まずは一時預かり事業についておさらい
一時預かり事業とは、国が「地域子ども・子育て支援事業」として子育て家庭を対象にして行なっているものです。さまざまな事情によって一時的に保育困難となった乳幼児に対して、一時預かり事業を実施している施設で保育を受け入れることができます。
2015年に新制度が施行されたのを受けて、一時預かり事業がより普及するように事業の内容も再編されています。当初の保育所型・地域密着型と地域密着II型は「一般型」へ、幼稚園における預かり保育は「幼稚園型」となりました。
また、保育所などで利用児童数が定員に達していないときに、定員の範囲内で一時預かりを実施する「余裕活用型」と、児童の自宅にて一時預かりを実施する「訪問型」も追加されています。
内閣府の調査によると、平成26年度における一時預かり事業実施か所数は一般型(地域密着型含む)8,594か所、余裕活用型179か所となっています。※幼稚園型、居宅訪問型は平成27年度創設のため含まない
(参考: 内閣府「一時預かり事業について」)
保育園保育士と何が違う?一時預かり事業の仕事
保育園で働く保育士と、一時預かり事業を行う施設で働く保育士には、どのような違いがあるのでしょうか。まず、施設の規模についてみていきましょう。新制度が施行されたことで、駅ビルや商店街など一時預かりの需要が高いところ、利便性の良いところでも施設を設けることができるようになりました。そのため、一時預かり事業を行う施設は小規模のところが多くなっています。
保育所以外の一時預かり事業施設に勤務する保育士は、そのほとんどが1日数名程度といった限られた人数の乳幼児に対して保育をおこないます。一時預かり事業は、保護者の病気や出産の他に冠婚葬祭・リフレッシュでも利用できるため、預かる期間は半日から1日程度であることも多いもの。ですから、乳幼児それぞれの成長を長期的にわたって観察しながら保育をおこなうということはありません。保育所で行われるような季節ごとの行事やイベントなども基本的にないため、乳幼児の基本的な生活と遊びをサポートするのがメインとなっています。
一時預かり事業ではスタッフの構成も異なる
一時預かり事業に従事する保育従事者の構成は、訪問型を除いて保育者2人以上となっています。保育人数によって保育士の人数は保育所同様に定められていますが、必要な保育士の半分は「家庭的保育者」でも良いとされています。家庭的保育者とは、自治体が行う研修に参加し、修了している者のこと。保育士と同等以上の保育知識と技術を持つ者として、子育て支援分野に関わることができるようになっています。施設の規模や乳幼児の受け入れ人数によっては保育士が1人である場合も多いため、施設のリーダーとして動くこともあるでしょう。
保育士が一時預かり事業を行う施設で働くということ
一時預かり事業は、施設によって開園時間がさまざま。9時から17時といったように、保育所より短く設定されているところも多くあります。基本的な保育援助がメインなので、残業が少ない傾向があります。週末での需要が高いところでは日曜日も開園しているため、仕事はシフト制となっているところも。一時預かり事業の施設で働く保育士は、一人ひとりの乳幼児とじっくり関わることができます。また、短期間でさまざまな乳幼児と関わるため、対応力も身につくでしょう。
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