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インタビュー2019/01/21
「介護福祉の“顔”になってはいけない」介護福祉士・中浜崇之さんインタビュー

介護業界では「2025年問題がどうだ」「××年には介護人材が××人不足して…」と未来を悲観的に描かれることが多い。たしかに課題ははっきりと見えている。でも、いま何をして、これからどう良くしていけばいいかわからず悩んでいる人も多いはず。今回は、身近でもっとも楽しそうに、新しいアクションを起こしている介護福祉士・中浜崇之さんにちょっと先の未来について聞いてみました。

介護福祉士・中浜崇之さんに聞く、ちょっと先の未来の話

中浜崇之
中浜崇之・経歴
—いきなりなんですけど、中浜さんは一般的な介護業界のイメージとはすこし離れてますよね。正直、何をしている方なのかわかりづらいのですが…。

中浜崇之さん:たしかにそうですね(笑)。


—介護業界で働くきっかけや現在の活動につながる「原体験」のようなものはあるのでしょうか?

ぼくはもともとすごい志があったわけではなく、理学療法士の専門学校時代の介護現場の体験が楽しかったから「やってみようかな?」と思ってこの業界に入ったんです。


介護に関しては「他の人と違うことをしよう!」というよりかは、「施設の利用者さんがもっと自由に生活できないのはなんでだろう?」という疑問がまずあって、周りの先輩たちの力を借りて、いろいろな取り組みをするようになりました。

「介護ラボしゅう」ってなに?

介護ラボしゅう

毎月開催している「介護ラボしゅう」定例会の様子


現在も続けている「介護ラボしゅう」をはじめたのは、介護業界にはいって5年が経ったころです。


当時「介護を楽しくつづけてきた自分と、辞めていった人たちは何が違うんだろう?」と思ったときに、自分の近くには話を聞いてくれる先輩たちがいたんです。


いま、介護にはどんどん新しいノウハウや考え方が生まれているんですけど、施設の中には「(施設歴が)長い人の考え方が一番」みたいな感じで、新しい人が入りにくい環境もまだまだ多いです。


なので「想い」をもって入って来た人ほどつぶれやすい。


ただ、自分がいる施設や組織の中では「違う」と言われても、1歩外に出てみると「あなたが言っていることは正しい」ということはたくさんあるし、「介護職だけで集まって話しているのも面白くないな」と考えていたので、事業所の垣根を超えて悩みやアイデアを共有できる場所をつくりました。


—「介護ラボしゅう」はもう100回も続いているんですね。

最初のころは地獄でした(笑)。ぼくはもともと話をするのが得意なほうではないので。ただ、活動を続けていくなかで、現在理事を務めている「NPO法人Ubdobe」代表の岡くんだったり、音楽療法をやっている「リリムジカ」代表の管さんだったり、いろいろな人との出会いに恵まれました。

「介護福祉の“顔”になってはいけない」

—とくに印象的な人との出会いはありましたか?

「リリムジカ」の代表の菅さんに紹介してもらった、山田さんという方ですね。


—山田さん。どんな方なんですか?

もともとは大企業で働かれていた商社マンです。もうリタイアしているんですけど、若い人に自分の経験や仕事のノウハウを教えられていて、山田さんのもとには大学生から社会人まで、いろいろな人が集まるんです。


ぼく自身もいろいろなことを教えてもらうなかで、すごく印象的だったのは「その職業の“顔”になっちゃダメだよ」と言われたんです。


—「顔」というのは、業界の代表やリーダーという意味ですか?

いえ、服装や見た目をふくめた「その職業っぽさ」のことです。「そうなると、業界以外の人は話しかけづらくなるよ」と言われて、「なるほどな」と思ったんです。


—たしかに本来は「介護の人はこんな人」「ITの人はこんな人」という見方は正しくないですよね。仕事と個人は必ずしもむすびつかない。

服装とかでいうと、ぼくは純粋に洋服が好きなんですけど。


—いつもオシャレですよね。SNSを見たら「ミハラヤスヒロ」がお好きだとか。

大好きです。介護より長く好きでい続けているのは「ミハラヤスヒロ」くらいかもしれない(笑)。あとサッカーもあるか。


—(笑)。

服装は1つの例にすぎないんですけど、そのことを言われたときに「自分の好きなことはずっと大事にしたい」「介護福祉の顔になっちゃダメだな」と思ったんです。それからは意識的にいろいろな業界の人と会って学ぶようになりました。


もちろん、業界に適した振る舞いというものが大事なときもありますが、「仕事の現場以外でそこまで全面に出す必要はないな」と考えています。


—どんな仕事に就いていても、自分らしくいることが大事なんですね。

介護×他業種の可能性を考える

SOCiAL FUNK!

医療福祉の世界をエンタメとテクノロジーで表現する「SOCiAL FUNK!


—お話を伺うなかで、中浜さんは介護にエンタメやアート、テクノロジーの要素を意図的に取り入れているというよりかは、ご自身が楽しいことを追求しているという印象を受けました。

おっしゃるとおりだと思います。介護に他業種の良い部分を取り入れることは大事なので、多少は意図的にやっている部分もあります。


ただやっぱり「自分が好きなもの・興味があるものをどう介護の仕事に活かすか」と考えるほうが楽しいし、結果的に良い効果が生まれると思うんですよね。


—介護現場ではテクノロジー機器の導入が注目されていますよね。

テクノロジー機器の導入に関しては、うまくいっている施設もあれば、そうではない施設もあります。両者のちがいは何かというと「機器を使うことによって何が生み出されるのか」という前提が現場のスタッフに共有されているかどうかです。


やっぱりテクノロジーやエンタメ、アートもそうですけど、「それを活かして介護をどうよくするか」という現場の視点がないとあまり意味がありません。


うまい法人さんはそういうことをちゃんとやっていて、介護現場におけるテクノロジー機器の導入事例としては、熱海の社会福祉法人海光会さんや宮崎の社会福祉法人スマイリング・パークさんなどが参考になると思います。ご興味があったら調べてみてください。

2018年の全国行脚を振り返る

—よく地方を飛び回っている印象があるんですけど、2018年はどのような活動をされていたのでしょうか?

