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【在宅医療・介護の仕事】訪問介護歴7年目の現役ヘルパーに聞く、“介護を楽しむ働き方”のコツ

高齢化が進み、医療機関や介護施設から“在宅”へとケアの場を移す動きが起きている昨今。在宅医療や訪問介護の実態はどうなっているのでしょうか? 今回は、デザイン会社から訪問入浴、訪問介護の会社へと転職した男性にインタビュー。ホームヘルパーの仕事内容や働き方を中心に、楽しみながら介護の仕事を続ける秘訣についても伺いました。

ホームヘルパーの働き方 訪問介護歴7年目 工藤さんの場合

1.話を伺ったのは、訪問介護歴7年目の工藤さん

訪問介護員 工藤勇希さんプロフィール

2.訪問介護の仕事内容

取材に応じる工藤さん1
取材は感染症対策に配慮しておこないました

──まず基本的なところですが、訪問介護サービスとはどのようなものか教えてください。

介護を必要とする方が自宅で生活を送れるように、私たちホームヘルパー(訪問介護員)が訪問して、調理や洗濯、掃除などの身の回りの手伝いから、入浴や排泄ケアなどの直接的な介助をおこなうサービスです。

うちの事業所では、スタッフ約14人で常時100人ほどのご利用者さんを担当しています。

訪問先の割合としては、8割が在宅訪問1割が老人ホームなどの施設への訪問。残りの1割は、通院・院内介助のみで利用される方です。

──“ホーム”ヘルパーといっても、自宅以外も訪問するんですね。

そうですね。施設にも介護職員の方はいますが、人手不足が理由でホームヘルパーを依頼される施設もあります。

あと最近は、通院・院内介助の依頼が増えていて。大きな病院ですと病院内にヘルパーがいるのでバトンタッチできるんですけど、小さなクリニックでは私たちが通院から院内の付き添いまでを一貫して担当します。

──利用される方の介護度や年齢層はどうですか?

うちの事業所では要支援の方はお受けしていないので、要介護1〜5の方が対象になりますね。

介護度の割合は1〜5までピンキリで。最初は要介護3だった方でも訪問介護やリハビリが入ったことで要介護1まで改善することもありますし、時間の経過でどうしても重度化する方も多いです。

年代別で見ると、全体の7割が80代以上です。介護保険では原則65歳以上が対象ですが、40歳から64歳で特定疾患を持っている方や、さらに若い方でも障害福祉サービスとして利用される方もいます。私の担当で、20代の筋ジストロフィーの子もいますね。

*筋ジストロフィー…指定難病のひとつで、遺伝子の変異により筋肉の中のタンパク質が正常に作られず、徐々に筋肉が弱っていく病気。

──人それぞれだとは思いますが、サービスの利用内容としては何が多いですか?

基本はオムツ交換などの排泄介助が多いです。

介護度の低い方では、調理や掃除などの「生活援助」だけという方も多いですね。例えば「掃除」から入る利点として、いきなり下のお世話をされるのは羞恥心を抱く方もいる。そこでまずはトイレ掃除から入って慣れていただくことで、排泄ケアへの移行がスムーズにできるようになります。

利用する介護サービスはケアマネさんが作成する「ケアプラン」によって決定するので、定期的に利用者さんの状況にあわせて内容が見直され、最適なプランになるようになっています

*ケアプランに基づき介護サービスが適切に提供されているかどうか、少なくとも月1回以上、利用者の自宅を訪れて確認する「モニタリング」をおこなう。モニタリングの結果ケアプランの見直しが必要な場合は、再修正・再交付する。

──調理に掃除に身体介護まで……支援内容がかなり幅広いですよね。例えば料理できないヘルパーさんはどうするんでしょう。

そこはもちろん本人の得意不得意を加味して訪問先が決まります。調理があるなら主婦歴の長いママさんに入ってもらったり、大柄の方の介助だったら若くて力のある男性ヘルパーに入ってもらったり。

あとは利用者さんとの相性も考慮していて、例えばクレーマー気質のあるお宅だったら、新人じゃなくてベテランスタッフが入るようにしますよ。

──適性や相性を考慮してもらえるのは有難いですね。では、一日のスケジュールを教えてもらえますか?

