
1.幼稚園教諭(東京都・24歳)の履歴書【実例】
2.幼稚園教諭の履歴書の書き方(基本)
2-1.履歴書の種類・形式・サイズは?
2-2.手書きorパソコンどっちがいい?
2-3.誤字脱字のチェックを忘れずに
3.幼稚園教諭の履歴書の書き方(項目別)
4.幼稚園教諭の履歴書の提出方法
4-1.郵送するときのマナー
4-2.手渡しするときのマナー
4-3.メールで送付するときのマナー
4-4.封筒はどの提出方法でも必要
5.幼稚園教諭のパターン別・志望動機
5-1.新卒・未経験者の志望動機例
5-2.経験者の志望動機例
5-3.異業種(小学校教諭)から転職するときの志望動機例
6.幼稚園教諭の面接対策
6-1.面接前日の準備
6-2.面接当日の流れと注意点
6-3.面接時のマナー
6-4.実技試験の有無
6-5.よく聞かれる質問例と良い回答例
1.幼稚園教諭(東京都・24歳)の履歴書【実例】
幼稚園教諭が就職・転職活動をおこなうとき、誰もが作成することになる「履歴書」。この履歴書の作成で「書き方がわからない」と悩んだり、「志望動機に入れるべき内容を知りたい」と考える人は多いのではないでしょうか?
ジョブメドレーでは、このような求職者の悩み・要望に応えるために、まず「求職者がどんな履歴書・志望動機を書き、どんな面接対策をしたか」を知ってもらいたいと考えました。
以下の記事では、幼稚園教諭として転職経験のある方に直接取材を実施。実際に使用した履歴書を見せてもらいながら、履歴書・志望動機の作成で気をつけたことや面接対策についてくわしくお話を伺いました。
実体験のほかに、ジョブメドレーのキャリアサポートからの履歴書・面接対策に対してのアドバイスも掲載していますので、以下のインタビューをぜひ参考にしてみてください。

幼稚園教諭(30歳)の履歴書・志望動機・面接対策をインタビュー
第2章以降では、「履歴書の書き方」や「面接対策」の基本について、現在の就職・転職事情をふまえた上で、押さえておきたいポイントをご紹介します。こちらも合わせて活用してみてください。
2.幼稚園教諭の履歴書の書き方(基本)
2-1.履歴書の種類・形式・サイズは?
履歴書にはさまざまな種類があります。応募先や学校からの指定がない限り、どの履歴書を使っても問題ありません。しかし新卒者と中途採用者では履歴書でアピールすべき内容も異なりますので、自分にあったフォーマットを選ぶと良いでしょう。
履歴書の種類
<ベーシック(厚生労働省推奨)>
2021年4月より厚生労働省が公正な採用選考をおこなうことを目的に作成されたフォーマット。「性別」が任意記入、「通勤時間」「扶養家族・配偶者」などの欄がないことが特徴。「学歴・職歴」欄が広く設けられているため、転職回数の多い人にもおすすめ。
<新卒者・職歴の少ない人向け>
「学歴・職歴」欄が狭く、その代わりに「趣味・特技」「スポーツ・クラブ・文化活動」「自己PR・長所」などの欄があるものがおすすめ。新卒者の場合は、学校指定の履歴書を使っても良い。
<中途採用者・転職回数の多い人向け>
「学歴・職歴」欄が広く設けられているものがおすすめ。「退職理由」を記入する欄が設けられているタイプもある。
<パート・アルバイト向け>
「希望勤務日・時間帯」欄が設けられているものが便利。「志望動機」欄をはじめ全体的に記入欄が狭く、書く文量が少ないのが特徴。
なお、履歴書の入手方法としては、コンビニやスーパー、文房具店などで市販のものを購入するか、インターネット上の求人サイトなどで無料配布しているものをダウンロードして利用する方法があります。
アドバイス|履歴書のサイズはA4かB5の2種類
市販のものやインターネットでダウンロードできる履歴書には、A4サイズ(ヨコ210ミリ×タテ297ミリ)と、ひと回り小さいB5サイズ(ヨコ182ミリ×タテ257ミリ)の2種類があります。サイズの指定がない場合、どちらを選んでも問題ありません。
A4サイズはB5サイズに比べて、各項目(学歴・職歴、志望動機・自己PRなど)の記入スペースが広いため、内容を充実させたい人はA4サイズを選びましょう。
2-2.手書きorパソコンどっちがいい?
