2007年設立の社会福祉法人どろんこ会は、全国で150以上の保育施設を運営。障害の有無で子育てを分けないインクルーシブ保育をはじめ、異年齢保育、裸足保育などに取り組んでいます。今回は東京都調布市にある、つつじヶ丘どろんこ保育園を取材しました。
話を聞いた人
保育士 光野絢音さん
福岡県出身、日本女子体育大学卒業、保育士歴3年。小さい頃から運動が大好きで、ずっとサッカーを続けている。得意な運動を活かして、「身体を動かす楽しさを子どもたちに伝えたい!」と思い保育士を目指した。最近はキャッチボールにはまっているとのこと。
自ら考え行動する、「にんげん力」を育む保育
──入職した理由は?
先生たちの個性を大切にし、製作や楽器演奏など、一人ひとりが得意なことを活かして保育をしている様子に魅力を感じました。また、長距離散歩など、毎日たっぷりと戸外活動をするので、「ここなら得意な運動を活かして楽しく保育ができそう」と思ったんです。
──どろんこ会の保育の特徴は?
インクルーシブ保育、異年齢保育、裸足保育です。
インクルーシブ保育は、障害の有無で子育てを分けない保育。併設の児童発達支援事業所「発達支援つむぎ つつじヶ丘ルーム」と保育園の子どもたちが、一緒にやりたいことを経験し、時にぶつかり合い、助けが必要な子には子どもたち自身が手を差し伸べます。
異年齢保育は、いわゆる縦割り保育ではなく、異なる年齢の子どもたちが一緒に生活する保育。そのなかで遊びたい場所や相手を子どもたちが自ら選択します。
裸足保育は、子どもも大人も裸足や草履で過ごす保育。足指で地面をつかむ力がつき、脚が発達していきます。昨年度は子どもたちと高尾山に登ることができました。


──働いてみた感想は?
人間関係がフラットです。同年代の先生が多く悩みを共有しやすいですし、園長先生との距離も近く、いつも相談に乗ってもらっています。私はピアノが苦手で、鍵盤ハーモニカ指導で悩んだとき、園長先生が声をかけてくれて、一緒に対策を考えてくれました。あと、有給休暇が取りやすいです。夏季休暇が3日あり、アニバーサリー休暇が1日あるので、有給休暇と組み合わせて長期休暇を取る人もいます。

──研修や勉強会は?
入職前に法人理念やビジネスマナーを学ぶ内定者研修、さらに配属園で7日間のOJT研修※があります。入職半年後は、日々の業務を振り返るフォローアップ研修を受けます。また、研修や自主勉強会を年間100回以上開催したり、スタッフ一人ひとりの専門知識や得意を活かして学びをシェアしたりしています。さらに、系列施設をエリアで分け、毎月エリアごとに「子育ての質を上げる会議」をおこないます。各施設から参加した代表者がテーマに沿って話し合い、学びを職場へ持ち帰って浸透させていく取り組みです。
──やりがいは?
子どもたちの「やりたい」をどう実現するか考えるのは、難しいですがやりがいでもあります。また、成長を間近で見たとき保育をしていて良かったと思います。なにより、得意な運動を活かして楽しく保育できていることが嬉しいです。

園長インタビュー! 職場・働き方の特徴を詳しく教えて!
話を聞いた人
園長 木下里佳さん
他法人の保育園、小学校の特別支援学級、放課後等デイサービスなどを経て、2018年につつじヶ丘どろんこ保育園へ。
──理念や大切にしていることは?
「にんげん力。育てます。」という理念のもと、子どもたちが自ら考えて行動することを大切にしています。大人が力を貸すのは簡単ですが、まずは子どもたちの安全を見守り、助けが必要なときにサポートします。失敗もつきものですが、それも学びの一環と考えています。
また、行事の前には必ず導入をおこなっています。例えばどろんこ会では田植えや稲刈りを体験できるのですが、事前に子どもたちと「田植えって何?」を学びながら、体験の目的を理解します。体験をただのイベントで終わらせず、次の学びにつなげています。
──働く環境は?
先生たちが主体性を持ってやりたいことを実現していく環境です。取り組みの1つとして、先生たち全員で行事を考える「年間計画プロポーザル制度」があります。新卒の先生も先輩と協力しながら案を出し、保育に組み込んで実践していきます。
──就活生へのメッセージ
気になった園は、ぜひ見学に行ってみてください。「ここだ!」と感じる園がきっとあるはず。それがつつじヶ丘どろんこ保育園だと嬉しいです。子どものことを第一に考え、好奇心旺盛に取り組んでくれる方をお待ちしています!

社会福祉法人どろんこ会DATA
- 設立年:2007年3月
- 法人所在地:東京都渋谷区
- 運営園:全国150施設以上(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、宮城、福島、新潟、兵庫、福岡、沖縄)※グループ運営施設含む
- 事業内容:認可保育園・認証保育所・認定こども園の運営、児童発達支援施設・就労継続支援施設の運営、学童保育室・病後児保育室・地域子育て支援センターの運営
※2023年5月現在