社会問題となっている待機児童解消は保育士増加も課題
働きたいけど働けないママの悩みとして挙げられるのが、保育施設が足りず子どもを預けられないこと。現在、そんな待機児童の解消は、社会的な課題となっています。国は保育ニーズのピークを2017年と予測して、「待機児童解消加速化プラン」と題して取り組みを始めています。保育施設は、その事業所数も不足していますが、人員である保育士不足も深刻です。その問題の解決策の一つとして挙げられているのが、保育士の資格を持ちながらも保育士として働いていない潜在保育士の活用です。
何が原因なの?保育士が離職するワケ
国家資格である保育士の資格取得には、保育士の養成学校を修了するか、保育士試験を受験して合格するかのどちらかです。どちらにしても簡単に取得できるという資格ではありません。そんな資格をもっていながら、保育士として働いていない潜在保育士は、約76万人いるといわれています(2013年4月1日時点)。この膨大な人数を活かせていないとは、社会的にも大きな損失ですね。
ではなぜ、潜在保育士がこれほど増えてしまったのでしょうか?それにはまず、子どもを預かるという責任の重要性が挙げられます。ところが、その重責の割には賃金が安いのです。また多様な職種がある現在、他の仕事への興味が湧いてしまうことも要因と見られています(厚生労働所調査から)。
重圧解消、賃金アップで戻ってきて!潜在保育士さん
先の「待機児童解消加速化プラン」では、保育士に継続的に働いてもらうためや、潜在保育士の復職のための対策も講じています。保育士の仕事の重圧に対しては、多様な人材に保育施設で働いてもらうことで保育士の負担を軽減する計画です。そして、もちろん賃金アップも図ります。潜在保育士には再就職前研修の実施も。こうしたことで、長いブランクをもつ人も復帰の不安がやわらぐでしょう。
一方、働く場としては、小規模保育事業所や事業所内保育施設などの設置を進めて、保育所の数を増やしていく計画です。また、2014年に成立した「子ども・子育て支援新制度」では、幼稚園と保育所を連携させた認定こども園も創設されました。保育所数の増加とともに、そのスタイルも多様化が図られているわけです。
こうした動きが広がれば、保育士の働き方にも幅が広がっていくのではないでしょうか。潜在保育士が復職を考えるきっかけになるといいですね。