履歴書の形式・提出方法が指定されている場合は、それに従いましょう。では、指定がない場合や「手書き・パソコンどちらでも構わない」と言われた場合は、どちらのほうが良いのでしょうか?
■時間を有効に使いたいなら、パソコン・スマホでの作成が便利
最近ではパソコンやスマートフォンで履歴書が簡単に作成できるツールも増えています。データを保存・編集できるツールを使えば、手書きの履歴書のように書き損じによる書き直しの手間もなく、複数エントリーする場合でも使い回しができて便利です。
ジョブメドレーには、プロフィールを入力するだけで簡単に履歴書と職務経歴書を作成できる機能が備わっています。積極的に活用してみましょう。
▼履歴書の書き方の基本についてはこちらの記事もご覧ください。
履歴書の書き方!いまさら聞けないキホンって?
■保育系の職種は「手書き」が有利に働くケースも
しかしながら、保育系の職種では手書きの保育案や連絡ノートの記入、行事などの制作物作成に携わる機会が多いため、「綺麗な字が書けること」が評価につながるケースもあるようです。
実際にジョブメドレー のインタビューに答えてくれた児童指導員の女性は、以下のような理由から手書きの履歴書を作成したそうです。
児童指導員(28歳)の例
“ーこの履歴書は手書きですけど、パソコンでの作成は考えませんでしたか?
児童指導員は掲示物などを手作りしますし、どんな字を書くのか見れたほうが採用側にとっても良いと大学から言われていたので、手書きにしました。”
アドバイス|手書きの場合、修正テープ・修正液は使ってもいい?
応募書類を書き損じた場合、修正テープや修正液は使わずに書き直すことをおすすめします。
例えば、ぜひ採用したい経験や能力を持つ人からの応募であれば、修正テープなどを使ったからといって即不採用になるとは考えにくいです。しかし同じような条件の応募者が複数いて、不備のない綺麗な履歴書と、修正テープが使われた履歴書があった場合、心証が良いのは修正テープを使っていないほうの履歴書ではないでしょうか。
書き損じを減らすための工夫としては、鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書する、事前に記入する内容をメモ帳などにまとめておくといった方法があります。コピーした履歴書で練習してみるのも良いでしょう。
2-3.誤字脱字のチェックを忘れずに
手書き・パソコン、どちらの履歴書でも大事なポイントは書き終えたあとには「誤字脱字」のチェックをしておくと安心です。一度声に出して読んでみることで、本人が見逃しがちな「ちょっとしたミス」を事前に防ぐことができます。
提出期間に余裕がある方は、家族や職場の同僚、学校の先生、友人などの第三者に履歴書を読んでもらい、気になる点を指摘してもらうことも有効です。
3.幼稚園教諭の履歴書の書き方(項目別)

ここでは履歴書の項目別のポイントをご紹介します。書き方のルールや証明写真を撮影するときの服装・身だしなみのマナーを覚えておきましょう。
①日付
履歴書を書いた日付ではなく、提出する日付を記入。郵送の場合は投函する日付を記入する。他の園に持参した、日付の古い履歴書の使い回しはNG。
②氏名
見やすく大きな字を心がける。苗字と名前の間にスペースをあけて書くのが望ましい。
③生年月日・年齢
和暦・西暦を書類全体で統一する。「満◯歳」となっているものは、記入時の年齢を書き込む。
④住所
必ず都道府県から書き、番地やマンション名も省略せずに記入する。ふりがなは、都道府県と市区町村(番地の前)まででOK。マンション名に難しい漢字が入っている場合は、ふりがなを振っておく。
⑤連絡先
