目次
1.介護ドライバーとは
介護ドライバーとは、デイサービスやデイケアなどの通所施設やショートステイなどの入所施設で、利用者を自宅や施設から送迎する運転手を指します。似た名称である介護タクシーとは別物です。
介護ドライバーと介護タクシーの違い
両者の違いは雇用者と送迎対象者、必要な資格にあります。介護ドライバーは介護施設に直接雇用され、その施設の利用者の送迎をおこないます。あくまで介護施設のサービスの一部を担う仕事です。
一方介護タクシーとは、一般のタクシー事業者や介護専門のタクシー事業者が提供するサービスで、ドライバーはこれらの事業者に雇用されます。在宅で介護が必要な人など、特定の施設利用者以外の送迎もおこないます。介護サービスではなく旅客運送業にあたるため、普通自動車第二種運転免許が必要です。
2.介護ドライバーになるには
介護ドライバーを募集している施設の求人に応募し、採用されれば介護ドライバーとして働けます。ワンボックスカーなど大きめの車を使用する施設が多いですが、中型自動車免許や普通自動車第二種運転免許は不要で、普通自動車第一種運転免許のみで就労できるところがほとんどです。
送迎時に移乗・介助をおこなう場合は介護職員初任者研修以上の資格が必要です。有資格者が同乗しない施設では介護ドライバーが移乗・介助をおこなう必要があるため、募集要件に資格が記載されているところもあります。また、施設によっては介護福祉士などの有資格者が介護ドライバーを兼務しています。
3.介護ドライバーの仕事内容と働き方
送迎と車両整備以外に施設業務も
介護ドライバーの主な仕事は利用者の自宅と施設間の送迎、車の清掃や安全点検です。上述のとおり、介護ドライバーが必要な資格を持っていれば、移乗や介助をおこなうこともあります。
車両整備や送迎にかかる時間は朝夕それぞれ2〜3時間ほどで、日中は施設内の事務作業や清掃など別の業務をおこなうこともあります。
介護ドライバーの一日
営業時間が長い施設の場合、送迎時間が早朝から夕方遅くまでかかることもあるため、8時から17時まで、10時から19時までなどシフト制をとっているところもあります。
介護ドライバーの休日
介護ドライバーの休日は、勤務先の営業日によって異なります。日曜日が完全に休みのところや、シフト制により月10日休みのところなどさまざまです。土曜日は営業しているところがほとんどのため、連休を取りたい場合は前もって職場と相談し調整する必要があります。
4.介護ドライバーの給料
介護ドライバーは正職員以外にも、パートやアルバイトでの募集も多いです。また、介護職員初任者研修の資格取得のための補助金が出るところや、保有資格に応じた資格手当が出るところもあります。
以下はジョブメドレーに掲載されている求人から算出した介護ドライバーの賃金相場です。残業手当など月によって支給額が変動する金額は集計対象外のため、実際に支払われる賃金はこれより多くなる可能性があります。
【全国平均】介護ドライバーの時給・月給・年収の相場
2023年8月時点の全国の介護ドライバーの時給・月給・年収の相場は次のとおりです。
下限平均 | 上限平均 | 総平均 | |
---|---|---|---|
パート・アルバイトの時給 | 1,070円 | 1,143円 | 1,100円 |
正職員の月給 | 20万1,613円 | 28万3,021円 | 22万4,927円 |
正職員の年収* | 282万2,582円 | 396万2,294円 | 314万8,978円 |
5.業界動向と介護ドライバーの将来性
介護ドライバーの主な職場であるデイサービスの数は、2022年時点で4万3,392ヶ所、年間の利用者の数は152万8,000人で6年ほど横ばいです。高齢化や在宅介護推進の動きなどから、今後も需要が見込まれます。
介護ドライバーは普通自動車第一種運転免許があれば働くことができますが、介護業界における介護者不足は深刻なため、介護職員初任者研修の修了や介護福祉士の資格取得により就職の選択肢が広がり、給与アップも可能です。
まずは介護ドライバーとして入職し、介護の仕事に興味を持ったら資格取得を考えてみるのも良いでしょう。就労先を選ぶ際は、中長期的なキャリアを見据えて資格支援制度があるところや資格手当が出るところを探してみるのもおすすめです。