1.今回インタビューしたのはこんな人

—今日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介からお願いします。
茨城県出身の27歳です。家族構成は、祖母、父、母、姉の5人家族です。
—職歴を教えてください。
新卒入社で有料老人ホームの管理栄養士として約3年間勤務しました。その後、派遣登録して一般企業の管理栄養士として半年ほど働いたあと、同じ会社に契約社員として登用され現在に至ります。
—派遣から直契約になったんですね。
そうですね。派遣の面接時から、将来的に契約社員・正社員として登用してもらえる可能性がある話は聞いていました。
—派遣時代〜現在までの仕事内容は?
特定保健指導をしています。特定健診(健康診断)の結果、保健指導が必要と診断された方に栄養指導をする仕事です。
派遣時代はどちらかというと事務作業が中心で、契約社員になってから栄養指導をメインに担当するようになりました。
—1社目の老人ホームからの転職時は、ほかの会社も見ていましたか?
派遣に登録する前は正職員採用で考えていて、病院2件・クリニック1件を見ていました。
病院1件は見学のみで、もう1件は仮採用までいったんですが、自宅から遠いこともあり辞退しました。
クリニックは書類選考で不採用となりました。
—2ヶ所受けた結果、派遣も検討するようになったんですか?
そうですね。派遣サイトは3つ登録して、結果的に管理栄養士求人が多かったところにいまの勤務先を紹介してもらいました。
ほかの2つは事務系の仕事がメインだったので、登録するだけでほぼ使わず。
—1社目を辞めてからの転職期間は?
1ヶ月くらいです。
—退職意向はいつ伝えました?
最初に上司に伝えてから退職するまで、1年以上かかりました。管理職だったので引き継ぎなどに時間がかかってしまって。
—転職活動で重視したポイント3つを順番にあげると?
1社目の老人ホームは栄養指導がない施設だったので、「栄養指導ができること」。
あとは「土日休み」「未経験可」です。
栄養指導の求人は経験が必要なことが多いので、「未経験可」を希望条件に入れて探しました。
—ありがとうございます。では詳しくお話聞かせてください!
2.管理栄養士の履歴書・職務経歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
—こちらはどのタイミングでの履歴書になりますか?
派遣採用時の履歴書です。
—志望動機がかなり短いですね。

派遣のエージェント経由で複数社に提出する履歴書だったので、個々の会社に合わせて詳しくは書いてないんです。
病院やクリニックを受けたときは、しっかり記入しました。こんな感じです。
(クリニック応募時の履歴書より)
“管理栄養士という資格を活かした栄養指導に取り組みたく就職先を探していたところ御社の求人を拝見致しました。又、糖尿病に特化し、御社のホームページ上では、様々な視点から情報が盛り込まれており、自身のスキルアップが出来るというところにも魅力を感じました。”(履歴書原文より)
—こちらは手書きなんですね。
クリニックは直接提出でしたし、けっこう選考が厳しいかなと思ったので手書きにしました。
—手書きとパソコンの使い分けが面白いですね。この志望動機を書くのに意識したことは?
まず字を丁寧に書くこと。あとは糖尿病をメインに扱ったクリニックだったため、その点を学んでいきたいとアピールしました。
結果的にこのクリニックは書類で不採用になったんですが、未経験だったことも不採用要因だったんじゃないかなと思ってます。
—証明写真はいつ、どこで、どんな服装で撮りました?
病院とクリニックの選考を受けるタイミングで、地元の証明写真機で撮りました。
白シャツを着てジャケットはなし。下は写らないので普段の格好でした。
髪は長かったので、後ろにひとつ結び。メイクは濃くなりすぎないように気をつけました。
—続いては職務経歴書についてです。こちらはいつ提出されたものですか?

