東京海上日動ベターライフサービス株式会社は東京海上グループの総合介護事業会社として設立され、介護付き有料老人ホーム、在宅介護サービス、サービス付き高齢者向け住宅を運営しています。
介護付き有料老人ホームのブランド名は「ヒルデモア」と「ヒュッテ」。今回取材したのは「ヒルデモア」です。勤続9年の看護師、藤原真喜子さんに施設看護師の働き方ややりがいなどを聞きました。
話を聞いた人
看護師 藤原真喜子さん
看護学校卒業後、総合病院の内分泌科に就職。8年ほど働いたのち、夫の転勤に付いていく形で各地を転々とし、さまざまな職場で看護師として働く。2013年に東京海上日動ベターライフサービス株式会社に入職し現在に至る。
充実の人員体制だからできる一人ひとりに合わせた丁寧なサポート

──ヒルデモアに来る前、藤原さんはどんな職場で働いていたんですか??
看護師のスタートは総合病院でした。ただ夫が転勤族だったので、夫の転勤に付いていく先々でいろんな職場で看護業務を経験したんです。クリニックにはじまり、一般企業の医務室、健康診断センター、特別養護老人ホームなどなど……。
私自身「看護師の活躍の場は病院だけじゃない」という考えが強かったので、「自分にはどんな仕事が合っているだろうか」「次はどんな職場かな」と、好奇心の赴くままに働いていました(笑)。
──今の職場であるヒルデモアやヒュッテの特徴を教えてください。
私が経験してきた職場との比較になってしまうのですが、人員体制がとても充実しているのが特徴だと思います。
一般的な介護施設などでは、一から十まですべて介助してしまうところが多いですよね。ご入居者の意向に関係なくみんなで同じ場所・同じ時間に食事をとったり、画一的なアクティビティを提供したり、スケジュールをきっちり決められていることが多いのではないでしょうか。
一見手厚いサービスに思えますが、そのほうが業務がスムーズに進むので、スタッフや施設にとって効率がいいんですよね。
ヒルデモアでは可能な限りご入居者の意思を尊重しているので、必要以上のサポートはせずに側で見守り、本当に必要なときだけ手助けをしています。食事の時間もそれぞれで違いますし、アクティビティやレクリエーションの参加も自由です。
こう言うとスタッフが楽をしているように感じるかもしれませんが、ご入居者のペースで業務が進んでいくので、むしろ人手が多いからこそ実現できているんです。

──利用者の方々が自然体でいられる。そんな施設なんですね。
そうですね。ご入居者が施設に合わせるのではなく、私たちがご入居者に合わせることが大切なのかなと。
なるべくご本人さまらしく過ごしていただいて、ヒルデモアを第二の自宅と感じていただけたら嬉しいですね。
──現在の業務内容と一日の流れを教えてください。
業務内容を一言で表すならご入居者の健康管理です。バイタルの確認やお薬の管理、食事やお風呂の介助など。看護的な手技としては経管栄養の管理や吸引などがメインで、病院に比べたら医療処置をおこなうことは少ないです。
一日の流れはこんな感じです。

──夜勤は頻繁にあるんですか?
夜勤専従の方もいますが、私は日勤メインなので月に2〜3回くらいですね。
業務としては夜間の見回りや体調確認、お薬の管理など。そのほか日中には手が回らない、施設内や器具の消毒などですね。大きな処置などは基本的にはおこないません。
医師がいない環境だからこそ問われる看護師の資質

──病院とはまた違った苦労などもありそうですね。
そうですね。医師が常駐しているわけではないので「看護師として我々がしっかりしないと!」と、責任を大きく感じることはありますね。
また医療機器がほとんどないので、慣れるまでは不安を感じるかもしれません。病院であれば遠隔でバイタルチェックできるモニターがあるので、ベッドサイドに行かなくても患者さんごとの体調を確認できるのですが、こういった介護施設には備わっていないので、その都度自分の目で確認しに行かなければならないんです。
──病院から離れてしまうとスキルが衰えてしまうのではないか、と懸念する看護師も多いと聞きます。
確かに医療現場の最前線というわけではないので、看護師としての医療知識やスキルをアップデートしていくには自助努力が必須になると思います。
ただ、介護施設で働くからこそ身につくスキルもあるんです。
例えば、ご入居者に何かあった場合は担当の医師に連絡するのですが、そもそも「医師へ連絡するべきなのかどうか」という状況を見極めなければいけません。
そういった観察眼は介護施設だからこそ磨かれたと感じますね。
──仕事のやりがいについてはどうですか?
ご入居者と意思が通じ合ったときと言いますか、家族のように心を開いていただけたときはすごくやりがいを感じます。
病院は治療することが目的なので、患者さんとの関わりは短いスパンでしか持つことができません。一方で介護施設の場合は、病院よりもずっと長い期間を共に過ごしますし、より実生活に近い環境で密なコミュニケーションをとることができるんです。そこは病院にない魅力だと思います。
病院ではなく施設で「看取られる」ことの意義

