一時預かりと子育てひろばで築く地域との絆

あっぴぃ新橋は、株式会社アソシエ・インターナショナルが東京都港区からの委託を受けて運営する子育て支援施設です。0歳4ヶ月から就学前までの子どもを対象とした一時預かりサービスと、親子が自由に過ごせる子育てひろばという2つの機能を併せ持っています。
「一時預かりでは、保護者の用事やレスパイトなど理由を問わず、時間単位でお子さんをお預かりしています。1日の利用者は20〜25人程度ですが、2,000以上のご家庭が登録しているんですよ」と施設長の林さんは話します。

子育てひろばは一時預かりと別のフロアにあり、「屋根のある公園」をコンセプトに安全で清潔な環境を整えています。こちらでは親子が自由に遊んだり、保育士に子育ての悩みを相談したりできる空間を提供しています。

また、子育てひろばでは0歳から3歳を対象に、工作や読み聞かせ会、身体測定など成長を親子で喜べるようなイベントも開催。あっぴぃ新橋の保育士が相談しながら、季節に応じた企画を運営しています。
「また来たい場所」を目指した一期一会の保育
一時預かりの特徴は、毎回異なる子どもたちと出会うことにあります。そのため、あっぴぃ新橋では子どもたちの保育や保護者への支援を「一期一会」と捉え、限られた時間の中で一人ひとりと向き合って保育に取り組んでいます。
「保育園の場合、お子さんとの関係は長期間にわたって続きます。ですが、私たちの施設では1日最大5時間で終わってしまう可能性もあるんです。この限られた時間で、保育士がどのようにお子さんと関わることができるかが勝負。ですので、どのような保育が求められるのか、職員同士で話し合いながら考えています」(林施設長)
短時間でも保育士が専門性を発揮できるよう、あっぴぃ新橋では職場環境の整備に力を入れています。14人の職員のうち12人を正職員とすることで、充実した保育体制を確保しました。また、新卒の保育士も多く活躍しており、林施設長は新卒入社のサポート体制について、このように語ります。
「新卒の職員には年齢の近いチューターが付きます。1年間は相談に乗ったり、アプリで1日の振り返りのやり取りをしたりします。悩みごとを書いたら、チューターが『こういう風にしたほうがいいよ』とアドバイスをする交換日記のようなものですね」
中途入社者に対しては、経験年数ごとにスキルアップのための研修が用意されています。研修のテーマは障がい児保育、アレルギー、安全管理など幅広く、学びたい分野を選んで参加することが可能です。
さらに、保護者対応は実践的なロールプレイで練習を重ねます。「保育士が親役になり、子どもに見立てた人形を抱っこしながら、玄関から入るところから再現するんですよ。さまざまなシチュエーションやご要望を想定することで、保育士としてより柔軟な対応が身についていくんです」(林施設長)
保育園や幼稚園とは異なる専門性
実際にあっぴぃ新橋で働く保育士は、保育園や幼稚園との違いをどのように感じているのでしょうか。保育士で主任の佐藤さんと、保育士の近藤さんに話を伺いました。
話を聞いた人
保育士・主任 佐藤裕紀さん
幼稚園で6年間勤務。結婚を機に転職し、2020年にあっぴぃ新橋で初めて子育て支援の分野に挑戦した。現在は主任として職員の育成も担当。
保育士 近藤佑香さん
2019年に新卒入社し、あっぴぃ新橋での勤務は7年目。一時預かりの保育全般や子育てひろばのイベント運営など幅広く担当している。
──近藤さんは新卒、佐藤さんは中途での入職です。まずはあっぴぃ新橋に入職したきっかけを教えてください。

就職活動中にさまざまな保育園を見学し、その一つがアソシエ・インターナショナルのほかの保育施設でした。施設の雰囲気が和やかで、子どもたちも伸び伸びと楽しそうに過ごしていることがとても印象的で、ここで働きたいと思い志望しました。また、アソシエの施設は都心部に多いので、働くうえでの立地の良さにも惹かれました。
あっぴぃ新橋には入社後に偶然配属された形なのですが、一時預かりの保育や職場の人間関係が心地いいです。


私は前職は幼稚園に勤務していましたが、結婚を機に「将来の子育てと仕事を両立できる職場を探そう」と転職活動を始めました。
ワークライフバランスが取れる職場を探していたところ、あっぴぃ新橋では持ち帰り仕事や残業がないと聞いて関心を持ったんです。子育て家庭への支援は初めてだったので、私にとってはチャレンジでしたね。
──一時預かりの保育の特徴を教えてください。

毎日違うお子さんが利用するので、日によって保育の内容が異なります。通常の保育園では、長期的に保育計画を決めて運営すると思いますが、一時預かりでは、朝に保育士が話し合ってその日の保育内容やスケジュールを決めています。
例えば「今日は小さい子が多いから、年齢に合わせた活動をしよう」といったイメージで、利用するお子さんに合わせた遊びや工作を提供するんです。


あっぴぃが、保護者さまに指名していただく施設だという点も、保育園や幼稚園と異なると思います。一度利用していただいたうえで、ご満足いただけなければ次の利用につながりません。
選ばれる施設になるには、子どもたちに安全に楽しく過ごしてもらうことが何より重要です。たとえ数時間の利用でも、それが充実した時間になるよう、毎日一人ひとりとしっかり向き合って保育をしています。
例えば、お子さん同士でケンカしたとしてもその日のうちにしっかりと解決して、モヤモヤした気持ちを持ち帰らないことを意識しています。ですので、子どもたちへの接し方や、トラブルの解決方法を話し合っていますね。
──一時預かり保育で、難しいと感じることはありますか?

