第二の人生に保育士・保育補助になるという選択
厚労省が掲げるスローガンのひとつに「生涯現役社会の実現」があります。これを示すかのように、定年を迎えたことや子育てがひと段落したことなどをきっかけに、第二の人生をスタートさせる方は年々増加傾向にあります。その中で保育士、保育補助の仕事に興味を持たれる方も少なくありません。人手不足が深刻化する保育業界からも、シニア世代の活躍にも期待が寄せられています。最近では、保育補助の人材としてシニア世代の方を養成する取り組みを始めた事業所も現れました。
国家資格の保育士。保育士を支える保育補助。
では、第二の人生で保育士や保育補助を目指そうと思ったとき、どのような方法があるのでしょうか。
国家資格である保育士資格は、保育士養成校(大学や専門学校、通信制学校)を卒業と同時に取得できます。昨今では、保育士養成校でシニア層の姿を目にすることが多くなりました。そのほかにも、経験などの要件を満たしていれば、独学でも保育士試験に合格して資格が取得できます。
また、とくに資格がなくても採用される保育補助という働き方もあります。保育補助とはその名の通り保育士の補助的な仕事。忙しい保育士を支える縁の下の力持ち的な存在です。保育士資格の有無だけでなく、時間に融通の利くパート契約が多いことも働きやすさの魅力です。
見守りから遊びの発案まで、活躍の場はさまざま
保育士、保育補助としての仕事は、子どもと一緒に遊ぶことはもちろん、子どもの見守り、着替えや食事のお世話など多岐にわたります。さらにシニア世代には、これまでの仕事や生活から学んできた人生の先輩ならではの発想も期待されています。例えば、ご自身が子どもの頃に体験した伝承遊びや絵描き歌などの豊富さは、若い保育士、保育補助の方にはないものでしょう。ほかにも、お遊戯会の飾りつけや機材の準備、後片付けなど、黒子として活躍する場もあるようです。
スムーズな職場環境にはコミュニケーションが大切
とはいうものの、保育の現場の平均年齢は35歳。活躍されている方の多くは若い世代です。シニア世代の方にしてみれば娘や息子のようなもの。お互い気を遣ってしまったり、なかなか打ち解けあえないのでは…と心配される方もいらっしゃるかもしれません。けれど保育の仕事を志した気持ちは一緒です。年齢を意識せずにコミュニケーションを図れば働きやすい環境になるはずです。雇用形態や職場環境など、自分にぴったりの職場を探すのは少しハードルが高くなるかもしれません。しかし何よりも、保育の仕事は可愛い子どものお世話をし、成長を見守るやりがいのある仕事です。
仕事で一線を退いた、子育てがひと段落したといっても、まだまだ元気なシニア世代。第二の人生で、保育という新たな世界にチャレンジするのはいかがでしょうか。