──確かに同じ看護師でも、病院と介護施設とでは業務における目標や目的が異なりますよね。
そうですね。とくに看取りの業務が病院と介護施設の大きな違いではないでしょうか。
病院の看取りは「治療の甲斐なく残念ながら……」というケースがほとんどだと思います。その前には苦痛に感じる治療を受けたり、大変な闘病をしたり……。そしてそれを支えるご家族も大変だったりと、どうしてもネガティブなイメージが先行してしまうと思います。
ヒルデモアのような介護施設の場合は、ご本人の意向に沿って無理のない処置をし、その方の人生を全うしていただくので、ご本人やご家族にとっても穏やかな最期を迎えられるのかなと。
──ヒルデモアでの印象的なエピソードを教えてください。
1年ほど前、肝臓がんを患っているご入居者がいたのですが、その方のがんはかなり進行しており、ご本人とご家族の意向でターミナルケアをおこなっていました。
そんなある日「私はもう長くないから、これをあげるわ」と、その方が長年集め、まとめてきた料理のレシピノートをくださったんです。いただいたのち実際にそのレシピを自宅で何品も作って、写真を撮ってお見せしたり、「春になったらこのお菓子を作ってみてね」「この料理のコツはこうなのよ」とご指導いただいたり……。
その方が近いうちに亡くなってしまうことはわかっていたので、非常に悲しかったのですが、すごく充実した時間を共に過ごさせていただきました。願わくば、そのご入居者にとっても「いい人生だった」と最期に思っていただけていたらいいなと、今でも思い返しますね。
特別な社会保険制度と連休制度は東京海上グループの魅力!

──職場の働きやすさなどについても教えてください。
もちろんとても働きやすいですよ。無理なく家庭との両立ができるのではないでしょうか。病院のように夕方急に入院患者さんが入って残業になったり、退勤間際に急なオペが入ったりすることもありません。
なので毎日決まった時間に帰宅して家族の夕飯を作ったり、自分の趣味の時間を確保したりするなど、自分の予定を立てやすいと思います。
休みの日も仕事を持ち帰らなければいけないってこともないので、家族との時間もバッチリとれます。
──そのほか福利厚生などはいかがでしょうか?
会社や病院で働くほとんどの方は社会保険に加入されていると思うのですが、保険料は一般的に会社が5割負担ですよね。ですが、私たちは東京海上日動の健康保険に加入していて、保険料は会社が7割負担してくれるんです。
なので求人票などに表記されている給料と比較して、実際の手取りは思っているよりも多くなると思います。
お休みの面では特別連続有給休暇という制度があります。看護師はほとんどがシフト制なので、有休を使って長期休暇を取ることも遠慮してしまう風潮になりやすいんです。なので、お盆休みやお正月休みなどもないんですよね。
ですが私たちの会社では、有休とは別に毎年5日間の特別連続休暇が付与されます。その5日間に公休をくっつけてさらに長く休んだり、2日と3日の休暇に分けて休んだり。気兼ねなく休みをしっかり取れるところは、この会社の大きな魅力ですね。
──では最後に求職者の方にメッセージをお願いします。
介護施設では介護福祉士さんをはじめ、栄養士さんや理学療法士さんなど、他職種の方と連携して動くので「チームで頑張ってるな!」という充実感もあります。
病院でも他職種と連携することはもちろんありますが、医師の指示のもとだったり、私たち看護師の指示で看護助手やヘルパーの方に動いてもらうので、どうしても上下関係のようなピリッとした雰囲気が生まれてしまうんですよね。
ヒルデモアやヒュッテにはそういう上下関係はなく、すべての職種が並列な立場で、それぞれ相談・協力し合いながら和気あいあいと楽しみながら働いています。興味のある方はぜひご応募ください!
ヒルデモアの様子を動画で確認する