
1. 今日の転職経験者はこんな人
2. Dさん(視能訓練士・29歳)の生い立ち
2-1. 幼少期〜小学校時代
2-2. 中学校〜高校時代
2-3. 専門学校時代
3. 自由診療メインのクリニックに就職
4. スキルアップのために大学病院へ
5.個人経営の眼科専門病院に転職
6.(番外編)生活・お金の話
1.今日の転職経験者はこんな人

ー年齢と出身を教えてください。
29歳の秋田県出身です。
ー家族構成は?
父、母、弟、妹です。
2年前に結婚して、いまは妻と神奈川で暮らしています。
ーDさんはどんな性格ですか? 人見知り・ポジティブ・楽観的って感じです。 ー現在はなんのお仕事をされていますか? 視能訓練士です。 ー転職は何回しましたか? 2回転職しました。 ーご両親は何してる人? 父が大工で、母は保育士です。 写真左がDさん。幼馴染と。 ー幼少期の思い出は何かありますか? うるさくて落ち着きがなかったと親には言われますね。 僕は覚えていないんですが、北海道へ旅行に行ったときに、「CMに出演しないか」とスカウトされたそうです。旅行スケジュールが詰まっていたため親が断ったそうなんですが、いまだに断ったことを後悔しているらしいです(笑)。 ー男前ですもんね。小学校にあがってからはどうでしたか? あいかわらず。落ち着きがない子どもだったんじゃないかな。習い事は習字とサッカーをやっていました。 ーその頃の将来の夢は? 大工です。父の後を継ぎたいと思っていました。 ですが、中学生の頃にはもう変わっていましたね。重い物をもったり炎天下の中で働いたりするのは大変だなと思い。 ー中学校生活はどんな感じでしたか? サッカー部に入部したんですがサボり魔でしたね。いかにして練習をサボるかを常に考えていました。 あと初めての彼女が2年生のときにできました。他県に遠征合宿に行ったときに知り合った他校のマネージャーです。なので中学生にして遠距離恋愛をしていました。 ープレイボーイですね。高校はどんな学校へ? 普通の進学校ですよ。サッカー部に入ったんですけど、腰を痛めてしまったので2年生のときに退部しました。 ー高校卒業後の進路は? 給料の水準も高く安定していそうで、人の役にも立てる医療関係に進みたいなと考えました。 最初は医師になりたいと思ったんですが、自分の学力を顧みたら現実的じゃないなと気づき、それなら看護師かなと思い看護系の大学を調べ始めました。 ー看護系の大学を調べていくうちに視能訓練士を知ったとか? まさにそうですね。小さい頃から目が悪くて、視能訓練士さんにはお世話になっていたはずなんですが、「視能訓練士」という職を知るまであの人たちのことを看護師さんだと思い込んでいました。 そんな感じで視能訓練士についても調べていくうちに「面白そうだぞ」と。 ー大学生活の思い出は? 単位が取れる最低限しか授業は出席していませんでした。 軽音サークルに入り、バンドとバイトに明け暮れていました。 ーバイトは何を? えっと……音楽スタジオの店員、コンビニ、ファミレス、ハンバーガー屋、引越し、パチンコ屋など、すごくいろいろやってました。 ー実習はありましたか? ありましたよ。2つの病院で合計2ヶ月間。内容は病院によって違ってくると思うんですが、僕の場合はいい病院にあたったので、一通りの検査を経験させてもらえました。 実習先によっては雑用ばかりやらされるケースもあると聞きます。 ー国家試験の勉強はどう進めましたか? 4年生の10月くらいから本気で取り組みましたね。1日12時間くらい勉強してたかな。それまで遊びほうけていたのでかなり焦ってました。 勉強方法としては、問題集をひたすら解いて、わからない問題は教科書を開いて付箋を貼って後ほど復習。最初は付箋まみれでした(笑)。 高身長でさわやかイケメンなDさんでした。 一就職活動はどのようにおこないましたか? 国家試験の勉強に追われていたのであまり就活に時間を割くことがでず、大学の先輩に紹介してもらったクリニックに就職しました。 ー初任給はいくらでしたか? 