これはクリニックに提出したものですね。
派遣用には、これの「自己PR」部分がないものを提出しました。
“現在勤めている株式会社◯◯◯◯のご入居様には、健常者の方も多く、食事に関してのご要望が多く挙げられます。アレルギー食材はもちろんのこと、苦手な食材についても対応するよう心がけています。ただ除去するだけではなく、代替食品等も考え、ご入居者様に満足いただけるような食事作りに取り組んでいます。ご要望があった後、即座に対応できるように取り組んでいるため、ご入居者様からお褒めのお言葉をいただきました。
今後、この経験を生かして御社では、患者様の栄養指導の際には、できる限り患者様のご要望に沿った指導・提案を行うことで、その方が無理ない健康状態の改善を心がけて生きたいと思っております。”(職務経歴書原文より)”
—自己PRで意識したことは?
栄養指導は対象者にあった提案が必要なので、前職で高齢者の状況に沿った対応を心がけた点をアピールするようにしました。
—履歴書・職務経歴書の作成で参考にしたものはありますか?
履歴書は、大学でもらった書き方の資料が残っていたので、それを参考にしました。
職務経歴書の作成は初めてだったので、ネットで調べました。
—知り合いや派遣のエージェントに添削やアドバイスは頼みませんでしたか?
特にしなかったです。エージェントからは「漏れがないのでこのまま提出します」という感じでした。
—エージェント経由で事前提出したと思いますが、履歴書・職務経歴書は面接時に改めて持参したんでしょうか。
念のため、印刷して持っていきました。渡したタイミングは、面接の冒頭にエージェントがわたしのことを紹介したあと。
封筒には入れずクリアファイルにのみ入れて持っていき、渡すときにはクリアファイルから出しました。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

◎パソコンでの作成(良い点)
パソコンで作成することにより、管理栄養士に必要な事務スキルのアピールにも繋がり良いと思います。
①職歴(改善点)・最終行の右側に「以上」と記載しましょう。
②志望動機(改善点)複数社にエントリーする場合でも、どの応募先にも提出できる共通の内容で最低4行程は記載しましょう。あまりにも短い場合、使い回し、熱意がない等、先方に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
③本人希望記入欄(改善点)記載する事項が特にない場合は、「貴社の規定に従います」と記載しましょう。また、連絡をとりやすい時間帯等を記載しておくのも良いでしょう。

④「御社」は話し言葉のため、「貴社」としましょう。
⑤「様々な視点から情報が盛り込まれて〜」の内容を具体的に書けると尚良いです。また、自分のスキルアップ目的だけでなく、自分が入職することで応募先にどのような貢献ができるかアピールできると良いでしょう。

箇条書きで端的にまとめてあり、見やすく好印象です。
⑦自己PR(改善点)・要望実現のために同僚と協力した場合は、その点も盛り込めるとコミュニケーションスキルのアピールができるでしょう。
・食材費・人件費・経費削減などの実績については、「30%削減を達成」のように具体的な数値を記載すると説得力が増します。
・誤字脱字に気をつけましょう。「御社」→「貴社」、「心がけて生きたい」→「心がけていきたい」、「ご入居様」→「ご入居者様」が正しいです。
3.管理栄養士の面接対策

—続いて面接について聞かせてください。派遣採用時の面接内容は?
面接時間は30分くらいで、面接官とエージェントを含めた3者面接でした。
履歴書と職務経歴書の確認を主におこないました。
—具体的には?
「1社目の老人ホームでは、管理職として◯◯人くらいをまとめてました」などの前職での仕事内容についてですね。
面接官からは「派遣から契約社員や正社員になった場合、管理職になる可能性もありますが興味ありますか?」と聞かれたので、「あります」と答えました。
—答えづらかった質問はありましたか?
「うちの社員は自ら勉強して成長していくような、自主性を求められる会社ですけど大丈夫ですか?」と聞かれました。
そこまで深く会社について調べていなかったので、「わかりました」「頑張ります」と答えたうえで、「社員の方はどうやって勉強されているんですか?」と聞くようにしました。
—ほかの逆質問はしましたか?
勤務体制や休日について質問しました。
—面接のときの服装は?
白シャツに黒無地のスーツ(スカートタイプ)でした。社会人になってから洋服の青山で購入したもので、リクルートスーツではないです。
髪型、メイクは証明写真と同じです。
—面接当日の持ち物は?
履歴書、職務経歴書、ノート、筆記用具、ちょっとしたメイク道具と、水。
予備のストッキングは、もし必要になったら買えばいいかなと思い、持っていってません。
病院の面接のときには、臨床栄養の参考書もお守り代わりに持っていきました。