訪問介護1日のスケジュール

だいたいこんな感じですね。うちの事業所のサービスタイムは8時から19時半までなので、この時間の中でシフトを組みます。

1日の対応件数は、一人あたり7件〜12件くらい。これはかなり多い数字で驚かれます。ほかの介護事業所さんでは、平均5件〜10件くらいが一般的です。

──どうしてそんなに件数を増やせるんですか?

いくつか理由があって。1つは移動距離を短くして、移動時間を減らしていること。他社さんだと片道30〜40分かけるところもあると聞いたことがありますが、うちは遠くても会社支給の電動自転車で片道15分以内に移動できる距離になるよう、シフトと対応エリアを調整してます。

もう1つは、ヘルパー全員が直行直帰OKなこと。朝会や定例ミーティングなどはなく、連絡があるときは基本的にメールでやり取りするので、訪問のたびに事業所に戻る必要がないんです。

あとは介護記録作業を自社開発のアプリで管理できるようにしていて、事業所に戻って手書きの日報を作成……みたいな時間もかかりません。スマホ上で1件1分もあれば記録できるようになっています。

──かなり効率化されてるんですね。それだけ工夫すれば確かに件数は増やせそうです。

あとは「気合い」「プロ意識」もありますね!(笑)うちのスタッフは業界の中でも若い世代が多く、20〜40代が半数を占めてます。それから正社員比率が8割以上で教育体制とマネジメントがしっかりしていて、プロ意識が高いと思います。

他社から転職してきた人だと、「1日に12件はありえない」って最初は考えるんですけど、それは一種の固定観念というか。うちしか経験してない社員にとっては最初から12件が当たり前で、やってみれば決して不可能じゃない。

1日に約10件は多いと感じると思いますが、もちろんただハードなだけじゃなく、メリハリも大事にしています。大変な分、給料は業界水準よりも高めですし、事業所にいるときは比較的自由に過ごせます。空き時間はゆっくり過ごしててもOK。その代わり、外に一歩出たら「私たちはプロだから、プロの仕事をしよう」という考え方です。

──ハードな分のフォローがしっかりされてるんですね。話を戻しまして……1回あたりの訪問時間と、訪問の頻度はどのくらいですか?

1回あたりの訪問時間は、だいたい30〜60分くらい。訪問頻度は多い方だと1日2回、週14回入ります。

制度上は1日最大3回まで入れるんですけど、3回も必要な方は重度な方が多いので、訪問介護以外にも訪問看護や福祉用具貸与などを利用していることが多いんです。そうすると介護保険点数がかさんで保険適用の上限額ギリギリなんですよね。オーバーすると自費になってしまうので、3回まで利用される方は少ないです。

──他職種との関わりはどのくらいありますか?

連携することが多いのはケアマネさんと看護師さんですね。いちヘルパーが直接連絡するのではなく、サービス提供責任者(サ責)を通しての形にはなりますが。

例えば訪問したヘルパーが、利用者さんの身体に新しい傷があることに気づいた場合。まず事業所のサ責にメールで連絡します。そしてサ責からケアマネさんと看護師さんの両方に連絡。基本はFAX、急ぎなら電話でですね。

日常的な処置が必要なら、看護師さんからやり方をレクチャーしてもらうこともあります。例えば絆創膏やガーゼの交換はヘルパーでもできるので、一度看護師さんから教わったうえでヘルパーが日々の交換を担当したりとか。

基本的に一緒に訪問することはありませんが、時間帯が被ることも少なくないです。ケアマネさんが「情報共有できるように、訪問時間を前後で入れておきました!」とかね。

──かなり密接に連携されるんですね。続いて、訪問時の服装についても教えてください!

