EPA介護福祉士候補者とは?
「EPA介護福祉士候補者」とは、経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアとフィリピン、ベトナムの3国から看護もしくは介護の有資格者に来日してもらい、日本の介護福祉士資格の取得を目指す制度です。
2008年にインドネシアから、翌年にはフィリピン、2014年にはベトナムからの受け入れもはじまりました。EPA介護福祉士候補者の制度は、日本と相手国の経済連携を強くするためにおこなわれる特例的な取り組みです。よって、日本国内の労働力不足の解消を目的としたものではありません。
EPA介護福祉士候補者の要件とは
EPA介護福祉士候補者になるためには、以下のような要件があります。
<フィリピン>
次のいずれかの条件を満たした日本語能力試験N5程度以上の者・4年生大学卒かつフィリピン政府による介護士の認定(TESDAの認定保持)
・フィリピンの看護学校卒業
<インドネシア>
次のいずれかの条件を満たした日本語能力試験N5程度以上の者・大学もしくは高等教育機関の修了証書Ⅲ以上の取得者で介護士としてインドネシア政府から認定されている
・看護学校の修了証書Ⅲ以上の取得者もしくは大学の看護学部卒業者
<ベトナム>
3年制もしくは4年生の看護課程を修了した日本語能力試験N3以上の者EPA介護福祉士候補者の受入条件とは
EPA介護福祉士候補者を受け入れる施設には条件があります。主な条件は以下のとおりです。
・法令に基づく職員の配置基準を満たしている定員30人以上の施設・常勤介護職員の4割以上が介護福祉士を有する職員である
・候補者に対して日本人と同等以上の報酬を支払うことができる
・適切な研修体制が確保できる
・候補者の宿泊施設が用意できる
・候補者の帰国費用の確保などの帰国担保措置を講じることができる
このように、受け入れる施設側はEPA介護福祉士候補者が日本人の介護職員と比べて不利にならないよう配慮する必要があります。
EPA介護福祉士候補者の現状
EPA介護福祉士候補者は現在、インドネシアとフィリピン、ベトナムの3国から受け入れをおこなっています。一般社団法人外国人看護師・介護福祉士支援協議会が2017年におこなった実態調査によると、現在日本で働いているEPA介護福祉士候補者のうち、フィリピン出身者は42%と最も多くなっています。
受け入れ先は、特別養護老人ホームが約65%、次いで老人保健施設が約25%となっており、この2種類の施設だけで全体の90%以上の候補者を受け入れています。
また、医療介護福祉制作研究フォーラムの発表によると、EPA介護福祉士候補者の2016年度介護福祉士試験合格率は約50%で、介護技術や知識の習得は十分にできていることがわかっています。記録については、候補者の約60%が業務に携わっています。2009年にはわずか5%だったことを考えると、飛躍的に伸びたことがわかります。今後のEPA介護福祉士候補者の活躍にますます期待が持てますね。