保育も食育も「その子らしく、伸びていく。」
全国で介護・保育事業を展開する株式会社ベネッセスタイルケア。保育事業では「その子らしく、伸びていく。」をモットーに、首都圏を中心に全国65園で子ども主体の保育を実践しています(2023年11月時点)。
「その子らしく」成長できる保育を実現するために、子どもたちの興味関心を高めるアプローチをおこなうのは、給食スタッフも例外ではありません。東京都大田区の私立認可保育園「ベネッセ 西馬込保育園」で園児の食を支える二人の給食スタッフに、保育園ならではの仕事の魅力を聞きました。
話を聞いた人
小野寺さん(栄養士 専門リーダー)
入社9年目。社員食堂や学校給食の調理を経て、結婚を機に子育てをしながらファストフード店やベーカリー勤務も経験した。栄養士資格を活かしつつ、子どもたちを近くで見守ることのできる保育園給食スタッフはまさに「天職」。
落合さん(栄養士 職務分野別リーダー)
2022年6月入社。栄養士資格を取得後、新卒で給食委託会社に就職。多忙を極めるなか、改めて食と調理に向き合いたいと転職を決意。ベネッセ 西馬込保育園の給食スタッフとして、普段の調理はもちろん、行事食や食育の企画にも取り組んでいる。
栄養士として調理に向き合える環境を求めて
──お二人とも、保育園とは異なる調理の仕事を経験しています。落合さんが転職を考えたきっかけはありましたか?
栄養士になって最初の職場は給食委託会社で、想像以上に多忙だったのと、働くうちに栄養士として思い描いていた調理の仕事の割合が意外と少ないことに気付いたんです。病院や介護施設など幅広い委託元の一日三食を交代制で作るところで、先輩社員も私自身もとても忙しい日々を送っていました。
──前職はハードな働き方だったのですね。
早番、遅番勤務もありました。給食委託会社は外部に給食をお届けするので、食材の盛り付けや解凍、器具の洗浄といった工程が中心で、忙しさとは裏腹に調理の腕を高めたい気持ちとギャップを感じるように……。
そこで改めて調理にしっかり関われる仕事を目指したんです。学生時代に保育園志望の同期がいたことを思い出し、複数の保育園を受けてベネッセ 西馬込保育園に入職しました。
──ベネッセの保育園で9年先輩である小野寺さんは、そんな落合さんの面接に立ち会ったそうですね。
ええ、園長と一緒に面接に立ち会って、「この人なら」と思いました。実技の課題があるのですが非常に丁寧で、実務経験が少ないなかしっかり基礎ができているな、と感じましたね。
もっと調理に関わりたいという熱意のとおり、入社から1年半でほんっとうにめきめきと上達していますよ。
入社後に一日かけて調理ルールを教わる研修と日々のOJT、それから直近では保育園給食での役割をふまえたグループワークがありました。働くうえできちんと調理技術を学びたいと思っていたので、毎日充実しています!
ベネッセの安全基準は子どもの命を預かる職場としてしっかりしていて、常にそこに立ち返って調理をすることが徹底されていると感じます。
──スキルアップしている実感を持てているんですね。小野寺さんは食に関する複数の仕事を経験していますが、転職の動機は何だったのでしょうか?
社員食堂や学校給食の調理、子育てが始まってからはパン屋さんやファストフード店などでも働きました。でもやっぱり栄養士の資格を活かしたい気持ちがずっとありましたね。
給食は小学校も中学校も経験しましたが、関わるのは作ったものをワゴンで引き渡すところまで。食べている姿や反応を見ることができないと、仕事の結果が残食だけなんです。保育園給食なら、子育て経験も役に立つし、食べてくれる子どもたちにもっと関われるんじゃないかなって。
子どもたちの食べっぷりが最高のモチベーション
──調理、そして食べる人に向き合う気持ちを感じます。保育園給食の良さやほかの仕事との違いはどんなところに感じますか?
