介護業界の仕事とは
介護の仕事は、高齢者や障がい者など支援が必要な人の生活を支えることです。たとえば、歩きづらい方がいれば、歩いている横に立ち身体を支えたり、車いすを押したり、段差や階段の時には転倒や転落しないように支えていきます。
介護業界には大きく分けて、以下3つの介護形態があります。
1. 施設介護
高齢者がご自宅から介護施設に入居し、24時間365日介護を受けながら生活する方法
2. 通所介護
高齢者が自宅に住みながら、日中のみデイサービスセンターなどに通って介護を受ける方法
3. 訪問介護
介護職員が高齢者の自宅に通い、高齢者の自宅の中で介護を行う方法
とくに3の訪問介護は、1人で自宅に訪問して介護を行うため、初任者研修等の資格を持っていないと仕事をすることができません。
介護とひと言で表しても、いろいろな介護の方法がありますので、それぞれの特徴を知ったうえで、自分がやりたい業種で活躍することが必要です。
介護業界で必要な最低限のスキル・知識
介護業界で仕事をする上で必要なスキル・知識は以下のようなものです。
1. コミュニケーション力
多くの場合、一番最初の仕事は高齢者とのコミュニケーションです。「まず利用者さんとコミュニケーションとって」と先輩職員に言われて、何を話そうと困る方が多いです。そこでコミュニケーションを取る際のポイントをお伝えします。
◆ 分かりやすく自己紹介をする
「こんにちは、私は〇〇と言います。芸能人の〇〇さんと同じ名前です」など、高齢者がわかりやすいように自己紹介することが必要です。高齢者が好きな往年の歌手や俳優・女優さんの名前と一緒などとわかりやすく自己紹介すると覚えてくださいます。
◆ 質問をしてその人が考えていることを聞き出す
「今何をしているのですか?」「その洋服好きなのですか?」「いつも何して過ごしているのですか?」などいろいろと質問をしてみましょう。その答えをきっかけに会話を広げていくと、会話が弾むことがあります。
◆ 共通点を見つける
出身地や趣味、好きな色など自分と共通点を見つけることで親近感を持ってコミュニケーションを取ることができます。ぜひ共通点を探して自分も楽しんでみてください。
◆ 注意点
認知症の高齢者は同じ質問や同じことを繰り返し言うこともあります。決して否定してはいけません。認知症になると、いつ誰に何を話したかわからなくなるときがあります。「さっきも聞いた」や「何回言うんですか?」などと言ってしまうと「否定された」という気持ちが残り、心を開いてくれなくなります。同じことを繰り返すことがあっても笑顔で聞くようにしましょう。
2. レクリエーション
介護施設やデイサービスセンターでは毎日レクリエーションが行われています。初めて就職したときも「レクリエーションをしてください」と言われることもあります。言われても困らないように事前にレクリエーションの内容を考えてみましょう。
レクリエーションが得意だと、高齢者との関係を密接することができるのと、他の職員の方からも頼りにされることがあります。ぜひレクリエーションのネタを準備しましょう。以下でよく使うレクリエーションをご紹介します。
◆ 手遊び
歌に乗せて手を動かし脳のトレーニングをします。
◆ 一緒に体操
音楽に合わせて体操をして身体を動かします。
◆ 折り紙
折り紙を一緒に折って、その折り紙に色をつけて作品を作ります。
内容はなんでもいいと思いますが、男性も女性も、得意不得意が出づらく、みんなで楽しめる方法を考えましょう。
3. 介護保険の基礎知識
介護現場は介護保険制度のもとで実施しているサービスです。介護保険上、やってはいいこと、やってはいけないことが決まっています。たとえば、介護職員は医療行為をやってはいけません。最低限の知識は必要です。

やっていいこと | やってはいけないこと |
---|---|
○介護行為 | ×医療行為 |
○入浴介護中の洗髪 | ×散髪(有料で髪を切る) |
○爪切り | ×巻き爪などの爪切り |
○服薬を見守る | ×薬を処方する |
○食事の準備 | ×食事をごちそうになる |
○買い物の代行 | ×財産管理 |
○介護上のコミュニケーション | ×ただの茶飲み友達になる |
ルールを守らないと、就職先の事業所が指定取り消しになったり、介護報酬(収入)が入らなくなることもあったりと、いろいろな方にご迷惑をおかけすることになります。最低限のスキルと知識は身につけるようにしましょう。
より良い就職先に就職するために
初めての業界では、まずどこで働くかがとても重要です。初めての就職先の印象が業界の印象を決めることにもなりますので、自分自身に合った事業所で仕事をすることが必要です。では、どんなところでに就職したほうがいいのか、判断するポイントをいくつかご紹介します。
1. 理念
介護と言っても考え方により、介護のやり方が変わります。就職をする前に理念を確認しましょう。理念に共感できる事業所があなたに合った就職先になる可能性が高いです。
2. どんな人が働いているのか
なんといっても一緒に働く「人」が大切です。どんな人が働いているのか、どのように働いているのか確認をしましょう。問い合わせをしたときの電話の印象や面接官の姿勢、事業所の印象も大切です。
3. 研修があるかどうか
未経験で仕事をするうえで、研修はとくに重要です。研修のない事業所では、「とにかく現場で慣れるように」といきなりいっぱいシフトに入り、教えてもらう機会もなく数年たつというところもあります。人によってはそれでも成長しますが、多くの場合研修や指導により、現場での仕事の仕方を覚えることが多いため、研修体制が整っているかを確認することが大切です。
4. 処遇改善加算を取得しているか
国の制度で処遇改善加算という介護職の給料を上げるための補助金のような制度があります。これは条件が決まっており、事業所がその条件を満たし行政に書類を提出すると加算を獲得することができます。
加算にも種類があり、処遇改善ⅠからⅣまであり、金額も異なります。処遇改善を取得するにはハードルが高いため、取得している事業所はそれだけ体制が整っていると言うことができます。
5. キャリアパスが整備されているか
ここまでできるようになったらリーダー、ここまでできたら施設長など自分のキャリアを作るための制度、キャリアパスが整備されているかを確認することも大切です。事業所内で目標を見つけることができればがんばれると思います。確認してみましょう。
他にもいろいろな項目がありますが、ぜひ自分に合った就職先を見つけるために求人票だけでなく、ホームページなども確認するようにしましょう。
介護業界には未経験から始めて数年で施設長や経営幹部になる方もいます。他業界での経験が介護業界に役立つこともありますので、未経験だから介護は無理などとあきらめず、「未経験でも自分のこの経験がきっと介護業界で役に立つ」という自分の武器を見つけることが大切です。
その武器はなんでもいいと思います。明るい性格も武器になります。人を笑わせることが得意ということも武器になります。
介護業界は人が人を支える業界です。だからこそ仕事内容に答えはある意味ないのかもしれません。自分らしさを活かして、介護業界で多くの方が活躍することを期待しています。
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