2018年は「NPO法人Ubdobe」のイベント事業と「RUN伴(ランとも)Stories」という仕事をメインで担当していました。


イベント事業では、地方自治体や学校などの依頼をいただいて、小学生や親御さんたちに医療福祉の仕事の魅力を伝える「THE Six SENSE(シックスセンス)」というイベントや医療福祉系の謎解きイベント「Mystic Minds(ミスティックマインズ)」などをやりました。


—HPの未来感がすごい。

すごく好評で、全国各地で開催させていただきました。


もう1つの「RUN伴(ランとも)Stories」は、そもそも特定非営利活動法人認知症フレンドシップクラブさんが2011年からおこなっている「RUN伴(ランとも)」から派生した企画です。


「認知症の人にやさしいまちを目指し、地域をつなぎ、社会を変える大きな力にする」というミッションがあって、認知症の人や家族、医療福祉関係者が一緒にタスキをつなぎ、日本全国を縦断します。


—壮大なイベントですね。

北海道から沖縄まで本当にやっています。去年からは台湾でも開催されていて、本当にすごいモンスターイベントなんですよ。


—中浜さんはどのような関わり方をしているんですか?

「このイベントをもっと多くの人に知ってもらうために何かできませんか?」というお話をいただいたので、今回、「RUN伴(ランとも)Stories」という企画をして、現地にカメラマンとライター、イラストレーターと一緒に行って、地域や参加者の方にフォーカスした取材・情報発信のお手伝いをさせていただきました。今後もまだ取材できていない地域を回っていきたいなと思っています。

RUN伴(ランとも)Stories

取材メンバーで作成している瓦版。「今後は冊子も作成する予定」とのこと

2019年のチャレンジについて

中浜崇之さん2

—ちょっと新しい話として、2019年1月から介護事業所で働かれると聞きました。

はい。社会福祉法人慈雲福祉会の一員として勤務することになりました。


—2018年はコミュニティ活動が中心だったと思うんですけど、再び現場に戻ることにした理由を伺ってもいいですか?

そうですね。結局、自分が得意なことを考えたときに「やっぱり介護の現場だろうな」と思ったんです。


新しい現場では、自分がやりたいケアを追求するというよりかは、どちらかというと、自分のこれまでの経験を活かして、働いてくれるスタッフが介護を楽しむ後押しをしたいという気持ちが強いです。


介護の仕事はいまだに「面白くない」「大変そう」というイメージが強いのですが、その人の好きなことと介護を組み合わせたり、自分自身の活かし方をちゃんとプロデュースしてあげることで、利用者さんだけでなく、働いている人も満足できるような環境をつくりたい。2019年の1年間はその土台づくりの期間になります。

最後に

中浜崇之

—最後に、介護業界に対する想いを聞かせてください。

介護業界で働くうえで「誰かのために」という気持ちはとても大事なんですけど、それが強すぎて、自分を消しすぎてしまっているような気もします。


そうではなくて、もっと自分が純粋に楽しいと思えることを福祉の現場で活かせると、きっと仕事はもっと楽しくなると思うし、楽しく仕事をしている人たちが増えないと、どれだけ中の人が「介護の仕事は素晴らしい」と言ったところで、魅力は伝わらないと思います。


—魅力って無理に伝えるものではなくて、自然と感じてもらうほうがいいですもんね。

そう。魅力発信はもちろん大事なんですけど、必要以上によく見せようとしなくてもいいかなと思います。介護の仕事でいうと、排泄ケアの話などはありのままに伝えるべきだし、大変な部分があるのはどの仕事でも同じだと思うんです。


ただ「大変だけど時間どおり上がれるよ」とか「中の人はこんな感じで面白く働いてるよ」といったかたちで「ちょっといい」くらいの見せ方のほうが、興味がある人が入りやすいですよね。


いまは地方も含めて、面白い介護の現場や人がどんどん表に出てきているので、そういった自然と「この人たち楽しそう」「自分もちょっとやってみようかな?」と感じてもらえるような場所をもっと増やしていきたいなと思います。


あと個人的な野望としては、情報発信や介護の認識を変えていくためにも、イラストレーターで絵本作家のヨシタケシンスケさんと一緒に介護の絵本が作りたいんです。知り合いがいたらぜひ紹介してください(笑)。


—ぼくもファンなので探してみます(笑)。中浜さん、ありがとうございました。

読者の方へのメッセージ

中浜崇之さんの顔

「イケメン介護福祉士」と言われることの多い中浜さん。(本人が気に入っているかどうかはさておき)それもまた事実だと思います。ただ、今回お話を聞いてみて、中浜さんの魅力は「好きなこと」を語っているときのアドレナリン全開の表情なんだと気がつきました。インタビュー後に聞いた「介護以外の仕事をやるとしたら?」の質問に対する「ピッツァ職人」「マタドール(闘牛士)」の回答にも味があります。

宮原透宮原透(編集者)2019/01/23

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