
歯科医師国保とは?
歯科医院で働く人々とその家族が加入できる医療保険制度
“歯科医師”国保という名称ですが、加入できるのは歯科医師だけではありません。歯科医師と一緒に働く歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、受付などの従業員、そしてその家族も被保険者になれます。
ただ、歯科医師国保を運営管理する組合は複数あり、地域によって加入できる組合が異なります。
最も大きな組合は、1府19県の支部から構成される「全国歯科医師国民健康保険組合」。その被保険者数は約67,000人(2020年8月時点。 組合HPより抜粋)です。
歯科医師国保に加入するメリットは
充実の保障内容!保険料がほかの保険より安くなることも
歯科医師国保の保険料は加入している組合により異なりますが、所得などに関わらず、同じ組合の中ではページ下部の表のように一律です(院長など一部被保険者を除く)。そのため、所得などによって保険料が増減する健康保険よりも、少ない保険料負担で済む場合があります。
また、各組合では被保険者のために「保健事業」と呼ばれる福利厚生も用意しています。内容は健康診断や予防接種、人間ドッグなど、健康増進を促すものが中心。組合によっては独自の保健事業も行っています。
たとえば「群馬県歯科医師国保健康保険組合」ではプリンスホテル優待プランの案内、「三重県歯科医師国保健康保険組合」では長島温泉の割引など。このような優待や割引などが受けられる点も歯科医師国保の加入メリットですね
歯科医師国保で気をつけたいこと
自分が勤めている歯科医院での治療は適用外
歯科医師国保もほかの医療保険制度と同く、医療機関で保険証を提示すれば医療費の窓口負担は3割ですみます。ただし、ひとつだけ例外があります。
それは自分が勤務している歯科医院では使用することができないということです。
また、保険料についても注意が必要です。健康保険は勤め先が保険料を半額負担しますが、歯科医師国保の場合、勤め先は保険料を負担する義務がありません。
「歯科医師国保」と書かれた求人に応募する際は、保険料を負担してくれるのかどうかをしっかりと確認しましょう。
(参考)組合別の保険料 ※2020年8月時点
北海道歯科医師国民健康保険組合
区分 | 保険料月額1人当たり |
第1種組合員 | 19,700円〜49,000円 |
第1種世帯員 | 9,800円 |
第1種世帯員(ひとり親家庭) | 6,050円 |
第2種組合員(勤務歯科医師) | 19,500円 |
第2種組合員(歯科医師以外) | 16,400円 |
第2種世帯員 | 8,700円 |
第2種世帯員(ひとり親家庭) | 5,500円 |
高齢者組合員 (第1種組合員で75歳以上になった者) | 3,000円 |
群馬県歯科医師国民健康保険組合
区分 | 保険料月額1人当たり |
第1種組合員 | 勤務医17,400円 新規加入17,400円(定額) |
第2種組合員 | 勤務医17,400円 新規加入17,400円(定額) |
家族 | 6,400円 |
愛知県歯科医師国民健康保険組合
区分 | 保険料月額1人当たり |
正組合員(歯科医師会の会員) | 18,300円〜48,300円 |
正組合員家族 | 12,600円 ※分院長46,300円 |
準組合員 (正組合員の所属する医療機関に勤務するもの) | 12,600円 ※分院長46,300円 |
準組合員家族 | 11,100円 ※分院長46,300円 |
後期高齢者(75歳以上正組合員) | 3,000円 |
※正組合員の家族・準組合員・準組合員の家族で医療法人の開設する歯科医療機関の管理者
大阪府歯科医師国民健康保険組合
区分 | 保険料月額1人当たり |
甲種組合員(管理) | 31,200円(35,400円) |
甲種組合員(勤務) | 26,200円(30,400円) |
甲種組合員の家族 | 11,400円(15,600円) |
乙種組合員第1 | 20,700円(24,900円) |
乙種組合員第2 | 17,900円(22,100円) |
乙種組合員の家族 | 11,400円(15,600円) |
※カッコ内の金額は介護保険第2号被保険者の保険料です
※国民健康保険料は医療保険料と後期高齢者支援金等の合計になります
※40歳〜64歳までの被保険者は、保険料に介護保険料が加算されます