
1.今回インタビューしたのはこんな人

ー本日はよろしくお願いします! まず簡単にプロフィールを教えてください。
出身は岩手県で、今は都内で一人暮らしをしてます。年齢は24歳です。
美容師歴は3年で、1度転職をしています。
今回持ってきた履歴書は、その転職時のものですね。
ーありがとうございます。そもそも美容師に興味を持ったきっかけは?
高校2年生の頃だったかな。当時通っていた美容室のスタイリストさんから仕事のお話を聞いているうちに、だんだん興味を持ち始めました。
それからヘアスタイルの雑誌などを読んでいても、見ているだけじゃ我慢できなくなってきたんです。
私も「きれい」とか「かわいい」を作る側にまわりたいって。
ー転職はどのような経緯で?
新卒で個人経営の小さな美容室に就職したんですけど、そこはお客様の年齢層が高めのお店だったんです。
1年半くらい働いていたんですが、そろそろ同年代の若いお客様も担当したいなと。
その職場ではいつも白髪染めとパーマばかりだったので……。
ーなるほど。転職時に重視したポイントを3つ挙げるとしたら何でしょう?
1番に「自分のやりたいスタイルができるか」。
あとは「お店の雰囲気」と「立地」ですかね。都心にあるおしゃれな雰囲気のお店で働きたいなと。
新卒で入った職場は人間関係も給料も良かったんですが、ちょっと古い雰囲気のお店だったのでモチベーションが上がらず……。なので次に働くところは、自分の気分も盛り上がるようなお店がよかったんですよね。

ー転職活動はどのようにおこないましたか?
もともと今の職場にはお客さんとして通っていたんです。
髪を切ってもらいながら「転職しようか悩んでるんですよねー」って話したら、「今度、うちもスタッフの募集を掛けるから受けてみない?」と。
サロンの雰囲気やスタイルはすごく好きだったので、二つ返事で「受けさせてください!」って言いました。
なので転職サイトなどは使っていないんです。
ー今の職場はどんな雰囲気ですか?
場所は渋谷で、K-POPっぽいスタイルが得意なお店です。私もK-POP大好きなので仕事中でもテンション上がっちゃいます。
お客さんとして通っているときから雰囲気が大好きだったので、給料が下がってもここで働きたいなって思ったんです。
ちなみに店長は服装や髪型を韓国アイドルにめっちゃ寄せてます(笑)。
2.美容師の履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ーこちらが当時の履歴書ですか?
そうです。この黒塗りの部分はあまり気にしないでください。
今のお店のYouTube企画で履歴書を公開したんですが、その時に個人情報が漏れないように隠したんです。
ー履歴書は手書きで作成したんですね。
……? どういうことですか?
ーPCなどで作成せず、手書きで作成したんですね。という意味なんですが……。
ああ! 履歴書ってパソコンでも作れるんですね!
すみません。本当に世間知らずなもので「履歴書=手書き」というイメージしかありませんでした。
まあパソコンは使えないのでどっちにしろ手書きで作ってたと思います(笑)。
ー失敗せず1回で完成しましたか?
いや、何回も失敗したので3〜4枚は作り直しましたね。
履歴書作るのに1時間以上かかったんじゃないかな。
ー修正液などは使わなかったんですね。
え? 修正液って使ったらダメじゃないんですか?
ネットで調べたらそう書いてあったので……。
ーそうですね。採用担当者によって判断が異なりますが、原則は「書き直す」でよいかと。
でもやっぱりすごく大変だったので、もし次に転職する機会があったら頑張ってパソコンで作ってみようかな。
ー証明写真はいつ撮影しましたか?
履歴書を面接1週間前くらいに作成したので、写真もそれくらいのタイミングだったと思います。
写真屋さんとかではなく、近所にある証明写真機で撮影しました。
ー証明写真の服装・メイク・髪型はどんな感じでしたか?
柄物のシャツで、髪型は肩くらいのボブ。前髪は普通に下ろしてました。
メイクも服装も髪型もいつもどおりです。
ー美容師さんは履歴書や面接でスーツを着ないんですか?
まず着ないと思います。スーツを着るよりも、お店の雰囲気に合った服装やメイクを意識したほうがいいかなと思います。
私もそんなに美容師歴が長いわけじゃないので、もしかしたらスーツ指定されるお店もあるかもしれませんが。
ー髪色はどうでしょう?
髪色や髪型もお店の雰囲気に合わせてって感じですね。ただ、一般的には髪色の明るさよりも綺麗さが重要って聞きます。プリンじゃないとか退色した髪色ではないとか。
でも新卒の場合は学校によって指導がまちまちなんじゃないかな。私が通っていたところは「派手すぎるのはやめとけ」くらいな指導でした。
ー履歴書の内容について聞いていきたいんですが、保有資格の「日本ヘアケアマイスター プライマリーコース」という資格はどのようなものですか?

