【介護施設編】職場見学の疑問に現役キャリアサポートがお答えします!

職場見学はしたほうがいい? どうやってお願いすればいい? 服装は? どんなことを確認すればいい? 職場見学に関するさまざまな疑問を解決すべく、ジョブメドレーの現役キャリアサポートに話を聞いてみました!

職場見学の疑問に現役キャリアサポートがお答えします!介護施設編

今回答えてくれた人

ジョブメドレーキャリアサポート

ジョブメドレー キャリアサポート:Yさん

児童福祉領域を経て、現在は介護領域のキャリアサポートを担当。LINEやSMS、電話を通じて求職中の方のお悩みに日々答えている。

1. 職場見学の目的とは?

職場見学の疑問 Q. 職場見学ってしたほうがいいの? Q. 職場見学をすると、選考や内定を断りにくくならない?

──介護職で職場見学をされる方は多いんでしょうか?

選考の前後でタイミングは異なりますが、見学をされる方がほとんどです。

介護職の方は同じ介護業界で転職をされる方が多いんですが、離職理由が実際に働いてみたら職員の方と合わなかったとか、勤務形態が合っていなかったとか──、具体的には職員の配置の人数が少なくて精神的負担が大きかったとか、介護するうえで自分にとって動きづらい動線だったというお話をよく伺います。

ですので、入職前に職員の方が働いている様子をご自身の目で確かめていただいたほうが、“自分のやりたい業務がそこでできるのか”ということをイメージしやすくなると思います。

私たちキャリアサポートも求職者の方から「見学をしたほうがいいですか?」というご相談をいただいたときには、見学をおすすめしています。

──でも、職場見学をしたら内定をもらったときに断りにくくなったりしませんか?

実際に「見学の場で内定の方向に話が進んでしまったんですが、自分としては合わなかったので断りたいんです」というご相談をいただくこともあるのですが、見学をしてみて「自分の働きたい職場ではなかった」ということで内定辞退になるケースは珍しくありませんので、そこは素直にお伝えいただいていいかと思います

──介護業界全体が人手不足ということもありますし、その場で「内定」という流れになることもあるんですね。

そうですね、見学や面接に行ったその場で口頭で「ぜひ働いてほしい」と伝えられたり、本人の意思とは異なるところで話が進んでしまうということも多く見受けられます。

介護業界は選考のスピードが速く、極端な例では応募したその日に面接に行き、その場で内定が出て、翌日から働き始めるということもあるんです。

──えっ! そのスピードに気持ちが追いつかない感じがするんですが……。

施設の働いてほしいタイミングと求職者の働きたいタイミングが合致するとそのような流れになるのかと思うのですが、「流れで入職してしまったけどやっぱり合わなくて」と長期の就労につながらないケースもあります。

──その場で話が盛り上がっても、一旦持ち帰って考える時間を持ったほうがいいんですね。

そうですね、内定をいただいても即答は避け、勤務形態などの雇用条件を確認するお時間を設けるのも一つの手だと感じます

職場見学の疑問にお答えします! A. 入職後のミスマッチを防ぐためにも、職場見学をおこなうことをおすすめします A. 職場見学でイメージと異なったら内定や選考を辞退することは珍しくありません

2. 職場見学のマナーとは?

職場見学の疑問 Q. 職場見学はどうやってお願いすればいい? Q. 職場見学はどのタイミングでおこなえばいい? Q. 職場見学はどんな服装で行けばいい? Q. 職場見学のあとにお礼は伝えるべき?

──職場見学はどのようにお願いするのがスムーズなんでしょうか?

ジョブメドレーをお使いいただく場合の流れになるのですが、ジョブメドレーから応募すると応募先とメッセージのやりとりができるようになりますので、まずは応募したうえで、見学を希望するメッセージを送っていただくのがスムーズかと思います。

──見学は面接と同時におこなうことが一般的なのでしょうか?

介護業界の場合、応募後すぐに面接の案内が来ることが多く、求職者の方から見学を希望する旨を伝えるのもそのタイミングになりますので、基本的には面接と同じ日におこなっていただいているかと思います。

ただ、求職者の方が「選考に進む前にまず見学をさせてほしい」と希望されるケースも非常に多いです。

タイミングの判断は求職者の方が「早く働き始めたいのかどうか」が重要になるかと思います。面接と見学を同時におこなったほうが選考はスムーズに進みますが、選考をお急ぎでないようでしたら、面接の前にお願いするのがいいかと思います。

──見学したうえで面接に進んだほうが志望動機もしっかり伝えられそうですね。ちなみに、内定をもらったあとに職場見学をお願いしてもいいのでしょうか?

