日本最大級のスポーツ展示会

スポーツによる地方創生や健康インフラをテーマに開催される日本最大級の総合展示会「SPORTEC(スポルテック)2022」が東京ビッグサイトにて開催されました。開催12回目となる今回も出展者の情報発信、来場者のビジネス拡大のプラットフォームとして賑わいを見せました。
場内ではフィットネス機器や健康・美容機器の展示、健康食品のブースがところ狭しと並びます。大半はフィットネス関連の展示が占め、最新機器を試す愛好家たちがあり余る熱量を放っていました。
展示だけではなく、格闘家・ボディビルダーのトークショーや、ボディコンテスト登竜門「マッスルゲート」などの催しも同時開催されました。筋肉愛好家による筋肉愛好家のためのイベント、もはや筋肉フェスティバルです。



フレイル・介護用アイテムに注目
会場を見渡す中で目に留まったのは、ひっそりと開催されていたフレイル・介護対策EXPOです。健康長寿社会を実現するために必要なフレイル*対策、介護予防のための専用トレーニング機器、手軽に栄養が摂れる健康食品の展示がおこなわれていました。

パナソニック発のベンチャー企業、ことほ株式会社が開発した歩行リハビリテーション機器「らくらくバランス」。膝関節に負荷をかけず歩行能力を鍛える訓練機です。

嚥下機能の改善に役立つオート株式会社「嚥下機能トレーナー ドフィン」。くわえて呼吸することで空気通過抵抗を作り、呼吸筋を鍛えます。

65歳以上に向けたSOMPOケアの冷凍食品「食楽膳プラス」。この1パックでエネルギー324Kcal、たんぱく質18.0gを摂取できます。

鶏の照り焼きを試食しました。味はしっかりとしていますが、甘みと酸味がまろやか。鶏も野菜も柔らかく、幅広い年代に好まれそうな一品です。
ひときわ異彩を放つ「マッスルスーツ」

フレイル・介護対策コーナーの中でも大きく展開されていたのは、株式会社イノフィスの「マッスルスーツEvery」です。人工筋肉、マッスルスーツ……吸引力の強いワードに引き寄せられ、気づいたらすでに体験していました。

背負っているのがマッスルスーツEveryです。リュックのように見えますが、体感的には背中から太ももにかけてのサポーター。本体重量は3.8kgでさほど重さは感じません。
膝を曲げて立ち上がってみると……

え……すっご……めっちゃラク!!!
立ち上がるとき、誰かに引き上げられるような不思議な感覚です。膝と腰の負荷が確実に軽減されます。この快適さを写真で伝えられないのが残念です。
なぜこんなことが可能なのか、株式会社イノフィスの中川誠也さんに聞きました。

──マッスルスーツEveryはどういった原理で動きをサポートしているんですか?
中川さん:中にゴムチューブ状の人工筋肉が入っていて、空気を入れると人間の筋肉のようにパンパンに膨れます。この人工筋肉はしゃがむと引っ張られる機構になっていて、元に戻ろうとする力が強いアシストになるんです。

──どのようなシーンで利用されていますか?
もともとは作業をする人の腰の補助として開発されたんです。利用シーンの一つが介護の現場ですね。利用者さんを持ち上げたり、前傾姿勢を長く続けると腰を痛めてしまいますから、そのサポートとして利用されています。あとは重いものを運ぶ工場や物流倉庫、農家です。これまでで2万台ほど出荷されています。
──今回の展示ではボディメイキングを謳っていますね。
今後はこの反発の力を利用して、フィットネス向けにも打ち出していきたいと考えています。このスーツのメリットは良い姿勢を維持したままインナーマッスルに負荷をかけられることです。装着すると後ろに引っ張られるので胸が開き、猫背になりません。さらに骨盤が前傾するので姿勢を保てるんです。
──来場者の反応はどうですか?
関心が高い方は多くいらっしゃいました。この展示会でモニターを募集しているのですが、応募してくださった方もいらっしゃいます。装着も簡単ですので、ぜひ試してほしいです。
2023年の開催が決定

場内で配布されたセミナーガイドでSPORTEC2023の告知がされていました。来年は8月2日(水)から3日間、会場は同じく東京ビッグサイト東展示棟で開催されます。
民間、行政を問わずスポーツ・健康産業担当者やスポーツビジネスに興味のある方、事業を拡大したい方、検討してみてはいかがでしょうか。もちろん一般の方も参加可能です。