、体力も必要とする看護師は難しいのかなと。
そこで、歯科助手だった従姉に相談に乗ってもらっているうちに、歯科衛生士に興味を持つようになりました。
ー学生生活は楽しかったですか?
初めての1人暮らしだったので入学前はワクワクしていたんですが、実際は勉強をしていた記憶しかないですね。学校から帰ってきても、毎日3~4時間は勉強していました。
ー歯科医院などでアルバイトはしましたか?
やっていましたよ。3年次には週1ぐらいでしか入れませんでしたが。
時給は恐ろしいほど低かった記憶があります。時給650円くらいだったような。
なので不二家のレストランでも働いていました。
ー600円はかなり安いですね。歯科医院などでの実習はありましたか?
3年次に合計半年くらいありました。週1で登校日があるんですが、それ以外の平日は朝8時から夕方の5時まで。
ー実習内容を教えてください。
準備と片づけのお手伝い・患者さんの案内・先生の診療補助・掃除などです。
実際に患者さんに触れる機会はそんなになかったかな。3つの歯科医院に2ヶ月づつくらい行かせてもらいました。
ー国家試験勉強は大変でしたか?
すごく大変でした。ご飯と寝るとき以外はずっと勉強。友達もみんなピリピリしていて。
とにかく勉強していないと不安でしたね。
3. 手紙をきっかけに地元の歯科医院に就職
ー新卒で入った職場はどんなところでしたか?
家族が恋しかったのと友人が地元に多かったこともあり、実家の近くで働こうと思っていたんですが、いかんせん田舎なので求人がまったくなかったんです。
なので、自分が通っていた歯医者さんに手紙を出して、採用募集の有無を聞きました。その歯科医院では募集していなかったらしいんですが、市内の歯科医師会の集まりで、その先生が聞いて回ってくれたんです。「人手が足りない医院はありますか?」と。
たまたま1ヶ所だけ募集しようとしていた歯科医院があったらしく、そこに声をかけてもらい就職しました。
雰囲気としては静かで落ち着いた個人経営の歯科医院です。あまり教育体制は整っておらず、教えられるというよりは自分で見て覚えたり、休みの日などに自分で勉強することのほうが多かったですね。
ー給与などの条件は?
額面で15万円。賞与はありませんでした。
ーその歯科医院にはどれくらいの期間働いていましたか?
1年9ヶ月くらいです。
ーなぜ転職を?
東京に出たかったからです。やっぱり都会に対する憧れがあり、当時の若さもあって勢いで上京しました。
4.都会に憧れ上京
ー面接は東京で実施されたんですか?
そうです。旅行も兼ねて。
1つに絞って受けたので、何回も足を運んだわけじゃないんですが。
ー東京と地元の歯科医院で大きな違いはありましたか?
一番違うのは患者さんの層ですね。東京では年齢層も幅広いし、自費診療を受ける方も沢山いますから。
地元は高齢者が多いので入れ歯を扱うことが多かったのと、保険診療がほぼ100%でした。1回だけインプラントの手術があったんですが、東京からメンターみたいな人が来てくれて、その方のサポートのもと施術していましたね。
ー保険診療と自費診療で、歯科衛生士の業務内容も大きく変わるんでしょうか?
もちろん変わります。自費診療で特徴的なのはインプラント手術の補助ですね。器具や鋼材なども保険診療ではまったく扱わないものなので。
ーそこでは何年くらい働きましたか?
半年くらいで辞めちゃいました。その職場はホワイトニング中心のクリニックで、ひたすらホワイトニングを実施するところだったので、このままここで働き続けてもホワイトニング以外のスキルが身につかないと思い転職しました。
5.法人化された歯科医院で修行の日々
ー次はどういう職場へ?
10軒ほどの歯科医院を運営する大きめの法人です。それまでは、田舎の歯医者とホワイトニングのクリニックしか経験していなかったのでビシバシしごかれましたね。
その法人はシフトに応じて色んな歯科医院で働くという少し変わった勤務体系でした。各医院ごとに動き方を変えなければいけなかったので苦労した分、色んな先生とも仕事ができ、すごく勉強になりました。
ただ、本当はそこで働く前に今の職場に来たかったんですよね。
というのも、ホワイトニングの歯科医院で働いていた頃、先生に転職について相談したら「すごくいい歯科医院だよ」と、今私が働いている職場をおすすめされたんです。
それで、問い合わせたところ「今は募集してないから、別のところで修行してきて」と。
ーなるほど。その職場には修行も兼ねて転職したんですね。
そうなんです。そこでは3年くらい働いていたんですが、ある日なんとなく求人サイトを眺めていたら、たまたま今の職場が求人を出していたので応募した、という感じです。
でも前職のスタッフもすごく良い人たちで、「いつでも戻っておいで」と快く送り出してくれました。
6.人間関係に悩まされながらも10年目
ー実際に今の職場に転職してみて、おすすめされていたような良い職場でしたか?
それが意外と大変だったんです。特に人間関係が。
ーどんな風に大変だったんですか?