入職するまでに一度も現場を見ていないということは、なるべくなくしたほうがいいかと思います。

利用者に対してどのような人員配置でケアしているのかということについて「実際に入ってみたら想像と違った」ということになりますと、ご本人がつらい思いをされるかと思いますので、見学に関してはどのタイミングでも必ずしていただきたいと思います。

──では、見学時の服装について伺いたいと思います。見学は「動きやすい服装で」とよく言われますが、面接と同時だとあまりラフな格好で行くわけにもいきませんよね?

介護職は面接にスーツ着用と指定されることも少ないかと思いますが、面接と見学を同時におこなうことがわかっている場合は、あらかじめ施設側に確認いただくのが確実かと思います。

ちなみに施設側からは「動きやすい服装」ただし「色味の派手なもの、フード付きのもの、ジーンズはご遠慮ください」というご要望が多いですね。フード付きの服は万が一何かに引っかかったときに事故につながりかねませんので。

──足元についてはどうですか?

施設側でご用意いただけることがほとんどかと思いますが、面接や見学は室内でおこなわれることが多いので、ご自身でスリッパなどの館内履きを持参していただいたほうがいいのかなと思います。

ちょうど思い出したのですが、つい先日も求職者の方から「新型コロナウイルス感染予防のため、施設側でスリッパの用意がなく、日を改めることになった」というご報告をいただきました。

「施設側でご用意いただけることがほとんど」と言いましたが、このご時世ですので、その点も含めてご確認いただくか、わからない場合はご用意いただくのが確実かと思います。

──ありがとうございます、参考になります! 見学後についてですが、お礼のメッセージは送ったほうがいいですか?

わざわざお礼状を郵送する必要はないかと思いますが、お礼のメッセージを送っていただいたほうが印象がいいですし、そういったメッセージを送っている方のほうが採否に関わらず選考が早く進む印象があります

──それはなぜでしょうか?

メッセージに返信する形で施設側から「こういった勤務形態でどうでしょうか」と次に話が進みやすい傾向にありますので、お礼のメッセージはぜひ送っていただければと思います。

職場見学の疑問にお答えします! A. ジョブメドレーのメッセージ機能の活用がおすすめです A. 職場見学は面接と同時、または、面接の前に A. 動きやすい服装に加え、室内履きを持参すると安心です A. お礼を伝えることで選考がスムーズに進むことも

3. 職場見学でチェックすべきポイントとは?

職場見学の疑問 Q. 良い施設と悪い施設を見抜くポイントはある? Q. 施設形態別に気をつけるべきポイントはある? Q. 職場見学ではどんな質問をすればいい? Q. 新型コロナウイルスの影響はある?

──求職者の方が一番知りたいポイントかと思いますので、単刀直入に伺いたいのですが、良い施設と悪い施設を見抜くポイントってあるんでしょうか?

うーん、そうですね……。良い悪いという判断の根拠になるかはわからないのですが、実際に求職者の方から「見学での印象を理由に、選考や内定を辞退することにした」とご報告いただいた例を挙げてみます。

今(注:2021年3月)ですと、消毒や検温などの感染症対策がきちんとされているか。施設に入る前に消毒や検温をおこなわずに案内されたことが理由で、求職者の方からお断りになったケースがありました。

それから、来訪者の情報が施設内で共有されているか。約束の時間に訪問したにも関わらず、面接があることが施設内で共有されておらず、「どちら様ですか……?」という空気が流れてしまい、印象があまりよくなかったという話を伺ったこともあります。

──「一事が万事」と言いますが、そういったところから普段から業務に必要な情報が共有される仕組みができていないんじゃないかと心配になりますね。

はい、そうだと思います。

──人員配置についてはどうでしょうか?

働いているスタッフの人数が担当する業務に対して十分かどうかを確認している方が多いと思います。一つのフロアに利用者の方が何名いて、スタッフが何名配置されているのかという点ですね。

また、夜勤がある場合は夜勤の人員配置や頻度について直接質問していただいたほうがいいかと思います。見学は日中ですので、夜勤の人員配置については見落としがちです。

──移動の動線についてはどこを確認すればいいですか?

