
1.今回インタビューしたのはこんな人

ー本日はよろしくお願いします。簡単にプロフィールを教えてもらえますか?
よろしくお願いします! 東京都八王子市在住で、年齢は29歳です。
総合病院の回復期病棟で理学療法士をやっています。
ーご結婚はしていますか?
してますよ。子どもは1歳になる息子が1人。
ー理学療法士になろうと思ったきっかけは?
高校生の頃に観たドキュメンタリー番組がきっかけです。
それまで日常生活動作をまともにおこなえなかった人が、リハビリによってだんだん回復していって、それと同時に本人の笑顔も増えていく。そんなシーンだったかな。
これはすごくやりがいのある仕事なんじゃないかなってそのとき思ったんです。
ーなるほど。転職の経験はありますか?
4年前に一度転職しました。
ー以前の職場はどんなところでした?
都内のリハビリテーション病院です。そこが新卒で入った職場ですね。
人間関係も給料も悪くはなく、大きな不満もありませんでした。
ーではなぜ転職を?
結婚が決まったからです。
妻の実家が八王子なんですが、妻が家業を継ぐ関係で、僕も八王子に移住した形になります。
それが新卒3年目だったかな。
ー転職時に重視したポイントを教えてください。
絶対外せなかった条件が「急性期・回復期・終末期の3つを診れる病院」です。現場での治療だけでなく、在宅もしくは看取りまでのすべてを経験できるので。
あとは「通勤時間」が短めで「給料」がそこそこ良ければと。
ー転職活動はどれくらいかかりましたか?
うーん、どうでしたかね。正確には覚えていないんですけど、2ヶ月くらいだったんじゃないかな。
ー職場に退職の意向を伝えたのはいつ頃でしたか?
内定をもらってからですね。面接が4月中旬にあり、内定を4月末にもらったのでそのタイミングで。年度も変わって人員体制を整えたばかりだったので、そこは申し訳なさを感じました。
5月いっぱい働いたので、退職1ヶ月前に告げた形になります。新しい職場は6月からでした。
ーありがとうございます。次に提出した履歴書についてお話を聞かせてください。
2.理学療法士の履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ーこちらが転職時の履歴書ですか?
そうです。PCで作成したデータが残っていたので、そのまま印刷して持ってきました。
ーありがとうございます。手書きではなくPC作成にした理由は?
単純に効率的だからです。履歴書だと間違えたら一から書き直さなきゃダメだとか、そういう暗黙のルールがあるじゃないですか。それが新卒のときに面倒だった記憶があって。
PCなら修正や推敲もすごく楽でした。
ー確かに手書きよりも効率的ですよね。証明写真はどんな服装で撮りましたか?
新卒時に買った紺のスーツに紺のネクタイです。
普段は私服で出勤していたんですが、その日だけはスーツで出勤して仕事帰りに撮ったので同僚に怪しまれました(笑)。
ー休日に撮れば良かったのでは?
実は履歴書の郵送締切が求人を見つけた翌々日だったのでギリギリだったんです。
なので履歴書も急いで作成して速達で送りました。
ちなみに求人は転職サイトで探しました。
ー本当にギリギリだったんですね。封筒はどのようなものを選びましたか?
コンビニで履歴書を買ったんですけど、それに付属していた白い封筒です。
履歴書をそのまま封筒に入れて送ってしまったんですけど、後から「クリアファイルとかに挟むべきだったかなー」と心配になって調べたら案の定。マナー的にはそのほうが良かったみたいですね……。
ー履歴書の内容についても聞いていきたいんですが、免許・資格欄の「医療環境福祉アドバイザー」というのは?

何かしらの資格を持っていたほうがいいかなと思って学生時代に取得しました。医療福祉施設の環境管理についての民間資格です。
理学療法士の業務に直接活きることは少ないですが、面接で話のネタにはなりましたね。
ー志望動機を書くうえで意識したことは?

(志望の動機)
“現在勤めている病院では2年間回復期に配属されています。回復期では患者様の病気や怪我を治療するだけでなく、安全に在宅に帰ることが出来るように日常生活動作の確認や家族様との連携を強く行なっております。日々リハビリテーションをする中で、急性期での治療内容や、帰宅後の様子を学びたいと思う時があります。貴院には急性期から在宅まで患者様を一貫して診ることが出来る仕組みがあることや、従業員の人数も多く勉強会も熱心に行っており質の高いリハビリテーションを提供していると思い志望しました。私自身、現在の病院で得たリハビリテーションの手技や知識、患者様の退院指導の方法などを先輩や後輩と共有し、一人一人の治療内容の向上、リハビリテーション科としてのレベルの底上げに貢献したいと思っております。”(履歴書原文より)
そうですね。
・いまどんな業務に携わっているか
・なぜ転職を考えたのか
・なぜ貴院でなければならないのか
・自分が入職したらどんな活躍ができるのか
という4点を整理して書きました。新卒ではないので、やる気だけをアピールしても仕方ないなと思い。
あとはなるべくイメージしやすいように、具体性のある内容にしました。
ー素晴らしいですね。「自分のセールスポイント」についてはどうでしょうか。