つながりやすい携帯電話の番号を記載。普段使用しているメールアドレスも記入しておく。
⑥写真
証明写真は3ヶ月〜半年以内に撮影したものを使用するのが一般的。写真がはがれたときのために、裏面に「氏名+撮影日」を記入する。スナップ写真の切り抜きやプリクラなどは避ける。
証明写真については「第一印象を良くする!履歴書写真の撮り方とポイント」で説明しているので、あわせてご覧ください。
point
・服装は白シャツ+黒系のスーツorジャケットが基本・暗いイメージを持たれないよう、自然な笑顔をこころがける
・髪が長い人は束ねる
・派手なアクセサリーや濃いメイクは避けたほうが無難
・明るすぎる髪色はNG。幼稚園教諭では「ヘアカラー7番 」までが一般的

⑦学歴・職歴
学歴と職歴を分けて記載する。和暦・西暦はどちらでも構いませんが、履歴書内で統一しましょう。年・月の欄に「年」「月」と書く必要はありません。
学歴は高等学校以降の入学・卒業を記入。「◯◯高校」ではなく、正式名称で「◯◯高等学校」と書く。新卒の場合は、通っている学校を「卒業見込み」と記入しましょう。
職歴は、入職ならびに退職の年月を時系列に沿って記入。幼稚園教諭以外の職歴も正しく書く。アルバイト歴を記載する必要はありません。
学歴・職歴の記載が終わったら、職歴の最後の行に「現在に至る」と記入し、その一行下に右寄せで「以上」と記入。退職が決まっている場合は、職歴欄の「現在に至る」の隣に退職予定日を記入しましょう。
point
・学校、学部、学科、施設は正式名称で・転職した場合は正しい年月と施設名を
・すべての経歴を記載し終わったら、最後に「以上」を忘れずに
■短い職歴は省略してもいい?
入社1年未満で退職にいたる、いわゆる「早期退職」の職歴がある場合、「書くべきかどうか迷う」「悪い印象を与えたくない」という人は多いはず。
たしかに、履歴書・職務経歴書について、どこまで書くべきかという決まりは定められていませんが、短い職歴についても履歴書に記載することをオススメします。
万が一、保険や年金の加入実績から過去の職歴がわかった場合、担当者によっては「経歴を詐称して応募してきた」という印象を与えかねません。
それよりは、早期退職の理由を説明して、失敗や反省点は今後に活かして働きたいという前向きな姿勢を見せることが大切です。
⑧免許・資格
免許・資格名は正式名称で記載していきましょう。記載順に決められたルールはありませんが、先に運転免許を取得順に書き、その他の免許・資格を取得順に書くと見やすくなります。
⑨志望動機
履歴書の志望動機は「学歴・職歴」「免許・資格」などの情報に加えて、仕事に対する熱意・幼児教育に対する考え方を伝える重要な項目です。
「子どもが好きだから」という、多くの幼稚園教諭に共通する志望動機だけではなく、「なぜその幼稚園を志望するのか」という理由を園の特徴と結びつけて書くことで、より説得力のある内容にすることができます。
「何を書けばいいかわからない」という人は後述の「5.(例文)幼稚園教諭のパターン別・志望動機」を参考にしてみてください。
■幼稚園教諭が使う正しい「敬称」はどれ?
幼稚園教諭の履歴書や面接において、意外と間違えやすいのが「敬称」です。以下の2つのポイントを押さえて「敬称」の使い分けをマスターしましょう。
point
「貴社」と「貴法人」
書き言葉のため、おもに履歴書や職務経歴書で使用する。志望するのが企業の場合は「貴社」、学校法人や社会福祉法人などの場合は「貴法人」となる。
「御社」と「御法人」
話し言葉のため、おもに面接のときに使用する。志望するのが企業の場合は「御社」、学校法人や社会福祉法人などの場合は「御法人」となる。
▼「敬称」についてはこちらの記事もチェック!