額面で24万円で、賞与は年2回・計4ヶ月分支給されました。 ー勤務時間は何時から何時でしたか? 9時~17時。残業は毎日2時間くらいありました。 ー業務内容は? 一般的な検査と、レーシックやオルソケラトロジーなどの自由診療に関連する業務がメインでした。 目の検査というと、学校で実施されるような「視力検査」をイメージしますよね。ですが視能訓練士はいろいろな機械を使って、色覚、光覚、眼圧、眼球運動など目に関するありとあらゆる検査をおこなうんです。 ー「オルソケラトロジー」とは一体なんですか? 視力矯正の方法のひとつです。 特殊なコンタクトレンズを付けたまま寝ることで、角膜を正しい形に矯正し、レンズを外した時には視力が回復している、というものです。 ー職場の人間関係はどうでしたか? 院長が怒鳴るタイプの人だったので、あまり好きではなかったですね。 ーそれが転職理由ですか? それも理由のひとつではありますね。あとは子どもが好きなので、斜視弱視をしっかり学びたいという気持ちがあったんです。 そのクリニックにはそういった患者さんはほとんど来なかったので、症例数を多く経験できそうな大学病院に片っ端から電話して仕事を探しました。 ー「子ども」と「斜視弱視」にはどういう繋がりが? 斜視や弱視は小児眼科における代表的な症例なんです。これらは早期に発見して矯正することできちんと回復するんですが、大人になってからではなかなか難しいんですよね。 とくに弱視なんかは8歳くらいまでに矯正してあげないと、大人になってからでは手遅れになるケースが多いです。 ーそういうところも仕事のやりがいに繋がりそうですね。 そうですね。斜視・弱視の矯正をしてあげることで、その子らの人生の手助けができたのかなと思うと、非常に嬉しく思いますよね。 もちろん子ども達はなかなか集中力が続かず、くわえて病院に対する不安や緊張もあるので思うように検査が進まないこともあります。 それでも長い年月をかけて信頼関係を築き、検査にも協力的になってくれて、少しづつでも回復していく姿をみると、この仕事をやっていてよかったなと。 ーそのクリニックではどれくらい働いていたんですか? 8ヶ月くらいです。 ー大学病院に転職して給料はあがりましたか? いえ、下がりました。23万円スタートだったかな。賞与は同じくらいだったと思います。 ー業務内容は変わりましたか? 先ほどお話ししたような一般検査に加え、他科との連携も発生するようになりました。多かったのは内科と脳神経外科です。とくに内科では糖尿病が失明の原因になりますしね。あとは斜視の原因が脳出血や脳腫瘍などではないか、など脳神経外科でチェックしてもらったり。 以前のクリニックでは自由診療をメインにおこなっていたので、来る患者さんは「メガネをかけたくないから」や「困っているわけじゃないけど、もう少し視力をあげたい」など、「いま以上」の機能を求める治療が多かったんです。 大学病院では、治療しないと失明する恐れがあるなど、患者さんの人生を左右する症例が多かったので「患者さんを助けることができた」という充実感がすごくありました。 ー1日何人くらいの患者さんが来ましたか? あまり多くなかったです。午前50人、午後25人とか。最初のクリニックは1日30人とかでした。 ー1日75人と考えると、多いように感じるんですが。 どうなんでしょう。いまの職場は1日180人くらい来るので。 ーたしかにそれと比べると75人が少なく感じますね。 いまの病院は個人経営の眼科なんですが、ドクターが3人いるので多くの患者さんを受け入れられるんです。そこらへんにある総合病院の眼科よりも大きいと思います。 ー大学病院にはどれくらいいたんですか? ちょうど2年です。 ー転職理由は? 大学病院では非常勤だったので、しっかり常勤として働きたいなという思いと、2年働いてスキルアップできたので違う職場でチャレンジしたいなと。 あとその職場には女性が多かったんですが、特に上司の女性2人からのパワハラがきつかったのも理由です。 ー視能訓練士には女性が多いんですか? ほとんどが女性ですよ。