いろんな年齢のお子さんがいるので、入社当時はどう対応していいのかわからない時期がありました。でも、研修や日々経験を重ねるうちに、子どもたちが求めていることや、考えていることが、興味関心のあることが少しずつわかるようになってきたんです。すると次第に「先生と遊びたい」と言われることも増えて、それが自信につながりました。

私も異年齢のお子さんを同時に保育することに戸惑いました。初めて利用するお子さんもいるので、一人ひとりに適切に対応するのがとても難しかったんです。
なので、年齢ごとの発達を勉強し直したり、いろんなアプローチ方法を試しながら、引き出しを増やすことで対応できるようになっていきました。この点は保育士としてのスキルアップになったと思います。

──お二人とも日々努力を重ねているんですね。では、保護者との関係構築に関してはどうでしょう。短時間で関係性を築くのは難しい印象です。

たしかに、保護者さまとのコミュニケーションや関係づくりに悩んだ時期もありましたが、受け入れやお迎えを重ねるうちにその不安はなくなりました。
あっぴぃの保育士が意識しているのは、保護者さまが何を気にかけているか、どうしてほしいかを汲み取ることです。お預かりのわずかな時間で、ご家庭での様子や今関心を持っていることを感じ取り、お迎えの際はそれを中心にご報告をします。
例えば、食事の仕方が気になっている様子でしたら、お迎えの際にその日のおやつの様子を中心に伝えますし、遊びに関心があれば、その日楽しんだことをメインで報告するといった工夫をしています。
業務に集中できる職場環境
──ここからはあっぴぃ新橋の働きやすさについて教えてください。残業や持ち帰り仕事はありますか?


残業や持ち帰り仕事はほとんどありません。保育士の勤務時間はシフト制の8時間で、書類やイベント準備などやることはたくさんありますが、保育中に各自の仕事に充てる時間をつくっているんです。
それぞれがどんな業務にどれくらい時間を割きたいか共有して、その日のスケジュールを立てる担当者が、時間を割り当てていきます。担任制ではなく、チーム全員でお子さんを見ているメリットといえそうですね。
──チームワークで時間をつくっているんですね。お休みは取れていますか?

あっぴぃ新橋は土日も利用できる施設なので、お休みは週休2日制です。保育士ごとに休みの曜日を決めるのではなく、希望休を確実に取れるようにシフトを組んでいます。会社としても6連勤以上は禁止しているので、安心して勤務できるのではないでしょうか。
──会社としても働きやすさを重視しているんですね。ほかに印象的な制度などはありますか?

今年から土日に勤務する職員に手当がつくようになりました。あっぴぃの保育士は保育園と違って土日も仕事なので、その負担を理解してもらえているように感じて、働くうえでも不満はありません。

もちろん産休・育休は取得できます。私は主任になってから取得したのですが、復帰したときにみんなが拍手で迎えてくれたことが何よりうれしかったです。現在は時短勤務を活用して仕事を続けています。
感謝と柔軟性のある仲間と働きたい!
──働くなかでどのようなときに魅力ややりがいを感じますか?

だいたい毎日、初回利用のお子さんがいるので、年間で数百人と出会っています。たくさんのお子さんと触れ合えるのは一時預かりの魅力ですね。
また、一時預かりでもお子さんの成長を長期的に見守れるケースも多いんですよ。私が就職したころ0歳だったお子さんはもう小学校です。入学前に会いに来てくれたお子さんもいて、「帰りたくない」と言ってくれたりして、とてもやりがいを感じました。

主任として職員の成長をサポートできることに、すごくやりがいを感じています。
前職では役職に就くことがイメージできなかったので、主任にキャリアアップできたことはうれしい驚きでした。今後も、あっぴぃ新橋保育士みんなが同じ感覚を持って、施設の将来をつくっていけるように取り組んでいきたいと考えています。
──どのような方があっぴぃの保育士に向いているでしょうか?

あっぴぃは子育て家庭を支援をする施設なので、子どもの保育だけでなく、親子への支援に関心がある方が向いていると思います。また、毎日変化していく職場なので、柔軟に対応できる方がマッチするのではないでしょうか。

チームワークを大切にしてるので、周囲に「ありがとう」という気持ちを持てる方に、ぜひ仲間になっていただきたいです。また、向上心のある方にはとても良い職場だと思います。
※掲載内容・所属・肩書はインタビュー時点のものです