【初めてのハローワーク】 求人検索・窓口相談の手順、服装や持ち物などの注意点を解説!

一度は耳にしたことがあるハローワーク。名前は知っていても「どんな場所なのかわからない」「行ってみたいけど不安」そう思う人もいるのではないでしょうか。この記事では、初めてハローワークを利用する人向けに、ハローワークの紹介と利用手順や注意点について解説します。

ハローワーク

目次

1. ハローワークとは?

・ハローワークでは何ができる? 誰が利用できる?

「ハローワーク」は愛称で、正式名称は「公共職業安定所」です。「公共職業安定所」を略して「職安」と呼ばれる場合もあります。ハローワークは国(厚生労働省)が運営をしており、無料で利用することができます。

ハローワークが提供しているサービスは大きく分けて「求人検索・就職関連の相談」「基本手当(失業手当)の受給手続き」「職業訓練の申し込み」の3つです。

(1)求人検索・就職関連の相談

ハローワークでは、在職中の方を含めたすべての求職者へ求人情報を提供しています。ハローワーク内のPCで求人情報を検索できるほか、窓口での相談が可能です。窓口では求人に関する質問だけでなく、就職活動の進め方のアドバイスを受けることができます。

(2)基本手当(失業手当)の受給手続き

雇用保険から支給される失業手当は、失業した人が新しい仕事に就くまでの生活費を支援する給付金です。受給には以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • ・ハローワークで求職の申し込みをおこない、積極的に転職活動している
  • ・雇用保険の加入期間が過去2年間で通算12ヶ月以上ある

失業手当については、こちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。
失業手当はいくら、いつからもらえる? 受給条件や申請方法を解説!

(3)公的職業訓練の申し込み

公的職業訓練(ハロートレーニング)とは、キャリアアップや就職のために必要な知識・スキルを無料で習得できる職業訓練制度です。公的職業訓練には以下の2つがあり、それぞれ利用対象者が異なります。

  • ・公共職業訓練…雇用保険の被保険者だった方
  • ・求職者支援訓練…雇用保険の被保険者でなかった方(自営業、個人事業主、主婦、パートタイマーなど)

・どこのハローワークに行っても良いの?

都道府県ごとに各ハローワークの管轄区域が決まっています。1つのハローワークで複数の市区町村を管轄している場合もあれば、1つの市区町村を複数のハローワークで管轄している場合もあります。

「求人検索・就職関連の相談」はどこのハローワークでも利用できますが、「基本手当の受給手続き」「公的職業訓練の申し込み」は管轄内のハローワークでしか手続きができません。管轄内のハローワークは、全国ハローワークの所在案内 よりお住まいの都道府県を選択し、右上の「管轄一覧表」から確認できます。

管轄のハローワーク

・利用できる時間は?

営業時間(開庁時間)は施設によって異なりますが、各種窓口の利用時間は基本的に平日の8:30~17:15です。職業相談や各種申し込みには一定の時間がかかりますので、時間に余裕を持って行くことをおすすめします。

なかには、土曜日平日の夕方以降にも利用できるハローワークがあります。平日の日中に都合がつかない方は、夜間・土曜日に利用可能な施設を、全国ハローワークの所在案内 平日夜間・土曜日に利用可能な施設 から確認してみてください。

・ハローワークインターネットサービスとは?

ハローワークが提供するインターネットサービスを指します。PC・スマートフォンからアクセスでき、以下のサービスを利用できます。

■求人情報の検索

全国のハローワークに登録されている求人を検索できます。

■公的職業訓練の検索

職業訓練の情報を検索できます。

■求職申し込みの仮登録

ハローワークの利用に必要な「求職申し込み」の仮登録が可能です。ハローワークへ行く前に求職情報を入力しておくことで、求職申し込みの手続きをスムーズにおこなえます。
※求職申し込みの仮登録については「求職申し込み手続きを済ませる」をご覧ください。

■求職者マイページの開設

ハローワークでの求職申し込み完了後、マイページを開設できます。マイページでは、求人を検索する条件の保存や、気に入った求人情報の保存が可能です。

■イベント情報の検索

全国のハローワークで開催される面接会やセミナーなどのイベント情報を検索できます。
ハローワークインターネットサービス

・「わかものハローワーク」「マザーズハローワーク」とは?

