【医療事務インタビュー】50歳女性の履歴書・志望動機・面接対策(リハビリ助手→医療事務)

今回お話を聞いたのは医療事務として病院に勤務するNさん。2020年に勤務していたクリニックの閉院に見舞われ、リハビリ助手の道へ。しかしリハビリ助手として働くうちに「もう一度医療事務として働きたい」という気持ちが芽生え、転職を決意しました。Nさんが実際に書いた履歴書を見せてもらいながら、面接経験や書類の書き方、職場選びのポイントについて聞きました。

【医療事務インタビュー】50歳女性の履歴書・志望動機・面接対策(リハビリ助手→医療事務)

1.今回インタビューしたのはこんな人

医療事務 50歳のパーソナルデータ

──Nさんは医療事務以外にもさまざまなお仕事を経験されてるんですね。

そうなんです。大学を卒業してから26年ほど、いくつかの金融関係会社法律事務所などで働いていました。

医療事務の仕事は2017年から働き始めたクリニックが初めてです。でもそのクリニックが2020年に閉院してしまって……。

ちょうど同じ法人の別のクリニックが、リハビリ助手を募集していたので異動したんですね。でもリハビリ助手をやるうちに「やっぱり医療事務として働きたい」という気持ちが芽生えて。

それで2020年の11月頃から転職活動を始めて、2021年の5月に今の病院へ医療事務として入職しました。

医療事務Nさんインタビュー
※取材は感染症対策に十分に配慮し実施しました

──前のクリニックが閉院してしまったのは新型コロナウイルスの影響ですか?

コロナが流行する前から経営は不安定そうだったんですが、コロナ禍での受診控えなどが決定打になったのかもしれません。

──なるほど。その後リハビリ助手として異動した際に、医療事務として働きたい思いが高まったんですね。

リハビリ助手の仕事をしたからこそ「しっかり医療事務の仕事をやりたい」って自分の思いに気づいたんです。

リハビリ助手と医療事務では仕事内容も違えば、患者さんとのコミュニケーションの取り方も違うんですよね。医療事務は受付を介して接するのに対して、リハビリ助手は患者さんとの直接的なコミュニケーションが求められます。どちらも患者さんとの密接な関わりが大切ですが、接し方という点では医療事務のほうが自分に向いているなと思いました。

それに医療事務はせっかく資格を取って働き始めたところだったので。しっかり極めたいと思ったんです。

──それが今回の転職理由なんですね。たしかにNさんは医療事務の資格をたくさん持っていますね。

1年に1個は何かしら資格を取りたいなと思っていて! 

資格内容から実際の業務でできることも伝わるので、選考に進むうえでもとても役に立ちました。資格を持っていると入職後の配属の幅も広がるかなと思います。

──1年に1個のペースはすごいです……! とくに役に立った資格はどれですか?

最初に取得した医療事務管理士でしょうか。医療事務の点数などを幅広く学習する資格なんです。このときに使った点数表は、今でもわからないことがあったときに見ますよ。

──“点数”はとくに重要ですもんね。転職活動期間中はいくつ選考を受けましたか?

求人サイトを使って大きめのクリニック1ヶ所と病院2ヶ所に応募しました。

──転職先を探すときに何を重視しましたか?

そうですねえ。いろんな条件を考えたんですが、一番は働きやすそうな雰囲気ですね。求人に載っている院内の写真を見たり、面接時に事務室を見せてもらったりして判断しました。

もう一つは病院の規模がしっかりしていること。長く勤めたかったので、規模がしっかりしていて従業員数が多い病院だと安定していそうだなと思って。

あと病院の規模に関連してなんですが、お休みも重視しました。年齢的にも、2日まとまったお休み──できれば土日にお休みがほしいなって思ったんです。従業員数が多ければ、お休みも取りやすいんじゃないかなと思いました。

──なるほど。今の職場は希望通り?

