
1.介護職の再就職準備金貸付とは
護職の再就職準備金貸付は、以前介護職員として働いていた方が再び介護職に就いた際に、再就職にかかる必要な費用を最大40万円まで貸し付ける制度です。
この制度によって借り受けた費用は、無利子かつ一定の条件を満たすことで全額返済免除となります。
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2.再就職準備金貸付の対象者
再就職準備金の貸し付けは、次の1~4すべての条件を満たす方が対象です。(貸し付けは1人につき1回限り)
再就職準備金の貸し付け条件
- 1.介護職員としての実務経験が1年以上ある(そのうち勤務期間が180日以上)
- 2.介護福祉士、実務者研修、介護職員初任者研修のいずれかの有資格者(介護職員基礎研修、1級課程、2級課程も可)
- 3.介護保険サービス事業所などにおいて介護職員などとして再就職した人
- 4.再就職する日までに、あらかじめ都道府県福祉人材センターに再就職準備金利用計画書を提出した人
参考:厚生労働省|離職した介護職員の皆さまへ ~再就職準備金のご案内~
勤務形態に決まりはなく、上記に当てはまれば非常勤であっても対象となります。
なお、基本的に障害者福祉サービスの事業所は対象外となるため注意しましょう。
離職期間の要件やそのほかの詳細は都道府県により異なるので、お住まいの地域の社会福祉協議会のホームページをご確認ください。 社会福祉協議会のホームページは5.各都道府県の申請窓口まとめをご覧ください。
・対象となる「介護職員など」の定義は?
細かい職種などは各都道府県により指定されている場合もありますが、「介護福祉サービス事業所にて、介護を主とする業務に従事する人」を指します。
そのため、主とする業務が直接利用者の介護にあたらない場合は対象外となるため注意が必要です。
また、対象となる「介護保険サービス事業所」の種別については東京を例に見てみましょう。
訪問型サービス | 訪問介護、訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問看護介護など |
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通所サービス | デイサービス、通所リハビリテーションなど |
短期入所サービス | 短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護など |
施設サービス | 有料老人ホーム、グループホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など |
その他サービス | 地域密着型サービス、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)など |
参考:社会福祉法人東京都福祉協議会|離職介護人材再就職準備金貸付事業のご案内
3.再就職準備金の貸付金額や返済免除となる条件
・原則上限20万円から一律上限40万円に拡充
この制度は介護業界の慢性的な人材不足を背景に2016年に施行されました。
以前は、とくに人材不足が問題視されている首都圏・関西圏と、東日本大震災の被災地など計14都府県のみ上限40万円、それ以外の地域では上限20万円の貸し付けでした。
しかしCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響により、介護人材不足が一層深刻化したため、即戦力となる介護人材をいち早く増やす目的として、最大貸付金額が一律40万円まで拡充されました。
・返済免除となる条件
再就職準備金は「介護職員として継続して2年間勤務する」ことで貸し付けられた準備金は全額返済免除されます。
つまり再就職後2年未満で他産業へ転職してしまうと、借り受けた費用の返済義務が発生するので注意しましょう。
再就職準備金の用途
貸し付けられる準備金は「介護職への再就職のための費用」として、用途が定められているものの、その範囲は非常に広く多岐にわたります。
<再就職準備金の用途例>
- ・子どもの預け先を探す際の活動費
- ・介護に係る軽微な情報収集や学び直し代(講習会、書籍など)
- ・被服費等(ヘルパーの道具を入れる鞄、靴など)
- ・転居を伴う場合の費用(敷金礼金、転居費など)
- ・通勤用の自転車・バイクの購入費など
4.離職から再就職準備金貸付までの流れ

上記は基本的な流れになりますが、細かい流れや必要書類・提出期日は各都道府県により異なります。
5.各都道府県の申請窓口まとめ
これまで解説してきた要件や手続きの流れは基本的なものになります。
