
1.学童保育とは
学童保育は、放課後の時間に小学生を受け入れている施設です。学童クラブや放課後児童クラブと呼ばれることもあります。
主に職員と一緒に宿題をしたり、遊んだり、時には夕食をとりながら夕方もしくは夜まで過ごします。
学童保育には、自治体運営と民間運営があります。自治体では預かり時間を放課後から午後5~6時頃としているところが多く、保育料は5,000円~1万円程度と比較的利用しやすい価格設定です。
ただ、医療介護福祉系の仕事をする方のなかには、土日勤務や夜勤などもあるので、預かり時間に余裕がある施設の方が嬉しいですよね。
そんな時に利用したいのが、フレキシブルに対応してくれる民間の学童保育です。各施設で内容が多少違いますが、夕食や入浴、宿泊の面倒までお願いできるところが多くあります。
土日祝日や夏休みなどの長期休暇では、午前8時~午後5時を基本に、保護者の状況に応じて対応してくれます。お子さんに安全な居場所を確保できるのはとても魅力的ですし、安心して仕事に励むことができます。
また、預かり時間中の内容もかなり創意工夫されています。なかには、学び・遊びのほかに、ピアノや英会話といったお稽古事もうまく取り入れられている事業所も。利用料は時間と内容でも変わりますが、お稽古事を充実させたりすると月額5万円以上になるところもあります。
■「小1の壁問題」の解消に一役担う
「小1の壁」とは、共働きの夫婦などが小学生になった子どもの預け先がないために、今までの仕事を辞めたり働き方を変えたりせざるを得なくなることです。
学校には幼稚園や保育園のような延長保育はありません。さらに、低学年のうちは早く下校する日が多くあります。
そんな共働き家庭にとって、今までのような延長保育の代わりとなるのが「放課後子ども教室」や「学童保育」となります。
小1の壁についての詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
子どもの預け先に悩む「小1の壁」問題。うまく乗り越えるには?2.学童保育が抱える問題

引用:厚生労働省/令和元年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況
厚生労働省がおこなった調査では、2019年5月時点での学童保育数は2万5,881カ所で、入所児童数は129万9,307人。どちらも過去最多を更新しました。
しかし、希望していても定員制限などにより学童保育に入れない、いわゆる「待機児童」も年々増えてきています。
同調査によると、待機児童の数は1万8,261人。前年比982人増で、2018年の増加数のおよそ9倍にもなります。
この待機児童の数は、厚生労働省が把握しているだけの数字なので、実際にはさらに多い可能性もあります。これを解決すべく厚生労働省は、2023年度末までに待機児童30万人分の受け皿を整備し、待機児童問題を解消するとしています。
3.学童保育の早急な整備で世の中に活気を
内閣府によって2012年に子ども・子育て支援制度が制定され、児童福祉法が改正されました。
そのなかで、2015年4月から学童保育について定められた国の制度や自治体の施策も変わりました。「場所」、「スタッフの数」、「ひとクラスあたりの受け入れ人数」、「日数」、「時間」などが定められ、学童保育を利用できる対象も小学校6年生まで拡大。
学校や校庭を開放したり、地域の方と交流をし、学び、スポーツし、文化活動ができる「放課後子ども教室」との一体運営も進められるようになっています。
学童保育の整備はまだ始まったばかり。子育てしながら仕事に励む方が少しでも多くなれば、世の中はもっと活気がでると思いませんか? 学童保育で子育ても幅広いものになりそうですね。