ラウンドといって毎日子どもたちの喫食の様子を見守りに行きますが、みんな集まってきて帰してくれません(笑)。顔を見ると元気になるしやる気が出るし、かわいさにも癒やされますし、保育園給食の仕事が本当に楽しいです!
保育スタッフからも子どもたちの食べ具合の様子を聞いたり、観察したりしてその後の調理に活かすことも多いです。ベネッセでは月に2回同じメニューがある「2回献立」が組まれているので、次は食材の大きさを変えてみよう、といった改善をその月のうちに実践できます。
西馬込保育園では給食スタッフはクラス担当制を取り入れていて、小野寺さんが3〜5歳児クラス、私は2歳児クラス、もう一人の正社員スタッフが1歳児クラスを担当しています。2歳だと食事内容は基本的に年上の園児たちと一緒で、食材を小さめにすることが多いです。
月に一度、保育スタッフ、看護スタッフを交えたミーティングがあり、栄養相談を受けたり、食育の企画について話したりします。栄養士としての専門性も発揮できるし、食に興味を持ってもらうアイデアも出せて、主体的に取り組めるのがいいところです。
──食育の企画は、具体的にどんなことをするんですか?
年間通していろいろな企画をやっています! 先日は2歳児クラスで「出張ケーキ屋さん」というテーマで、いつも四角い枠で焼くパウンドケーキをホールで焼き、子どもたちの前で粉砂糖を振って好きな模様のものを選べるようにしました。そのためのステンシルシートも自作したんです。
ほかには今年カゴメ株式会社の食育事業でトマトの苗を提供いただいたので、子どもたちみんなに「農園部」に入部してもらい名前を付けて園庭で育てています。トマトに「おいもちゃん」と名付けた子もいましたね(笑)。
落合さんはとっても絵が上手で、食育企画をさらに楽しく華やかにしてくれますね。収穫できたトマトを使って子どもたちが盛り付けたピザを楽しむという企画もありました。園庭の花や野菜を自分たちで育てて、収穫し、それが調理されてご飯やおやつになる。そんな「つながる食育」ができる環境があるのが良いですね。
食を通じて保護者も支える
──子どもたちや保育スタッフと向き合いながら、楽しく食に興味を持ってもらう工夫をしているのが伝わってきます。保護者とはどんなふうに関わっていますか?
担任から相談を受けて保護者の方へ手紙を書いたり、栄養相談に対応したりすることもあります。
例えば1歳児クラスだと、入園前は離乳食を食べていて、保育園で初めてご飯を経験する子もいるので、食べ具合について担任から相談を受けることも多いですね。離乳食を作ったり、同じメニューで個別対応したりします。
子どもの偏食に悩むご家庭はとても多いです。そんなときは保護者との面談に給食スタッフも同席して悩みに応えたり、「保育園では食べるのに家では食べない」というときは保育園のレシピを提供したりしています。
毎日の食事をサンプル展示しているのでお迎えに来た保護者との話のきっかけにもなりますし、入園を検討している方向けの離乳食の試食会など、食を通じたコミュニケーションの機会はたくさんありますね。
子どもたちの成長の礎になる食育を
──調理だけでなく、食を通じた園児や大人との関わりがとても大切なんですね。最後に、保育園の給食スタッフとしての思いを聞かせてください。
「食」はすべてにつながっているんです。食材を育て、運び、調理して、一人ひとりの体をつくっていく――そのつながりの一端を保育園で子どもたちに経験してもらうのが何よりうれしいですね。
食べると幸せになるし、大きくなっても食べることをおろそかにしないでほしいと思っています。保育園時代はあっという間だし、保護者の方も忙しいですからここで食べたものは忘れてしまうかもしれない。それでも豊かな食の経験は成長の土台になってくれると信じています。
私のように保育園の仕事が未経験で入る人も多いですが、ここでは調理室の中だけでなく、子どもたちや同僚、保護者の方とコミュニケーションをとりながら働けるのが醍醐味だなと思います。
先輩方に手伝ってもらいながらですが、今度初めてイチから季節の企画を作るので気合が入っています。もちろん調理ももっともっと頑張っていきたいです!
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