⑩本人希望欄
絶対に譲れない勤務条件や待遇がある場合以外は、「貴社の規定に従います」と記入。基本的に給料や待遇などの希望は、選考が進んだ段階で担当者に直接交渉するほうがよいと考えましょう。
応募先の企業が複数の職種を募集している場合に、自分が希望している職種の名称を書いたり、在職中の場合に、連絡可能な時間帯を書いたりするのは問題ありません。
4.幼稚園教諭の履歴書の提出方法
4-1.郵送するときのマナー
■送付状(添え状)の書き方・テンプレート
履歴書を郵送する際には、「送付状(添え状)」を同封します。

送付状はA4サイズで、以下の項目を記入します。
①日付
郵送する履歴書と合わせて、投函する日付を記入する。西暦・和暦は書類の中で統一する。
②宛名
送り先の会社名・部署名などを省略せずに正式名称で記入する。
③署名
応募企業の宛名より下に記入する。「住所」「氏名」に加えて「連絡先」を記入しておくと丁寧。
④件名
「何の件」に関する書類かわかるように、件名を記入する。
⑤頭語と結語
書き出しは「拝啓」の頭語、締めは「敬具」の結語を記入する。
⑥本文
「拝啓」に続き、簡単な挨拶文を記入する。
⑦同封書類
「敬具」の結語のあとに改行して「記」と記入。箇条書きで同封書類・枚数を記入。 最後は「以上」と記入する。
■封筒の書き方・テンプレート
封筒の表面には、送り先の郵便番号、住所、宛名を省略せずに正しく書きましょう。左下に「履歴書在中」と記載する必要がありますが、はじめから記載されている「履歴書用封筒」の利用が便利です。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を書きましょう。
クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れて、のり付けをしたら、中央に黒いペンで「〆」と記入します。
封筒の色は「白」、サイズは履歴書を折らずに封入できる「角形A4号」か「角形A2号」を選びましょう。

4-2.手渡しするときのマナー
履歴書を直接持参する場合でも、郵送するときと同様に、クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れましょう。持参する過程で、端が折れたり、シワになったり、汚れたりすることを防ぐことができます。
直接手渡しする場合は、郵送するときのように、表面に宛先を記入する必要はありません。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を記入します。
4-3.メールで送付するときのマナー
「履歴書をメールで送ってほしい」と言われた場合は、以下のポイントに気をつけてメールを作成しましょう。
■件名は簡潔に、本文は読みやすく
採用担当者は日々多くのメールを受け取っています。件名は「履歴書ご送付の件/氏名」「幼稚園教諭応募の件/氏名」など、内容がひと目でわかるようにしましょう。本文は適宜改行したり、1行空けたりして、読みやすさを心がけることが大切です。
■履歴書はPDF形式で、パスワードを設定
履歴書は個人情報が書かれた重要書類です。誤送信によって、第三者に閲覧されるリスクを軽減するためにも、履歴書の送り方には十分注意しましょう。
履歴書のファイルは、WordやExcelなどのテンプレートで作成した場合でも、PDF形式に変換して送るのがベストです。それにより、第三者が上書きできなくなったり、レイアウトを保ったまま印刷したりすることができます。
作成→PDFファイルへの変換が終わったらフォルダに格納。zip形式でパスワードを設定・圧縮したうえで、メールに添付。ファイル名は「20200131_履歴書」のように、担当者がわかりやすいものにしましょう。
■パスワードは2通目のメールで伝えるのが正解?
