
1.今回インタビューしたのはこんな人

—今日はよろしくお願いします! まず簡単に自己紹介をお願いします。
生まれ育ちは東京です。
今24歳で、社会人歴は5年目です。
—職歴を教えてください。
フリーランスも含めると、転職は3回しました。
美容学校を中退してフリーランスの営業を2年弱したあと、秘書を1年、またフリーランスに戻って美容関連の営業を約2ヶ月。
そのあとエステティシャンになったので、エステティシャン歴は半年になります。
—なかなか複雑な職歴ですね! まず、美容学校に通われていたんですか?
小学生からずっと美容師になることが夢だったので、トータルビューティーコースのある美容専門学校に進学しました。
でもいざ入ってみたら、美容師は向いてないなってすぐに気づいて。むしろ授業でやったエステやネイルのほうが楽しかったんですよね。
絵は苦手だからネイルではなくエステにしようと決めてからは就活もして、大手エステサロンから内定もいただきました。
—美容師からエステティシャンの道に切り替えたんですね。
そのつもりだったんですけど……同じタイミングで、お世話になってる先輩が始めた事業を手伝わないかと誘われたんです。
すっごく迷いました。これまで美容の道へ進むために、高い学費を払ったり資格を取ったりしてたので。でも、美容業界は労働時間が長いわりにお給料が高くなくて、このまま新卒で入っていいのかな……って悩みに悩んで。
最終的には「美容はその気になれば戻ってこれる」と思って、専門は中退し、その先輩の紹介を受けて営業や秘書として働くことになりました。不動産や金融、人材業界とかの仕事で、美容とはまったく無関係でしたね。
—そこから美容業界に戻ったきっかけは何だったんですか?
今年(2020年)の2月くらいから、「ヒト幹細胞」の営業をやらないかって誘われたんです。商材が良いからこれは売れると思って始めた矢先に、新型コロナウイルスが流行って、営業どころじゃなくなってしまって。
どうしようかと思ってたら、お客さんでもあった現職のサロンの店長が、エステティシャンとして働く提案をしてくれたんです。
—それでエステティシャンデビューを果たされたんですね。
そうです。「商品を売ってくためにも、施術する側として効果を体感しておくのは大事でしょ」って言ってくれて。
確かにそのとおりだし、現場で働けるのは絶対楽しいと思って、喜んで受けました。
—転職時に重視した点を3つあげるとしたら、何になりますか?
「やりがい」「給料」、あとは「将来性があって勉強できる環境」かな。
わたし、今後につながる働き方をしてたいんです。いつか自分のサロンを出したいし、自分で商品を作ってみたい。
店長は長年大手メーカーのBA(美容部員)として働いて独立した美容オタクで(笑)すごい知識があるので、「この人から全部盗み取ったろ!」って思ったんですよね。
2.エステティシャンの履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
—こちらが当時の履歴書ですか?
はい。これが今のサロンを受けたときの履歴書です。実物は提出しちゃったので、再現にはなるんですけど。
—「クラブ活動」「得意な科目」……これ、学生用の履歴書ですよね?
あ、すみません! 間違えて新卒用の履歴書を使っちゃいましたね……。
実際に提出したものは、これらの項目がない中途向けの履歴書を使いました。
—実際使った履歴書は、どちらのものですか?
コンビニで買った、2枚入りの履歴書ですね。
—PCではなく、手書きにしたんですね。
PC苦手で(笑)。
学生時代にアルバイトをたくさんやってて履歴書は書き慣れてるので、手書きのほうが早いなって思ったんです。
—作成には何分くらいかかりました?
20分くらいかな。
途中、1ヶ所間違えてしまったので、新しい用紙に書き直しました。
—下書きはしないで一発書き?
そうです。修正液は使わないほうがいいと思うので、予備があって良かったです。
—証明写真はいつ、どこで撮りました?
街なかにあるスピード写真機で、提出する1週間くらい前に撮りました。
—どんな服装、髪型、メイクでしたか?
服装は、OLさんが着るようなオフィスカジュアルっぽい白のトップス。首元が詰まりすぎず、開きすぎない感じの。
髪型は、前髪が長いのでセンター分けにして、後ろ髪は下ろしてました。今と同じですね。
カラコン(カラーコンタクトレンズ)とアクセサリーは外しました。
—エステサロンだから気を遣った点はありますか?
やっぱり美容業界だから少し意識しました。アパレルみたいに華々しすぎてもダメだけど、地味すぎてもダメかなって。
メイクは、写真だと普段より濃くてもそんなに派手に写らないから、チークは濃いめに。口紅も発色いいのをつけました。
—続いて「学歴・職歴」欄ですが、専門中退直後の職歴は書かれてないんですね。

中退後はフリーランスだったので、会社に属してないから書いてないんです。ここは面接でも突っ込まれたので説明しました。
書いたのは株式会社で秘書として働いていた期間だけです。
—なるほど。保有資格はこれですべてですか?