たぶん珍しいんですけど、うちの会社は制服がなくて、介護に支障のない服装なら何でもOKです。

訪問介護の仕事着
工藤さんの服装はモノトーン中心。「黒い服でも明るく礼儀正しく接してるので気にされることはないです」とのこと

こんな感じですね。夏場以外だとこれにアウトドア系のシャカシャカした上着を着てます。

NGなのは利用者さんを傷つける可能性のあるジッパーが付いた服や、バックルの大きいベルトやアクセサリー。あとはグロテスクだったりドクロ柄のTシャツとかも駄目ですね。

──訪問時の持ち物は?

訪問介護の仕事道具
「疲れないように荷物は最低限にしてます」と工藤さん。支払いはスマートフォンでおこない、お財布も持っていかない

最低限必要なのは、マスク、ゴーグル、使い捨て手袋、ビニールエプロン、アルコール消毒、タオルですね。あとここにないものだと、スマートフォン、ノート、ペン類、名刺、折りたたみ傘も持っていきます。

自分の場合、雨に強い防水のショルダーバッグに入れてます。人によっては、中の荷物が濡れないようにビニールに包んだうえでバッグに入れたりとか工夫されてますね。

ゴーグルは新型コロナウイルスの感染対策で追加されたものです。咳などがあってコロナの感染疑いがある利用者さんに対応する場合は、ゴーグル、エプロン、手袋を必ず着用します。

*2021年4月時点での感染症対策に基づく(参考:厚生労働省|訪問系サービスにおける新型コロナウイルス感染症への対応について

──入浴介助のときの服装はどうするんですか?

「浴着」と言って、水着とか濡れてもOKな服を着ます。着替えは利用者さんのお宅で、入浴介助に入る前に着替えます。

ちなみに大雨や台風のときは、長靴や会社支給のかっぱを着ていきます。なかには一人暮らしなどでケアが欠かせない利用者さんもいますので、そういった場合は悪天候でも気合いで向かいます。

3.介護の世界で働くということ

取材に応じる工藤さん2

──続いて、工藤さんご自身のお話も聞かせてください。デザイナーから介護業界への転職は、どのような経緯で?

2社目のデザイン会社は激務で、なかなか家に帰れない生活を続けていたら体調もメンタルもやられてしまって。「これはやばい」と思って休職してるときに、友人から「運転手の仕事があるんだけど、やらない?」って誘われたんです。それが訪問入浴のドライバーの仕事でした。

働き始めると、「これでお金がもらえるのか!」って正直驚きました。車運転して、浴槽運んで、利用者さんや家族とお話してたら給料がもらえる。デザイナー時代は文字1つ間違えるだけで何百万円の案件がパーになるプレッシャーとか、若手に厳しくてかなりストレスが溜まる環境だったので……。

そうして働くうちに、スタッフさんから「初任者研修の資格を取ったらできることも増えるし、給料も上がるよ」と言われました。お金も大事だし、介護の仕事をやる以上、どうせなら介護福祉士まで取ろうと思って。それでまず初任者研修を受けたんですけど、主催団体が今の会社だったので、修了したあとそのまま転職……という流れになります。

──訪問入浴の会社に戻らず、訪問介護を選んだのはどうしてですか?

訪問入浴だけに限らず、利用者さんの生活をトータルで支援できたほうがいいと思ったんです。とくに訪問は介護の中でも一番難易度が高いと思っていて。新人でも研修はそこそこに、独りで訪問先に行って判断したり対処したりする力が求められますから。

あとは、施設だと基本的に施設の中だけで人間関係が完結してしまいますよね。もちろんそれが合う人もいると思いますが、自分の場合はいろいろな利用者さんのお宅に伺って、社外の人との関わりも多いほうが向いてるなと思いました。

──介護の仕事に就くにあたって、抵抗感やハードルはなかったんでしょうか。

実は自分、潔癖症なんですよ(笑)。だから初めて排泄介助を見たときは「すっげー仕事だな」と正直思いました。でも冷静に考えたら自分だって排泄するし、昔飼ってた犬や猫のトイレの世話もしてたなと思って。あとはもう……慣れですね!