—面接対策では勉強もしたんですか?
クリニックや病院を受けていたときは、テストや面接で問われるかもしれないと思ったので、大学時代に使っていたこの本で復習しました。栄養指導時に気をつけるべきポイントを聞かれたら答えられるように。
ちなみにいまの職場も、派遣の面接時はなかったんですが、契約社員・正社員採用の場合はパソコンでのテスト受験があります。わたしも契約社員に登用されるときに受けました。
「高血圧の方にはどんな指導をすればいいか」など、栄養指導に関する質問に対して、自由記述式で回答するテストです。時間は20〜30分程度でした。
—実践的な内容ですね。ほかにも対策したことはありますか?
あとは言葉遣いなどの基本的なところを、改めて自分で確認したくらいですね。
—面接結果が出るまではどのくらいかかりましたか?
その日中でした。午前か午後一番に面接を受けて、17〜18時くらいにはエージェントから採用連絡の電話がありました。
—はやいですね!その後入社までに準備したことはありますか?
面接の3日後が入社日だったのであまり時間はなかったんですけど、オフィスカジュアル系の服を持っていなかったので、買い足しました。
あとは入社したあとですが、電話対応やExcel作業などの経験がなかったので、本を読んだり自習したりしました。

—転職活動全般で苦労したことは?
1社目では栄養価計算や栄養指導をまったくしなかったので、だいぶ忘れてしまっていて、思い出したり改めて覚えたりするのに苦労しましたね。
—では反対に、うまくいった点は?
派遣を1つの選択肢として考えたのはうまくいったポイントかなと思います。病院・クリニックを受けていたときは正社員で探していたんですけど、栄養指導未経験だったので選択肢や採用枠がけっこう限られていました。
そこで派遣も選択肢に入れて探したらすぐに見つかり、結果的にいまの契約社員登用にもつながったので良かったなと。
—正社員希望だったのに契約・派遣も視野に入れたことに抵抗はありませんでした?
転職活動中に知り合った契約社員の人に「契約・派遣でも時給が高いところを探せば、お給料はそれなりに良い」と教えてもらってから、派遣も考えるようになりました。
求人を見たら都内だと時給高いところも多いですし、これならやっていけるかなと。
その話がなければ、いまでも正社員に絞って探しているかもしれないですね。
—ちなみに転職活動は、前職を退職されたあとから始めたんですか?
退職してからです。
—次の仕事が決まる前の退職に、不安はありませんでした?
当時は実家にいたので出費がほぼなかったですし、まあ見つかるだろうとそんなに焦りませんでした。資格があることも安心材料の1つだったのかなと。
—では最後に、管理栄養士で転職を考えている人へアドバイスをお願いします!
管理栄養士の就職先は広がってきていると思います。病院、介護施設、保育園・幼稚園、学校などの従来的な施設以外にも、一般企業でのレシピ開発や商品開発など。副業やフリーランスでダイエットサポートなどをしている管理栄養士も増えています。
自分のやりたいことに合わせて、どう段階を踏んでいくのかを考えられたらいいですね。わたしの場合は雇用形態の選択肢を広げたことで、希望した栄養指導の仕事に就くことができ、派遣から契約社員にもなることができたので。
—実体験からのアドバイスでとても参考になりそうです!本日はありがとうございました。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎参考書で面接対策していた点はとても良いです!
◎会社について事前研究してから面接に臨みましょう。
◎逆質問では、雇用条件以外にも意欲的な姿勢がアピールできる前向きな質問も用意すると良いでしょう。
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