はい、土日祝休みで正職員として働けています。

転職活動中に感じたんですが、長引くコロナの影響で人手不足なのか、いつもより求人が多く出ているようでした。年齢制限がある求人もいつもより少なく感じましたね。

2.医療事務の履歴書(実例)

医療事務 50歳の履歴書
※証明写真部分は取材中の写真に変更しています

──では履歴書について教えてください。Nさんはパソコンで作成されたんですね。

はい! パソコンのほうが得意なんです。手書きだと字の間隔を揃えるのが難しいと思いますが、パソコンならきれいに収まりますしね。

データを保存しておけば次に転職するときにも使えるので便利です。とくに私は職歴や資格欄に書く内容が多いので、パソコンのほうが効率的に作成できますね。

──パソコンで履歴書を作成する際に工夫した点はありますか?

重視したのは見やすさですね。改行やスペースに配慮して、全体に統一感を出しました

──とても見やすいですね。とくに良く書けたなと思う部分は?

職歴ですかね。書く内容がたくさんあるので、文字数などを考えながら書きました。

あと職務経歴書には職歴の詳しい内容を書くようにしていました。短期間の職歴でもしっかり実績を書くよう心がけて。いろんな職場を経験していますが、ただ転職したのではなく着実にスキルアップしながら適応力を身に付けていたとアピールできるようにしてましたね。

──反対に書くのに苦労したところはありますか?

書くスペースが限られているので、枠の中に収めるのが大変でした……!

パソコンだと文字の間隔が統一されている分、手書きのように臨機応変に詰めて書くことができないので。重要な部分を記載して、書き切れない内容は面接時に口頭で補うようにしていましたね。

医療事務Nさんインタビュー
均一の文字間隔で書けるのはパソコンの良さでもあり難しさでもあるよう

──このフォーマットには志望動機欄がありませんが、どんな内容を考えていましたか?

たしかこんな内容だったと思います。

医療事務Nさんの志望動機

“私はこれまでさまざまな業種に従事をし、経験とスキルを身に付けてまいりました。

その中でもクリニックでの医療事務の仕事は、患者様と身近に接する事ができとてもやりがいを感じます。

しかしクリニックでの医療事務の仕事はとても限られたものになります。

貴院ではこれまでの経験と資格を活かす事ができると感じ、この度志望をいたしました。またクリニックでは経験できない医療事務の業務について、これから更に学んでいきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。”

医療事務として働きたいということをベースに、定年までの間でもしっかりステップアップしながら頑張りたいという内容を考えました。

──証明写真はどこで撮影しましたか?

写真館とまではいかないんですが、カジュアルなスタジオで撮影しました。ちょっとした修正もしてくれますし、撮影データも貰えて。値段も千円くらいだったので良かったですよ。

──それはお得ですね! 撮影時に気をつけたことはありますか?

服装は襟ありのブラウスにジャケットでした。
撮影時は表情に気をつけましたね。笑いすぎず硬すぎず、医療事務の柔らかい印象をイメージして。

ジョブメドレーからのアドバイス

今回の履歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下の通りです。

医療事務 50歳の履歴書

1.とても見やすい!
全体が統一されていてとても見やすいです。面接官が最初から最後まで読みたくなるような履歴書ですね。

2.本人希望欄の記載も忘れずに
希望がとくにない場合は「貴社(貴院)の規定に従います」と記載しておくと丁寧です。

3.志望動機を具体的に書くとより◎
Nさんはさまざまな経験・資格を持っているため、志望動機では次のことを具体的に記載するとよりアピールできそうです。

・どのような経験やスキルを身に付けてきたのか
・経験や資格はどのように仕事に活かすことができるのか

3.医療事務の面接対策

医療事務 50歳の面接対策

──面接は対面でしたか? オンラインでしたか?

対面でした。ちょうど緊急事態宣言が明けたタイミングだったかな?

内定までに面接は2回あって、1回目は医療事務員さんと、2回目は主任さんとの面接でした。

──それぞれの面接時間は覚えていますか?

たしか1回目は20〜30分、2回目はもっと短くて10〜15分程度だったと記憶しています。

──面接当日までに対策したことを教えてください。

今までの職歴を振り返って整理しました。

メモに経験を時系列で書き出してアウトプットしながら。書き出すだけでも頭の中が整理されましたし、面接でアピールできそうなポイントも見つかりました。

──なるほど。面接では具体的にどんなことをアピールしましたか?