この仕事をやっていると避けられない“死”についても、自分は結構ポジティブに捉えられるタイプでした。「大変な病気なのによく頑張ったよね」「90歳まで生きるなんて大健闘だよね」と、悲しむよりも前向きに考えるようにしています。

──これまで7年間訪問介護の仕事をされるなかで、一番印象に残っていることはありますか?

今も支援を続けている利用者さんなんですが、さっきお話した20代の筋ジストロフィーの男の子との関係ですね。知り合った当初はまだ学生さんで、手も指もよく動いてて。毎日のように訪問して、時には9時間かけて通院介助したり、一緒に買い物に出かけたりして、兄弟みたいな感覚って言ってもいいくらいです。

彼のお母さんとは、初めのうち接するのにすごく気を使いました。やっぱり難病の子を持つ親として他人にはわからない葛藤があるんだと思います。でも頻繁に訪問してお母さんとも打ち解けることで、お母さん自身も気持ちが楽な方向に変わられていったことは嬉しかったですね。

最近は病状が進んで訪問介護よりも看護の回数が増えてきたので、会う頻度は減ってきました。今後も病気が進行していく以上、自分でもちゃんと線引きしないとと思ってます。気持ちが入りすぎて仕事の域を越えて関わりそうになってしまうので。

──そんなに深いつながりもあるんですね……。今の工藤さんからは、訪問介護の仕事にとても誇りを持っているのが伝わってきます。仕事にやりがいを感じるようになったのはいつからですか?

自分で言うのもなんなんですが、ヘルパーの仕事を通じて「自分結構仕事できてるじゃん」って思えたときですね。デザイナー時代は怒られることが多かったんですけど、介護では褒められることも感謝されることも多くて。性に合ってるんだと思います。

介護の世界はなんというか、いろんな人が助け合ってる“村”みたいだと思っていて。ヘルパーはもちろん、ケアマネさんや看護師さんたちも巻き込んで利用者さんのために何ができるかを考える。一見すると普通のママさんとかやんちゃな兄ちゃんに見えても、仕事を始めるとみんなプロとして仕事をする。ケアの方向性を巡って議論するときもあって、そういうことができるのはすごくいい環境ですよね。

あとは単純に、利用者さんとの会話が楽しいです。時には人生相談に乗ってもらうこともあって……「この前彼女と別れちゃったんですよね」「そんな女やめとき!」みたいな(笑)。

──利用者さんから好かれそうなイメージ、すごくわかります! でも今の世の中、工藤さんのように楽しんで働ける方ばかりではないとも思うんです。

そうですね。業界を見れば大変な思いをしながら働いてる人は少なくないです。

私が仕事を楽しめてるのは、介護以外の世界も持っているからだと思います。実は今でもデザインの仕事を本業に支障のない範囲で続けています。Tシャツやバッグを作って販売したりとか、アーティストのCDジャケット制作を友人から頼まれてやったりだとか。

介護職とフリーのデザイナーの二足わらじってバランスがいいんですよ。デザインは収入もまばらで不安定だけど、介護は食いっぱぐれない安定感があるというか。片方じゃ足りない部分をお互いに補い合ってる感覚です。

うちの事業所のスタッフを見ても、介護一本じゃなくて趣味や個人活動でなにかをやっている人は気持ちも安定していることが多いと思います。

──介護以外にも別の居場所を持つことが、無理なく続ける秘訣なんですね。では最後に、気になるお給料についても教えてもらえますか?

モチベーションを保つのにお金も大事ですよね。自分の場合は役職と資格手当も入って、月収35〜40万円くらいで、ボーナスはだいたい月給の1ヶ月分を年2回支給されます。たぶん業界水準からすると結構もらってると思います。

ボーナスの一部は、処遇改善加算として国から出ています。ちょっと下世話かもしれませんけど、これからも介護職の処遇改善は進んでいくはずなので、これから介護職に就こうと考えてる方は期待していいかもしれませんね。

取材に応じる工藤さん3

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