ほかにもジェルネイル、ネイルアート、ヘアスタイルとかの資格もあるんですけど、エステサロンでは関係ないなと思って書きませんでした。
—「パーソナルカラリスト検定」と「秘書技能検定」を書いたのは役立つと思ったから?
パーソナルカラリストもそんなに役立つことはないんですけど、以前一度、担当のお客さんのパーソナルカラーの相談に乗ったことはあります。
秘書検定はなにかと活かせるので書いておこうかなと。
—「趣味・特技」「自覚している性格」欄は?

「趣味」にはショッピングとかも書けたんですけど、エステサロンなので美容関係の趣味がいいかなと思って。
「自覚している性格」は「ポジティブ」よりも「楽観的」って書いたほうが響きがいいかなってくらいですね。
—「志望動機」欄についてはどうですか?

“美容業界には昔から興味があり、幹細胞の営業をきっかけにもっと美容を学びたい、現場にでてお客様と触れ合いたい、人をキレイにしたいという想いが強くなり志望致しました。”(履歴書原文より)
「志望動機」は昔から美容に興味があることと、幹細胞の営業をしてからはさらにやりがいを感じるようになったことが伝わるように書きました。
「これまで美容と関係ない仕事なのにどうして?」って聞かれると思ったので。
—履歴書は、いつ、どうやって提出しました?
面接のときに手渡しで提出しました。
普通郵便で送れるサイズの封筒に3つ折りにして入れました。
—ほかに職務経歴書などの提出物はありましたか?
特になくて、履歴書のみでしたね。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

【良い点】
①証明写真
エステサロンが求めると思う人物像から、ふさわしい服装やメイクを選択できていて素晴らしいです
⑤志望動機欄
・営業内容である「ヒト幹細胞」を具体的に記載しているので、知識面でのアピールに繋がって良いです
・営業スキルは接客でも活かせるため、アピールポイントになります
②学歴欄
1行目の中央に「学歴」と記載しましょう
③職歴欄
フリーランスの場合でも、働いていた実績として記載すると良いでしょう
「平成◯年◯月 個人事業主として活動(職種:営業)」のように記入します
④免許・資格欄
記入欄が空いているのであれば、保有資格はできるだけ記載することをおすすめします。労力をかけて資格取得したこと自体がプラスになるかもしれません
⑤志望動機欄
これまでの仕事で学んだことや身につけたスキルがエステティシャンとしてどのように活かせるのかを書けると、さらにアピールに繋がります
⑥本人希望欄
特にない場合は「貴社の規定に従います」と記入すると良いでしょう
3.エステティシャンの面接対策

