1.生活相談員とは
1-1.ケアマネジャー(介護支援専門員)との違いは?
2.生活相談員の仕事内容
2-1. 1日の業務の流れは
2-2. 介護職との兼務はできる?
3.働く場所は?
3-1. 配置基準は?
4.生活相談員になるために必要な資格は?
4-1.無資格や未経験でもなれる?
5.生活相談員の給料は?
6.最後に
1.生活相談員とは
生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれ、主に特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイなどの介護福祉施設で活躍する職種です。利用者さんやその家族との相談業務・施設との調整や手続き・地域やその他コミュニティとの連携など、介護福祉サービスにおける、ありとあらゆる「連携・調整」が大きな役割です。
1-1.ケアマネジャー(介護支援専門員)との違いは?
ケアマネジャーの主な仕事は、介護サービス利用者のケアプラン(支援計画書)の作成で、利用者さんやその家族のニーズに沿って、適切な介護サービスが提供できるよう計画を練ります。
一方で生活相談員は、ケアマネジャーや施設との調整をおこなう窓口のような役割であったり、利用者さんや家族との相談業務をおこなったりもします。詳しい仕事内容については次項で解説しますが、その業務の幅は非常に広く、介護サービスにおいてマルチに活躍するキーパーソンといえます。
ケアマネジャーやサービス提供責任者との違いについてはケアマネジャー、サービス提供責任者、生活相談員の仕事内容の違いは?もご覧ください。
2.生活相談員の仕事内容
マルチプレーヤーとして幅広く活躍する生活相談員ですが、その具体的な仕事内容について概要を以下にまとめてみました。
- 施設の入退所の手続き・サービスの利用開始や中止に関する業務
- 利用者および家族に対する相談援助
- ケアマネジャー、地域、他機関との連絡・調整業務
- 施設内における連絡・調整業務
- 介護スタッフのサポート
- 苦情などの対応・窓口業務
- デイサービス等の個別援助計画の作成・ケアプラン作成の援助
以上のように、生活相談員の大きな役割は「相談・連携・調整」にあります。しかし、ここで挙げた業務だけに従事すればいいわけではなく、それぞれの施設によって求められる業務が異なる場合もあるので、臨機応変に対応する能力が必要でしょう。
2-1. 1日の業務の流れは?
それでは一例として、デイサービスで働く生活相談員のおおまかな1日の流れをみてみましょう。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:00 | 出勤:メールチェック、前日の申し送りの確認 |
8:15 | 朝礼:1日の予定を全員で共有 |
8:40 | 利用者さんの送迎 |
9:30 | 利用者さん全員と挨拶を交わしながら健康状態の確認 |
10:00 | 施設の運営会議に出席 |
10:40 | サービス担当者会議に出席するため、利用者さんの自宅を訪問 |
11:15 | 新しい利用者さんの受け入れについて、ケアマネジャーと打ち合わせ |
12:00 | 利用者さんの食事の見守り・介助 |
13:00 | お昼休み |
14:00 | 地域の催事に参加する件について、代表者と打ち合わせ |
15:00 | 利用者さんの余暇活動の見守り・介助 |
15:30 | 介護計画について、ケアマネジャーとプランニング |
16:00 | 利用者さんの送迎 |
17:00 | ミーティング(カンファレンス) |
17:30 | 書類作成・残務処理 |
18:00 | 退勤 |
施設によって業務内容や1日の流れに多少の違いはありますが、おおまかな内容は上記のように相談・調整業務がメインとなるでしょう。
また介護職とは違い、生活相談員は夜勤がほとんどなく、生活リズムを整えやすいところも魅力かもしれません。
2-2.介護職との兼務はできる?
生活相談員と介護職の兼務は可能です。生活相談員の仕事内容は、理学療法士や看護師のようにハッキリと定義されているわけではなく、多くの施設で生活相談員も介護業務をおこなっています。そのため、身体介護や生活援助などの専門的な知識と技術の習得を求められることもあります。
介護業務の割合は働く施設によって異なりますが、適切な相談業務をこなすためにも介護職についての理解を深めることは大切でしょう。
3.働く場所は?
生活相談員は様々な施設で活躍していますが、その中でも代表的なものを挙げてみました。
- 通所介護施設(デイサービス)
- 特別養護老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
生活相談員の活躍の場はこのように多様で、施設形態やその規模、運営方針によって業務内容にも違いが生まれます。しかし、いずれも共通しているのは生活相談員の「窓口」としての役割です。利用者さんや家族との相談、ケアマネジャーやその他関係者との打ち合わせ、苦情の対応など、いずれの施設においても生活相談員の重要な業務が「相談・調整」という部分には変わりはありません。
3-1.配置基準は?
生活相談員の配置基準は施設によって異なります。ここでは代表的な施設の配置基準について確認していきましょう。
デイサービス | 1名以上 (生活相談員または介護職員のうち、1名以上は常勤必須) |
ショートステイ | 利用者100人につき1名以上 うち1名は常勤の必要あり(20名未満の併設事業所は除く) |
特別養護老人ホーム | 利用者100人につき常勤で1名以上 |
介護老人保健施設 | 利用者100人につき常勤で1名以上 |
これ以外にも、各都道府県によっても別途、配置基準が定められている場合があります。詳しい配置基準については各施設や都道府県に問い合わせてご確認ください。
4.生活相談員になるために必要な資格は?
実は「生活相談員」という資格は存在せず、生活相談員はあくまでも職種としての名称になります。なので、資格試験なども存在せず要件さえ満たせば生活相談員になることができます。一般的には、下記のいずれかの資格を保有していることが生活相談員になるための要件として定められています。
生活相談員の資格要件
また上記以外にも、都道府県によっては介護福祉士やケアマネジャーなどが資格要件として含まれていることがありますので、詳しい資格要件については各自治体にお問い合わせください。
4-1.無資格や未経験でもなれる?
求人の募集内容にもよりますが、前述した資格を保有していれば基本的には未経験でも生活相談員になることが可能です。また、無資格でも都道府県によっては「2年以上の介護業務経験」といったような実務経験さえあれば、生活相談員になれる自治体も存在します。
無資格でも生活相談員になれる都道府県の一例
東京都
・老人福祉施設の施設長経験者
神奈川県
・介護保険施設または通所系サービス事業所において、常勤で2年以上(勤務日数360日以上)介護業務の実務経験
福岡県
・社会福祉施設等で3年以上の実務経験
5.生活相談員の給料は?
2023年11月時点でジョブメドレーに掲載されている生活相談員の求人の給与を集計しました。なお、残業手当など月によって支給額が変動する手当は集計対象外のため、実際に支払われる賃金はこれより多くなる可能性があります。
給与上限 |
給与下限 |
総平均 |
|
---|---|---|---|
パート・アルバイトの時給 |
1,312円 |
1,155円 |
1,233円 |
正職員の月給 |
26万8,628円 |
21万7,342円 |
24万2,985円 |
正職員の年収* |
376万792円 |
304万2,794円 |
340万1,793円 |
エリア別・職場別など詳しい給料相場はこちらの記事でチェック!
>生活相談員の給料は安い?平均月収・年収・賞与、勤務先別の相場について解説!
6.最後に
様々な施設でマルチに活躍する生活相談員。覚えなければいけない業務が多く、苦労することも多々あるかもしれません。しかし、その分多くのスキルや知識が身に付きますし、苦労に見合ったやりがいも感じられることでしょう。
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