(自分のセールスポイント)
“私は人との距離感を大切にすることができます。この仕事をする上で、1番難しく大事だと思うことが相手との距離感です。リハビリテーションをすれば現状より身体的に向上できると分かっていても、実際に動こうとしない・動きたく無い患者様や、こちらが積極的に提案しても相手の身体だけでなく精神も診ていないと誤解や戸惑いを与えてしまうことになります。私は相手の意見や発言を聞いた後、まず自分の中で相手の言葉と思いを咀嚼して自分の中で理解できる言葉にして相手の言葉と思いを擦り合わせながら会話をするように心がけております。”(履歴書原文より)
自分の性格や特性が、理学療法士という職種でどのように活かせるかを書きました。
こちらも志望動機と同様に具体的な例を交えて。
ーなるほど。ありがとうございます!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

【履歴書:良かった点】
(全体を通して)
履歴書は手書きの指定がなければPC作成でもOK。フォントや行が揃っており、見やすい点がGOODです。
②志望動機
「自身の経験」「転職を考えた理由」「応募先の特徴」「どのように活躍していきたいか」というポイントをきちんと整理して書けているため、とてもわかりやすい内容となっています。非常によい志望動機ですね!
③自分のセールスポイント
自分の長所を実務にどのように活かせるかが書かれている点が良いです。
①学歴・職歴欄
学歴と職歴は分けて書きましょう。採用担当者によってはフォーマットを独自のものに変更することで、書きたくない項目を削除したと思われる可能性もあるので注意が必要です。
3.理学療法士の面接対策

ー面接対策は何かしましたか?
よくある質問とその回答はノートにまとめておきました。
あと前日は、その病院のパンフレットを読み返して特色や理念などを覚え直しましたね。
ーパンフレットはどこで手に入れたんですか?
面接まで1〜2週間くらいあったので、一度病院の下見に行ったんです。そのときにもらいました。
ー当日は面接以外の試験はありましたか? 例えば筆記試験や実技試験など。
面接後に小論文がありましたね。
テーマは「この病院に入職することでのメリット・デメリット」。800字/60分の制限だったと思います。
どんなことを書いたかは、あまり覚えてないんですが「自分にとってのメリットと病院にとってのメリット」に分けて書いた記憶があります。
ーなるほど。その日の服装や持ち物はどうでしたか?
服装は履歴書の写真と同じです。紺のスーツに紺のネクタイ。
持ち物は履歴書の予備・筆記用具・メモ帳・病院のパンフレット。あとは財布とスマホくらいですね。
ー面接はどのような場所で?
場所は病院のスタッフルームで、面接官はリハビリテーション科の部長・課長・班長の3人でした。面接時間は1時間くらいだったかな。
ー面接でされた質問と、それぞれどのように答えたかを教えてください。
志望動機や自己PRは履歴書に書いたような内容を答えました。
ほかの質問はこんな感じですかね。
なぜ4月中旬という中途半端な時期に転職を決めたんですか?
(回答)本来であれば年度が切り替わる前に転職をするのがベストだとは思うのですが、4月に入ってから結婚と八王子への移住が決まったため、このようなタイミングとなってしまいました。
当院に入職した場合、どのように活躍できると思いますか?
(回答)リハビリテーション病院の回復期に2年間携わってきたので、病院での治療だけでなく「ご自宅へ帰った後にどのように生活していただくか」まで道筋を立ててアプローチできます。
また、ドクター・看護師・OT・STなどさまざまな職種と連携して治療にあたっていたので、総合病院である御院でも他職種との連携を円滑にこなしていく自信があります。
自分の考えと先輩や上司との考えが食い違った場合、どのように対応しますか?
(回答)治療方針などで意見がぶつかり合うことは、よりよい治療を提供するうえでは良いことだと考えています。なので、まずは自分の意見を伝えたうえで先輩の意見も伺い、それぞれを自分の中で噛み砕き、意見の擦り合わせをおこないます。
ー自分からは何か質問しましたか?
結構しましたよ。内容としてはこんな感じです。
・希望の部署に異動できるのか
・給料はどれくらいか(求人との食い違いを防ぐための確認)
・賞与はどれくらいか
・長期休暇はあるのか
・治療はどういった手法がメインか
熱意をアピールするためというよりは、気になる部分は全部聞いておこうって。
給料とか賞与を聞くのは失礼かなとも思ったんですが、そもそも応募がギリギリすぎて落ちると思っていたので、開き直って聞きました。
面接官も嫌な顔をせず普通に答えてくれましたね。
ー面接は求職者と採用側の擦り合わせの場でもあるので、気になることをどんどん質問するのは良いと思います! では最後に、理学療法士として就職・転職を考えている方にアドバイスをお願いします。
患者さんへの治療法やアプローチの方法って、病院によって本当にさまざまなんです。
なので、病院の考え方と自分の考え方がどうしても合わないってこともありえるので、入職する前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
ーなるほど。本日は以上になります。ありがとうござました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎応募先の特色や理念をしっかり理解することは大事!
応募先のパンフレットやホームページを見返して、特色などを掴んでおくことは非常に重要。また、あらかじめ下見をしておくと面接時のアピールにも繋がるためGOOD!
◎履歴書の予備を用意して不測の事態にもバッチリ対応!
履歴書を郵送したあとで「志望動機なんて書いたっけ?」なんてこともありえます。履歴書のコピーを用意しておく意識は素晴らしい!
◎逆質問は絶好のアピールチャンス!
入職後のミスマッチを防ぐためにも、条件面などの確認をすることは大事ですが、条件面ばかりの質問に良い印象を持たない面接官もいるので要注意。面接官に自分の入職後のイメージを持ってもらえるような質問も用意しておくとよいでしょう。