今までいろんな仕事をやってきたなかで、クリニックの閉院を経験したことは一つのアピールとして伝えていました。

閉院と言うと大体ネガティブに捉えられて「それは大変でしたね……」という言葉をいただくんですが、「そんな状況でも臨機応変に対応してきました」といった具合にポジティブに変換してアピールしましたよ。

医療事務Nさんインタビュー

──エピソードを含めて面接官の記憶に残りそうですね。お話を聞いているとNさんは面接が得意そうな感じがします。

面接は緊張しないタイプです! 面接までいったら「絶対内定を取ってやるぞ!」って気持ちで臨むんですよ(笑)。

年齢もあってか書類の時点で見送られる経験もしてきたので、書類が通過したら「いけるぞ!」って気持ちになるんです。

──面接でうまく受け答えができるコツとかあるんですか?

第一に礼儀を大切にして、あとはあまり語りすぎず自分の素を出せるように意識しています。

──なるほど。面接ではどんなことを聞かれましたか?

1回目の事務員さんとの面接では、以前医療事務として働いていたときにどんな経験をしたのかを聞かれました。

あと、できる業務範囲についてはかなり具体的に聞かれましたね。「これはできる? あれはやったことある? この資格を持っていたらこの業務はできるね」みたいな感じで。1ヶ月でどのくらいのレセプトを処理したのかも聞かれました。

医療事務Nさんインタビュー
どの程度の業務をこなせるかを具体的に把握するために、事務員が面接官を担当するケースも多いのかもしれない

──かなり細かいですね! 志望動機などは聞かれませんでしたか?

とくに聞かれませんでしたね。なぜこの病院を選んだのかよりも、実際にどんな業務ができるのかということを重視していたんだと思います。

──2回目の面接はどうでしたか?

2回目の主任さんとの面接は、履歴書を見ながら最終確認のような感じでした。面接というより「うちで働きませんか?」って感じでしたね。

──入職の意思確認がメインだったんですね。面接時の服装や身だしなみについても教えてください。当日の服装はスーツでしたか?

スーツではなくて、きれいめなスカート、ブラウス、ジャケットを着ていきました。スーツだとかっちりしすぎてちょっと雰囲気が違うかなと。

──身だしなみで気をつけたことを教えてください。

古い靴は避けて、履き慣れた比較的新しい、少しヒールのある靴を選びました。あとは荷物が一つにまとまるように、持ち物がすべて入るバッグを選びました。

──ほかに面接時に気をつけたことはありますか?

マスクを着けたままの面接だったので、大きめの声でハキハキと話すように心がけました。姿勢にも気をつけて、椅子に深く腰掛けて背筋がまっすぐになるよう意識しましたね。

──姿勢は印象にも影響しますもんね。今回の転職を振り返って、Nさんが良かったなと思う点を教えてください。

医療事務としてしっかり働けて、かつ土日祝休みの希望が叶ったので良かったです。

実際に働いてみていろんな経験ができそうだなと感じています。仕事自体は忙しいので習うより慣れろって感じですけどね(笑)。自分から積極的に質問するようにしています。

──反対にもっとこうすれば良かったと思うところはありますか?

今となってはの話なんですが、給与はもっと上を目指しても良かったかなと思います。転職時は環境を重視していたので。

──“強いて言うなら”といった感じですね。最後に、これから転職しようと思っている人へメッセージをお願いします。

転職活動をしてみて、医療事務の募集が増えていると感じたので興味がある方はチャンスだと思います!

仕事はもちろん大変なこともありますが、その分やりがいもあるので気になっているならまずはチャレンジしてみることをおすすめします!

ジョブメドレーからのアドバイス

今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下の通りです。

1.ネガティブ→ポジティブの変換がGOOD!
クリニックの閉院などネガティブに捉えられることもポジティブに変換してアピールしているところが良いですね。「何に対しても前向きに取り組んでいける人」といった好印象に繋がるでしょう。

2.面接に臨むメンタルが素晴らしい
面接はどうしても緊張してしまうもの。「うまく答えられなかったら……」と不安を感じながら臨む方が多いのではないでしょうか。そんなときには、Nさんのように「絶対内定を取ってやるぞ」というメンタルで自分を奮い立たせたいですね。

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