目次
1.法定休暇の意味とは?
法律で決められた休暇のこと
法定休暇とは法律で定められた働かなくてもよい日のことを指します。具体的には労働基準法に定められた年次有給休暇、生理休暇、産前・産後休業などのほか、育児・介護休業法で定められた育児休業や介護休業があります。各法定休暇の内容は、2.法定休暇の種類で解説します。
法定外休暇(特別休暇)との違い
慶弔休暇、夏季休暇、リフレッシュ休暇など、企業が独自に定めた休暇を法定外休暇、または特別休暇といいます。法律で義務付けられているわけではないので、企業は給料の有無や取得条件を自由に決めることができます。
さらに、休暇と似ていて混同しやすいのが「休日」です。休日は働く必要のない日を指し、法定休日と所定休日のふたつに大別されます。

2.法定休暇の種類一覧
企業は従業員から申請があった場合、休暇(または休業)を認めなければなりません。なお、年次有給休暇以外は法律で給料の支払いが義務付けられていないため、それぞれの休暇が有給か無給かは企業へ確認する必要があります。
労働基準法で定められた休暇
〈年次有給休暇〉 入社日から6ヶ月以上経過し、その間に所定労働時間の8割以上出勤した場合に付与される有給の休暇です。 |
〈生理休暇〉 |
〈産前休業〉 出産を予定している女性従業員が予定日の6週間(双子以上の場合は14週間)前から取得できます。給料の支払いはありませんが、出産育児一時金、出産手当金などの経済的な支援があります(産後休業も同様)。 |
〈産後休業〉 産後8週までの女性が取得できます。企業は申請の有無にかかわらず、産後8週を経過しない女性を働かせてはいけません。 |
〈裁判員休暇〉 裁判員制度において裁判員に選ばれた場合、その職務をおこなうために必要な時間を確保するための休暇です。 |
育児・介護休業法で定められた休暇
〈子の看護休暇〉 |
〈育児休業(育休)〉
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〈出生時育児休業(産後パパ育休)〉 |
〈介護休暇〉 |
〈介護休業〉 労働者が要介護状態にある家族を介護するため長期の休みを取得できる制度です。対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取得することができます。 |
介護休暇と介護休業の違い
取得できる日数や回数のほかにもさまざまな違いがあります。
介護休暇 |
介護休業 |
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対象者 |
要介護状態にある家族を介護・世話をする労働者(日雇いを除く) 労使協定を結んでいる場合、入社6ヶ月未満の人、1週間の所定労働日数が2日以下の人は対象外となる |
要介護状態にある家族を介護・世話をする労働者(日雇いを除く) パートやアルバイトなど有期雇用の場合、取得予定日から起算して、93日を経過する日から6ヶ月を経過する日まで労働契約が満了されることが明らかでないこと |
介護の対象者 |
事実婚を含む配偶者、父母、配偶者の父母、祖父母、子ども、兄弟姉妹、孫 |
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期間 |
1年度において5日(対象となる家族が2人以上の場合は10日) 時間単位で取得可能 |
通算93日まで3回に分けて取得可能 |
申請方法 |
口頭や当日の電話でも可 書面が必要な場合は後日提出でも可 |
休業開始予定日の2週間前までに、書面または就労先が認める場合、FAXまたは電子メールで申請 |
給付金の有無 |
なし |
あり |
給与の有無 |
就労先による |
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取得理由 |
対象家族の介護や通院の付き添い、介護サービスの手続き代行、ケアマネジャーとの打ち合わせなど |
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介護休暇と介護休業の違い
3.有給休暇の取得率
厚生労働省「令和4年就労条件総合調査」で公表された年次有給休暇のデータを見ると、全産業の取得平均日数は10.3日、取得率は58.3%となっています。
医療・福祉産業にフォーカスすると取得平均日数は9.9日、取得率は60.3%という結果でした。全産業と比較すると平均取得日数は少ないものの、取得率は若干高い結果となっています。
4.法定休暇のQ&A
Q.法定休暇とは?
A.法律によって労働者に保障された休暇のことを指します。労働基準法や育児・介護休業法などの法律に基づいて、労働者に与えられた権利です。
Q.法定休暇日数とは?
A.法律によって労働者に保障された最低限の休暇日数のことを指します。例として、日本の労働基準法における年次有給休暇では、勤務開始後6ヶ月を経過し、その間に所定労働日の8割以上勤務した労働者に10日間の休暇が与えられます。
Q.法定休暇と法定外休暇の違いは何ですか?
A.法定休暇は法律で定められている休暇で、企業が労働者に対して付与が義務付けられています。 法定外休暇は法律での定めはなく、それぞれの企業が独自に設けているものです。企業が必ずしも付与しなければならないわけではありません。
Q.法定休暇にはどんなものがありますか?
A.法定休暇には年次有給休暇、産前休業、産後休業、子の看護休暇、介護休業などがあります。企業が独自で設定する法定外休暇(特別休暇)には、夏季休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇などがあります。