
1.「ひばりの保育 仙川のいえ」に行ってきた

「ガーデンテラス仙川」。館内には保育園のほか、デイサービスとクリニックが入る
今回は、シマダリビングパートナーズさんの企業主導型保育園「ひばりの保育 仙川のいえ」に行ってきました。
東京都三鷹市にある保育園は京王線「仙川駅」または「千歳烏山駅」からバスで約10分の距離。同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅「ガーデンテラス仙川」の中にあります。

「ひばりの保育 仙川のいえ」玄関口
2.施設紹介(屋上庭園、屋外テラス)

保育スタッフのみなさんと案内してくれた園長の中原直さん(写真右)
ー今日はよろしくお願いします。園の特徴を教えていただけますか?
中原さん:「ひばりの保育 仙川のいえ」は2019年4月にオープンしたばかりの新しい園です。施設として特徴があるのは「保育室(遊び・お昼寝スペース)」と「屋外テラス」、「屋上庭園」の3つです。
ー屋上庭園はどんなときに利用するんですか?
中原さん:シャボン玉や追いかけっこなどをして遊ぶことが多いです。高い柵に囲まれているので、子どもたちが思いっきり走り回ることができます。

屋上庭園は約200平米の広さがある
ー「仙川のいえ」の特徴的な保育はありますか?
中原さん:「屋外テラス」でおこなう月1回の「園芸体験」です。グリーンマネージャーという園芸の専門家が来てくれて、さつもいもを掘ったり、植物を植えたり、どんぐりで制作物を作ったりします。今日は本当にいいタイミングで、グリーンマネジャーの山本さんが来てくれてます。
ーぜひ、山本さんにもお話を聞かせてください!「グリーンマネジャー」って珍しい職種だと思ったんですけど。

グリーンマネジャーの山本達さん(49歳)
山本さん:あまり聞きなれないですよね(笑)。ぼくはもともとシマダグループのホテルで働いていたんですけど、3歳くらいの頃から草花や植物が大好きで。園芸に詳しかったということもあり、会長に声をかけてもらって現在の仕事に就いています。

植物を自由にプランターに置いてもらい、山本さんが整える
ー保育園以外の施設でもお仕事をされてるんですか?
山本さん:そうですね。保育園だけではなく、介護施設の入居者の方にも「園芸体験」をしてもらったり、施設全体の植物を管理したりしています。このどんぐりの首飾りは、デイサービスの方々と作ってとても好評でした。

好きな紐を3色選んで、オリジナルの首飾りが作れる
3.施設紹介(エントランス、保育室)

日差しがたっぷり注ぐ明るいエントランス
中原さん:こちらがエントランスです。カウンターのパソコンには保育ICTシステムの「Hoisys(ホイシス)」を入れていて、「出勤・退勤登録」「登園・降園登録」「健康状態のチェック」「保育スケジュール」などの管理をおこなっています。

ICTシステム「Hoisys」で働きやすさを実現
ー事務作業で紙はあまり使わないんですか?
中原さん:園児の制作以外ではほとんど使いません。スタッフの週案・月案の作成やフィードバックも「Hoisys」でおこなっているので、すごく楽なんじゃないかと思います。
ーそのあたりの工夫が働きやすさにもつながるんですね。
中原さん:こちらはメインの保育室です。

デザイン性だけでなく収納性にも優れている
ーすごい。おしゃれな本屋とかカフェみたいですね。
中原さん:木の温かみがすごくあります。特徴でいうと、プロジェクターで視聴覚教材を楽しんだり、ホワイトボードにお絵かきをしたり、磁石で遊んだりできるようになっています。
ぼく自身が昔バンドをやっていたので、今後はもっといろいろな音楽に触れられる活動をしていきたいと考えています。
4.デザインコンセプトは「親子の木」

イメージのもとになった大樹
ー保育室にはどんなコンセプトがあるんですか?
中原さん:保育室は親子の木をイメージしています。「母の木」の中に「子どもの木」があるというコンセプトです。枝が両脇から伸びていて、お互いを支え合うような構造になっています。



ー保育室はどんな方が設計したんですか?
中原さん:弊社が展開している不動産事業のノウハウを使って、一級建築士の社員がおこないました。設計者自身が母親でもあるため、「子どもが安心できる環境」ということで、このような空間になっています。

ーなるほど。グループ会社に不動産事業があって、社内に建築士がいるからこそ実現できたデザインなんですね。
5.最後に

晴れた日に仕切り窓を全部開けると気持ちがいい
ー最後に改めて、会社と園のご紹介をお願いします。
中原さん:会社は「シマダリビングパートナーズ 」といいまして、保育、不動産、ホテル、飲食、旅行事業を展開するシマダグループに属しています。1952年に会長が「島田精米店」米屋として創業した、千歳烏山・仙川町発祥の会社です。

保育園の給食では自社の「シマダライス」を使用する
ー企業主導型保育園はどんな経緯でつくったのでしょうか?
中原さん: もともとは石垣島に会社が運営するホテルがあり、「使っていない大広間を活用したい」「子どものいる職員を定着させたい」という目的でつくりました。
まず2017年に「ひばりの保育 石垣のいえ」、2019年に「ひばりの保育 仙川のいえ」をオープン。これらは内閣府が推進する企業主導型保育のモデルケースになっています。
ー園の体制と募集状況について教えてください。
中原さん:社員4名、事務1名、保育スタッフ11名、調理スタッフ2名です。園児は0〜2歳児が14名。かなり手厚い体制で保育をおこなっています。
園児の定員は18名なんですけど、オープンして半年なので、環境が整うまでは現在の体制でいこうと思います。やっぱり「安心・安全」を第一にしていきたいので。
募集状況については、現在、保育士の資格をもつ社員を募集しています。
ーちなみに、中原さんはなぜ保育士になったんですか?
中原さん:ぼくは男3兄弟の末っ子なんですけど、母親の友達がよく子連れで遊びに来て、小さな子と接する機会がすごく多かったんですね。
その子たちが絵を描けるようになったり、自分の名前を覚えてくれたりすることが嬉しくて、中学生で「将来は保育士になる」と決めたんです。
その後は、NPOの運営を手伝ったり、保育園にボランティアに行ったりして、そのまま保育士になりました。
経歴としては200名規模の認可保育園で4年間働き、主任業務や認証保育所の立ち上げなどを経験して、「ひばりの保育」に移ってきたというかたちです。
ー男性保育士ならではの苦労はありましたか?
中原さん:やっぱり若いときは男性が少なくて、ロッカーや着替えのスペースがなかったり、トイレは近くのコンビニに行ったり、けっこう厳しい環境でした(笑)。ただ、いまは環境が変わって、1つの園に1人は男性保育士がいるような時代になっています。
昔は「給料が少ない」 「残業が多い」というイメージがあったと思うんですけど、企業主導型保育園に関していうと、母体の会社があるので給料もそれほど悪くないし、ウチの園は残業がほとんどありません。
たとえば、パソコンが得意な方はスキルが活かせるし、自然災害への対応、力仕事などで重宝されると思うので、興味がある方はぜひ飛び込んできてほしいですね。
ー本日はありがとうございました!