本当にざっくり説明すると、「ヘアケアのスペシャリスト」の民間資格です。
私が通っていた専門学校ではカリキュラムに含まれていたので、みんな持ってましたね。
ーその資格は役に立っていますか?
就職活動で有利になった感じはしませんが、まあヘアケアの知識はあっても困らないかなって。そのくらいです。
ー志望動機はびっしり書いてますね。

(志望の動機)
“私は一年間アシスタントとして働いている中で今のサロンでは年齢層が高いお客様を接客してきました。しかし、働いていく中で、これからも美容師をしていくと考えた時、もっと近い年代の方の施術もしたいと思うようになりました。貴社のスタイルはスタイリストの方々それぞれが違ったスタイルを作っていて私もこのようなスタイルをたくさん学びたいと思いました。貴社の雰囲気もよく、私もスタッフの皆さんと一緒に働きたいと強く思い貴社を志願いたしました。”(履歴書原文より)
やっぱりこういうのはたくさん書いた方が熱意が伝わるかなと思いまして。
ー改めて読んでみてどうですか?
うーん、1年半前に書いたものですけど、バカっぽいと言うか、小学生みたいな文章で恥ずかしいです(笑)。
あと前の職場を若干ディスってるっぽいので、そのあたりは書かなくてよかったかも。
ー志望動機を書くうえで意識したことは?
「なぜ転職するのか」「なぜこのお店じゃないとダメなのか」「どのように頑張っていくのか」の3つを書くといいって聞いたので、そのようにしました。
ネットの記事にそんなようなことが書いてあった気がします。
ー本人希望欄には自己PRのようなものが書かれていますね。

(本人希望記入欄)
“趣味は音楽を聞くことで、好きな韓国のアーティストの曲を常に聞いています。また韓国の音楽だけでなく、ドラマなども見ているので韓国語の勉強も少しずつしていきたいと思っています。そしてお店でもそれを活かせていければと思っております。そして、少しでもお店の力になれればいいなと思っております。”(履歴書原文より)
この欄には何を書けばいいのかわからなくて……。
なので志望動機に書ききれなかった自己PRをここに入れました。
ー履歴書の提出方法は手渡しでしたか? 郵送でしたか?
郵送でした。
あと履歴書のほかに全身写真も。たぶん、普段の服装の雰囲気とかをつかみたかったんじゃないでしょうか。
封筒はコンビニで買った履歴書についていた白い封筒です。写真と履歴書をクリアファイルに挟んで入れました。
ー全身写真での服装はどんな感じでしたか?
ブラウスにスカートだったかな。たしかモノトーンを意識してたと思います。
ー写真はスマホで撮ってプリントしたんですか?
そうですそうです。スマホで撮ってコンビニでプリントしました。一応写真用の台紙で。
本当に機械に弱いので、めっちゃ手こずった記憶があります(笑)。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