パスワードのかかったzipファイルを送るとき、後続のメールでパスワードを送付することが慣習となっています。しかしながら、このような対策はセキュリティ上、ほとんど意味を成しません。
現在、データ送付にメールを使用しなければならない場合は、「電話」「郵送」「直接会う」などの方法で、担当者にパスワードを伝える方法が最も良いとされています。
履歴書をメールで送付するときの文面例<件名>
履歴書ご送付の件/氏名
<文面>
社会福祉法人○○会 ○○幼稚園
○○○○様
○○○○と申します。
ご指示いただきました履歴書をお送りいたします。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
応募書類には念のためパスワードを設定しております。
パスワードは追ってお伝えさせていただきますので、
ご確認いただけますと幸いです。
お忙しいところ大変恐縮ですが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
———————————–
氏名
郵便番号+住所
電話番号
メールアドレス
———————————–
4-4.封筒はどの提出方法でも必要
履歴書を入れる封筒は、履歴書を郵送する場合、手渡しする場合、メールで送る場合のすべての提出方法で必要になります。
メール送付の場合は必要ないと思う人もいるかもしれませんが、念のため送付したPDFファイルを印刷したものをクリアファイル・封筒に入れて持参するとよいでしょう。
5.(例文)幼稚園教諭のパターン別・志望動機
志望動機といっても、求職者のステータスや受ける園によって、伝えるべき内容は異なります。志望動機にどのようなことを書けばよいか、以下の「パターン別・志望動機」を参考にしてみてください。
以下の例文は、実際の幼稚園教諭の応募・選考における志望動機の印象や面接の結果を保証するものではありません。あくまで参考としてお考えください。
5-1.新卒・未経験者の志望動機サンプル
(例文)
“私が◯◯幼稚園を志望した理由は、外遊びや自然体験を重視した教育方針に深く共感したからです。私自身も幼い頃、自然が豊かな田舎で育ち、友達と泥だらけになって遊んだことをよく覚えています。都会の子どもたちは外遊びが不足していると言われますが、幼稚園教諭として、外遊びや自然体験の楽しさをたくさん伝えたいと思っています。”
新卒・未経験者の場合は、スキルよりも人柄や考え方が重視される傾向にあります。「育った環境や人柄がわかるエピソード」や「なぜその園を志望するのか」というポイントをアピールしてみましょう。
5-2.経験者の志望動機サンプル
(例文)
“私は新卒で入った私立の幼稚園に8年勤務しており、6年目に主任として現場をまとめるリーダーシップを学び、8年目には副園長として園全体のマネジメント業務に携わりました。
御社では園の新規開設にあたり、立ち上げを担う園長職を募集されているということで、今までの経験を活かしながら、新しいキャリアへの挑戦ができると思い応募させていただきました。”
経験5年以上〜10年程度の中堅・ベテラン幼稚園教諭が転職する場合「即戦力であること」「具体的な役職や活かせるスキル」をアピールしましょう。また、今後のキャリアプランを明確にすることで、中長期にわたって働く意欲を伝えることができます。
5-3.異業種(小学校教諭)から幼稚園教諭に転職するときの志望動機サンプル
(例文)
“幼児期を子どもたちと過ごせる幼稚園教諭を志した理由といたしましては、小学校教育の幅広い発達段階に携わった際、豊かな知識や柔軟な思考力を育む幼児期において、自主性を養うことが重要であると強く感じたからです。
小学校でさまざまな児童と接した経験を活かし、一人ひとりに合った保育を目指し、子どもたちと向き合いたいと思います。”
異業種(小学校教諭)から幼稚園教諭に転職する場合、「なぜ環境の異なる幼稚園で働きたいのか」という具体的な理由に加えて、「これまでの経験から活かせるスキル」を書くことが大事です。
▼小学校教諭から幼稚園教諭に転職した女性のインタビューはこちら
幼稚園教諭(30歳)の履歴書・志望動機・面接対策をインタビュー
6.幼稚園教諭の面接対策
幼稚園教諭として就職・転職する際の最終審査となる採用面接。面接の場ではあなたの行動や話し方、立ち居振る舞いなどから、履歴書ではわからない「人柄や考え方」も見られます。ここでは、面接前日の準備、面接当日の流れと注意点、よくある質問と受け答えをご紹介します。
6-1.面接前日の準備
■当日の持ち物・服装・身だしなみをチェック!
当日に慌てることのないように、以下の準備を面接前日までに整えましょう。
point
<持ち物>
・履歴書や職務経歴書などは、クリアファイルに挟んで封筒に入れる。郵送・メールなどで提出している場合でも、念のため書類のコピーを用意する
・履歴書以外に持ち物の指定がない場合でも、筆記用具、ノート、上履き・スリッパなどは最低限持っていくようにする
<服装・身だしなみ>・当日着るスーツが綺麗にクリーニングされているか、シワになっていないか確認する
・靴に汚れが付いていないか確認。時間に余裕があれば磨いておく
・男女ともに爪は短く切る。女性はマニキュアを綺麗に落としておく
▼面接時の服装・身だしなみについては、こちらの記事で詳しく解説!