8~9割は女性なんじゃないかな。 近年は少しずつ男性の視能訓練士も増えてきているとはいえ、まだまだ女性社会の面が強いと思います。 ーいまの職場は何年目ですか? 5年目です。 ー給料などの条件を教えてください。 いまは額面で34万円くらいです。賞与は計4ヶ月なんですが、業績がいい年には少し多めに支給されます。 ー勤務時間は? 午前中は8時半~12時。2時間の昼休みがあって、午後は14時から17時半までです。 休みは土日です。 ー前職、前々職と悩まされた人間関係はどうですか? めちゃめちゃいい人たちばかりですよ。伸び伸びとやらせてもらってます。 視能訓練士は僕だけなんですが、補助の方が7人いらっしゃるので業務負担もだいぶ軽いですね。 ーこれまで視能訓練士として働いてきた中で、思い出深いエピソードはありますか? 思い出深いというとちょっと違うかもしれませんが、辛い大学病院時代を乗り越えたことで大きく成長できたなと。 その頃は上司に怒られたりネチネチ嫌味を言われないようにと、ひたすら勉強してたんです。猛勉強と多くの臨床経験によって自分に自信がもてるようになりましたし、視能訓練士としての視野もすごく広がりました。 当時は本当に辛くて胃に穴も空きましたが、その経験のおかげで視能訓練士としての人生も変わったんじゃないかな。今でも勉強するクセは残っていて、毎日1つは論文を読むようにしています。 ー視能訓練士として、今後の展望はありますか? 視能訓練士全体の質をあげていきたいですね。そのための活動の一環として、いまはツイッターで相談を受けたり情報発信をしたりしています。 あと、視能訓練士の役に立つアプリを作りたいなと思って、プログラミングも勉強中です。先は長そうですが……。 ー求職者に何かアドバイスがあれば。 もし仕事のことで悩んでいたら、僕みたいに胃に穴が空く前に誰かに相談してほしいですね。 視能訓練士自体があまりいないので、仕事について相談できる相手もおらず、一人で抱え込むことが多いと思うんですよね。なのでSNSなどを通して僕自身が相談相手のような存在になれたらなと思っています。 ー奥さんとはどこで出会いましたか? 大学の同じ学部でした。妻も視能訓練士なので、夫婦で眼科に対するこだわりはすごいですよ。 ー休日は何をしていますか? ゲームをやっていますね。最近は妻とキャーキャー言いながらバイオハザードを。 ーお子さんはまだいないんですか? 実は10月に第一子を出産予定なんです。 ーおめでとうございます!名前は考えていますか? 男の子なんですけど、最近のキラキラネームよりは古風な感じが良いねって妻と話してます。 ー楽しみですね!スマホのホーム画面を見せてもらえますか? どうぞ。 「Evernote」には、書類や名刺、ネット記事、アイデアなどひたすら落とし込んでいます。生活の大部分が支えられています。漫画や雑誌は基本的には電子書籍でしか購入しないので「Books」には2,000冊くらい漫画が入っています。 ーハリネズミ飼ってるんですか? そうです。めっちゃ可愛いんですよ。 ー夫婦でお金の使い方の決まりごとはありますか? 妻の給料はすべて貯金にまわして、家賃や生活費などはすべて僕が支払っています。 ーちなみに家賃はいくらか聞いてもいいですか? 実は最近マンションを買ったばかりなんです。3,400万円だったんですが、月々にして11万円くらい。間取りは3LDKです。 ー奥さんに秘密にしていることはありますか? 妻には付き合った人数を4人と言っているんですが、本当は10人です。 あと最近買ったPCが46万円だったんですが、妻には20万円って言ってます。 ーバレて修羅場にならないことを祈ります。本日はありがとうございました!2. Dさん(視能訓練士・29歳)の生い立ち
2-1. 幼少期〜小学校時代
2-2. 中学校〜高校時代
2-3. 大学時代
3. 自由診療メインのクリニックに就職
4. スキルアップのために大学病院へ
5. 個人経営の眼科専門病院に転職
6.(番外編)生活・お金の話