高齢者施設には車椅子の方も多いかと思いますので、廊下などの移動の動線上が整理されているか、障害になるものが放置されていないか確認されています。求職者の方から「廊下に物が混在していて車椅子で通り抜けることが難しそうで、安全面で不安があります」とご指摘をいただいたこともあります。

──実際に自分が働くときのイメージをしながらチェックするといいんですね。

はい、そうですね。例えば、入浴介助で体を傷めたことがきっかけで転職するという方も多いため、入浴設備も必ず確認されているかと思います。

──自身の業務負担を考えると、人員配置だけでなく、設備にも注目したほうがいいんですね。

そうですね。逆に「前の施設で使用していた設備がない」ということもありえます。これまで働いてきた施設と何がどう違うのかを確認してから入職されるといいと思います。

──施設形態によってとくに気をつけて確認すべきポイントはありますか?

訪問介護の場合は1日の訪問件数ですね。

訪問介護はサービスの特性上、利用者の方からの要望で担当が変更になることも多いそうなのですが、そういったときに仕事がなくなってしまうのか、担当エリアが変わるのか、といった対応方針を気にされている方もいます。

──訪問介護の場合は事業所に見学に行くのでしょうか?

事業所によって異なりますが、事業所から訪問先までのルートや移動手段を確認したり、利用者の方の許可をいただいたうえで現場で業務の手順を見学させていただいたりすることもあるようです。

──通所介護の場合はどうでしょうか?

デイサービスの場合はどのようなレクリエーションをおこなっているのか、企画や進行にどのように関わるのかについてです。

ピアノを弾いたり、細かな作業をおこなったりすることが必要になる場合もありますので、そういった作業ができるか、苦にならないか確認いただいたほうがいいかと思います。

──施設形態によって確認するポイントも異なってくるんですね。ここまでは主に目で見て確認できることが多かったと思うのですが、口頭で確認すべきことはありますか?

入居型の施設の場合は、先ほど挙げた夜勤の人員配置です。

それ以外に入職後のミスマッチが多いのは勤務形態についてです。介護施設の場合、日勤・夜勤以外にも早朝勤務があるなど勤務時間が細かく分かれている場合がありますので、確認していただくことをおすすめします。

──こういった質問をするとアピールになるというものはありますか?

介護職は無資格からでも始められますので、「資格取得に対する支援制度はありますか?」と質問すると、「意欲がある」「長く働いてもらえそう」と評価していただけるかもしれませんね。

既に介護福祉士の資格を持っている方であれば、「ケアマネを目指しているのですが、将来的に介護職からケアマネに職種を変えることは可能ですか?」など、具体的なキャリアプランを伝えられたらいいかと思います。

──ありがとうございます。コロナ禍ということもありますが、感染症対策について気をつけるべきことはありますか?

施設からも事前に指示があるかと思いますが、家を出る前に検温をおこなうこと、施設に到着したら消毒をおこなうなど、基本的なことを徹底していただければと思います。

──コロナの影響で見学を断られるケースもあるのでしょうか?

そういったケースも実際に見受けられます。足を運んでいただくことが難しいので、zoomのようなWeb会議システムやジョブメドレーのWeb面接機能を使って遠隔で施設内を案内する、という対応をされている施設もありました。

内定承諾後であれば、基本的に断られることはないかと思いますが……。

──内定承諾後に見学をして、不安な点が出てきてしまったらどうすればよいのでしょうか……?

長い目で見たときに、気になる点や不安な点については、入職前に正直にお話いただいたほうがいいかと思います。もし施設に対して直接伝えにくいことであれば、キャリアサポートにご相談ください。

職場見学の疑問にお答えします!  A. 来訪者に対する応接全般を気にされる方が多いようです A. 入所型なら人員配置や導線、訪問型なら1日の訪問数、通所型ならレクリエーションを中心に確認しましょう A. 夜勤の人員配置や、勤務形態については口頭で確認を A. コロナの影響で見学をお断りしているケースもあります

4. 働き方を自分の目で確かめることで、入職後のミスマッチを防ごう

──最後に求職活動中の方に対してメッセージをお願いできますか?

介護業界は今最も人手が足りていない業界の一つです。入職を希望されている方は事業所にとって貴重な存在ですので、意欲があればどんどんご応募いただければと思います。

──どのくらい応募すれば内定をもらえるのでしょうか?

介護の資格を持っていらっしゃる方であれば、3〜4件応募すれば1件は内定をいただけるかと思います。

──希望の条件で転職を実現できる方とミスマッチで早期離職してしまう方の違いはどこにあるのでしょうか?

内定承諾までに、応募先とこまめにやりとりをして、細かな条件のすり合わせができている方は早期離職しにくいという印象がありますね。

──早期離職は求職者にとっても事業者にとってもメリットがありませんよね。そのためにも見学をしたうえで、具体的な条件を確認していくことがお互いに重要なんですね。本日はありがとうございました!

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