【スーツ・私服別】医療介護福祉職の面接にふさわしい服装・髪型・メイク・身だしなみまとめ
■幼稚園までの行き方・天候を確認しよう
電車やバスなどの公共交通機関を使う人は、「自宅から幼稚園の最寄駅・バス停までの経路」「最寄駅・バス停から幼稚園までの行き方」を確認しておきましょう。
初めて行く場所で不安な場合は、どのくらいの時間がかかるか事前に下見をしたり、面接会場付近に30分前に着けるように出発時間を決めたりしておくと安心です。
早く着きすぎた場合は、カフェなどで履歴書の最終チェックや身だしなみのチェック、お手洗いなどを済ませ、時間を調整してから訪問しましょう。
また、大雨や雪などの悪天候の下では、高い確率で交通機関が乱れます。当日の天気を確認して、出発時間を早める必要があるかどうかの検討も忘れずに。
■面接のシミュレーションをしておくと安心
持ち物や行き方の確認に加えて、当日役に立つのが「面接のシミュレーション」です。「志望動機」や「幼児教育に対する考え方」など、予想される質問に対する回答を用意しておきましょう。
また、回答が頭の中で整理できていても、いざ面接官を前にすると頭が真っ白になってしまってパニック・・・なんてこともよくあります。
そんなときのために、予想される質問と回答をメモ帳やノートに書き出したり、書き出した内容を声に出して読んでみたりしておくと、落ち着いて面接に臨むことができるでしょう。
6-2.面接当日の流れと注意点
■当日の遅刻は悪印象。遅れる場合は速やかに連絡を
「当日の遅刻」に対する面接官の心象は決してよくありません。前日に調べた時間に出発し、余裕を持って到着できるように心がけましょう。
万が一、やむを得ない事情で遅れてしまう場合は、すみやかに担当者にお詫びの電話をして「現在の状況」「到着見込み時間」を伝えましょう。
■インターフォンを鳴らすのは5分前を目安に
面接会場に到着したら、入り口でインターフォンを鳴らし、面接で訪れた旨を伝えます。面接時間ギリギリに駆け込むのはもちろんNGですが、早すぎる会場入りも避けたいところ。
多忙な幼稚園では、面接担当者も直前まで業務にあたっていることがほとんどです。待たせたり、急かしたりすることがないよう、開始時刻の5分前を目安にインターフォンを鳴らすとよいでしょう。
■スマートフォンはマナーモードに
面接中はスマートフォンの電源を切っておくか、マナーモードにして、着信音や通知音が鳴らないようにしましょう。バイブレーションの音が鳴ってしまうことも、あまり良い印象を与えません。
6-3.面接時のマナー
■話し方や仕草、表情にも気をつけよう
面接中は相手の顔をしっかりと見て、元気よく話しましょう。聞き取りづらい声で話したり、うつむいていたり、ほとんど目を合わせなかったりすると、好感度が下がります。
ふだんは気にしていなくても、他人から見ると、気になる点が1つや2つは出てしまうもの。時間に余裕がある人は、模擬面接の練習などで第3者にフィードバックをもらうことも有効な対策です。
■入退室時のチェックポイント
面接会場への入室時には軽くノックをして、応答が聞こえたら「失礼します」と断ってから入りましょう。部屋に入室したら、軽いお辞儀をして「◯◯◯◯(氏名)です。本日はよろしくお願いいたします」と元気よくあいさつをしましょう。着席は面接官に「おかけください」と勧められてから。先に自分から座ってしまうのはNGです。
面接が終わったら、「本日はありがとうございました」とお礼をしてから席を立ち、ドアの前で「失礼します」とお辞儀をしてから静かに退室しましょう。
6-4.筆記試験・実技試験の有無
園によっては面接の前後に、作文などの筆記試験やピアノなどの実技試験をおこなう場合があります。
作文の試験では与えられたテーマに沿って、自身の考え方を書くケースがほとんど。正しい文章や丁寧な字はもちろん、きちんと構成を考えてから書くようにしましょう。
