転職面接で正しい自己紹介をする方法|中途・未経験・ブランクありの例文とNG例を紹介

転職面接の冒頭で求められる自己紹介は、第一印象を左右する大事な場面です。限られた時間でどんな情報を伝えるべきか、話し方や構成のポイント、未経験・ブランクありなどのケース別例文をわかりやすく紹介します。

転職面接で正しい自己紹介をする方法|中途・未経験・ブランクありの例文とNG例を紹介

目次

1.面接で自己紹介を求められる理由は?

医療・福祉・介護・保育・美容など、人と関わる仕事の面接では、スキルや経験だけでなく「どんな人か」「どんな接し方をするか」といった人柄も重視されます。面接の冒頭で求められる自己紹介は、単なる挨拶の役割だけでなく、2つの目的があります。

(1)経歴や人物像を把握し、その後の質問につなげるため

履歴書や職務経歴書だけでは、仕事への向き合い方や価値観までは伝わりません。面接官は、自己紹介をとおして応募者の経歴の概要を把握し、さらに深掘りしたい点や質問の糸口を探っています。

(2)コミュニケーション力や受け答えの丁寧さを確認するため

多くの人と関わりながら信頼関係を築いていく仕事においては、第一印象や受け答えのマナーも重要な評価ポイントです。面接官は自己紹介を通じて、以下のような点をチェックしています。

  • 相手の目を見て話しているか
  • 表情や姿勢は自然か
  • 簡潔に要点を伝えられるか
  • 言葉遣いが丁寧か

2.面接の自己紹介で伝えるべき5項目

自己紹介では以下の5つの項目を1分以内に伝えましょう。

  1. 氏名(フルネーム)

  2. これまでの職務経験

  3. これまでの成果やスキル

  4. 簡潔な志望理由

  5. 締めの言葉や意気込み

例:○○(フルネーム)と申します。これまで3年間、特別養護老人ホームで介護職として勤務してまいりました。利用者さまとの信頼関係を大切にしながら、生活の質を高めるケアに取り組んできました。御施設の「その人らしさを支える」という理念に共感し、これまでの経験を活かしたいと考え、応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

3.ケース別の自己紹介例

転職を決めた背景や状況によって、自己紹介で伝えるべきポイントは変わります。ここでは、よくある5つのケースに応じた自己紹介のコツと例文を紹介します。

中途で同じ職種へ転職する場合

看護師の例:
○○(フルネーム)と申します。これまで約6年間、一般病院の急性期病棟で勤務してまいりました。バイタル管理や点滴、家族対応などに加えて、急変時にも落ち着いて対応する力を培ってまいりました。今後は、一人ひとりに寄り添ったケアを実践していきたいと考え、回復期リハビリ病棟に力を入れている御院に応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
同じ職種への転職面接では、どのような環境・対象・業務内容だったかまで触れるとよいでしょう。さらに、「なぜ転職したいのか」「どう成長したいのか」を短く入れると、向上心がより伝わります。

ブランクがある場合

介護職の例:
○○(フルネーム)と申します。以前は約6年間、有料老人ホームで介護職として勤務しておりましたが、出産・育児のため一時現場を離れておりました。現在は子育ても落ち着き、再び介護の現場で働きたいと考え応募いたしました。ブランクはありますが、研修への参加を通じて知識をアップデートしていきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
ブランクがある場合、再スタートへの前向きな姿勢が重要視されます。育児や介護など理由が明確であれば素直に伝え、今後の働き方やキャッチアップへの意欲まで添えると好印象です。

未経験・実績が少ない場合

保育園志望の例:
○○(フルネーム)と申します。これまでアパレル販売の仕事を約3年間経験し、お子さま連れのお客さまとも多く接してまいりました。子どもと関わる仕事がしたいという思いが強くなり、保育補助として未経験からチャレンジしたいと考え、応募いたしました。明るく丁寧な接遇を心がけ、現場に少しでも早くなじめるよう努力します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
未経験の場合は、なぜこの業界・職種に興味を持ったのか、どんな経験が活かせそうかを結びつけて伝えることが大切です。未経験なりにできることや、努力したいことを明確に伝えると誠実さや前向きさが伝わります。