—ここからは面接について聞かせてください。面接はどんな内容でした?
開店前の1時間〜1時間半くらいを使って、店舗で面接を受けました。
面接官は店長1人だけ。
—長めの面接だったんですね。
店長がすっごく喋るんです。どっちの面接だろうって感じですよね(笑)。
実際、面接らしい面接は最初の15分か20分くらいで、あとはほとんど雑談でした。
—面接で聞かれた質問内容は?
あまり変わった質問はなかったです。これまでの職歴や働き方についての質問が多かったですね。
給与面では、当時のわたしの収入よりも低くなるから「大丈夫?」と確認されて、「美容業界はやりがいを持ってないと続かないよ」とも言われました。
—重視した点に「給与」が入ってましたもんね。その点は問題なかったんですか?
そこは大丈夫でした。スタートは確かに下がってしまうんですけど、「お金だけじゃなくてしっかりやりがいを持って働く覚悟はしてます」と伝えました。
それにうちのサロンは、インセンティブがかなりつくので、頑張りによっては月収70万超えも目指せることがわかってたので。
—月収70万……! それは夢がありますね。
そうですよね! このまま順調に頑張れば、夢じゃなくて実現できそうです。
—面接時に何か気をつけたことはありますか?
たくさん質問するようにしました。気になる美容法について聞いたり、わたしはこう思うって伝えたり。
美容が好きで好奇心旺盛なんだなって思ってもらえるように、リアクションもちょっとオーバーにしながら(笑)。
おばさまの店長だから、そういうリアクションがウケそうだなって考えました。
—結構戦略的ですけど、接客業では大事な観点ですね。
そうですね。でも実際すごく打ち解けられて「このあとごはん行く?」って話にまでなりましたよ!
—すごい……! ちなみに面接時は、証明写真と服装は変えましたか?
変えました。キチンとしたパンツをあまり持ってなかったので、ピンクベージュのひざ下丈のフレアワンピースを着ていきました。
あとは、普段ハイヒールが多くてぺたんこなパンプスがなかったので、新しく買いました。
—面接でワンピースってめずらしいですね。スーツ着用は考えませんでしたか?
綺麗めなワンピースならありかなと思って。
実際うちのサロンにも、スーツで面接に来る人は見たことないですよ。今働いてる子は、黒Tシャツ・黒スキニーで受けに来てましたし。
—結構ラフな服装もありなんですね。
新卒だったらスーツがいいと思うんですけど、中途ならオフィスカジュアルでいいと思います。
エステサロンのオーナーや店長にはおばさまが多いと思うんですけど、その人のタイプにもよりますね。
うちの店長だと「個」が見える子が好きだし、典型的な「就活生タイプ」が好きな人もいます。
でも店長の好みなんて普通わからないと思うので、無難なのはオフィスカジュアルかなって感じです。
—髪型はどうしてましたか?
後ろでクリップでひとつにまとめて、オールバックにしてました。
髪型は清潔感があって派手すぎなければ大丈夫だと思いますよ。
—メイクは?
ナチュラルメイクで、カラコンを着けてました。
エステティシャンは基本マスクを着けるので、主に面接で気にされるのは目元のメイクですね。
マツエクはOK。カラコンは黒や茶色ならOKだと思います。
うちのサロンでNGだったのは、広範囲に赤とか紫のアイシャドウを入れてた人ですね。「出勤時は茶色とか落ち着いた色にしてね」って言われてました。
—ほかに身だしなみで気をつけたところはありますか?
かなり長さのあるネイルをしてたんですけど、それは外しました。
ネイル大好きだから外すの嫌だったんですけど、エステティシャンとしてやっていく意思表明だなって思って。
—施術する際はネイルできないですもんね。
実はネイルがどこまでOKかは、サロンにもよるんです。
ネイル完全NGのところもあれば、うちのサロンみたいに短く切り揃えてさえいればOKってところもありますよ。

—採用試験などはありませんでしたか?
特になかったです。
経験者だと手さばきのチェックのために、店長相手に施術することもあるんですけど、入社後の話なので採用試験ではないですね。
—なるほど。面接当日の持ち物を教えてください。
履歴書、PC、スマホ、お財布、メイク直し道具、ハンカチ、ティッシュ、鏡、マウスウォッシュ、印鑑、くらいかな。
—PCを持っていったんですか?
店長とはもともと営業でもやり取りがあったので、何か質問されたとき答えられるように、念のため持っていきました。
—面接前日、当日の過ごし方を教えてください。
前日は、塩分とアルコールは控えました。むくみとか見られるなと思って。
当日は、普段よりも30分くらい早く起きて、いつもより丁寧にメイクしました。
店舗には開始時間の15分前に到着。10分前になったら、連絡先を知っていたので店長にLINEで連絡を入れました。
—面接結果はいつ出ましたか?
その場ですね。面接のなかで出勤日数の確認とかもしたので。
—内定後から初出勤までにしたことはありますか?
初出勤まで1週間後くらいあったので、自分の肌を整えてました。
一緒に働く子の肌がつやっつやで「これは比べられたくない!」って思って(笑)。毛穴洗浄に行ったりしてました。
—では最後に、エステティシャンとして転職を考えている方へアドバイスをお願いします!
歴が浅いわたしが言うと偉そうかもしれないですけど……でも、エステティシャンとして長く働きたいなら、自分が自慢できるサロンに就職したほうがいいと思います。
わたしは前からうちで扱う商品の良さを知ってたし、うちのサロンで今働いてる子の半分は、もともとお客さんだったんですよね。
お客さんとして通ったりして関わりがあれば、従業員同士の仲の良さも見えるし、営業の受け方で販売ノルマがあるかどうかもなんとなく想像がつきます。
お金と時間はかかるけど、自分がお客さんとして通ってみたり、実際にサロンの商品を使ってみたりするのが一番間違いないかな。
そのお店やサービスが好きだったら、やりがいを持って長く働けると思います!
—具体的な内容で参考になります! 本日はありがとうございました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎面接当日、余裕を持って到着したのがGood!
初めて行く場所であれば、事前に場所の確認をしておくと安心できます。
◎身だしなみは慎重に選ぶくらいが安心です
ご自身も認識されている通り、美容業界だからと派手にしすぎると、場違いな印象を与えかねません。どの年代の方とでも面会できる服装・身だしなみにしましょう。
カラーコンタクトレンズやネイルはNGにしているお店もあるため、できれば外したほうが安心です。
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