集団感染を引き起こすインフルエンザ
空気が乾燥する冬。毎年この時期になると、学校や保育園などではインフルエンザの集団感染が起こっていますね。インフルエンザウイルスの感染力が最も高いとされているのは、インフルエンザ発症後24~48時間経過した熱の高い時期。流行を最小限に抑えるため、「発熱してから5日」かつ「解熱してから2日(幼児は3日)」を出席停止期間として保育園などには通えないことになっています。ただ、潜伏期間中や出席停止期間後も感染力がゼロというわけではありません。ですから、同じクラスに感染者が1人いれば、ほかの子どもたちがインフルエンザを発症する可能性は十分ありえます。
保育士自身もインフルエンザの予防を
インフルエンザの感染経路は、咳やくしゃみによってうつる「飛沫感染」とインフルエンザウイルスに触れた手や鼻水などを介してうつる「接触感染」の2つ。相手との距離が近く、密接な関わりが続くほどうつる可能性は高まるとされています。保育士は子どもたちと触れ合ったり、抱っこしたりする機会が多い職種。集団感染をできる限り防ぐために、子どもたちの健康状態に気を配るのはもちろん、保育士自身もインフルエンザ予防に努めていきましょう。
保育士がこころがけたい、インフルエンザ予防
保育士であれば、インフルエンザワクチンの接種が職場で義務づけられていることが多いかと思います。それ以外にも、次のようなことを普段の生活や保育中にこころがけ、インフルエンザ予防に努めていきましょう。
インフルエンザウイルスはどこにいるか分からないもの。感染者のくしゃみの飛沫や鼻水などだけでなく、誰でも触るドアノブや机に付着している可能性もあります。出勤時、食事前、子どもたちの鼻水やよだれなどを拭いた後などはこまめに手洗いを行い、接触感染を予防するようにしましょう。また、アルコールはインフルエンザウイルスを死滅させるので、手洗い後に併用してもよいですね。
空気が乾燥しているとウイルスが長く生存でき、一方でひとの気道粘膜の免疫力は低下するとされています。ですから、加湿器などを使用して室内の湿度が下がりすぎないように保つとよいでしょう。
熱がなくても、咳やくしゃみが出る際には、飛沫感染を防ぐために手で口を覆いそして手を洗う「咳エチケット」をこころがけることが大切です。ただ、小さな子どもたちが咳エチケットを行うのはなかなか難しいもの。ですから、保育士側がマスクなどをして咳やくしゃみを直接浴びないようすることが大切です。ただ、インフルエンザウイルスはマスクの織り目を通り抜けてしまいます。ですから、マスクの外側にくしゃみなどがかかったらマスクの取り換えを行うのがベター。応急的に保育士が手などで子どもたちの咳やくしゃみを受け止めた場合は、手洗いで接触感染を防いでいきましょう。