貸付の対象や必要書類、申請手順などは各都道府県によって異なるため、申請する際は各地域の社会福祉協議会にて必ず確認しましょう。
北海道 | 社会福祉法人北海道社会福祉協議会北海道福祉人材センター |
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青森県 | 社会福祉法人青森県社会福祉協議会 |
岩手県 | 社会福祉法人岩手県社会福祉協議会 |
宮城県 | 社会福祉法人宮城県社会福祉協議会 |
秋田県 | 社会福祉法人秋田県社会福祉協議会秋田県福祉保健人材・研修センター |
山形県 | 社会福祉法人山形県社会福祉協議会山形県福祉人材センター |
福島県 | 社会福祉法人福島県社会福祉協議会 |
茨城県 | 社会福祉法人茨城県社会福祉協議会 |
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栃木県 | 社会福祉法人栃木県社会福祉協議会福祉人材・研修センター |
群馬県 | 社会福祉法人群馬県社会福祉協議会 |
埼玉県 | 社会福祉法人埼玉県社会福祉協議会 |
千葉県 | 社会福祉法人千葉県社会福祉協議会 |
東京都 | 社会福祉法人東京都社会福祉協議会東京都福祉人材センター |
神奈川県 | 社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会かながわ福祉人材センター |
山梨県 | 社会福祉法人山梨県社会福祉協議会 |
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長野県 | 社会福祉法人長野県社会福祉事業団 |
新潟県 | 社会福祉法人新潟県社会福祉協議会 |
富山県 | 社会福祉法人富山県社会福祉協議会富山県健康・福祉人材センター |
石川県 | 社会福祉法人石川県社会福祉協議会 |
福井県 | 社会福祉法人福井県社会福祉協議会 |
愛知県 | 社会福祉法人愛知県社会福祉協議会愛知県福祉人材センター |
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静岡県 | 社会福祉法人静岡県社会福祉協議会 |
岐阜県 | 社会福祉法人岐阜県社会福祉協議会福祉人材総合対策センター |
三重県 | 社会福祉法人三重県社会福祉協議会 |
大阪府 | 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会大阪福祉人材支援センター |
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兵庫県 | 社会福祉法人兵庫県社会福祉協議会 |
京都府 | 社会福祉法人京都府社会福祉協議会京都府福祉人材・研修センター |
滋賀県 | 社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会滋賀県介護・福祉人材センター |
奈良県 | 社会福祉法人奈良県社会福祉協議会福祉人材センター |
和歌山県 | 社会福祉法人和歌山県社会福祉協議会 |
鳥取県 | 社会福祉法人鳥取県社会福祉協議会 |
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島根県 | 社会福祉法人島根県社会福祉協議会 |
岡山県 | 社会福祉法人岡山県社会福祉協議会 |
広島県 | 社会福祉法人広島県社会福祉協議会 |
山口県 | 社会福祉法人山口県社会福祉協議会福祉人材センター |
徳島県 | 社会福祉法人徳島県社会福祉協議会福祉人材センター |
香川県 | 社会福祉法人香川県社会福祉協議会香川県福祉人材センター |
愛媛県 | 社会福祉法人愛媛県社会福祉協議会 |
高知県 | 社会福祉法人高知県社会福祉協議会 |
福岡県 | 社会福祉法人福岡県社会福祉協議会 |
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佐賀県 | 社会福祉法人佐賀県社会福祉協議会福祉人材・研修センター |
長崎県 | 社会福祉法人長崎県社会福祉協議会 |
熊本県 | 社会福祉法人熊本県社会福祉協議会熊本県福祉人材・研修センター |
大分県 | 社会福祉法人大分県社会福祉協議会 |
宮崎県 | 社会福祉法人宮崎県社会福祉協議会 福祉人材貸付相談室 |
鹿児島県 | 社会福祉法人鹿児島県社会福祉協議会 |
沖縄県 | 社会福祉法人沖縄県社会福祉協議会福祉人材研修センター |
参考
- ・厚生労働省|離職した介護職員の皆さまへ ~再就職準備金のご案内~
- ・社会福祉法人東京都福祉協議会|離職介護人材再就職準備金貸付事業のご案内