【履歴書:良かった点】
①証明写真
履歴書の写真や面接時の服装やメイクについて、お店の雰囲気に合ったもので臨まれることはご自身のアピールにも繋がるので良いと思います。
②志望動機
学びたい意欲が記載することで、熱意を伝えることができるので好印象かと思います。
②志望動機
「貴社のスタイルはスタイリストの方々それぞれが~」など、やや抽象的な表現が目立つようです。 具体的には「貴社のスタイリストの方々が作られているK-POP風なスタイルをはじめ、幅広いスタイルを自分も作れるように学んでいきたいと思っています。」など詳細に記載できると、ご自身の好むスタイルや方向性が会社にも伝わりやすくなるのでなお良いです。
③本人希望記入欄
本人希望欄に自己PRを記載するのではなく、志望動機欄にまとめましょう。とくに希望がない場合は空欄ではなく「貴社の規定に従います」と記載すると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
3.美容師の面接対策

ー次に面接対策について聞かせてください。
……と言われても、対策らしい対策はしなかったです。
されそうな質問を考えたくらいかな。志望動機とか長所短所とか、よくある質問と回答は考えていきました。
ー前日の準備はどのようなことを?
これといって何も。服装も当日決めましたし。
当たって砕けろ精神でそんなに準備しなかったです。
強いて言うと履歴書を見返したくらいです。一応、郵送する前にコピーして予備を取っておきました。
ー度胸がありますね。
よく言われます(笑)。
当日の流れとしては、お店の営業終了後に面接してもらったので、時間は21時頃だったかな? 10分前に着くようにしました。
面接官は店長と女性スタイリストでした。女性スタイリストが質問をして、その内容を店長がパソコンに打ち込むという形式だったと思います。
ー面接にはどのような服装で臨みましたか?
えーっと、どうだったかな。証明写真とは違う服装で行ったんですけど、すみません覚えてないです。
でも普段よりちょっとおしゃれしていく程度だったと思います。
靴も普通にスニーカーでした。
ー持ち物は?
履歴書を郵送していたので、大したものは持って行かなかったですね。
財布、スマホ、Suica、メイク道具、ハンカチ・ティッシュくらいです。バッグもいつも使っているやつで。
あ! あと一応、印鑑も持っていきました。
ー面接では何を聞かれました?
感動したこと、最近読んだ本、志望動機、転職理由くらいだったような。
もともとお客さんとして通っていたお店だったので、あとは雑談くらいですね。
だいたい20〜30分くらいで終わった気がします。

ー自分から質問はしましたか?
それは結構しました!
「練習会はあるのか」「長期休暇は取れるのか」「給料はいくらからスタートするのか」などですね。
入ってから後悔したくなかったので、気になることは全部聞きました。
ー大事なことですね! お客さんだったことで採用が有利に進んだりしましたか?
どうなんでしょう。もしかしたら裏では優遇してもらってたのかもしれませんが、正直あまり感じなかったかも。
面接の1週間後にサロンワークがあって、その後に合否の連絡をするって言われてたんですけど、内定連絡が来たのは2ヶ月後でしたしね。なので応募から内定までは2.5ヶ月くらいかかりました。
ー2ヶ月も音沙汰がなかったら諦めちゃいそうですね。
本当ですよね!
実際もう落ちたと思ってましたもん。その間は気まずくて、お客さんとしてもお店に行けませんでした(笑)。
ーでは最後に、美容師として転職を考えている方へのアドバイスを貰えますか?
もし気になるお店を見つけても焦って応募するんじゃなくて、まずお客さんとして行ってみたり、しっかり情報収集したりして「このお店は本当に自分に合っているのか」ってことをちゃんと考えた方がいいと思います。
じゃないと入ってから「なんか思ってたのと違う!」ってことになっちゃうかもなので。
ーたしかに事前調査は大事ですね!本日はありがとうございました。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎履歴書を見返すのはGood!
履歴書の内容と面接時の内容に相違が出ないよう、前日や面接前に履歴書を見返すことは非常に大切です。
◎積極的な質問は好印象!
面接だからと受け身にならず、自分から積極的に質問をする姿勢は、志望熱意や意欲を伝えられます。
◎スタイルブックを持参するとなお良し!
これまで自分が施術したスタイルをまとめたスタイルブックなどを用意することで、自身のスキルや趣向をより強くアピールできるので、余裕がある場合は準備すると良いでしょう。