岡田将生と中井貴一が明かすドラマ『ザ・トラベルナース』の舞台裏「看護師の所作に嘘があってはいけない、それがドラマのあり方」

10月17日(木)よりドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)の続編が放送されます。主演の岡田将生さんと、タッグを組む中井貴一さんがなるほど!ジョブメドレーのインタビューに応じ、作品にかける思いを語りました。

岡田将生と中井貴一が明かすドラマ『ザ・トラベルナース』の舞台裏「看護師の所作に嘘があってはいけない、それがドラマのあり方」

目次

10月17日(木)より放送されるドラマ『ザ・トラベルナース』は、アメリカで診療看護師(NP:ナース・プラクティショナー)として活躍していたトラベルナース・那須田歩(岡田)と、さまざまな病院を渡り歩く謎のスーパーナース・九鬼静(中井)が、反発しつつも協力し合い、患者ファーストで医療現場を改革する物語です。

ザ・トラベルナース
木曜ドラマ『ザ・トラベルナース』(2024年10月17日 毎週木曜 夜9時より放送)

同作の脚本は、大ヒットドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』の生みの親である中園ミホ氏が担当。2022年に放送された前シリーズは、世帯平均12.1%の好視聴率を記録しました(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

前作では那須田と九鬼の関係性が明らかになり、絆を深めたところで幕を閉じました。今作は組織改革が進む基幹病院を舞台に、新たな戦いに挑みます。

2年ぶりの共演となる岡田将生さんと中井貴一さんに、続編の見どころや意気込み、看護師を演じての気づきを聞きました。

2年ぶりによみがえるトラベルナースの感覚

──前作から約2年ぶりの撮影ですが、当時の感覚はすぐに取り戻しましたか?

岡田さん:撮影前は不安でしたが、クランクインが静さんと歩の掛け合いのシーンだったので、トップギアで撮影に臨む必要があり、それで感覚が一気に戻ってきました。

中井さん:通常は「まずは簡単なシーンから慣らしましょう」みたいな感じで始まるのですが、長回しから始まって(笑)。それが功を奏したのか、ふたりの関係性を思い出すことができましたので、ある意味良かったと思います。

──それぞれの役を演じるうえで、前作から変化させているポイントはありますか?

岡田さん:変化したというか、台本の読み方が変わりました。前作は看護師という役だけに集中して芝居していましたが、時を経て視野が広がり、病院という大きな組織の中でどう動くかを考えられるようになりました。

それが歩の成長に見えればいいですし、まだ未熟な部分ばかりなので、静さんに教えてもらいながら人間的な成長を見せていけたらと思います。

中井さん:基本的に根幹は変わりません。静の思いは、歩に日本のトップナースになってもらいたい、そして自分の後継者になってもらいたいという想いです。

医師は病気に向き合う仕事ですが、看護師は人に向き合う仕事です。道徳感や倫理感を含めた人との接し方を表現できたらと思っています。

──続編の台本を読まれたときの感想を聞かせてください。

岡田さん:台本を読みながら、2年経っても自分の中に那須田歩がいるんだなと感じました。

それと、また貴一さんとご一緒できることがうれしかったです。この2年間、僕が見てきたものや経験したことを、胸を借りて表現したいと思いました。

岡田将生さん(那須田歩役)

中井さん:僕も岡田くんと同じ気持ちでした。一度その芝居を経験するとDNAに刻まれるというか、自分の中に小さな火種が残っていて、台本を読むことでその火が一気に燃え上がる感覚がありました。

ただ今回は、救命救急の仕方をタガログ語(フィリピン語)で説明するシーンがあって驚きました(笑)。役者は常に挑戦しないと前に進めない仕事なので、そういう意味ではいい機会をいただいたと思いました。

看護師の演技に妥協しない理由

──中井さんはタガログ語に挑戦されるんですね。岡田さんは前作では英語を話す場面がありましたが、今回は?

