目次
Yさんのお金の悩みとは?

1つ目は何から投資を始めるかです。施設管理者になって生活に余裕が生まれ、教育費や老後資金の準備を意識し始めたYさん。NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用して効率よく貯めていきたいですが、何から始めれば良いかわからないと話します。
2つ目は、家計の見直しです。自身でも医療保険の見直しなどを進めてきましたが、スマホ代など「まだ節約の余地があるのでは?」と感じています。貯蓄・投資を効率的に進めるうえで、どこからお金を捻出するか悩んでいます。
Yさんの月間の収支

Yさんの手取りは27万円。実家住まいのため家賃はかかりませんが、年間15万円の固定資産税を負担しています。10年以上使用した自動車のローンは完済済みですが、生活に車が欠かせない地域なので、いずれは買い替えが必要になると考えています。
子どもの塾やオンライン英会話に月8万円ほど。趣味などに大きな支出はありませんが、子どもとの年1回の海外旅行が楽しみで、年間約50万円使っています。
Yさんは家計のどこを見直し、投資に回していけば良いのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの西山さんに伺いました。
FP西山さん「NISAから早急に始めよう」
話を聞いた人

ファイナンシャルプランナー 西山 美紀さん
出版社勤務後、2005年にフリーランスライターとして独立。ファイナンシャルプランナーの資格を取得しさまざまな媒体で、マネーや女性の生き方をテーマに取材・執筆をおこなっている。貯まる人・貯まらない人のデータ分析は1万件以上を超え、毎日を楽しみながらしっかり貯蓄もできる方法を模索し、実践・発信中。
NISAから始める理由は?
西山さん:キャリアアップで収入を増やし、保険料を見直すなど支出も絞って素晴らしいですね。投資についてはNISAから早急に始めることをおすすめします。理由は2つあります。
1.お金を出し入れできるから
NISAとiDeCoは共に税金が安くなる仕組みがあります。いずれも活用したい制度ですが、まずは2つの違いを知ることが重要です。
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NISA |
iDeCo |
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|---|---|---|
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主な目的 |
資産形成 |
老後資金の準備 |
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引き出し |
いつでも可 |
原則60歳以降 |
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年間の上限額 |
360万円 |
最大81.6万円 |
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税制優遇 |
運用益非課税 |
運用益非課税 掛金全額所得控除 受取時の税制優遇 |
Yさんの場合、教育費の準備が本格化することを考えると、まずはいつでもお金を引き出せるNISAを優先するのがよいでしょう。NISAには所得控除はありませんが、投資で得た利益が非課税になるメリットがあります。
一方、iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、掛け金が全額所得控除になるため、現役時代の税金が軽くなる点が魅力です。老後の生活費が公的年金だけで不足する分は、老後資金を上乗せする必要があるため、まずはNISAで積み立てを始め、投資に少し慣れたらiDeCoも始めるのがよいと思います。
2.実家暮らしの今が貯めるチャンスだから
今後実家を出ることになった場合、家賃や水道光熱費、食費などの負担が大幅に増える可能性があります。そうすると、お金を貯蓄に回すのが難しくなってしまうため、今のうちに支出を抑え、貯蓄を進めていきましょう。
家計の見直しで月5万円を貯蓄・投資に回し、預貯金3万円、NISA1万円、iDeCoに1万円を積立てていくのはいかがでしょうか。
投資先は何を選べば?
NISAで資産を増やしていくには、世界の株式に分散投資する全世界型株式インデックスタイプの投資信託を選ぶのが一案です。特定の国や地域に偏らず幅広い株式に投資できるため、リスクを分散しやすく、世界経済全体の成長の恩恵を受けられる点がメリットです。
また投資信託は1口当たりの単価が変動しますが、一定金額を定期的に積み立てていけば、相場の変動による影響を受けにくくなり、平均購入単価を抑えられます。
現在は資産が合計530万円あります。車の買い替えに100万円ほど使ったとしても、430万円が残ります。これに加え、月3万円を預貯金、月2万円を投資(NISA・iDeCoの利回りは4%と仮定)に回せれば、お子さんの大学進学までの4年強で資産は約700万円になる見込みです。

進学先にもよりますが、教育費の目安の約300万円の負担が済んだら、老後資金の準備が始まります。できるだけ長く働くことが前提になりますが、同じペースで貯蓄と投資を20年続ければ資産は約1,600万円まで増やすことが可能です。
家計改善のためのワンポイントアドバイス
日々の暮らしのなかで貯蓄・投資に回すお金を確保するには、家計の改善が欠かせません。Yさんの家計は、以下のポイントから少しずつ見直しを進めると良いでしょう。
1.格安スマホは節約の第一歩
格安スマホに乗り換えれば月7,000~8,000円ほど浮くはずです。最近は大手キャリアでも格安プランがありますし、家電量販店などにある対面窓口で相談してみてはいかがでしょうか。
2.海外旅行は工夫して
年1回の海外旅行は大事な楽しみだと思いますが、頻度を1年半〜2年に1回にするか、物価の低い国を選ぶなどして、1回あたりの金額を抑えたいところです。楽しみを削るのはつらいですが、今はがんばりどころです。
3.副業で収入増を目指す
無理のない範囲で副業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。これは月に2〜3万円の節約をするよりも、副業で月2〜3万円の収入を得るほうが簡単だからです。増えた収入は、預貯金とNISAの積み立て資金の増額に回すとよいでしょう。
「貯めどき」を逃さずに
実家で暮らしている今の時期は、Yさんにとって大きな「貯めどき」です。支出を見直し、計画的に積み立てを続ければ、まだ十分に教育費・老後資金を貯められるチャンスがあります。
不安を感じた今こそ家計を見直し、投資を始めるベストタイミングです。できることから一歩ずつ積み重ねることが、将来の安心につながります。焦らず着実に備えていきましょう。
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