■わかものハローワーク

正職員就職を目指す35歳未満の求職者への支援を専門におこなう公共職業安定所です。主に次のサービスを提供しています。

  • ・担当制(就職支援ナビゲーター)による個別支援
  • ・就職プランの作成、職業相談、職業紹介
  • ・就職に向けたセミナーやグループワークの実施
  • ・就職後の相談などの定着支援

一般的なハローワークとの違いは、「担当制の個別支援」「就職プランの作成」など就職活動経験が少ない若者向けのサービスを提供している点です。対象年齢以上でも「ブランクがあって不安」「就職活動経験が無くて不安」などの理由でサービスを利用したい場合は、最寄りのわかものハローワークに相談してみましょう。

なお、わかものハローワークがない地域でも、施設内に「わかもの支援コーナー」や「わかもの支援窓口」を設けて同様の支援をおこなっているハローワークがあります。
わかものハローワークの所在地・連絡先

■マザーズハローワーク

キッズコーナーの設置やベビーカー用のスペース確保など、子育て中の求職者に対して利用しやすい環境を整備している公共職業安定所です。主に次のサービスを提供しています。

  • ・担当制による相談
  • ・保育所など、子育て支援に関する情報提供
  • ・子育てと両立しやすい仕事の紹介
  • ・再就職に向けたセミナーの開催

    • 一般的なハローワークとの違いは、「子育てと両立できる仕事を探せる」「子ども連れで仕事を探せる」など子育て中のパパ・ママ向けのサポートが充実している点です。「マザーズ」という名称ですが、男女問わず利用できます。

      なお、マザーズハローワークがない地域でも、施設内に「マザーズコーナー」を設けて同様の支援をおこなっているハローワークがあります。
      マザーズハローワークの所在地一覧

      2. 初めてハローワークに行くときの持ち物や服装は?

      ・持ち物

      ハローワークへ行く目的によって持ち物が異なります。「求人検索・就職関連の相談」のみの場合は、とくに必要なものはありません。念の為メモ帳や筆記用具を持っておくと安心でしょう。

      「基本手当の受給手続き」には、以下のものが必要です。

      • 雇用保険被保険者離職票(1と2)
      • ・個人番号確認書類
      • ・写真2枚(正面上半身、縦3.0cm横2.5cm)
      • ・印鑑
      • ・預金通帳あるいはキャッシュカード(本人名義)

      「公的職業訓練の申し込み」には、まず「求職申し込み」を済ませたうえで「ハローワークカード」を発行してもらう必要があります。その際に必要な持ち物はとくにありません。
      ※ハローワークカードの発行手順は「求職申し込み手続きを済ませる」をご覧ください。

      求職申し込みが済んだあと、「職業訓練が必要か」「必要な場合どんな職業訓練を受けるか」を職員と相談・検討し、希望の職業訓練が決まったらハローワークから貰える「受講申込書」を作成します。受講申込書の作成には写真1枚(縦4.0cm横3.0cm)が必要です。

      なお、受講申込書の作成前に「職業訓練の説明会への参加」や「訓練場所の見学」を勧められる場合があります。そのため、初めてハローワークへ行った際に公的職業訓練の申し込み手続きを完了できない可能性があります。

      職業訓練のコースには申し込みの締切があるため、あらかじめハローワークインターネットサービスでコースと締切日を調べておき、日程に余裕を持ってハローワークへ行くことをおすすめします。

      ・服装

      私服で問題ありません。ただし職業紹介の際に、職員が求職者の印象を企業へ伝えることがあります。実際に面接へ行くときをイメージして、ブラウスやシャツ、スカートやパンツなど、清潔感があり好印象を与えられる服装を心がけると良いでしょう。

      3. 初めて仕事を探すときの流れ

      ハローワークに着いてから求人検索・窓口相談までの手順を3段階に分けて説明します。

      仕事を探すときの流れ

      ・STEP1 | 求職申し込み手続きを済ませる

      (1)ハローワーク内のPC(検索・登録用端末)で求職情報を入力します。
         ※用紙での手続きも可能です。

      (2)相談窓口で、職員に申し込み内容を確認してもらいます。

      (3)「ハローワークカード(ハローワーク受付票)」を受け取り、手続き完了です。

      ハローワークカードとは

      窓口での職業相談や、求人紹介、公的職業訓練の申し込みに必要なカードです。

      • ・有効期限は発行日の翌々月末まで
      • ・求職者登録をしてから2年間のうちは、窓口で何度でも再発行が可能

      PC・スマートフォンから事前に「仮登録」ができます

      ハローワークインターネットサービスにアクセスし「求職申し込み(仮登録)」をクリックすると、事前に求職情報を仮登録することができます。

      仮登録をした場合、仮登録日から14日以内にハローワークの窓口へ行き、本登録を済ませなければなりません。本登録には仮登録時に通知される「仮登録番号」が必要になるので、忘れずにメモしておきましょう。