岡田さん:英語でオペをおこなうシーンがあり、とても苦しんでいます(笑)。手術中の所作も覚えなければならないので、それをどうクリアしていくかが今の課題です。

看護師の所作に関しては監修の方に指導を受けて、リアルな動きを表現できるよう努めています。難しいことですが、うまくできるとすごくいいシーンになりますし、やりがいを感じますね。

──看護師の動きを再現するのも大変そうです。

岡田さん:難しいですが、あまり大変とは思っていないかも……というのも、そもそも医療に関することを知らなかったので、「こうやるんだ!」という発見のほうが多いですね。

セリフを話しながら手を動かすので、一度や二度ではうまくできませんが、どう動けば処置を短縮できるか、この患者さんを救うにはどうすればいいかを考えながら演じています。

中井さん:僕はすごく大変だと思いながらやってますよ(笑)。監修してくださる看護師の方には動きを忠実に再現するため、細かく指導をいただいています。

例えば食事の配膳やベッドメイキングのシーンも、現場でおこなう作業を忠実に再現し、リアリティを追求しています。オペ室での姿勢や足の置き方など、たとえ映っていなくても指摘していただくようにしています。

物語がデフォルメされることはあっても、役者として看護師の所作に嘘があってはいけない、それがドラマのあり方だと僕は思っていますし、岡田くんやほかの出演者ともそう話しています。こだわることで撮影に時間がかかってしまいますが、それが作品の良さになっていけばいいと思います。

岡田さん:実際に演じていると、こんなに多くのことに気を配っていることに驚きますし、その度に看護師という職業の偉大さを感じています。

演じて見えた看護師のリアル

──看護師の仕事について多くの指導を受けたり調べたりしたかと思います。当初持っていたイメージと、実際に役を演じて知った看護師の仕事内容に違いはありましたか?

岡田さん:思っていたよりずっと肉体労働だなと思いました。患者さんをベッドから降ろすときや車椅子に移動させるときは、けがをしないように全体重を支えるんです。ベッドのシーツを変えること一つとっても大変ですし、一日中走り回っているじゃないですか。貴一さんはどうですか?

中井さん:岡田くんが言ったように、走り回って人の体重を支えたかと思えば、採血のような繊細な作業もこなさなければいけない、大変な仕事です。それに、ひとつの過ちが命に関わる、その緊張感の中で働かなければならないのは本当にプレッシャーだと思います。

人間の集中力には限りがありますよね。働き方改革を語る余裕がないほどの厳しい状況で、人並み外れた集中力を要求される、そのプレッシャーを強烈に感じます。

岡田さん:とにかく集中力が必要ですよね。今回オペ看に入るシーンがあったのですが、ほかの作品よりも疲労感がありました。

──続編では働き方改革がテーマのひとつとなっていますが、九鬼静は前作で「働き方改革なんてくそくらえ」と語っていました。この考え方は続編でも引き継がれているのでしょうか?

中井さん:ええ、引き継いでいます。「働き方改革とかコンプライアンスなんてくそくらえ」というのが、静の根本的な考え方ですから。

よくブラックな仕事、ブラックな会社なんていうじゃないですか。俳優業はブラックですよ(笑)。でもなぜこの仕事を続けてるかというと、お客さまに夢や笑顔を届けたいという気持ちがあるからです。ドラマが放送されて、観てくれた人に「おもしろい!」と言っていただけることで救われています。

中井貴一さん(九鬼静役)

中井さん:看護師の仕事も似ているんじゃないかと思います。とても大変ですが、元気になって退院する患者さんの姿が労働に対する報いだと感じる人もいれば、お金のために働いている人もいるでしょう。

働き方改革の難しいところは、価値観が人それぞれ違うことだと思うんです。業種別に働き方改革のあり方を細かく整備するべきかもしれません。

男性にもどんどん看護師を目指してほしい

──改めて『ザ・トラベルナース』への意気込みと、楽しみにしている人へのメッセージをお願いします。

岡田将生さん(左) 中井貴一さん(右)

岡田さん:前作に出させていただいたとき、看護師を目指したいという男性が増えたと伺いました。続編をやることでまたそういう方が増えるような、そして楽しめる職場であることを見せられたらいいなと思います。

中井さん:岡田くんのおっしゃるとおりです。今は男女平等が語られていますが、それぞれの特性や強みを活かして共存することで、より良い社会が生まれるのだと思います。

看護師の世界でも、力が要る作業などで男性の存在が必要です。男性にもどんどん参入してもらって、助け合えるような社会が一番なんじゃないでしょうか。

岡田さん:前作の放送後、医療現場の方から「ドラマを観て、患者さんとの接し方に気づきがありました」という声もありました。続編も、看護師という職業の魅力や奥深さを伝えながら、みなさんを元気づけられる作品を目指しています。『ザ・トラベルナース』を楽しみにしていてください!

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