ピアノは事前に知らされた課題曲を弾く場合と自由曲を弾く場合にわかれるため、幼児向けの童謡などを中心に、何曲かレパートリーを用意しておくとよいでしょう。
6-5.よく聞かれる質問例と回答例
面接対策として、よく聞かれる質問と回答例をご紹介します。これらの例文をもとに「自分ならどのように答えるか」を考えてみましょう。
以下の例文は、実際の幼稚園教諭の応募・選考における志望動機の印象や面接の結果を保証するものではありません。あくまで参考としてお考えください。
質問例「志望動機」
幼稚園教諭の面接に限らず、どの職種でも必ず聞かれるのが「志望動機」です。「子どもが好き」など、どの園にも当てはまる答えではなく、事前にホームページなどを調べて、園ならではの特徴に触れましょう。
回答例
“御社の幼稚園のホームページを拝見した際に、広々とした園庭で元気いっぱいに遊ぶ子どもたちの笑顔が印象に残りました。私も幼稚園教諭として、子どもたちに自然の豊かさや外遊びの楽しさを伝えたいと思い、志望いたしました。”
質問例「幼稚園教諭を目指したきっかけ」
幼稚園教諭を目指したきっかけを聞くことにより、「求職者の人となり」や「保育/幼児教育に対する想い」が問われます。できるだけ具体的な体験を伝えることが大切です。
回答例
“わたしは人見知りな性格で、年少・年中クラスのときはあまり幼稚園が好きではなかったのですが、年長クラスの担任の先生が好きで、幼稚園自体も大好きになりました。
そのような体験から、小さな子どもと関わる幼稚園教諭の仕事に興味を持ち、自分も担任の先生のようなポジティブな影響を与えられる人になりたいと思い、この仕事を目指すようになりました。”
質問例「長所・短所は何ですか?」
この質問では「自分を客観的に見られるか」「短所をどのようにカバーしようとしているか」といったポイントが見られるため、ただの自慢話に終わったり、欠点を述べるだけになったりしないように気をつけましょう。
回答例“私の長所は根気強いことです。ピアノの習い事は幼稚園の頃から10年間続け、市のコンクールで入賞するまで上達することができました。短所は「物事を深く考えすぎてしまうこと」です。慎重な性格のため、動く前にいろいろなリスクを想定してしまうため、考えながらも素早く行動に移せるように意識しています。”
質問例「転職/退職理由は何ですか?」
中途採用の人が必ずといっていいほど聞かれる質問です。「職場の人間関係が悪かった」「残業が多く、給料が少なかった」などの愚痴になってしまうと「大変なことがあったら辞めてしまうのでは」という印象を与えるため、前向きな理由を伝えましょう。
回答例“前職では定員100名の大規模な園に勤めていました。子どもと個々に関わる時間を持つことが難しい状況の中、「もっと一人ひとりとじっくり向き合って保育をしていきたい」と考えるようになり、少人数制の園への転職を決意し、退職することにいたしました。”
質問例「何か質問はありますか?」
いわゆる「逆質問」に対する回答として「とくにありません」はNGです。途中までの受け答えがうまくいっていたとしても「第一志望ではないのかもしれない」と思われてしまう場合もあります。そのため、逆質問を通してその園に対する意欲や自己PRをすることが大事です。
回答例“こちらの園に採用された場合、準備しておいたほうがいいことはありますか?”
“カウンセラーの資格を持っているのですが、園で活かすことはできるでしょうか。”
これらの質問・回答例は、あくまで代表的なものにすぎません。幼稚園教諭の面接では他にも「他の幼稚園も受けていますか?」「前の職場で学んだスキルは何ですか?」など、いろいろなことが聞かれるため、当日慌てることがないように準備しておきましょう。