お局の受付スタッフに無視されてました。その人が辞めるまでの2年間くらい。
ただ、私も負けず嫌いだったので無視合戦みたいになっちゃって、職場の雰囲気を悪くしてしまったのは反省です。
その人も辞めるときには「なんか今まで、冷たくあたってごめんなさいね」って軽めに謝罪してくれたんですけど、「いまさら遅いわ!」って感じで。
ーよく辞めませんでしたね。
もちろん何回も辞めようと思いましたよ。
でも「次のボーナスまで頑張ろう」、「~月まで頑張ろう」って続けてたら、いつの間にか9年近く経ってました。来月から10年目に突入です。
ーたしかに根性ありますね。お給料はどれくらいですか?
入社当時は額面で23万円。今は37万円くらいです。賞与は年1回1ヶ月分。

ー休日は何曜日ですか? また、残業はありますか?
木曜と日曜です。残業はほとんどありません。
ー業務の中でOさんが得意な処置はなんですか?
得意というわけではないんですが、手術の介助が好きです。
先生のアシストをしていて、手術の流れが滞りなくスムーズに終わると「よっしゃ!」って達成感があります。
ー逆に苦手なものは?
苦手な処置は特にないんですが「苦手な患者さん」なら。
あくまでも私の経験談でしかないんですけど、若い内に成功を掴んだような、いわゆる「ベンチャー企業の社長」みたいな人は横柄な態度を取ることが多いんですよね。昔からある会社や、大きい企業の役員さんほど人格者な印象です。
7.歯科衛生士さんに聞きたいあれこれ
ー歯科助手が衛生士業務をやっているところもあると耳にするんですが、本当にあるんでしょうか?
正直かなり横行してますよ。今の職場でそういうことはないんですが、過去の職場ではありました。
ベテラン歯科助手で、歯科衛生士より技術がある人もいました。それがいいことかと問われると、違うと思いますが。
患者さんをはじめとして、外から見ただけでは、その人が助手なのか衛生士なのかはわからないので是正しにくい問題ですよね。
ーいい歯医者さんの見分け方を教えてください。
院内に清潔感がなかったり、お手洗いが汚いところは避けたほうがいいと思います。いい先生だったら、自分で気が付いて率先して掃除するので。
あと、見つけ方としては歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士などの歯科関係者からの紹介が確実ですね。
これは患者さん側にも、求職者側にも言えることですね。
ー自分の歯の治療は、勤務先の歯科医院で?
そうです。自分で予約システムに入力して。
ちょうど今も治療中ですよ。最近、詰め物が取れちゃいまして。
ー正しい歯磨きのやり方を教えてください。
フロスは絶対に使って欲しいですね。歯間の汚れから虫歯や歯周病になる人がすごく多いので。
個人的には、まずフロスを使って、そのあと歯ブラシが良いと思います。その方が歯磨き粉の成分が隅々まで届く気がして。エビデンスはありません(笑)。
ー歯科衛生士になってよかったことは?
医療系の国家資格を持っているのは強いなってすごく思います。それに歯科医院はすごくたくさんあるので、仮に就職難になっても転職先は見つけやすいんじゃないでしょうか。
8.(番外編)生活・恋愛・今後の話
ーホーム画面を見せてください。
いいですよ。どうぞ。

ーよく使うアプリベスト3を教えてください。
1位「LINE」、2位「Twitter」、3位「Filmarks」です。
Filmarksは映画の情報アプリです。最新の映画情報を見たり、観た映画のレビューをしたり。
ー映画好きなんですね。最近観た映画はなんですか?
「メン・イン・ブラック:インターナショナル」です。まだ観てない人には申し訳ないんですが、正直あまり面白くなかったですね。シリーズのファンなだけにガッカリしました。
あとは、マーベルがすごく好きなので「アベンジャーズ/エンドゲーム」は映画館で4回観ました。
ー休みの日はどんな過ごし方をしてますか?
プロ野球観戦か映画鑑賞が多いですね。
野球に興味を持ったのは去年からなんですが、なんとなく観に行ったらハマっちゃいました。それまではサッカーが好きだったんですけどね。
ーお付き合いしている方はいますか?
残念ながらいません。
ー異性のタイプは?
価値観が近い人がいいですね。アベンジャーズを最低2回は見ていて欲しいです(笑)。
あとは、マナーが悪い人は嫌ですね。歩きタバコをする人とか、店員さんに偉そうな人とか。
この歳になって、こんな話をするのも恥ずかしいですね……。
ーでは最後に、今後の目標またはやりたいことはありますか?
歯科衛生士って離職率がけっこう高い職種なんです。そのなかでも人間関係に悩んで、という人も割と多くて。
そういう人を少しでも減らすための活動を今年からやっています。内容としてはSNSでの活動を中心に、歯科専門誌へのコラム寄稿、webメディアでの記事執筆など。
歯科衛生士のお悩み相談役みたいなポジションになれたらなと思っています。
ーその活動が上手くいくよう応援しています!本日はありがとうございました。