転職回数が多い場合

美容師の例:
○○(フルネーム)と申します。美容師として8年間、幅広い技術を習得するため複数のサロンで勤務してまいりました。近年は、まつ毛や眉毛など目元の施術が顔全体の印象を左右することを実感し、アイブロウメニューを多く担当しています。御社の専門性と丁寧な接客姿勢に魅力を感じ、さらに成長できる環境だと考え、応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
転職回数が多い場合、なぜ転職を重ねてきたのかという背景と、そこで得た経験やスキルの一貫性を伝えることが大切です。そのうえで、「今回の転職で何を実現したいか」にも触れると、長期的な視点でキャリアを考えている姿勢が伝わります。

派遣・パートへの応募

医療事務の例:
○○(フルネーム)と申します。これまで約5年間、クリニックや病院で医療事務として勤務してまいりました。受付やレセプト対応、電話応対など幅広く経験しており、患者さまに安心していただける応対を心がけてまいりました。家庭と両立しながら働ける職場を探しており、ワークライフバランスを大切にされている御院の方針に魅力を感じ、応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
家庭との両立やライフスタイルに合わせた働き方を選ぶ人が多いなかで、なぜその職場・仕事を選んだのかという納得感が伝わると好印象です。無理にアピールせず、「過去の経験を活かしたい」「無理なく続けたい」など、素直で誠実な気持ちを伝えましょう。

4.面接官に好印象を与える自己紹介のポイント

自己紹介は、話す内容だけでなく「どのように伝えるか」も印象を大きく左右します。相手に安心感や信頼感を与えられるよう、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

(1)1分を目安に簡潔にまとめる

自己紹介が長すぎると、要点が伝わらず印象がぼやけてしまいます。あらかじめ伝えるべき5項目(氏名・略歴・スキル・志望理由・意気込み)を整理し、1分以内に収まるように練習しておきましょう。

(2)応募先に関連する話を入れる

「なぜこの職場を選んだのか」が少しでも伝わると、面接官の興味を引きやすくなります。応募先の理念や施設の特徴、自分との接点などに少しだけ触れておくと効果的です。

(3)姿勢・声・目線・表情も意識する

話す内容がよくても、視線が合わなかったり声が小さすぎたりすると、自分に自信がないように見えてしまいます。とくにコミュニケーション能力が求められる現場では、「この人なら安心して任せられそう」という印象を与えることが大切です。

5.面接での自己紹介のNG例文と注意点

まずは自己紹介のNG例を見てみましょう。

○○(フルネーム)と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます。私は大学で心理学を専攻し、ゼミでは発達障がいのお子さんの支援に関する研究に取り組みました。子どもはもちろん、人と関わることが好きで、学生時代から接客業のアルバイトを3つ掛け持ちしておりました。とくにカフェでの仕事では、常連のお客さまとの会話を大切にし、接客コンテストで表彰されたこともあります。

また、私は何事も前向きに取り組む性格で、どんな状況でも明るく対応できるところが強みです。これまでの経験から、初対面の方でもすぐに打ち解けられるとよく言われます。

御社の求人情報を拝見し、福利厚生の充実と働きやすい環境に魅力を感じて志望いたしました。ワークライフバランスも大切にしながら長く働いていけたらと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

この例文は一見ポジティブに見えますが、以下のような問題点があります。

(1)話が長すぎる

自己紹介が長くなると、要点が伝わりにくくなり、印象がぼやけてしまいます。面接の自己紹介はあくまで導入です。詳細はその後のやり取りの中で伝えられるため、1分程度におさめるのが理想です。

(2)業務に関係ない話をしてしまう

趣味や学生時代の経験を盛り込みすぎると「この人は何を伝えたいのだろう」と面接官を戸惑わせる可能性があります。自己紹介では、志望職種に関連する経歴や志望理由に絞って話すよう意識しましょう。

(3)自己PRを話してしまう

自分の強みや成功したエピソードの詳細は、自己PRの場で求められる内容です。冒頭の自己紹介で過剰にアピールしすぎると、「質問の意図を読み取れない人」「空気が読めない人」と思われることもあります。自己紹介は、自分がどんな人物かを端的に伝えるパートです。それぞれの場面を意識して話すようにしましょう。

6.自己紹介は「簡潔・誠実・前向き」に

転職面接での自己紹介は、「最初の1分で信頼感を与えるための時間」です。医療・福祉・介護・保育・美容といった人と向き合う業界では、経歴やスキルだけでなく、話し方・表情・雰囲気を通じて人柄が伝わるかが重視されます。

この記事で紹介した「伝えるべき5項目」や「ケース別の例文」を参考にしながら、自分らしい言葉でまとめてみてください。話す内容を覚えることも大切ですが、相手にどう伝わるかを意識して練習することが何より重要です。

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