      ・STEP2 | 求人端末で情報を検索する

      求職申し込みが完了したら、ハローワーク内のPC(求人端末)で、登録されている求人を探してみましょう。気になる仕事を見つけたら、求人票を印刷します。求人票は窓口での相談や応募の際に提出しますので、忘れないように注意しましょう。
      ※混雑時は端末の利用時間や印刷枚数に制限がある場合があります。

      (1)受付で端末を利用したい旨を伝えます。混雑状況によっては番号札を受け取り順番を待ちます。

      (2)案内された端末に「勤務時間」「年齢」「通勤もしくは住込」の情報を入力します。

      (3)続いて「就業地」「職種・分野」を入力します。

      (4)求人情報を見ていき、気になった求人票を印刷します。

      ・STEP3 | 窓口で相談・求人に応募する

      (1)窓口でハローワークカードと印刷した求人票を提出し、応募要件と相違がないか確認してもらいます。求人に関して不明点や不安なことがあれば、相談しておきましょう。

      (2)職員の確認・相談を経て応募を決めたら、応募先へ連絡してもらい、面接を予約してもらいます。

      (3)ハローワークから発行される紹介状をもらいます。

      紹介状とは

      ハローワークを介して応募する際に必要な書類です。選考に関する次の情報がまとめられています。

      • ・氏名
      • ・選考方法
      • ・面接予定日
      • ・応募先の所在地

      紹介状は選考を受ける際に、本人確認のために応募先へ提出する必要があります。原本はハローワークが保管し、求職者は控え(コピー)を受け取ります。

      紹介状をもらったあとは、予約した日時で面接をおこない、応募先の採用フローに従って選考が進みます。

      4. 選考に向けた有効活用

      求人検索や窓口での相談のほか、ハローワークでは就職に関するさまざまな支援をおこなっています。選考フローに合わせて活用してみましょう。

      ・履歴書や職務経歴書の添削

      ハローワークでは、相談窓口にて履歴書や職務経歴書の添削をおこなっています。なお、ハローワークインターネットサービスからも各種書類の作り方を確認できます。

      ・各種セミナーやグループワーク

      たとえば「面接の心構え」など、就職に向けたポイントについて解説するセミナーが各ハローワークで開催されています。

      なお、参加には事前申し込みが必要です。セミナーの内容や申し込み方法は、各ハローワークの公式サイトやハローワークインターネットサービスより確認できます。

      5. 医療福祉の求人はハローワークにもあるの?

      ハローワークにはさまざまな職業の求人が登録されており、医療福祉の求人も数多く扱われています。

      東京都を例にとると、ハローワークに登録されている医療福祉の求人数と求職者数は次の通りです(2020年12月時点 パートを除く)。

      職業 求人数(件) 求職者数(人) 求人倍率(%)
      全職業計 147,357 137,261 1.07
      医師、薬剤師等 471 377 1.25
      保健師、助産師等 4,487 1,642 2.73
      医療技術者 1,879 664 2.83
      その他の保健医療 1,900 908 2.09
      社会福祉の専門的職業 8,361 2,071 4.04
      介護サービスの職業 11,978 2,192 5.46
      保健医療サービス 891 473 1.88
      介護関連 16,132 3,114 5.18

      参考:職種別有効求人・求職状況(一般常用)

      厚生労働省による職業分類

      「医療技術者」の例

      診療放射線技師・臨床工学技士・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・歯科衛生士・歯科技工士など

      「その他の保健医療」の例

      栄養士・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師・義肢装具士など

      「社会福祉の専門的職業」の例

      福祉相談員(ケースワーカー)・福祉施設指導専門員・保育士・ケアマネジャー・医療ソーシャルワーカー・心理カウンセラーなど

      「介護関連」の例

      福祉施設指導専門員、福祉施設寮母・寮父、ケアマネージャー、家政婦(士)、ホームヘルパーなど

      医療福祉の職業は求職者数に対して求人数が多く、「就職しやすい」ことがわかります。

      6. まとめ

      ハローワークでは求人の検索だけでなく、就職に関するさまざまな支援を受けることができます。窓口相談や各種セミナーなど、上手に活用しましょう。登録されている求人の職種も幅広く、医療福祉などの専門的な仕事も探すことができます。

      なおジョブメドレーでもハローワークの求人を探すことができます。「特徴から選択」のフリーワード欄に「ハローワーク求人」を入れて検索してみてください。

      ジョブメドレーを使って自分にぴったりな仕事を探すには?

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